文在寅“付け火外交”笑劇場…反日4懸案のトゲ押し込む
大騒ぎの末のステイホーム。いわゆる日南4懸案が何ひとつ前進しない中の強引な訪日計画だった。そして日本国民は面倒な隣国があることを久し振りに思い出した。
大山鳴動して鼠一匹と言いたい所だが大山でもなく、鼠も獲得できなかった。騒ぐだけ騒いで後腐れを残す…二つ名の「外交の天災」は伊達ではない。
菅首相は7月19日、臨時会見を開き、文在寅の訪日キャンセルについて語った。わざわざ記者を集めて会見するレベルの事案ではない。異例の対応である。
▽臨時会見で説明する菅首相7月19日(官邸HP)
「文在寅大統領が、東京オリンピックの開会式に合わせて、日本を訪れる意向であることがFNNの取材でわかった」
耳を疑う速報が飛び込んできたのは、7月6日未明だった。CXの夜刊が最初だったと見るが、独自ではなく、直後に産経新聞も報じる。2社はソウル市内の同じビルに同居し、ソースは同じだ。
文在寅の東京入りは日南首脳会談の開催を意味する。手ぶらで南鮮に戻るシナリオはなく、何らかの懸案事項で解決の目処が立ったと考えられる。一方的な日本側の譲歩が繰り返されるのか。
▽英サミットで浮かれる天災6月(AFP)
「国と国との約束が守られない状況でその環境にはない」
英コーンウォール・サミットの記者懇で菅首相は、そう明言していた。朝鮮出稼ぎ工と捏造慰安婦問題の解決が首脳会談開催の条件だと示唆。文在寅に“指導力の発揮”を促した。
2件の訴訟沙汰は最高裁判決を受け、日系企業及び日本政府資産の差し押さえ・売却を待つ。南鮮政府が代わりに弁償金を支払う奇策が模索されているが、文在寅に決断する度量はない。
▽英G7サミットの撮影会6月11日(AP)
「相当な進展があった」
訪日キャンセルを発表した青瓦台の朴洙賢(パク・スヒョン)は7月19日、日南協議の進展を強調した。ブラフの疑いが濃厚ではあるが、協議のテーマは対南輸出管理“正常化”の撤回問題だという。
文在寅の東京入りが騒ぎになる中、我が国の朝鮮労働党系メディアは「ホワイト国復帰」で最終調整が進んでいると報じた。これも菅政権に対する揺さぶりで、具体的な根拠は何ら明かされてない。
参照:JNN7月16日『【独自】韓国大統領 「優遇国」「軍事機密協定」合意なら訪日へ』
日南関係では常に主流メディアによるフェイク情報が罷り通る。その全てが南鮮を利するものと言ってよい。
【調整ゼロ根回しゼロの衝撃】
「韓国側が責任を持って対応する必要がある」
7月20日に都内で開かれた日南外務次官協議で日本側は、そう指摘した。対して南鮮側は“正しい歴史認識”に立ち戻るよう求めたという。「平行線」と報道されるが、実際は対立が深まった状況だ。
▽東京開催の日南外務次官級協議7月20日(代表)
1ヵ月前にソウルで行われた次官級協議も南鮮側が「誠意を見せろ」などと要求し、一歩も前進していない。こうした状況で文在寅にはどのような目算があったのか。
TBSが「最終調整」段階と豪語したホワイト国復帰説は、更に謎めいている。対南輸出管理の案件は経産省マターだが、二国間協議は昨年3月以降、開かれていない。
▽経産省“倉庫”部屋の日南課長級協議R1年(代表)
2年前の7月、経産省の小部屋で開催された伝説の日南課長級協議。この後、WTO協定絡みとなった為、局長級協議に格上げされて計4回実施。しかし、進展のないまま中断状態が1年以上も続いている。
参照:経産省HP『韓国向け輸出管理の運用の見直し(インデックス)』
