万景峰号“追放”に順風吹く…工作船は帰国船となれ

工作船=万景峰号の入港に再び規制が掛けられた。金日成誕生日直前の決定だ。一方ソウルでは脱北者が独裁者の豪華別荘を暴露。その金王朝を支えてきた万景峰号の本来の役割とは何か?
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対北制裁の継続に“順風”が吹いた。

政府は10日朝、日本独自の対北朝鮮制裁の半年間延長を閣議決定。13日の期限切れを目前にしての措置継続発表だった。

延長が決まった制裁措置は2項目。

:北朝鮮船舶の入港禁止
:全ての北朝鮮産品の輸入禁止


また在日を除く北朝鮮籍所有者の原則入国禁止は期限を設けずに継続される。

これらの措置は、北朝鮮の核実験宣言を受け、昨年10月14日に半年間の期限付きで発動されたものだった。半年間のタイムリミットを設けた制裁措置をめぐって、安倍政権は危うい局面に立たされていた。

2月の6ヵ国協議合意を受け、北朝鮮が順調に核施設の封印などを行い、雪解けムードが進んでいれば、我が国は単独制裁の延長発動で極めて難しい立場に追い込まれていたはずだった。

4月14日までの合意履行リミットと独自制裁の期限はほぼ重なっていたのだ…

BDA問題に拘った北朝鮮の不誠実な態度は、我が国にとって“まさか”の追い風になった。その点では実にラッキーである。

10日午前の会見で塩崎官房長官は、こう述べていた。
▽会見する塩崎長官(NNN)
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「これは北朝鮮が引き続き拉致問題に対して何ら誠意ある対応を見せていないことや、核問題を含む北朝鮮をめぐる諸般の情勢を総合的に判断し、これらの措置の継続が必要と判断した」

「拉致問題の進展なし」だけを理由に制裁延長に踏み切ることも可能であったが、そうなれば朝日新聞など反日メディアは“日本孤立論”を書き立てて我が国の対応を糾弾しただろう。

しかし、北朝鮮の合意不履行が確実視される中で、安倍政権にプレッシャーを掛ける論調は出せなかった…

昨年10月に打ち出した「半年期限の措置」には、最悪のタイミングとなる「ある日付」が隠されていた…

【万景峰号の大々的な入港は阻止された】

制裁措置の中で最もシンボリックなものが万景峰号の入港停止措置だ。

北朝鮮の柔軟姿勢が続いていれば、4月14日にも万景峰号は新潟港に入港していたかも知れない。その翌日は、北朝鮮にとって最重要とも言える記念日“太陽節”だ。

4月15日、金日成誕生日
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これまで朝鮮総連は、2月の金正日誕生日と4月の金日成誕生日に合わせて膨大な貢ぎ物を万景峰号に積み込み、日本から北朝鮮へ運び込んでいた。

万景峰号には輸出品や一般貨物を北に運ぶ役割を受け持っていたが、重要な使命は「8号商品」「9号商品」と呼ばれる物品を送ることだった。

「8号商品・9号商品」とは、金正日ファミリーへの献上品や、取り巻きの党幹部・軍幹部への貢ぎ物だ。それらを総連からのプレゼントとして万景峰号で華々しく届けることが重要だったのである。
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空路で地味に平壌に運び込んでも意味はない。万景峰号を使ったセレモニー的な貢ぎ方が効果的であった。高級ワインなどの贅沢品は安保理決議1718号で、なお輸出が禁じられているが、万景峰号を使えば、制裁に抵触しない大型商品を持ち込むことが可能であった。

それらを防げたのは実にラッキーだ。

一方、制裁継続が決定された10日、韓国では反金正日体制の大規模な組織が旗揚げされた。

【金王朝と太陽政策の打倒を呼びかけ】

“金王朝”打倒を呼びかける「北朝鮮民主化委員会」が10日、ソウル市内で創立大会を行った。この新団体は、韓国に逃れてきた脱北者が中心となって結成したもので、委員長には最高位脱北者の黄長ヨプ氏が就任。

