官製暴徒がウルムチを蹂躙…ウイグル人抹殺計画の実景

夫らが連行された女性達が取材陣に涙ながらに直訴した。一方、中共治安部隊に守られた漢族の官製暴徒はウイグル人抹殺を連呼して商店を襲撃。民族浄化の恐怖がウルムチを覆い始めた。
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「ウイグル族を殺せ」

大虐殺の舞台となった東トルキスタンの首都ウルムチで7月7日午後、ウイグル人の抹殺を叫ぶ漢族の集団が市中心部で暴れ回った。その規模は軽く1万人を超えると報道されている。

集まった漢族は、鋭い刺の付けたスティックや鉄パイプ、バットといった凶器を携え、暴言を吐きながらウルムチ市内を白昼堂々と行進。ウイグル人経営の商店やレストランを次々と襲撃した。
▼刺付きスティックを構える漢族(AP通信)
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“官製暴徒”である。

2005年に上海で日系商店を襲撃した暴徒集団とは、人的規模も凶器のレベルも違う。完全な武装市民の大群だ。自然発生的な抗議ではなく、当局の認可を受けた集団行動だったことは明らかだ。
▼棍棒を持って走る漢族の男(AFP)
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2日前のウイグル人大虐殺後、ウルムチ市内は中共武装組織が、ほぼ全域に配置され、厳戒態勢が整っていた。いわば完全鎮圧である。それは国際メディアが配信した6日の写真からも判る。
▼大通りを封鎖する武装警官隊7月6日(ロイター)
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しかし、凶器を手にした漢族の大群は、武装警察部隊の検問所を突破し、目抜き通りを埋め尽くした。自動小銃で武装した治安部隊を押しのける事は、何者でも不可能だ。

官製暴徒である証拠写真がある。
▼ウイグル商店を襲撃する漢族(AP通信)
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写真の左端上部に、武装警官が映り込んでいる。両手で構えているのは銃器だ。そして、その武装警官は、至近距離で繰り広げられている狼藉には眼もくれず、なぜか、別の方向を監視している。

まるで暴れる漢族を護衛しているかのようだ…

7月5日のウイグル人の平和的な抗議は銃弾を浴びたが、7日の漢族による武装デモは何のペナルティも科されず、逮捕者も報道されていない。
▼被害者と主張する漢族の実像(AFP)
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これが中共に軍事占領された東トルキスタンという占領国家の現実だ。

【異民族に乗っ取られたウルムチの戦慄】

鉄パイプを持った漢族の1人はAFPの取材に対して、こう答えた。

「ウイグル人は我々の地区へ来て物を破壊した。今度は我々が彼らの地区へ行き、打ちのめす番だ」
▼大通りを埋め尽くす漢族の群れ(ロイター)
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一部がすり抜けたものの、ウイグル人居住区の手前で漢族の大群は、あっさり停止。破壊活動はそこでピリオドを打ったが、これも武装抗議が官製だったことを裏付けている。
▼凶器を携え武装警官の隊列を突破(AP通信)
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読売新聞の取材に対し、漢族の若い男性は5日夜からナイフを携帯していることを告白。さらに、こう息巻いたという。

「あいつらがまた何か起こしたら、これで刺すためだ」

男性ばかりではない。アルジャジーラの記者は漢族の少女までもが棒を手にしている現状を報告している。中共当局は、漢族に対して凶器の所持を認めているようだ。しかし、ウイグル人が凶器を携行していれば、検問で厳しくチェックされ、即座に拘束されるのは必至。
▼周囲を威圧する漢族の女7月7日(ロイター)
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現在、ウイグル人は非常に危険な状態に置かれている。非ウイグル人で編成された複数の治安部隊に加え、決して逮捕されない漢族の武装市民…外敵に完全包囲された状況下にある。

シルクロードのオアシスだったウルムチは、中共の軍事制圧後、漢族が増え続け、今やウイグル人は25%にも満たない。もちろん自治区とは名ばかりで、司法・行政機関も全て漢族に支配されている。
▼凶器を手に平然と歩く漢族7月7日(ロイター)
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チベット同様、中共植民地の人々が、自らの声を届ける先は極めて限られているのだ。そうした苦しい状況に置かれたウイグル人の訴えが、ごく一瞬、表面化したシーンがあった…

