北鮮海軍854部隊の侵攻劇…大量漂着に紛れた軍事行動

警戒網をすり抜け、北の木造船は秋田に侵入した。乗組員の正体が問われる中、朝鮮海軍の標識を掲げた不審船が海の要衝に潜入。“漂着騒ぎ”の陰で、敵斥候部隊の作戦行動が続く。
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海沿いの街の住民が、あらかた眠り就いた頃だった。11月23日深夜11時半、民家のインタホーンが鳴り響く。家人が玄関の扉を開けると、外には見知らぬ男達が立っていた。話す言葉も要領を得ない。

「外国人だ」

家人は直ちに110番通報。その瞬間から、秋田・由利本荘市で緊迫の夜が始まった。駆け付けた警察官は、上陸した8人を保護すると同時に、近くのマリーナに浮かぶ木造船を発見した。
▽本荘マリーナで発見された北船舶11月24日(時事)
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「北朝鮮から来た」

男達は、そう話した。警察はマリーナを封鎖し、周辺道路の通行を規制。一帯は物々しい雰囲気に包まれた。木造船に乗り組んでいたのが、保護した8人以外にも居る可能性があるからだ。

「本当に漁をしていたのか他に目的があったのか分からず、心配だ」

住民の間に不安が広まった。警察は、不審な船や人物を見付けても決して接触せず、通報するよう呼び掛けた。武器の携行など全てのケースを想定した上での対応だ。
▽現場付近の交通規制11月24日(産経)
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所轄警察署は、別の署にも動員を要請し、警戒範囲を拡大。海上では、巡視艇「つるぎ」が監視に当たる共に、2管本部の航空機とヘリも出動した。関係者は、こう語る。

「数年前にも木造船漂着が相次いだが、今回は比にならないくらい国家情勢が緊迫している状態だ。一つの対応が国家的な危機を招く場合もある。緊張感を持って対応しなければならない」

沿岸部の集落も海も空も厳戒。正に非常事態だった。その中で、予期せぬアクシデントが発生する。11月25日早朝、木造船が防波堤から姿を消していることが判明したのだ。
▽一夜で北船舶は消えていた11月25日(産経)
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マリーナの完全封鎖、24時間態勢での警戒にも拘らず、最も重要な物証が忽然と消えた。何者かが、証拠隠滅を図ったのか…再び、現場一帯に緊張が走る。

【工作員に狙われた秋田沿岸部】

「住民に不安を与え、捜査の機会を逃したのは疑問が残る」

秋田県の佐竹知事は11月27日の会見で、県警を批判した。規制線の内側にあった証拠物件が消失するという大失態。木造船を安全な場所に移動し、しっかり繋留しておけば最悪の事態は防げた。
▽繋留ポイント周辺の捜索11月25日(産経)
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知事による異例の県警批判だが、その背景には、過去に秋田県警が北朝鮮工作船の摘発で実績を残していることがあった。昭和56年8月に発生した男鹿脇本事件である。

2人の私服警察官が、秋田・男鹿市の海岸で不審な3人組の男を発見。呼び止めると3人組は暗い海に飛び込み、ゴムボートに乗り込んで逃げた2人は取り逃がしたものの、1人を拘束した。
▽在日工作員摘発の舞台となった海岸(産経file)
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反日の牙城「在日本韓国YMCA」に雇われていた29歳の在日南鮮人だった。この男は北工作員に抜擢され、事件の約1ヵ月前に密出国。スパイ教育を施された後、密入国する所で逮捕された。

ゴムボートで逃走した2人は、北朝鮮の戦闘工作員と見られる。この事件の翌日、海保巡視船が高速で航行する偽装漁船を発見。航空機も出動して追ったが、“憲法9条の壁”に阻まれ、逃走を許した。
▽高速で逃走する北工作船S56年8月6日(海保)
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能代市の海岸で北工作員の遺体が複数見つかるなど秋田県内では昭和30年代後半から事件が続発。蓮池さん拉致の実行犯・崔スンチョルが密かに上陸したポイントも男鹿市だった。
▽小住健蔵さんに背乗りした崔スンチョル(file)
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「本当に漁船なのか。スパイ船なのか。8人だけなのか。例えば2人は潜入したとか…しっかりと船を調べないと。調べれば痕跡があるから」