いったい何処の誰が「最終調整」をしているのか、具体的な説明が不可欠だ。経産省の担当官が極秘で交渉を行い、妥協することは有り得ない。経産省は南鮮の処理水デマ宣伝で態度を硬化させている。
▽ソウルの処理水抗議パフォーマンス4月(共同)
輸出管理正常化の事案は、南鮮側にボールが投げられた状態だ。行方不明になったフッ化水素等の最終到着地を南鮮当局が公表すれば良い問題である。
横流し先を追及する経産省に対して南鮮側は「分からない」の一点張りで、ホワイト国から排除した後も、知らぬ存ぜぬが続く。南鮮当局が捜査権を行使しないのは、国家犯罪に発展する恐れがある為だ。
▽摘発リストの戦略物資は氷山の一角(FNN)
最終到着地は北朝鮮かイランか…横流しに関わった財閥系の商社は独自の判断ではなく、文政権から指示されたと考えられる。迂回して北に流れていれば対北制裁違反となる大事件で、政権は吹き飛ぶ。
日南首脳会談での輸出管理「原状回復」は、横流し商社の摘発が前提だ。例え菅首相が会談に前のめりになったとしても、官邸主導で安全保障上の問題を有耶無耶には出来ない。
そして日南の最大の懸案もまた国防問題に直結し、北朝鮮が絡む。
【常に最悪のタイミングを選ぶ“逸材”】
昨年度の防衛白書は令和2年7月14日に発表された。例年ほぼ同じ時期である。最新版が7月中旬に登場すると知りながら、その直後に文在寅は東京入りを企てた。
最悪のタイミングを選ぶ青瓦台のブレーン共に驚嘆する。日南首脳会談を模索した英サミットも同様で、2日後には南鮮軍による竹島周辺での演習が控えていた。無能すぎて逆に新鮮味を感じる。
▽島根県内で演習する南鮮海兵隊’19年(南国防部)
防衛白書には「竹島は日本固有の領土」と正しく記載され、南鮮は毎年オートマティックに抗議。この白書発表から8月15日までが南鮮で年2回目の“反日強化月間”となっている。
今年も例に漏れず、南鮮外交部は7月13日、相馬弘尚総括公使を呼び抗議。国防部も駐在武官を呼び付けて発狂した。ちなみに相馬公使による南鮮外交の本質を射抜く図星発言は、この翌々日だった。
▽南外交部に呼ばれた相馬総括公使7月13日(共同)
南鮮の白書抗議は風物詩だが、今年は我が国も苛立ちを隠せなかった。’18年末に発生した海自哨戒機へのレーダー照射事件について、2月に公表された南鮮国防白書に信じ難い記述があったのだ。
「威嚇的な近接飛行」「事実をごまかした日本の一方的な発表で両国関係が難航した」
続報がなく、他の懸案に隠れがちだが、レーダー照射事件は武力衝突に発展しかねない重大問題である。我が国としては南鮮海軍からの“誠意ある真摯な謝罪”が欠かせない。
▽海自P-1哨戒機が撮影した映像H30年12月(防衛省)
これも南鮮側にボールが投げられた状態だ。南鮮国防部は会見で、海自機が南鮮艦艇に“急降下・超低空威嚇飛行”した証拠映像が存在すると力説。公開が待たれたが、音沙汰なく2年半が過ぎた。
直後に嘘を吐き、今も嘘を捏ね回しているのだ。第三国の軍関係者からの言及は少ないが、それも当然で、ほぼ非武装の偵察機が対空兵装満載の艦艇を脅かしたという設定に無理があり、検証に値しない。
▽南鮮駆逐艦による火器管制レーダー照射の瞬間(防衛省)
更に漂流する北漁船の救助で南鮮海軍が現場海域に急行したケースは前にも後にもなく、これ1度だけだ。平壌の指令を受け、脱北者の確保に従事したとの説は現在も説得力を備える。
レーダー事件も真相究明に伴い、軍幹部・政府中枢に逮捕者る案件で、現政権が覆すことは不可能だ。このように文在寅が生み出した懸案には、反日要素よりも親北政策が色濃く滲み出ている。
