武漢ゴーストシティの隘路…“詰め腹候補”が次々に脱落

水際作戦に失敗した列島にパンデミックの影が忍び寄る中、支那各地では“封村”が広がる。習近平が指名した「身代わり責任者」は相次いで脱落。終身主席の地位も揺らぎ始める。
ゴーストタウン126AFP.jpeg

「絶対に一緒に乗らない」

1月27日、上海人と武漢人が激突した。舞台は支那大陸ではなく、名古屋の中部国際空港だ。発端は、武漢訛りで話す人物が搭乗ロビーで風邪薬を飲んでいる姿が目撃されたことだった。

航空会社側は体温が平熱で問題なしとしたが、上海人グループは拒絶。空港に駆け付けた中共領事館員の仲裁も効果なく、出発は数時間遅れ、上海人は別に便に振り替えられて帰国したという。
▽出発が遅れた上海行き南方航空CZ380便1月27日(CBS)
CBS127トラブルの便.png

「中国人を排除するより、ともに手を洗おう」

捏造紙の毒電波コラムは、そう呼び掛けて失笑を買ったが、現状で武漢人を排斥しているのは支那人だ。名古屋の騒動は表面化した一例に過ぎず、日本国内でもトラブルが続発していると考えられる。

我が国を訪れる支那人ツアー客の行き先は、ほぼ同じだ。有名観光スポットに加え、専用の土産物店に団体収容の料理店。そこでは熾烈な武漢人排斥が横行しているに違いない。
▽支那人満載のクルーズ船が博多入港1月25日(KBC)
KBC125満載のクルーズ船が博多港到着.png

「“武漢人狩り”が中国全土で広がりつつある。地方の農村では、村民が自警団をつくって湖北省ナンバーの車を排除する『封村』が行われている」

支那駐在員は、そう語る。立ち入りを制限する“封村”については、AP通信が武漢から1000km以上離れた北支の村落を取材。私設検問所に立つ男によれば、付近の村はどこもゲートを設置しているという。
▽村の入り口に私設検問所1月29日(AP)
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トンネル前を土砂で覆い、道路を岩石で塞ぐ…「武漢市民の脱出口」を封鎖と一部で話題になった画像は主に“封村”関連の模様だ。共に手を洗うといった甘っちょろい考えは毛頭ない。
▽村に通じる道路を土砂で封鎖1月29日(AP)
AP通信129河北省の村.png

地方当局も例に漏れない。名古屋で騒動になった南方航空CZ380便は、上海虹橋空港で一般ターミナルへの接続を拒否。乗員全員が隔離されたという。

警戒心マックスの強権発動ではあるが、正い対処ではないか?

【武漢人渡航先第2位の“感染輸入国”】

「感染症による退避支援は恐らく初めてだ」

外務省によると前例のない救援活動だという。政府が民間チャーター機で在外邦人を帰国させたケースは平成10年のジャカルタ暴動などがあるが、いずれも現地の治安情勢悪化に伴う措置だった。

報道陣が待ち受ける中、1月29日朝、邦人206人を乗せた全日空機が羽田空港に滑り込んだ。中継映像では、そのまま通常ターミナルに接続したように見えた…
▽武漢から羽田空港に到着した第1便1月29日(NHK)
NHK129到着.png

「帰って来られてホッとしている」

帰国した邦人の代表が会見した場所は屋外ではなく、空港ターミナル内だった。手前側の広さは不明だが、天井は低く、取り囲む記者団は「濃厚接触」と言える状態だ。
▽会見する在武漢邦人の代表ら1月29日(AFP)
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帰国直後、会見に応じる誠実な対応は讃えるが、記者からの質問は味気なく、目新しさもゼロだった。中共当局が公表する以前に、現地で小さな異変があったのかなど知りたい情報は出て来なかった。

厚労省によると12人が検査入院し、191人が千葉県内のホテルに移動したという。計算が合わない…3人が帰宅し、2人は検査も拒否していたことが分かった。
▽第2便の帰国者を乗せた車両1月30日(時事)
時事政府チャーター機で中国・武漢市から帰国した日本人を乗せ、羽田空港を出るバス=30日午後.jpg