また会見で佐竹知事は、そう指摘した。8人の自供通り、イカ釣り漁船なのか、それとも工作船なのか。船体には痕跡が刻まれているのだ。

【工作子船はイカ釣り漁船に偽装】

反日メディアは、漂着した船が「単なる漁船に過ぎない」と決め付け、問題を矮小化に必死だ。NHKなどは、漂着船と北工作船を比較し、サイズや構造の違いを強調する。
▽観音開き扉付きの工作母船H14年(時事)
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見下げ果てた金正恩マンセーぶりだ。比較対象とされる平成13年の九州南西海域事件で自沈したのは、工作母船である。船尾にある観音開きの特殊な扉から、工作子船が発進する仕組みになっている。

平成2年10月、福井県の美浜原発近くに北工作子船が漂着した。写真では判り難いが、甲板には不可解な穴が開いていたという。その謎を元工作員が解説する。

「ランプをぶら下げる柱を差し込む穴です。イカ釣り船のように見せ掛けるための偽装ですね」(『追跡!!北朝鮮工作船』63頁)
▽美浜事件で確保した工作子船(福井県警HP)
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ランプ用の柱は脱着式で、工作母船に収納される際、邪魔にならないようマストや操舵室を取り外せる仕様だと解き明かす。甲板に不自然な穴があれば、偽装イカ釣り漁船と断定できる。

11月上旬の佐渡島を皮切りに相次ぐ、北朝鮮“木造船”の漂着。生存者ゼロの状態で発見された船の多くは損傷が激しく、判別が困難だが、11月28日に男鹿市に漂着した船は比較的状態が良かった。
▽男鹿市の砂浜に漂着した木造船11月28日(産経)
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船倉には散乱する漁具や北朝鮮製のタバコ。乗組員と見られる8人は遺体だった。時化に遭遇したと仮定した場合、ランプ用の柱はヘシ折れ、一部が残っているはずだが、甲板は意外にも綺麗だ。

イカ釣り漁船ではなく、最初からランプ用の柱がなかったとも考えられる。しかし、操舵室があった部分も、剥ぎ取られたように見えない。「脱着式」という元工作員の説明が腑に落ちる。
▽「消えた木造船」の一部を回収11月28日(産経)
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漂着した木造船の全てではないにせよ、一部には工作船が混じっているのではないか。由利本荘市で忽然と消えた木造船は一部が付近で回収されたものの、重要な甲板部分は発見に至っていない。

我が国のEEZ内で違法操業を繰り返す“真っ当な漁船”だったのか、疑惑は深まるばかり。一方、生存した8人の中に、ニセモノの漁師が含まれていることは確実だ。

【秘密警察要員の金日成バッジ】

「現時点で、保護された乗組員はほぼ漁師とみられる。ただ、別の同乗者がいて『闇上陸』した可能性は捨てきれない。船の大きさに比べて、乗組員が少ないケースがある」

公安関係者は、そう指摘する。生存者以外の乗組員が居た疑いは常に付きまとう。過去の事件を紐解くと北工作船は「3段式」で、工作員は沿岸で工作子船から更にゴムボートに乗り換え、上陸している。
▽美浜事件で押収したゴムボート(福井県HP)
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乗組員の総数も、漁師という身分も全て保護された生存者の供述でしかない。捜査当局が裏取りに難渋する中、特定失踪者問題調査会の荒木和博代表は、緊急会見で驚くべき情報を発信した。

「今回の漁船の構成は8人で、船長・漁労長・機関長という業務上の役割以外に、労働党の責任者・国家保衛部の担当者が必ず一緒に配置される仕組みになっている」

国家保衛部とは北朝鮮の秘密警察で、北庶民の行動を監視し、思想をチェックする。加えて朝鮮労働党の責任者が、由利本荘市で保護された8人に紛れている可能性が高いのだ。
▽鶴岡市の海岸に漂着した北木造船12月4日(産経)
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山形・鶴岡市の海岸で12月4日に見付かった3遺体のうち2人が胸に金日成バッジを着けていた。着用者と非着用者。この2人こそ、保衛部と党責任者のコンビではないのか。

