覆面軍艦出現の尖閣危険水域…連続挑発を招いた外交無策

布で隠しても判る機銃、甲板で姿を晒す海軍兵士…尖閣沖に最新鋭艦「漁政310」が出現した。民主党政権の外交空白で尖閣防衛は危険水域に突入。相次ぐ中共の挑発を一瞬で封じる“秘策”とは何か。
画像

「まだ日本に希望が残っていると感じた」

ネット上での呼び掛けを知って参加したという男性は、そう語る。確かに、絶え間ないシュプレヒコールを間近で耳にし、路上を埋め尽くす日の丸を目にすると希望を抱く。



11月20日に大阪市内で行われた尖閣死守デモの参加者は、約3,300人にのぼった。大規模デモの連発で多少感覚が鈍ってきたが、3,000人を超す一般市民が結集したことは驚きだ。

「尖閣が日本の固有の領土であることを皆さんに知ってもらうために来た」
▼11・20御堂筋デモの第1悌団(MBS)
画像

MBS(毎日放送)のインタビューに、ある参加者は力強く答えていた。どのエリアでも変わらない。領土を守る決意は、全ての日本人が共有しなければならないものだ。

集会に続くデモ行進のコースは新町北公園からミナミまでの約3㌔で、メーンは御堂筋。ロングコースだが、首都圏で続く大規模デモを知って、待ち切れなかった参加者も多かったことだろう。
▼街頭演説する田母神閣下11月20日(産経新聞)
画像

20日夜遅くになって産経新聞がデモの模様を写真入りで伝えたが、海外の通信社など報道は総じて低調だった。主任航海士の自宅に殺到した報道陣はどこに消えてしまったのか…

その中でJNN系列のMBSが伝えたのは意外だ。見出しにある「市民デモ」という表現も内容も適切だった。暴力船長の釈放から2ヵ月近くになるが、国民の怒りは冷めず、尖閣問題は尚も終息していない。



御堂筋デモが行われる直前、ついに中共の覆面軍艦が尖閣沖に姿を現した。

【最新鋭艦「漁政310」の尖閣沖威嚇航行】

11月20日午前8時25分、哨戒中の海保の航空機が魚釣島の西北西37㌔の海域で「漁政310」を発見した。これまでの小型“監視船”とは異なる最新鋭の武装船だ。
▼接続水域を航行する「漁政310」(海保撮影)
画像

「漁政310」は海保側の警告を無視し、「漁政201」と共に領海まで急接近。約360㍍という侵犯ギリギリのポイントに達した後、急転回し、接続水域内を巡回し始めた。いきなりの挑発行動である。

11管本部によれば、2隻は領海ラインまで2~7㌔の範囲を航行し、領海に接近したり離れたりするなど断続的に挑発。24時間以上が経った21日正午前の時点でも尖閣周辺海域に留まっているという。
▼夜間も挑発繰り返す「漁政310」(朝日新聞)
画像

「漁政310」が尖閣沖を目指して出港したことは、11月16日に中共の宣伝機関が伝えていた。その後2日以上経っても海保側が確認していなかったことからブラフかと思われたが、予告通りに出現した。

侵犯船事件以降、常駐化を裏付けるように“監視船”が尖閣沖に出没。それらは「漁政201」や「漁政203」といった推定1,000㌧級の小型艦船だった。
▼尖閣沖を巡回する「漁政201」(海保撮影)
画像

しかし、今回出現した「漁政310」は2,500㌧を超す。現場海域で対処している巡視船「もとぶ」と比べても、大きさの違いは一目瞭然。2倍近い大型武装艦の出現である。
▼「漁政310」と巡視船「もとぶ」(毎日新聞)
画像

「正当な任務に当たっている」

巡視船の警告に対して「漁政310」は、そう返答してきた。何が正当な任務か…周辺にシナ漁船の影はなかったという。つまり「漁政310」は、威嚇目的で尖閣沖に姿を現したのだ。

【10数分で魚釣島上陸…尖閣防衛の新局面】

「管理機能も格段にアップし、国家の海洋権益、漁業権益、国家領海、漁民利益の保護にとっても強大な武器となり得る」

今年9月末に「漁政310」がお披露目された際、人民日報はそう伝えた。更に「最高の技術レベル、最大の航続距離」を謳い、周辺緊急事態に対処可能だと自賛する。
▼漁政310の引き渡し式典9月29日(江門日報)
画像