▽特殊なアンテナを装備した北漁船(南国防部)
北朝鮮による南鮮併呑プランは文在寅政権の一丁目一番地。その政策実現が絶望的となった今、ギャンブル外交に出たに過ぎない。東京五輪押し掛け来日の舞台裏は、実に薄っぺらいものだった。
【ポスト文在寅も継承する“付け火外交”】
「金正恩を東京五輪に招待したい」
昨年11月に訪日した南鮮国情院のドン朴智元(パク・チウォン)は、菅首相にそう言い放った。正確な発言は不明だが、他国開催の五輪に他国の元首を“招待”するという表現上も誤りがある無謀な提案だ。
参照:ブルームバーグ20年11月11日『韓国が金正恩氏の東京五輪招待を提案、菅首相との会談で-朝鮮日報』
文在寅が密かに練っていた「東京五輪構想」が公になった瞬間でもあった。平昌冬季五輪の成功体験が忘れられず、夢よもう一度とばかりに、東京で南北首脳会談を行うことが目的だった。
▽金与正にかしずく文在寅’18年2月(AFP)
金正恩の訪日という高いハードルは視野に入ってもいない。結局、北の五輪不参加で構想は頓挫するが、今回の文在寅訪日案も同様に勢いだけで、水面下の具体的な折衝はなかったと考えられる。
文政権は最優先課題の対北外交で完全に行き詰まった。更に、対中外交も瀬戸際だ。昨年8月に楊潔篪が釜山を訪れた際、習近平の南鮮訪問が確定。しかし先延ばしが続き、今も目処が立たない。
▽プー訪南を了承した楊潔篪・釜山’20年8月(代表)
表向きは南鮮国内の感染拡大だが、’17年10月に結んだTHAAD合意が中南関係に軋轢を生んでいる。追加配備ゼロなどを謳った合意だったが、中共側はTHAAD全廃を約束したと南鮮を脅す。
これに対して文政権は、合意は「立場表明」に過ぎないと言い始めた。慰安婦合意の無効宣言とも異なり、THAADは現政権の外相が署名した外交合意だ。落とし所を探る以前に前提が崩れている。
▽THAAD三不合意を受けた中南外相会談’17年(共同)
期待した米バイデン政権も御し易い相手ではなかった。その中で、外交ポイント稼げる可能性があったのが我が国だ。消去法で選んだ外遊先。訪問計画が失敗しも責任を押し付けて被害者面すれば良い。
今回の訪日騒動について、政権幹部や南鮮メディアが思わせ気に舞台裏を明かすだろう。しかし、相馬公使への難癖と同じく、本筋とは全く関係がない。単に文在寅サイドが先走って騒いだだけだった。
▽英サミットでジト目の文在寅6月13日(聯合)
火のない所に火種を置き、燃料を注いで煽る。’90年代初頭から続く典型的な対日“付け火”外交だ。警戒し、心得ておくべきは、ポスト文在寅以降も延々繰り返されることである。
〆
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参考記事:
□産経新聞7月20日『文氏訪日断念、「反日」外交のつけ露呈 強硬派にあらがえず』
□NNN7月20日『文大統領訪日せず「特別扱い」神経戦の内幕』
□産経新聞7月19日『不適切発言の駐韓公使異動へ 事実上の更迭』
□デイリー新潮7月16日『文大統領が日韓首脳会談でこだわる「輸出管理措置」の撤回とは?』
□時事通信6月24日『五輪外交、韓国大統領来日が焦点 政府慎重、懸案進展見込めず』
□産経新聞2月2日『防衛省、韓国国防白書の記述に抗議 レーダー照射など』
□中央日報7月22日『韓国外交部が「慎重に」と警告もあざ笑う中国…また「THAAD」言及』
□中央日報7月19日『【コラム】中国に従えという露骨な圧迫ではないのか=韓国』