1万人を超えた韓国内の脱北者をまとめ、年末の韓国大統領選に向けて、太陽政策の異常性をアピールする狙いもあるという。
▽演説する黄氏(AP)
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黄長ヨプ氏は創立大会で、こう訴えた。

「太陽政策を主張する者たちと金正日集団の共謀により、大韓民国に来た我々脱北者たちは前後から攻撃を受ける立場に陥った」

命懸けで韓国に逃れてきた脱北者の多くが、親北盧武鉉政権によって逆に監視されるという異常事態になっているのだ。国内の金正日シンパにも狙われる現象は、我が国も同様な面があるが、韓国ではより深刻だ。
▽黄氏=右と金元大統領=中央(AP)
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大会では金永三(キム・ヨンサン)元大統領も姿を見せ、祝辞を述べるとともに、こう語っている。

「過去9年間、金大中・盧武鉉両大統領が国をメチャクチャにした。次期大統領は対北政策を全面修正すべき」

同委員会は創立大会に先立って暴露写真を公表した。

【金正日の巨大プライベートビーチ】

公開した写真は17枚。隠し撮り写真ではなく、グーグルアースの衛星写真から場所を特定したものだ。これまで伝えられていない情報が殆どである。

再注目は、平壌市中区域ナムサン洞にある金正日執務室。
▽写真:中央日報
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金正日執務室は、市内中央の労働党庁舎の地下深くにあることが知られているが、郊外にも存在していたようだ。正面の庭から続く建物が執務室で、その背後にあるのは副官室だという。更に右側の木立の先にあるのが警護室。

暴いたのは、金正日のガードを行う警護総局出身の脱北者で、その人物が衛星写真を分析して特定した模様だ。更に、これ以外にも各地の金正日専用施設が衛星写真を元に解説されている。
▽平壌郊外の別荘地(FNN)
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平壌郊外の金正日別荘エリアには、巨大な乗馬場がある他、取り囲むように監視所が設置され、近衛兵団の兵舎も近くに設けられていることが判るという。

また平壌から近い西海岸の港湾都市・南浦(ナムポ)には、金正日専用閣や家族閣に加え、ロイヤルファミリー専用の養魚場と釣り場が設けられている。
▽南浦市の別荘エリア(FNN)
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日本海に面した港街・元山(ウォンサン)にも金正日専用閣と家族閣が確認できる。更に、ここにはクルージング好きな正日の趣味を反映して専用ヨットハーバーがあり、その横にはプライベートビーチが存在する。

元山は、かつて夏になると海水浴で賑わった行楽地として知られていたが、一般の海水浴場とは異なり、金正日の専用ビーチは堤防に囲まれていることが判る。
▽元山市西部の保養施設(FNN)
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海に面したエリアの多くがロイヤルファミリーに独占された禁足地となっており、広大な敷地に超豪華施設が整えられてるようだ。

この元山港と新潟港を堂々往来していたのが、万景峰号であった。入港停止措置で万景峰号は現在、港に係留されたままと見られる。

その船は、日本の最新電化製品などを金正日に送り続けていた。豪華な別荘に内部を飾る贅沢品の多くが、万景峰号で北に運び込まれたものだ。

【新潟港に突き出た北朝鮮ミニ国土】

小泉訪朝後、北朝鮮に関する反日メディアの嘘が暴かれる中、万景峰号の存在がクローズアップされた。入港停止求める声が高まる中、朝鮮総連は“人道の船”などと主張。食糧支援に欠かせないと訴えた。

ところが、万景峰号に夕張メロンなど高級果実が積み込まれるのを報道カメラが捕らえ、日本国民の失笑を買ったことがあった。

万景峰号は、金正日体制を支える“献上船”だ。

そして、脱北した元高官は、ミサイル関連の精密パーツを運んでいたことも米議会公聴会で証言している。更に、不正送金の温床でもあった。修学旅行に出向く朝鮮学校の生徒の鞄の底に、現金が隠されていたエピソードは有名だ。
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取り分け、北朝鮮指導層にとって重要だったのは、朝鮮総連幹部に対する直接の命令伝達であった。それは「船内指導」と呼ばれる工作活動の一端だ。