これまで大型の漁政シリーズは老朽化した中共海軍の艦船を改装したものなどだったが、この「漁政310」は進水して間もない最新鋭艦だ。そして、機銃も複数備えている。

尖閣沖に展開する「漁政310」に接近したNNNのカメラは、操舵室の前方にある機銃の撮影に成功した。カーキ色の布でカバーリングしているが、これが機銃であることはハッキリしている。
▼覆い隠された「漁政310」の機銃(NNN)
画像

11月16日の出陣式の写真では、機銃が剥き出しになっていた。兵装に関するスペックは非公表なので何mm程度の機銃か不明だが、ブリッジ上部にも怪しいカバーリングが確認できる。
▼艦橋部分の謎のカバーリング(NNN)
画像

また出陣式の映像には、甲板に据えられた三連装機銃が一瞬だけ映り込んでいた。位置的には艦橋の手前附近だが、NNNの映像からは発見できなかった。
▼映像に一瞬映った三連装機銃11月16日
画像

更に「漁政310」の特徴は、ヘリコプター甲板と格納庫を備えていることだ。搭載可能なヘリは2機で、人民日報は中共軍の汎用型ヘリ「Z-9A」を積んでいると伝える。
▼「漁政310」の格納庫とヘリ甲板(NNN)
画像

20日の段階で搭載ヘリのタイプは不明だが、中共海軍が駆逐艦などに搭載する対潜ヘリ「Z-9C」である可能性も高い。いずれにしても、ヘリ搭載艦の出現は大きな脅威だ。
▼ミサイル駆逐艦「青島」のZ-9C(資料)
画像

接続水域からヘリが発進すれば、10数分間で魚釣島などに着陸し、五星紅旗を打ち立てることが出来る。ヘリから降下する特殊部隊員が搭乗している恐れもあり、我が国は対応策を練り直さなければならない。

実際、搭乗していのは中共海軍の軍人だった。

【ネイビー迷彩服でも「監視船」と報道】

中共が示威目的で送り込んできた最新鋭の武装艦「漁政310」。その船体構造は、中共海軍のフリゲートや駆逐艦に似ていると指摘される。外形が酷似しているのは、当然だ。
▼「漁政310」の進水式3月6日(江門日報)
画像

「漁政310」は、中共海軍・南海艦隊の司令部が置かれる広東省湛江市の造船所で建造された。進水後の引き渡し式の模様を党宣伝機関が大きく伝えるなど、中共側も出自を隠していない。

そして「漁政310」の乗組員も姿を隠さなかった。広州で16日に行われた出陣式でもネイビー仕様の迷彩服を来た兵員が甲板に並んでいたが、尖閣沖でもNNNのカメラはブリッジにいる兵士の姿を捉えた。
▼艦内から報道ヘリ見守る乗組員(NNN)
画像

疑いようもない。中共海軍の軍人たちである。これまで“監視船”の乗組員がデッキに現れることはなかった。しかし、今回は上空を旋回するNNNのヘリを逆撮影する兵員の姿もあった。
▼舷側でカメラ構える迷彩服の乗組員(NNN)
画像

中共側は乗組員が海軍兵であることを隠さず、むしろ積極的に姿を見せている。威圧しているのだ。それでも我が国のメディアは「中国農業省所属の漁業監視船」と紋切り型の表現で報道している。

事実ではあるが、報道の受け手には問題の重大性が的確に伝わらない。軍人が乗り込んだ実質的な軍艦を「漁業監視船」と偽る…そこに中共側のトリックが最初から潜んでいたのだ。
▼出陣式で舷側に並ぶ乗組員11月16日
画像

接続水域に侵入したのが灰色の軍艦であれば、海自艦艇が出撃する“周辺事態”に発展している。だが、中共が「農業部漁業局の公船」と主張する限り、対応するのは海上保安庁の巡視船に限られる。

「漁政201」のような中型艦艇なら危険性も低かったが、状況は激変した。未だに「監視船」と連呼するメディアも中共の工作に加担して実像・実態を曇らせている。最早、巡視船では手に負えない状況だ。
▼出陣式の「漁政310」11月16日(羊城晩報)
画像