【女性は夫の捜索を取材陣に願い出た】

漢族による官製狼藉に先立つ7日7日午前、中共当局はウルムチ入りを許可した海外メディアを掻き集めて、市内ツアーを敢行した。破損被害などがあったエリアを巡るバスツアーである。

だが、そこで中共当局が予想していなかった出来事が発生した。
▼取材陣に訴えるウイグル女性7月7日(AP通信)
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海外メディア一行を詰め込んだバスの到着を知ったウイグル人住民が、取材カメラの前に集まったのである。その数は、女性を中心に200人を超えた。

目的は、自分達の生の声を海外のメディアに届ける為だ。彼女達は、中共の厳しい情報管理を誰より肌身で知っている。千載一遇のチャンンスなのだ。そしてカメラの前で彼女達は口々に訴えた。
▼泣きながら訴えるウイグル女性達(AP通信)
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「連行された家族を返してほしい」

「下着のまま連行していきました。いまだに釈放されていません」

▼取材陣に証言するウイグル女性(FNN)
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「武装警察部隊は男を裸にし、首を足で踏みつけた。体に傷が少しでもあると暴動に参加したとして連行していった」

「60歳の女性も殴打された」

「武装警察部隊は足に向かって発砲した。女性に向けても撃った」

▼カメラ前で号泣するウイグル女性(AP通信)
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懸命の訴え、真実の言葉である。夫や息子などが拘束されたまま、連絡が取れなくなっているウイグル女性が、これほど多くいるのだ。カメラの前で当局を批難すれば、それが証拠となって二次的な被害を受ける。

それを理解しながら彼女達は、もう二度とない機会と知って、訴えたのである。その中には、涙ぐみながら、夫のIDカードを記者に差し出す女性の姿もあった。
▼IDカードを渡して訴える女性(アルジャジーラ)
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■女性達の声を伝えるアルジャジーラの映像

メディアは、こうした生の声、決定的な証言にこそ、重きを置かなければならない。悪しき参考例として、朝日新聞の該当記事をあげておこう。

参照:朝日新聞7月7日「ウイグル族に殺された」漢族が抗議デモ 新疆の騒乱

「武装警官ともみあいになった」と文末に短く書いているだけで、ウイグル女性の必死の証言はネグっている。今回もまた、銃口の後ろ側に立つ報道スタンスであることを物語っている。
▼悲痛な表情で抗議するウイグル女性(AP通信)
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中共当局のフィルターを通した情報などは聞くに値せず、プロパガンダ拡散に加担するだけの犯罪行為である。一方、抗議の声を僅かでも発したウイグル人は、無事、帰宅することなど出来ないのだ。

【カメラ前直訴だけでウイグル人を拘束】

突発的に起きたウイグル女性達の必死の訴えに、バスツアーの催行者は動揺。また周囲を取り囲んでいた迷彩服の武装警察隊も傍観する一方だった。

だが間もなく、黒ずくめの別の部隊が現場に出動し、取材陣はバスに押し込められたという。本当の意味での取材活動は、わずかな時間だったのだ。
▼失神者を取り囲むウイグル女性(AFP)
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記者達は、その夜、当局が用意した高級ホテルの部屋で寝ることが出来ただろう。しかし、現場で声をあげたウイグル人の中には、自宅に戻ることが叶わなかった者もいた…

証拠写真がある。
▼警官隊に詰め寄るウイグル人(AP通信)
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現場で声をあげた女性達に混ざって、黄色と黒の柄のポロシャツを着たウイグル人の男性の姿があった。上の写真の左隅にいる人物だ。ところが、声をあげた後、彼が連行される姿がキャッチされている。
▼連行されるウイグル青年(AP通信)
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いったい彼は何の容疑で拘束されたのか?2つの写真は、同じAP通信が配信したものだが、拘束の経緯は説明していない。多くのカメラが見守る中、警官に暴行を加えた可能性はゼロである。