万景峰号が元山港から新潟港に接岸すると、一般乗客に紛れて総連幹部が万景峰号に乗船する。これを「訪船」と言う。

訪船する総連幹部は、予め朝鮮労働党側から指名され、乗り込むと同船7階の特別室に招かれる。金親子の肖像が掲げられた貴賓室だ。

そこで待つのは乗組員に偽装した「統一戦線部」の幹部で、呼びつけた総連幹部に対し、金正日のメッセージを恭しく伝達する儀式が行われるという。

実際に2002年11月には元総連幹部の男(当時72歳)が不法滞在で摘発され、北朝鮮からの「指令書」を船内で受け取っていた事件が発覚。公安の調べでは、審査の甘い「船長委託品」名目で指示文書を運んでいたという。
▽スパイ事件を報じた読売新聞(警察庁HPより)
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万景峰号は“指令船”でもあった。

正にその船内は、新潟港に突き出た北朝鮮の“小さな国土”と化していたのだ。それを長年許していたのは実に愚かしい…

【万景峰号運航停止を在日が喜ぶ?】

朝鮮総連は3月3日の集会でも十年一日のように万景峰号を“人道の船”と偽って運航復活を絶叫していた。そうした主張に与する反日メディアも存在するが、これが全く逆なのだという。
▽3月3日の総連デモ(時事通信)
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RENK代表の李英和氏によれば、実は多くの在日朝鮮人が万景峰号の復活を嫌がっている…と内部事情を明かす。どういう理由なのか?

朝鮮総連と北指導部は、一般の在日朝鮮人の空路での北朝鮮往来を禁じ、 万景峰号での祖国訪問を「唯一のルート」に限定してきたという。

万景峰号での往来は、ホテル代など全費用20万円以上。格安航空券を使えば、北京経由の空路の方が早くて安いのだという。だが、空路の往来が許可されているのは、総連の幹部クラスのみ。

万景峰号で荷物を送る際、一般の在日朝鮮人は「特製段ボール」を別に購入することが条件で、その段ボールの値段は何と1箱7,500円。カルト商法そのままで、総連幹部が丸儲けする仕組みだ。
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万景峰号を盾に専売事業を進めていたのが総連で、多くの朝鮮人が泣き寝入りしていたという。李英和氏は、面白い表現をしている。

「万景峰号は金正日にとっては『宝船』だが、在日朝鮮人にとっては『海賊船』である」(SAPIO誌2003年7月9日号)

【万景峰号は原点に立ち戻れ】

政府が10日に閣議決定した制裁措置は、半年間しか有効ではない。今年10月には再び期限を迎える。万景峰号が復活する恐れはあるのだ。

なぜ国交のない北朝鮮と我が国の間を、万景峰号が堂々と往来していたのか…

東西冷戦下でも北朝鮮船が往来できたのは、昭和30年代に始まった帰国事業に端を発している。特例措置として北朝鮮=日本間の行き来が認められたのだ。

初代のクリリオン号が新潟港を出たのは昭和34年。それが在日特権として万景峰号にまで引き継がれてしまっている。

本来、万景峰号は「帰国船」でなければならないのだ。

それが「工作船」と化していた近年の姿が異常なのである。
▽写真:新潟日報
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どうしても朝鮮総連が万景峰号の復活を要求するのなら、日本政府としては許可しても良いだろう。ただし、あくまでも「帰国船」としてだ。

在日朝鮮人を軒並み祖国に連れて帰ってもらおう。

“地上の楽園”から“人権弾圧国家”に戻ってくる理由がどこにあるのか?

「帰国船」なら殆どの日本人が賛同し、後押しするだろう。

日本の国土は、日本人が弛まぬ努力で切り拓いてきた築きた土地だ。そこに不法難民がタダ乗りすることは許されない。速やかにお帰り願おう。

その為なら例外的に万景峰号の“片道運航”を許可しよう。


      〆
最後まで読んで頂き有り難うございます♪
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参考記事:
デイリーNK4月10日『北朝鮮民主化委員会, 金正日の別荘17ヶ所の衛星写真公開』

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