大山鳴動して鼠一匹と言いたい所だが大山でもなく、鼠も獲得できなかった。騒ぐだけ騒いで後腐れを残す…二つ名の「外交の天災」は伊達ではない。
菅首相は7月19日、臨時会見を開き、文在寅の訪日キャンセルについて語った。わざわざ記者を集めて会見するレベルの事案ではない。異例の対応である。
▽臨時会見で説明する菅首相7月19日(官邸HP)
「文在寅大統領が、東京オリンピックの開会式に合わせて、日本を訪れる意向であることがFNNの取材でわかった」
耳を疑う速報が飛び込んできたのは、7月6日未明だった。CXの夜刊が最初だったと見るが、独自ではなく、直後に産経新聞も報じる。2社はソウル市内の同じビルに同居し、ソースは同じだ。
文在寅の東京入りは日南首脳会談の開催を意味する。手ぶらで南鮮に戻るシナリオはなく、何らかの懸案事項で解決の目処が立ったと考えられる。一方的な日本側の譲歩が繰り返されるのか。
▽英サミットで浮かれる天災6月(AFP)
「国と国との約束が守られない状況でその環境にはない」
英コーンウォール・サミットの記者懇で菅首相は、そう明言していた。朝鮮出稼ぎ工と捏造慰安婦問題の解決が首脳会談開催の条件だと示唆。文在寅に“指導力の発揮”を促した。
2件の訴訟沙汰は最高裁判決を受け、日系企業及び日本政府資産の差し押さえ・売却を待つ。南鮮政府が代わりに弁償金を支払う奇策が模索されているが、文在寅に決断する度量はない。
▽英G7サミットの撮影会6月11日(AP)
「相当な進展があった」
訪日キャンセルを発表した青瓦台の朴洙賢(パク・スヒョン)は7月19日、日南協議の進展を強調した。ブラフの疑いが濃厚ではあるが、協議のテーマは対南輸出管理“正常化”の撤回問題だという。
文在寅の東京入りが騒ぎになる中、我が国の朝鮮労働党系メディアは「ホワイト国復帰」で最終調整が進んでいると報じた。これも菅政権に対する揺さぶりで、具体的な根拠は何ら明かされてない。
参照:JNN7月16日『【独自】韓国大統領 「優遇国」「軍事機密協定」合意なら訪日へ』
日南関係では常に主流メディアによるフェイク情報が罷り通る。その全てが南鮮を利するものと言ってよい。
【調整ゼロ根回しゼロの衝撃】
「韓国側が責任を持って対応する必要がある」
7月20日に都内で開かれた日南外務次官協議で日本側は、そう指摘した。対して南鮮側は“正しい歴史認識”に立ち戻るよう求めたという。「平行線」と報道されるが、実際は対立が深まった状況だ。
▽東京開催の日南外務次官級協議7月20日(代表)
1ヵ月前にソウルで行われた次官級協議も南鮮側が「誠意を見せろ」などと要求し、一歩も前進していない。こうした状況で文在寅にはどのような目算があったのか。
TBSが「最終調整」段階と豪語したホワイト国復帰説は、更に謎めいている。対南輸出管理の案件は経産省マターだが、二国間協議は昨年3月以降、開かれていない。
▽経産省“倉庫”部屋の日南課長級協議R1年(代表)
2年前の7月、経産省の小部屋で開催された伝説の日南課長級協議。この後、WTO協定絡みとなった為、局長級協議に格上げされて計4回実施。しかし、進展のないまま中断状態が1年以上も続いている。
参照:経産省HP『韓国向け輸出管理の運用の見直し(インデックス)』
いったい何処の誰が「最終調整」をしているのか、具体的な説明が不可欠だ。経産省の担当官が極秘で交渉を行い、妥協することは有り得ない。経産省は南鮮の処理水デマ宣伝で態度を硬化させている。