最新鋭艦「漁政310」の登場で、尖閣防衛の在り方は一変した。

【菅直人の決断で中共の挑発は止まる】

当初「漁政310」は、緊迫する南シナ海に派遣されると見られていた。造船所がる広東省湛江は海南島の対面に位置し、南海艦隊の前線基地が置かれている。東シナ海派遣は予想外の展開だった。

しかも「漁政310」が尖閣沖に向けて出撃したのは11月16日。我が国に入国していた胡錦濤が北京に戻ったのは14日。帰国の僅か2日後に突如、武装船を送り込んだのである。
▼尖閣海域に向け出撃する「漁政310」(新華社)
画像

菅直人は、約20分で胡錦濤が席を立った会談に胸を張っていた。ところが、その結果、現実に起こったのが武装艦の出現だ。首脳会談としては前例のない大失敗。取り返しのつかない状況を招いてしまった。

着席した屠殺鬼は、これ見よがしに上着のボタンを外し、菅直人は俯いてメモを朗読…悲惨な会談の頭撮りだったが、この席で菅直人は尖閣諸島をめぐる日本側の立場を説明したと主張する。
▼メモを読み続ける菅直人に屠殺鬼も唖然
画像

参考動画:YouTube『APEC首脳会議等(日中首脳会談)』

原則的な立場を互いに述べ合っても意味がない。この時、菅直人は首相として抗議する必要があったのだ。9月以来、ほぼ尖閣海域に常駐化している覆面軍艦だけでなない。

9月中旬に海保の海底調査を妨害した「海監51」に続き、APEC直前の11月9日には奄美沖のEEZ内に「濱海512」が入り込んだ。これらを指揮する海洋局の前身は、中共海軍の海洋調査船隊である。
▼奄美沖EEZ内の「濱海512」11月9日(10管撮影)
画像

一連の挑発・示威活動を首相として正式に抗議しなければならなかったのだが、菅直人は沈黙。笑顔で会談成功を喜ぶばかりだった。変態的な柳腰外交が、東シナ海全域を危険に晒しているのだ。

かねてから憂国陣営は、中共に対する強い対応を求めていた。一方で売国・反日軍は「まず話し合いが必要」などと妄言を垂れ続けている。この現状に至って、どちらが正確なのか、ハッキリした。
▼必死にメモを隠そうとする菅直人(代表撮影)
画像

一党独裁国家と話し合う余地はない。中共は一歩退けば、二歩三歩と前進して来る。弱腰な外交とは、外交ですらない。丸1年を越えた民主党政権下で、対シナ外交は存在しなかった。完全な空白だ。
▼横浜駅前街宣活動の手製プラカード11月14日
画像

「漁政310」の出現で、尖閣防衛は“危険水域”に入った。魚釣島に陸自の精鋭部隊を駐屯させることが望ましい。それは近未来の目標だが、今直ぐに尖閣の危機レベルを元に戻す方法が存在する。

菅直人でも出来る簡単な作業だ。「紫のふくさ」を衆院議長に渡すだけ…即ち、衆院の解散・総選挙である。民主党の下野、政権交代が尖閣クライシスを癒す最良の処方箋。本格的な防衛議論はその後だ。



  〆
最後まで読んで頂き有り難うございます
クリック1つが敵に浴びせる銃弾1発となります

banner1
政治ブログランキング

画像

**************
【Side Story】
撃論ムックの最新刊『侵略国家・中国の真実』が発売されました。カラーグラビア&巻頭座談会を始め、今回は焦点の尖閣問題の大特集。大ボリュームで、多彩な執筆陣が侵犯船事件を中心に、その後起こったフジタ社員拘束事件や「反日デモ」の実態などを論じています。
画像

尖閣諸島を除外した“封印地図”や、中共60年の血塗られた侵略史などデータも豊富に収録。保存版の貴重な資料集となる他、この9月以降に我が国で何が起こり、日本人がどう受け止めたのか…侵犯船事件が投げ掛けた問題が浮き彫りになっています。

そして「特集2」などでは、没後40年にあわせて三島由紀夫のスポットを当てています。告知が遅れましたが、今年11月25日の「憂国忌」は、鎮魂祭が行われることもあって、例年より少し早く、午後5時スタートとなります。平日ですが、是非、九段会館に御参集ください。

