尖閣防衛戦が導く国軍復活…中共治安当局の大失態

一夜で“全公演中止”となったシナ官製暴動。そこには北京治安当局の大失態があった。一方、尖閣防衛戦は長期戦の様相を帯び始めた…西の海と空を護るため、海自・空自の総力を結集する時が来た。
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中共海軍の艦艇2隻が尖閣周辺海域に展開していることが初めて明らかとなった。2隻が進出したのは、尖閣諸島の北北西80マイル=約150㌔の距離。かなり接近している状態だ。

情報ソースは複数の政府高官で、2隻は9月19日夕方から同じ海域に停まっていることを確認した。産経新聞やFNN・ANNは、2隻の艦艇がともにフリゲートであると報じている。
▼中共海軍のフリゲート(提供:統幕監部)
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「接続水域外についても、中国の船舶の動向は関心を持って情報収集を行っている」

官房長官の藤村修は20日の会見で、そう述べただけだった。通常の中共海軍の行動範囲であれば、隠す必要はない。この動きに全く触れないメディアも多く、逆に不穏な印象を抱かせる。
▼魚釣島北150㌔の支那漁船9月21日(読売)
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その中、商社系の海外情報を取り扱うサイトは、展開する2隻について、より具体的に伝えている。1隻はジャンウェイ級フリゲート、もう1隻はルーヤンⅡ級ミサイル駆逐艦だという。
▼ルーヤンⅡ級ミサイル駆逐艦(file)
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ルーヤンⅡ級(蘭州級)は、最新の長距離捜索用レーダーやVLSを備え、“中華版イージス”とも呼ばれる防空駆逐艦だ。ジャンウェイ級も対潜ヘリを艦載する汎用フリゲートである。
▼ルーヤンⅡ級の回転式6連装VLS(資料)
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今年6月には、このジャンウェイ級フリゲートとルージョウ級駆逐艦が補給艦を従えて大隅海峡を通過。追跡する海自艦艇の目の前で、艦載ヘリの離発着訓練を強行している。
▼ジャンウェイ級のヘリ訓練6月(統幕)
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また香港メディアは、米偵察衛星が尖閣海域近くで中共海軍の攻撃型原潜をキャッチしたと報じた。敵海軍の動きは詳細不明だが、海自側はP-3C、OP-3が完璧にマークし、そうりゅう型潜水艦が展開しているはずだ。

侵犯を繰り返した武装監視船など中共海軍傘下の艦艇は、20日までに15隻規模に膨れ上がった。それでも海保が想定できる範囲内である。今回、海保は巡視艇50隻規模という史上最大の作戦を遂行中だ。
▼尖閣沖の巡視船「くにさき」9月21日(共同)
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しかし、早くもチキン・モードの男がひとり居る…

【屠殺鬼を追い詰めた野田官邸】

「一定のハレーション・摩擦は起こるだろうと考えたが、規模であるとか想定を超えている」

問責総理は19日夜のテレビ番組で、そう言い放った。大失言だ。内閣が一発で吹き飛んでも不思議ではない。自衛隊の最高指揮官でもある首相は、あらゆる事態を想定していなければならない。
▼代表選に臨む野田佳彦9月21日(産経)
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この発言は、尖閣3島国有化に伴う対支シミュレーションが誤っていたことを自供するものだ。「失敗した」と国民に向けて宣言したに等しい。更に野田佳彦は、こうも語っている。

「再三いろんなルートを通じて説明してきたが、十分理解されなかった」

ついに首相までが中共と事前調整してきたことを認めたのだ。いわゆる尖閣処理の“秘密交渉”である。自分が努力したことを強調する一方で、交渉相手の立場を何も考えていない。
▼屠殺鬼とコンタクトする野田(AP)
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野田官邸と中共指導部のウラ取り引きとは、「国有化」と「無人島化の徹底」である。中共にすれば無人島化が、偽装漁民による尖閣占拠の前提条件だ。次のステップに向けて損な取り引きではなかった。

「日本政府による島の購入が、東京都の石原知事による購入を阻む唯一の方法だ」

9月8日のAPEC日支外相会談で、玄葉外相がそう語っていたことも明らかになった。これでは中共指導部が、尖閣諸島を我が国の領土と認めたうえで取り引きしたと受け取られかねない。
▼ウラジオ訪問中の玄葉外相9月5日(共同)
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胡錦濤にとっては致命的だ。既に中共は、尖閣諸島が「核心的利益」であることを表明している。核心的利益とはチベット・東トルキスタンと同じく、絶対に譲れない侵略地なのだ。

「今、チベットで一歩でも退いたとしたら、われわれは民族の罪人となってしまい、第二の秦檜(しんかい:南宋の宰相)や汪兆銘になってしまう」
参照:平成20年3月21日エントリ『胡錦濤 チベット血の履歴書…89年ラサ大虐殺指令』
▼スイスの反胡錦濤デモ2008年(AP)
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1989年3月7日夜、ラサ戒厳令を決めた胡錦濤は、緊急幹部会議の席で、そう発言した。売国奴の汚名を被るか否か…その23年後、屠殺鬼は“尖閣処理”で同様の瀬戸際に立たされたのである。