翌30日、ホテルに滞在中の2人を含む3人の感染が明らかになった。うち2人は発熱のない無症状の保菌者だった。新型肺炎は「指定感染症」に分類され、1月28日に政令も公布された。

だが、武漢長期滞在者であっても「感染が疑われる方」には区分されず、強制的に隔離する法的根拠はないという。初歩的なスクリーニングさえ不完全な現状では“感染輸入”が続く。
▽自己申告求める成田空港の掲示板1月16日(時事)
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フランスは、帰国者を1カ所に集め、潜伏期間を考慮して2週間ほど経過観察する方針を示した。また豪州もジャワ島沖の自国領に帰国者を収容し、同じく2週間隔離する見通しだ。

既に我が国は最も重要な水際作戦に失敗している。失敗と言うより有効な対策皆無で、昨年末に中共当局が認めた後も武漢からの観光客を無制限に受け入れた。
▽高機能マスクを吟味する訪日客1月27日(産経)
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1月末現在、海外での感染者数はタイがトップで14人。我が国はそれに次ぐ高水準だが、この感染者数が「武漢からの来訪者数」と比例することがデータで判明した。

上海の経済メディア「第一財経」は、内外の渡航傾向を分析。昨年12月30日から都市閉鎖の前日にあたる1月22日までに日本各地へ渡航した武漢市民は1万8,000人と割り出した。
▽武漢人が多いタイ観光地の空港1月29日(地元紙)
地元紙1月29日タイ観光地の空港.jpg

便数と座席数を組み合わせた算出方法で、国別トップはタイの2万6,000人。感染例7人のシンガポールも武漢からの観光客が多く、高いリスクを抱えている。

参照:大紀元1月27日『昨年末から来日した武漢の旅行者、約18000人=中国メディア』

この武漢市民移動データに震えているのは、支那国内の大都市だ。上海や杭州が5万人規模、そして北京は6万人。習近平が都市封鎖という強硬手段に打って出たのも首都防衛が動機である。

【発生源“表トップ”の血祭り】

「新型コロナウイルスによる肺炎患者が北京でも確認され、中国全土で感染者数が急増しています」(ANN1月20日)

溜め息が出る程にぼんやりした報道が多い。当局が発表する支那国内の感染者数“急増”は、1月20日から始まった。これは習近平の「重要指示」発出と符合する。急増ではなく単に情報を解禁したのだ。
▽当局発表をコピーした感染者数グラフ(FNN)
FNN127グラフ.jpeg

武漢市及び周辺7市の封鎖も習近平の指示による。こうした強硬措置は国家トップにしか決定権がない。北京や上海といった大都市を守る為に武漢周辺を切り捨てた格好である。

メディアは習近平の1・20指示が転換点になったと説くが、違う。ある種の劇的な変化は1月25日に起きた。この日初めて新型肺炎を議題にした党中央政治局常務委員会が開催される。
▽政治局常務委を仕切る習近平1月25日(CCTV)
CCTV125会議を招集した習近平.png

そして翌26日、武漢市と湖北省の幹部が、初の記者会見に臨む。中央の命令で表舞台に引っ張り出されたのだ。全責任を擦り付けるスケープゴート。哀愁漂う悲惨な会見だった。

「あ、間違った、18億枚だ。いや違う108万枚だ」

会見童貞の湖北省長・王暁東は、省内のマスク生産量について三度も訂正。マスクの重要性を呼び掛けながら自分は剥き出し。右端の武漢市長は、ご丁寧にマスクを裏表上下とも逆にしていた…
▽会見する湖北省長と武漢市長ら1月26日(AFP)
AFP126新型コロナウイルス肺炎に関する記者会見に出席した湖北省の王暁東省長(中)と武漢市の周先旺市長.png

「こんな阿保が省長と市長だったのか」

参照:AFP1月28日『新型ウイルス、湖北省の当局会見にネットで批判 世論の怒り抑えきれず』

SNSには一時的に呆れ果てる声が溢れた模様だが、北京の思惑通りでもある。省長らに批判が集まることが望ましい。だが、武漢市長の周先旺(ジョウ・シエンワン)は会見後、反撃に出る。