詳しくは憂国忌実行委員会のHPで。会場分担金は1,000円です。

http://mishima.xii.jp/40th/index.html

参考記事:
■産経新聞11月20日『「中国の侵略許さぬ」大阪で3300人抗議デモ』
■MBS11月20日『尖閣問題 大阪で市民デモ』

■NNN11月20日『中国の監視船を撮影 甲板にヘリポート』
■毎日新聞11月20日『中国監視船:2隻が接続水域を周回 日本側に挑発的な航行』
■産経新聞11月21日『周辺に中国漁船いないのに…「正当な任務」尖閣諸島沖で航行中の監視船』

■人民日報日本語版9月30日『国内最先端の漁業監視船、活動開始へ』
■大紀元10月2日『ヘリ搭載型の漁業監視船、南沙諸島に配置 中国で最大 航続能力6千海里』
■産経新聞11月17日『中国、ヘリ搭載監視船が就役 「有力武器」尖閣海域へ』
■産経新聞11月9日『中国の海洋調査船がEEZ内で調査活動 漁船衝突事件後初』
■産経新聞11月20日『忘れてはならない国辱的な日中首脳会談』

この記事へのコメント

roserobe
2010年11月21日 12:50
いよいよ姿を現しました。軍艦しかもヘリ搭載の。いつでも上陸準備okをメッセージしてきてますが、この政権はどう対処するのか。急には祖国を守る姿勢にはなれないでしょうね。その隙を突かれてまた国民が怒りだす・・・それでさらに愛国心が芽生える。そうなってほしいです。切に切に望みます。
しかしシナの挑発は凄いですね。舌の根も乾いてませんのに。
大阪のデモ仕事で参加できませんでした。残念でしたが大盛会でよかったです。
風来坊
2010年11月21日 20:32
尖閣でのシナの狼藉振りを国民にひた隠しに隠す首相。その狼藉について胡錦濤に抗議も出来ない首相。のみならず、首脳会談で上着のボタンを外すという胡錦濤の非礼を咎めることも出来ない首相。

片や、海上保安官によるビデオの“公開”を“流出”と報じるメディア。装備も乗員もそれとわかる“軍艦”を“漁業監視船”と報じるメディア。

こんな人物を首相の座につかせ、こんなメディアを闊歩させているのでは我が国が世界から軽蔑されるのも当然でしょう。
その意味で、アネモネさんご指摘のとおり、民主党を下野させ政権交代させることが尖閣クライシスを癒す最良の処方箋であるに違いありません。それが日本人としての最低限の責任だと思います。
2010年11月21日 22:27
こんばんは。

ここまで挑発されるとは…非常に悔しいです。

相手側の火力は機銃だけでも4連装(恐らく13ミリか20ミリ)、と2連装(恐らく40ミリ)と強力なもの…巡視船で対向するのは無理と思われます。

このような事態を招いたのは、ひとえに民主の無能、反日、売国政策にあります。

一刻も早く民主を追放、消滅させなければ国が持ちません。
たかすぎ
2010年11月22日 00:45
確かに重武装船の出現ですね。
総選挙しかありませんね。
世論が自民党に戻っているのが心強いですが、
さて、政治は一寸先は闇ですから、どうなるか。
2010年11月22日 03:19
速力はありそうですが、しけに弱い型です。

レーダーが日本製とは本末転倒です!
猛虎の友
2010年11月22日 12:47
MBSを含めて、大手メディアも民主党政権崩壊に備えて、日和見を決め込む姿勢に転じていますね。
なかにし礼や川村、田原でさえ退陣を口にし始めました。
保身でしょう。
おい 仙谷 北朝鮮と 自衛隊を 一緒にするな!
2010年11月22日 18:50
北朝鮮
 存在自体が
  暴力装置
ぬくぬく
2010年11月23日 23:25
武装だけならば日本の巡視船が上です。
「もとぶ」の武装はブッシュマスターⅡ30mm機関砲。
スウェーデン製CV90歩兵戦闘車や米海兵隊のEFV水陸両用戦闘車の主砲に採用されているものです。
戦車と言えど、正面装甲以外は撃ち抜けます。

そして、もとぶ、漁政310が移っている画像の3隻目は海上保安庁の大型へり搭載巡視船「みずほ」だそうです。
総トン数5200t、漁政310のさらに倍の大きさです。
こちらの主砲も35mm機関砲。
日本の89式装甲戦闘車や87式自走高射機関砲と同じものです。

この記事へのトラックバック