選択肢はひとつ、強硬姿勢だ。ところが、第一段階の官製デモ攻勢は、意外な場所で取り返しのつかないミスを犯した。

【大使は簡単に謀殺できます…】

「抗議活動は一段落した。大使館地区を再び訪れて抗議活動を行ってはいけない」
▼大使館前に集まる武警幹部9月20日(共同)
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北京市当局は携帯のSMSで、一部市民に通知した。また複数の中共公安筋も「デモ禁止・完全阻止」の方針を一斉に流した始めた。これを受け、拡声器役の我が国のメディアが「沈静化」と大きく伝える。

元栓を閉めればピッタリ止む…それが官製デモの証拠だが、驚くほど一瞬で終わった。今週末に散発的なデモが準備される可能性もあるが、青島大暴動の再来はない。9月18日が千秋楽だった。
▼デモに向う武警の私服組と隊服組(大紀元)
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工場放火や高級品強奪に内外から批判が高まった為ではない。この期に及んでも野田政権は強く抗議しなかった。我が国による外交圧力とか努力とかが功を奏したのではないのだ。

9月18日夕方、北京の公安当局を震撼させる事件が起こった。舞台となったのは米国大使館前の路上。しかも決定的瞬間を収めた鮮明な動画も残されていた。
▼左折できず米公用車はゲートで立ち往生
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在北京の米国大使館は、日本大使館から西へ約300㍍程の場所にある。黒塗りの公用車がゲートに入る直前、官製デモのエキストラが通りかがった。これ以上ない抜群のタイミングだ。

約40人のシナ人は、何か叫びながら公用車を取り囲む。立ち往生だ。そこにシナ人グループを全力疾走で追って来た武警部隊が到着。それでも混乱は治まらない。
▼シナ人に包囲された米公用車
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しかも公用車に乗っていたのは、ゲーリー・ロック大使だった。つまり、北京駐在の米政府関係者の中でも、最も高いセキュリティが要求される人物だ。丹羽のケースと同じく、銃器があれば命も危うかった。



公用車は傷付いたが、星条旗も奪われず、大使も無事だった。だが、治安当局の大失態である。そして、一部始終を映した動画も素早くネットにアップされ、言い逃れも出来なくなった…

翌19日、CNNはこの米公用車包囲の映像を繰り返し報じていた。駐リビア米大使爆殺に始まった米国の在外公館襲撃で、敏感になっている最中。そこで不逞シナ人に過激派ムスリムのイメージが重なる。
▼凶器手に暴れるシナ人9月15日
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これは、エリアの担当幹部が南モンゴルの別荘に移住するだけでは済まない。北京公安当局の上層部どころか、公安部門の党トップまで責任を問われるレベルだ。中共指導部も色を失っただろう。

この日は、米国からオバマ大統領の“特使”が北京を訪れていた。

【外交まで米国に丸投げの荒野】

国有化の決定直後、北京で日支局長級会合が開かれたが、何も進展なく、車に押し込まれて終了。その後、次官級会合を模索することも特使派遣もなく、形式的な抗議を発表するだけで1週間が過ぎ去った。
▼局長級会合を終えた杉山局長9月12日
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水面下で誰か動いている…と常識では考えるが、違う。民主党には高度な土下座テクニックを誇る野中広務も河野洋平も加藤紘一もいない。親中派代表の岡田克也は、現地のジャスコがボロボロだ。

結局、米国に外交をほぼ丸投げする格好となった。余りにも情けない。米国のパネッタ国防長官が日本・シナなどアジア太平洋3ヵ国の歴訪を発表したのが9月13日。中共の強硬発言が相次いだ直後だった。
▼緊急来日したパネッタ長官9月16日(AP)
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歴訪スケジュール発表の翌々日、アンドリューズ空軍基地を発ち、9月16日夜、横田基地に降り立った。そして17日に森本防衛相・玄葉外相と会談する。歴訪最大のテーマは、尖閣問題だ。

ところが、既存メディアの報道は、MV-22オスプレイの話題一色。尖閣関連では、防衛相会談後の共同会見でパネッタ長官が記者質問に答えたケースなどベタ扱いだった。
▼森本・パネッタ会談9月17日(代表)
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余談だが、最近流行の「大局オチ」乱用者は、なぜオスプレイの騒動で「日米関係の大局」を主張しないのか? まあ、これで連中が「大局」に込めた意味も検討がつく。問題を矮小化して無視することだ。