「遭難なのか、難民なのか、それとも別な動機による日本上陸なのか? 当局はこれまでの聞き取り調査を精査し、国民が納得できるような情報開示をする必要がある」



会見で荒木代表は、重ねて関連情報の開示を求めた。保護された8人の供述内容は、ごく僅かしか伝えられていない。聴取を行なった所轄の警察は、短い広報文を配って読み上げただけで、口を噤んだ。

「現段階では話せることはない」

地元メディアによると、所轄は本庁や法務省との連携を確認した上で詳細は機密事項に指定したという。半島情勢が不安定であっても、“ただの漁師”にここまで配慮する必要はない。
▽長崎に移送される生存者8人12月2日(読売)
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空路で帰国した後、保衛部員と党責任者は速やかに報告を上げるだろう。海保にも警察にも発見されず、接岸・上陸できるポイントを彼らは発見したのだ。

【朝鮮海軍854部隊艦艇の侵攻】

いつもの事ながら既存メディアは、連続漂着事件の核心を衝く荒木代表の警告を一切無視した。一方、在日裏面史にも詳しい元公安調査庁幹部の菅沼光弘氏は、こう指摘する。

「北朝鮮の漁民は、朝鮮人民軍に所属している可能性が高い」
▽北朝鮮の沿岸警備艇(file)
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漁師そのものが軍人・軍属であると言うのだ。これは金正恩の「漁獲戦闘」指令とは無関係に、共産国家の遠洋漁業は亡命を防ぐ観点から伝統的に軍部が管理していることに由来する。

燃料満載で他国のEEZに侵入する輩が“ただの漁師”である筈がない。親北・反日陣営が「漁民宣伝」を垂れ流す中、朝鮮人民軍関与の決定的な証拠がキャッチされた。

「朝鮮人民軍第854部隊」
▽函館湾に向かう北船舶(UHB)
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北海道沖に侵入した北朝鮮船の正面に掲げられらた錆だらけのプレート。そこには、所属部隊を示す朝鮮文字が記されていた。認識票に洒落は通じない。表記に偽りはなく、海軍854部隊の艦艇だ。

衝撃の事態である。これまでにロケット砲を積載した工作母船のEEZ内侵入や、工作子船の領海侵犯は数限りなく起きたが、北艦艇が偽装もなしに突入したケースはない。
▽停止命令拒絶する854部隊艦艇11月29日(海保)
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この854部隊艦艇は津軽海峡方面に進軍する前、北海道松前半島沖の松前小島に接岸。不法上陸した兵団は、漁業者向けの避難小屋を荒らし、金目の物を根こそぎ奪い取った。

テレビや冷蔵庫・バイクに飽き足らず、灯台の電源となるソーラーパネルまで強奪した。窃盗でも海賊行為でもない。離島のインフラを破壊する軍事行動だ。

【威力偵察任務を終えた北兵士】

「木造船は全長15メートルで、外観や形状は日本への漂着が相次ぐ北朝鮮籍とみられる漁船に酷似している」(12月1日付北海道新聞)

酷似も何も、プレートには部隊名が記されている。反日メディアは自らに都合が悪い場合は途端に朝鮮語が読めなくなるらしい。「854部隊」の表記は北海道文化放送が12月4日に初めて報じた。
▽NHK映像ではプレートが真っ白に…
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朝鮮人民海軍854部隊艦艇は、海保巡視船「えりも」に曳航され、12月3日未明、函館湾に到着。船内の立入検査と並行して兵士の事情聴取が続いている。

最初に接触した海上保安官に被害がなかったことが幸いだ。停止命令・警告の直後に銃撃を受けるリスクもあった。これまでに船内から武器類発見との情報はないが、機密事項の範囲内かも知れない。
▽1管本部による立入検査11月30日(海保)
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今年7月、日本海の大和堆に北朝鮮のイカ釣り漁船が大挙侵入。水産庁の取締船が違法操業を警告した際、銃口を向けて脅される事件が起きた。果たして、それは見間違いだったのだろうか?