▽ソウルの処理水抗議パフォーマンス4月(共同)
輸出管理正常化の事案は、南鮮側にボールが投げられた状態だ。行方不明になったフッ化水素等の最終到着地を南鮮当局が公表すれば良い問題である。
横流し先を追及する経産省に対して南鮮側は「分からない」の一点張りで、ホワイト国から排除した後も、知らぬ存ぜぬが続く。南鮮当局が捜査権を行使しないのは、国家犯罪に発展する恐れがある為だ。
▽摘発リストの戦略物資は氷山の一角(FNN)
最終到着地は北朝鮮かイランか…横流しに関わった財閥系の商社は独自の判断ではなく、文政権から指示されたと考えられる。迂回して北に流れていれば対北制裁違反となる大事件で、政権は吹き飛ぶ。
日南首脳会談での輸出管理「原状回復」は、横流し商社の摘発が前提だ。例え菅首相が会談に前のめりになったとしても、官邸主導で安全保障上の問題を有耶無耶には出来ない。
そして日南の最大の懸案もまた国防問題に直結し、北朝鮮が絡む。
【常に最悪のタイミングを選ぶ“逸材”】
昨年度の防衛白書は令和2年7月14日に発表された。例年ほぼ同じ時期である。最新版が7月中旬に登場すると知りながら、その直後に文在寅は東京入りを企てた。
最悪のタイミングを選ぶ青瓦台のブレーン共に驚嘆する。日南首脳会談を模索した英サミットも同様で、2日後には南鮮軍による竹島周辺での演習が控えていた。無能すぎて逆に新鮮味を感じる。
▽島根県内で演習する南鮮海兵隊’19年(南国防部)
防衛白書には「竹島は日本固有の領土」と正しく記載され、南鮮は毎年オートマティックに抗議。この白書発表から8月15日までが南鮮で年2回目の“反日強化月間”となっている。
今年も例に漏れず、南鮮外交部は7月13日、相馬弘尚総括公使を呼び抗議。国防部も駐在武官を呼び付けて発狂した。ちなみに相馬公使による南鮮外交の本質を射抜く図星発言は、この翌々日だった。
▽南外交部に呼ばれた相馬総括公使7月13日(共同)
南鮮の白書抗議は風物詩だが、今年は我が国も苛立ちを隠せなかった。’18年末に発生した海自哨戒機へのレーダー照射事件について、2月に公表された南鮮国防白書に信じ難い記述があったのだ。
「威嚇的な近接飛行」「事実をごまかした日本の一方的な発表で両国関係が難航した」
続報がなく、他の懸案に隠れがちだが、レーダー照射事件は武力衝突に発展しかねない重大問題である。我が国としては南鮮海軍からの“誠意ある真摯な謝罪”が欠かせない。
▽海自P-1哨戒機が撮影した映像H30年12月(防衛省)
これも南鮮側にボールが投げられた状態だ。南鮮国防部は会見で、海自機が南鮮艦艇に“急降下・超低空威嚇飛行”した証拠映像が存在すると力説。公開が待たれたが、音沙汰なく2年半が過ぎた。
直後に嘘を吐き、今も嘘を捏ね回しているのだ。第三国の軍関係者からの言及は少ないが、それも当然で、ほぼ非武装の偵察機が対空兵装満載の艦艇を脅かしたという設定に無理があり、検証に値しない。
▽南鮮駆逐艦による火器管制レーダー照射の瞬間(防衛省)
更に漂流する北漁船の救助で南鮮海軍が現場海域に急行したケースは前にも後にもなく、これ1度だけだ。平壌の指令を受け、脱北者の確保に従事したとの説は現在も説得力を備える。
レーダー事件も真相究明に伴い、軍幹部・政府中枢に逮捕者る案件で、現政権が覆すことは不可能だ。このように文在寅が生み出した懸案には、反日要素よりも親北政策が色濃く滲み出ている。
▽特殊なアンテナを装備した北漁船(南国防部)