「平和的な交渉による解決を望むが、我々は更なる措置を取る権利を有している」
▼パネッタ・梁光烈会談9月18日(AP)
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北京入りしたパネッタ長官との会談で、中共の国防部長・梁光烈は強硬な態度を示した。国防責任者が言う「更なる措置」は、武力行使の別表現で、まともな国家なら開戦前夜の局面にしか使わない。

【“尖閣衝動買い”で国軍復活に道】

パネッタ長官が梁光烈と会った場所は、北京中心部から離れた「八一大楼」。時間は18日の午前。米大使カーの包囲事件の頃には、大使館内にいたと考えられる。中共治安当局にとって2重の大失態だ。
▼青島を訪問したパネッタ長官9月20日(AFP)
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そして翌19日、長官の前に現れたのは、習近平だった。さりげなく唐突な出現だ。2週間の失踪期間中、パネッタ長官との会談スケジュールは話題に昇っていなかった。しかも習近平は、尖閣問題で吠えた。

「日本国内の一部政治勢力が茶番を演じている」
▼米長官を迎える習近平9月19日(AP)
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この一部には、野田政権も含まれる。外務省などはパネッタ会談の中身をリサーチ中だろうが、野田佳彦の退路は断たれた。習近平の劇的な登場で、UN総会期間の日支首脳会談は現時点で空気化した。

尖閣国有化をめぐる対立は、これで中共の次期政権に引き継がれることが確実になった。首相官邸の尖閣“衝動買い”も、支払いは分割で新たな内閣に任される…



長期戦の始まりだ。持久戦、神経戦の始まりだ。その最中に我が国は政治空白の時期を迎える。メディアは政権交代の不安を煽りまくるだろうが、元から国防の最戦前には一瞬の空白もない。

海自・空自の幕僚長が実質的な指揮権を握り、隷下の総力を結集する時が来たのだ。「防衛力」だけで、どこまで優位に立てるのか…自衛隊の存在意義が真に問われる時が来た。
▼夜明け迎えた魚釣島8月19日(産経)
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尖閣死守を掲げた運命の防衛戦。西の果ての海と空を完全に護り切るのだ。それが国軍復活への花道となる。



最後まで読んで頂き有り難うございます
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【side story】
~21日晩追記~

米大使カー包囲の動画について、21日夕方、新しい情報が入りました。撮影したの著名な反体制アーティスト・艾未未(がい・みみ)氏。9月18日、友人宅を訪れていた時にビデオ・カメラを回したと明かしています。

AFP9月21日『反日デモは「中国当局が仕組んだ」、美術家の艾氏発言』
(↑西村幸祐さんのツイートで知りました)

本エントリは、アップする前に以下のセンテンスをカットしています。

「この包囲映像を観光客らが偶然撮影したとは思えない。人の顔まで認識できるフルHD動画なのは今や普通だとしても、私語も挟まず、ズームも正確。冒頭でアイリス調整に失敗してるだけだ。

 それよりも、米国大使館を見下ろす建物から撮影しているのが気に掛かる」


世界各国どこでも、米国大使館の周りは厳重監視エリアで、敷地を見下ろすホテルの出入り客をチェックするのはもちろん、マンションの一室を正体不明の人物が借りることも難しいはずです。テロ予防策を超えた過剰な警戒ぶりで、東南アジアのとある首都では、ビル1棟を丸ごと米政府が買い上げたなんて話もあります。
▼艾未未氏(CNN)
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艾未未氏は米国生活が長く、大使館前の高級コンドミニアムに住む友人がいても不思議ではありません。それにしても、偶然撮影したとは…米情報当局が関与してたとしたら、シナ人エキストラや大使公用車側と緊密に連携していたことになるけれど、あのタイミングは絶対に計算できないし…そんな感じで、中途半端な謎掛けになるのと、米大使館周辺の詳細マップがなかったことから「撮影者の謎」に絡む部分は没にした次第です。

参照:
防衛省HP9月17日『日米防衛相共同記者会見概要』
統合幕僚監部HP6月23日『中国海軍艦艇の動向について』(PDF)

参考記事:
■産経新聞9月21日『中国の軍艦展開にAWACS投入 露偵察機も現れ二正面作戦』
■FNN9月19日『中国海軍のフリゲート艦2隻、尖閣諸島の北北西約150km海域に展開』
■産経新聞9月20日『尖閣北方に中国軍艦2隻 周辺での中国軍の活動判明』
■新興国情報9月20日『中国海軍、尖閣沖に艦艇2隻展開』
■ANN9月20日『中国監視船10隻航行 海保巡視船で警戒強め』
■ WSJ9月19日『米大使の公用車を中国人デモ隊50人が包囲』
■毎日新聞9月17日『日米防衛相会談:米「日中対立懸念」 領有権問題関与せず』
■時事通信9月19日『中国特使も検討=反日デモ「想定超えた」-野田首相』
■WSJ9月18日『パネッタ米国防長官が日中に冷静な対応呼びかけ―尖閣問題で』

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