参照:産経新聞7月12日『北船舶が水産庁取締船に銃口 日本海EEZの北大和堆』

海保によると北朝鮮船の漂着・漂流は11月だけでも全国28件に上る。詳しい船倉調査も行われているが、銃器が見付かったという報告はゼロ。情報は断片的で辻褄が合わない部分も多い。
▽石川・珠洲市沖で発見された木造船11月27日(時事)
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854部隊艦艇の航路も奇妙だ。海保1管本部は11月29日、松前小島沖で艦艇を発見した。メディアは松前小島に「木造船が漂着した」と伝えているが、不正確である。

日本海を漂って居住施設と備蓄食糧がある離島に到達したのならば普通は、そこで救助を待つ。しかし、重い電化製品を積み込んで出航。本国とは逆の東方海域に針路を取った。
▽北海軍部隊が潜伏した松前小島12月4日(産経)
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漂着でも漂白でもない。意図的な小島上陸と新たな進軍である。操舵機関の不調という説明も恐らく口から出任せだ。この854部隊艦艇が請け負っている真の任務は何なのか?

少なくとも北朝鮮側は、北海道・青森地方侵入の拠点に成り得る松前小島に容易に潜入・潜伏できることを把握した。実地調査は成功し、斥候部隊として任務は完了したと言える。
▽北海軍854部隊艦艇の兵士12月4日(FNN)
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立ち入り検査や聴取は1管本部が担当しているが、防衛省や外務省が乗り出す案件だ。艦艇の乗員を“ただの漁師”扱いで、個別尋問も逮捕もなしに北へ送り返してはならない。

艦艇に搭乗し、作戦に従事している10人の北兵士。彼らは軍事行動の過程で投降した捕虜である。



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参考文献:
『追跡!!北朝鮮工作船』ジン・ネット北朝鮮問題取材班著(小学館文庫H12年刊)

参照:
□荒木和博BLOG11月28日『本日の会見発表内容』
□福井県警HP『絵で見る美浜事件』

参考記事:
□UHB12月4日『北朝鮮船に「第854部隊」 島は荒らされ放題 「金目のもの全部ない!」 管理人 怒りであ然』
□ZAKZAK11月29日『北から?木造船連続漂着の異常 経済制裁受け無謀な漁、武装難民による原発テロも現実味』
□ZAKZAK12月4日『相次ぐ北木造船漂着…警察・公安が「闇上陸」テロ警戒、当局「陸地で待っていた人物いなかったか追跡」』
□秋田魁新報11月24日『北朝鮮工作員? 深夜の由利本荘市、住民に緊張走る』
□山形新聞11月25日『庄内に打ち寄せる不安 陸海空、夜を徹し警戒』
□産経新聞11月24日『秋田に漂着の木造船に不安と驚き 「正体の分からない船」「大荒れの海でよく無事でいられた」』
□産経新聞11月27日『佐竹敬久・秋田県知事「捜査の機会を逃がした」北朝鮮船行方不明で県警を批判』
□河北新報11月28日『<北木造船>秋田沿岸で漂着相次ぐ 知事「テロに警戒」』
□ロイター(共同)12月4日『北朝鮮船、漂着・漂流28件』
□産経新聞12月4日『バッジは故金主席の肖像画 3遺体、死後数カ月か』

□産経新聞11月28日『かつては工作員が侵入繰り返す 秋田の海岸、蓮池薫さん拉致実行犯も』
□産経新聞H26年12月11日『「美浜事件」風化させない 敦賀署、市役所で資料9点を公開 福井』
□産経新聞H27年7月7日『男鹿脇本事件(上)水際で捕まった北の工作員』
□産経新聞H27年7月8日『男鹿脇本事件(下)守れていなかった海岸線』

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