北朝鮮による南鮮併呑プランは文在寅政権の一丁目一番地。その政策実現が絶望的となった今、ギャンブル外交に出たに過ぎない。東京五輪押し掛け来日の舞台裏は、実に薄っぺらいものだった。
【ポスト文在寅も継承する“付け火外交”】
「金正恩を東京五輪に招待したい」
昨年11月に訪日した南鮮国情院のドン朴智元(パク・チウォン)は、菅首相にそう言い放った。正確な発言は不明だが、他国開催の五輪に他国の元首を“招待”するという表現上も誤りがある無謀な提案だ。
参照:ブルームバーグ20年11月11日『韓国が金正恩氏の東京五輪招待を提案、菅首相との会談で-朝鮮日報』
文在寅が密かに練っていた「東京五輪構想」が公になった瞬間でもあった。平昌冬季五輪の成功体験が忘れられず、夢よもう一度とばかりに、東京で南北首脳会談を行うことが目的だった。
▽金与正にかしずく文在寅’18年2月(AFP)
金正恩の訪日という高いハードルは視野に入ってもいない。結局、北の五輪不参加で構想は頓挫するが、今回の文在寅訪日案も同様に勢いだけで、水面下の具体的な折衝はなかったと考えられる。
文政権は最優先課題の対北外交で完全に行き詰まった。更に、対中外交も瀬戸際だ。昨年8月に楊潔篪が釜山を訪れた際、習近平の南鮮訪問が確定。しかし先延ばしが続き、今も目処が立たない。
▽プー訪南を了承した楊潔篪・釜山’20年8月(代表)
表向きは南鮮国内の感染拡大だが、’17年10月に結んだTHAAD合意が中南関係に軋轢を生んでいる。追加配備ゼロなどを謳った合意だったが、中共側はTHAAD全廃を約束したと南鮮を脅す。
これに対して文政権は、合意は「立場表明」に過ぎないと言い始めた。慰安婦合意の無効宣言とも異なり、THAADは現政権の外相が署名した外交合意だ。落とし所を探る以前に前提が崩れている。
▽THAAD三不合意を受けた中南外相会談’17年(共同)
期待した米バイデン政権も御し易い相手ではなかった。その中で、外交ポイント稼げる可能性があったのが我が国だ。消去法で選んだ外遊先。訪問計画が失敗しも責任を押し付けて被害者面すれば良い。
今回の訪日騒動について、政権幹部や南鮮メディアが思わせ気に舞台裏を明かすだろう。しかし、相馬公使への難癖と同じく、本筋とは全く関係がない。単に文在寅サイドが先走って騒いだだけだった。
▽英サミットでジト目の文在寅6月13日(聯合)
火のない所に火種を置き、燃料を注いで煽る。’90年代初頭から続く典型的な対日“付け火”外交だ。警戒し、心得ておくべきは、ポスト文在寅以降も延々繰り返されることである。
〆
最後まで読んで頂き有り難うございます
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参考記事:
□産経新聞7月20日『文氏訪日断念、「反日」外交のつけ露呈 強硬派にあらがえず』
□NNN7月20日『文大統領訪日せず「特別扱い」神経戦の内幕』
□産経新聞7月19日『不適切発言の駐韓公使異動へ 事実上の更迭』
□デイリー新潮7月16日『文大統領が日韓首脳会談でこだわる「輸出管理措置」の撤回とは?』
□時事通信6月24日『五輪外交、韓国大統領来日が焦点 政府慎重、懸案進展見込めず』
□産経新聞2月2日『防衛省、韓国国防白書の記述に抗議 レーダー照射など』
□中央日報7月22日『韓国外交部が「慎重に」と警告もあざ笑う中国…また「THAAD」言及』
□中央日報7月19日『【コラム】中国に従えという露骨な圧迫ではないのか=韓国』
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