【封じ込め宣言が習近平の生命線】

「武漢市が直ぐに情報を発信できなかったのは、上層部が私に発表する権限を与えなかったからだ」
▽会見後に囲まれる周先旺:右1月26日(星島日報)
星島日報126取材受ける市市長.jpg

党中央の情報隠蔽工作を暴く異例の発言だ。一部では周先旺がカメラが回っていることを知らず、見事に嵌められたと分析されるが、実際は逆に、覚悟の上で最後っ屁を放ったと見る。

北京から「主犯役」に抜擢された最後、市長の政治生命は絶たれ、別件逮捕での投獄待ったなしだ。翌27日の会見に周先旺の姿はなかった。代わりに登場したのが、武漢市党委員会書記の馬国強だ。
▽市長脱落で引っ張り出された馬国強1月27日(ANN)
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本邦メディアは知らぬ振りして誤情報を流すが、中共では市のトップは市長ではなく市党委書記。同様に湖北省トップも省長ではなく、省党委員会書記の蒋超良である。

蒋超良は中央銀行の次期総裁とも目された超エリートで、北京の信頼も厚い。これまで一切会見に姿を見せなかったが、北京の政治局常務委開催を境に武漢市内“視察映像”に登場するようになった。
▽武漢の病院に行かされた蒋超良1月25日(財新網)
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蒋超良の顔見せは、李克強の視察ショーに先立つものだが、習近平が「主犯格」を湖北省党書記にまで引き上げた可能性が高い。ただし、事態の幕引きは遠く、指導部内の駆け引きは延長戦にもつれ込む。

「ゴーストタウンのようだ。人も自動車も殆ど見ない。不気味。まるで、この世の終末のような気がする」
▽警察車両が目立つ武漢市中心部1月(AP)
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武漢に足止めされた米留学生は、そう呟く。中心部は一般車両の通行が禁じられ、店舗のシャッターは固く閉ざされる。海外メディアには「ゴーストシティ」といった表現も踊る。

焦点は、封鎖解除のタイミングだ。武漢中心部の立ち入り規制は春節休暇後に徐々に緩めると見られるが、原状回復は事態の鎮静化を待たなければならない。
▽春節飾りの武漢繁華街1月(ロイター)
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感染のピークは北京が数字を操作すれば良い。だが、新型肺炎の「封じ込め宣言」で封鎖を解除した後に、感染者が続出すれば責任問題に発展する。詰め腹を切らされるのは湖北省書記か、李克強か…

8都市2600万人が暮らす経済圏の大規模封鎖。一党独裁国家ならではの豪快な舵取りではあったが、習近平が先々の展開まで読み通していたとは思えない。その場凌ぎの安易な対処だ。
▽往来が殆どない夜の武漢市内(AFP)
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終身国家主席の座が揺らぐ。対外的には取り繕えても中南海は騙し切れない。権謀術数の限りを尽くしてトップにのし上がった男が、今、極小のウイルスに震えている。


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参考記事:
□ニューズウィーク1月27日『習近平「新型肺炎対策」の責任逃れと権謀術数』
□JB Press1月28日『新型肺炎は人災、「習近平に追従」で出世の弊害露呈』
□レコードチャイナ1月27日『免職覚悟の武漢市長に、中国ネットは「省長はどこへ?」「書記も出てくるべき」』
□ニューズウィーク1月29日『一党支配揺るがすか? 「武漢市長の会見」に中国庶民の怒り沸騰』
□大紀元1月28日『<新型肺炎>武漢市民、高まる不満「地球にこんな政府があるのか」「共産党、下野しなさい」』
□大紀元1月29日『中部国際空港、中国人乗客が武漢乗客との同乗拒否 騒ぎに』
□東スポ1月29日『新型肺炎で中国全土パニック“武漢人狩り”も』
□AP通信1月29日『Villages on Beijing’s outskirts isolate selves amid outbreak』
□時事通信1月25日『【地球コラム】新型肺炎、真実語らない政府の隠蔽体質』
□時事通信1月28日『中国・武漢の感染拡大止まらず 初動の遅れ、国に責任転嫁も―新型肺炎』
□ロイター1月30日『武漢は「この世の終末」、足止め米大学生の孤独な脱出行』
□産経新聞1月25日『1100万都市を異例の封鎖 新型肺炎、武漢はゴーストタウンに』

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