ここから解るのは、治安当局に抗議しただけのウイグル人男性が拘束される一方、凶器を手にして暴れる漢族たちが逮捕されていないという事実だ。
▼金属棒を持って平然と歩く漢族7月7日(ロイター)
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現地入りしたメディアは、これ程、はっきりした矛盾に気が付かないのか…その眼は完全に節穴である。更に、現地入りした我が国のメディアが伝えていない大きな矛盾も存在する。

【甚大な被害を受けたウイグル人居住区】

抗議の声をあげた女性達は、近くに暮らす住民だとリポートしている。その時、取材ツアーの巡回バスが入ったのは、ウイグル人の居住エリアだったのだ。NNNは、こう伝えている。

「地元政府は7日午前、封鎖されている暴動現場に外国メディアを案内した。ウイグル族の住む地区で、自動車の焼け跡などが生々しく残っていたが、落ち着いた状況だった」
▼炎上した車両の残骸7月7日(NNN)
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それらは7月5日に被害を受けたものだという。なぜ、ウイグル人居住地に狼藉の痕跡が残っているのか?メディアには、この物的証拠を合理的に説明し、詳しく検証する責務がある。

中共当局の発表では「7月5日にウイグル人が暴徒化して漢族の商店などを焼き討ちした」と被害を強調。CCTVの編集動画も漢族の被害ばかりをクローズアップしている。

真実は中共側発表のまったく逆であると心得ておくべきだ。
▼当局のガイド付きで取材する報道陣(ロイター)
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混乱に乗じて漢族の暴徒と治安機関がセットになって、ウイグル人を大量に殺戮し、男性を中心に軒並み拘束した疑いが濃厚である。取材カメラの前で、あるウイグル女性は、こう証言していた。

「(周辺一帯で)300人ほどが連行された」

ウルムチ全体では、果たして何百、何千人に及んでいることか…そして、虐殺されたウイグル人はいったい何人に上るのか。
▼抗議の声をあげたウイグル人7月5日
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「世界ウイグル会議」の幹部は7日、犠牲者について「840人」と語った。現地調査する術はなく、あくまでも入手情報を元にした推定数だが、決して多過ぎるとは思えない。

一方、中共外交部の会見を垂れ流すだけの我が国のメディアは報じなかったが、「世界ウイグル会議」総裁のラビア・カーディルさんは7月6日、ワシントンD.C.で緊急会見を開き、国際機関が真相を調査するよう切々と訴えた。
▼緊急会見したラビアさん7月6日(AFP)
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昨年のチベット同様に、国際機関が無視することは許されない。また、「内政干渉だ」と突っぱねる中共の戯言に付き合っている時間的な余裕もない。

たかだか半世紀前に侵入してきた異民族が、ウイグル人の最大の都市を乗っ取り、公然と武装したうえで「抹殺」を叫んでいるのだ。

これは民族浄化プログラムの最終局面である。


  〆
最後まで読んで頂き有り難うございます
クリック1つが敵に浴びせる銃弾1発となります

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【7月8日追記】
AFPのカメラが漢族によるウイグル人への集団暴行の瞬間を撮影。その動画を日本時間8日夜に公開した。現在、YouTube上のAFPページで見ることができる。

YouTube=AFP『Han Chinese mobs attack Uighur man』

現場はウルムチ市内で撮影日は7月8日。
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状況報告によれば、漢族に追われた3人のウイグル人のうち1人が逃げ切れず、集団暴行の犠牲になった。近くにいた警官が間もなく制止したが、暴行を加えた漢族を拘束する様子はなかったという。

AFPは時事通信と契約していることから、日本のメディアがこの映像を掲載、また放映することは可能である。

参考記事:
■真silkroad?『7月6日ラビア・カーディル記者会見、ナショナルプレスクラブ』和訳
■産経MSN7月7日【ウイグル暴動】主張は真っ向対立 共産党支配への抗議広がる可能性も
■AFP7月7日『ウイグル暴動、漢民族1万人が「復讐」訴えデモ行進』
■AFP7月7日『亡命ウイグル人組織議長、国際社会に暴動調査を要請』
■共同通信7月7日『新疆で漢民族数万人がデモ  暴徒化、ウイグルと対立激化』
■時事通信7月7日『暴動で「840人死亡」=世界ウイグル会議』
■読売新聞7月7日『漢族、ウイグル族の対立深刻化…暴動の中国・ウルムチ』

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