金正恩「斬首作戦」の迫真…THAAD狂乱が戦端を開く

米国務長官の3カ国歴訪で道筋がついた対北強硬策の発動。習近平のTHAAD発狂劇が巡り巡って金正恩の首を刎ねる…20年に渡る逡巡の末、作戦決行の条件は揃った。
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「あらゆる選択肢がテーブルの上に乗っている」

3月16日に開かれた安倍首相との会談で、米国のティラーソン国務長官は、そう明言した。北朝鮮情勢が緊迫化する中、トランプ政権は軍事オプションを排除しない方針をハッキリ打ち出したのだ。
▽安倍・ティラーソン会談3月16日(産経)
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外交表現の「あらゆる選択肢」とは「武力行使も辞さない構え」を意味する。脅しの一種だが、ティラーソン発言の「選択肢」には、具体的な作戦も含まれる。

斬首作戦だ。平壌空爆による金正恩の抹殺である。対北サージカル・ストライクは、第1次朝鮮半島核クライシスの際、決行直前まで迫った。決して新しい作戦計画ではない。
▽カーター電撃訪朝で計画破棄’94年
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ブッシュ時代も限定空爆実施の観測が流れたが、米朝交渉の末、テロ支援国家指定の解除という予想外な展開で終わった。その轍を踏まないとティラーソン長官は、東京で語った。

「北朝鮮に対して米国は20年に渡って失敗したアプローチを取ってきた。そこには北朝鮮への13億5000万ドルの支援も含まれる」
▽共同会見する日米外相3月16日(代表)
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’94年の米朝枠組み合意も’08年の制裁解除も、北の核・ミサイル開発を止めること繋がらず、時間を与えただけだった。そして対北サージカル・ストライクも大きく様相が変わった。

3月6日に連射された「スカッドER」も、TEL(移動式発射機)搭載だった。グアムを射程に収める「ムスダン」や米西海岸を狙う「KN-08」も TEL搭載可能で、ミサイル基地空爆の効果は薄くなった。
▽スカッドERの乱射3月6日(KCNA)
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その中で現実味を帯びて語られるようになったのが、金正恩をターゲットにした斬首作戦だ。発射の“司令塔”を叩けば、全ての北ミサイルは沈黙する。

一部のメディアはトランプ大統領のパーソナリティーと結び付けて、米軍の対北強硬策を論じるが、新政権独自のものではない。既に米国防総省はオバマ前政権時から、策を練っていたのだ。

【“斬首セット”半島沖ニ展開ス】

「北朝鮮が核攻撃の能力を持った途端、金正恩は死ぬことになる」

米国務省のダニエル・ラッセル次官補が記者団に対し、そう述べたのは、昨年10月のことだった。次官補は’94年当時、ソウル米大使館の一等書記官として核クライシスを体験した朝鮮半島の専門家である。

これもメディアも通じた脅しだが、口先だけではない。昨春の米南合同軍事演習「フォールイーグル」では初めて、米海軍特殊部隊シールズが参加した斬首作戦の訓練が行われた。
▽報道陣に公開された発着訓練3月14日(AP)
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今年も3月1日から始まった「フォールイーグル」に米海軍は空母カール・ヴィンソンを派遣。そこにはシールズに加え、対テロ特殊部隊デブグルー(DEVGRU)も乗り組んでいるとされる。

デブグルーは’11年のビンラディン殺害を牽引した精鋭部隊。カール・ヴィンソンは遺体の収容・確認後、北アラビア海で水葬を執り行った空母だ。分かり易い“斬首作戦セット”である。
▽釜山港に入るカール・ヴィンソン3月15日(共同)
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正男暗殺以降、斬首作戦決行論が噴出しているが、その根拠は昨春の合同訓練だ。一方、米軍の精鋭部隊が平壌に降下し、金正恩を排除するという作戦が現実的か否か、疑問も多い。

郊外の民家に潜んでいたビンラディンとは環境が余りにも違う。これまでに判明している金正恩の執務室は、党中枢機能が集まる“要塞区画”の中にあり、直属の親衛隊が配置されている。
▽建築中の金正恩執務室=15号邸’11年(中央日報)
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いかに選り抜きのデブグルーでも生還する可能性はゼロだ。実行部隊の死亡が確定的な作戦を米軍が発動することはない。そこが民主主義国家の軍隊の弱さでもある。

金正恩を木っ端微塵にするのはアサルトライフルではなく、地中貫通爆弾だ。イラク戦争で世界に衝撃を与えたバンカーバスター。金正日はCNNを見て震え上がったという。
▽イラク政府中枢への空爆’03年(ロイター)
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ラッセル発言の直前、NNSA(米国家核安全保障局)は、B-61地中貫通核爆弾の実験写真を公開した。あくまでも「偶然の一致」で、深く考えてはいけないが、何しろ発言の4日前である。
▽貫通弾を投下するB2爆撃機’16年(NNSA)
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想定される斬首作戦は、主要ミサイル基地及び関連施設への巡航ミサイル攻撃に平壌ピンポイント爆撃を加えるものだ。’94年に直前キャンセルされた空爆プランと極端な違いはない。

本来なら「狂気の独裁者の排除」は金日成時代に実行すべき作戦だった。しかし、歴代の米政権は北朝鮮の開発能力を見誤り、妥協と打算で先送りにし続け、現在の事態を招いた。
▽実験に立ち会う金正恩3月18日(KCNA)
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米国の弱腰姿勢は、親北国家群による牽制も影響していたのだが、20年前と今は大きく異なる。斬首作戦、サージカル・ストライクを決行する国際環境が一気に整ったのだ。

【シナ式嫌韓流の暴風強まる】

「ロッテは中国から出て行け、韓国製品不買、THAADに反対、中国を愛する」
▽嫌韓教育が進む小学校3月(FB)
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先生の掛け声に続き、児童が拳を振り上げて唱和。支那国内の小学校で撮影された動画が波紋を広げている。極端な“排斥教育”に対し、六四虐殺事件当時の民主化運動リーダー・王丹氏は、こう指摘する。

「この典型的な運動はプレ文化大革命時期にも起きていた」

我が国のメディアは続報を出していないが、中共の「ロッテ叩き」は、激化の一途を辿る。消防検査を口実にしたロッテマートの強制閉鎖は3月に入り、全体の6割に迫る55店舗に拡大した。
▽営業停止処分のロッテマート3月6日(時事)
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そして中共の官製不買運動は、南鮮国内にも波及。3月15日から始まった南鮮観光ツアー禁止措置で、空港に溢れていた支那人旅行客が一斉に消えた。
▽昨9月のロッテ免税店と3月13日現在(聯合)
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「前政権の失政だ」

3月14日に開かれた大統領候補の討論会で、支持率断トツの文在寅(ムン・ジェイン)はTHAAD配備撤回を示唆した。ソウルを訪れたティラーソン長官は、反対派にクギを刺す。

「韓国の新政権はTHAAD配備を支持すると期待している。これはあくまで韓国を守り、在韓米軍を保護する為のものだ」
▽板門店視察するティラーソン長官3月17日(時事)
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目出度く大統領に当選しても文在寅は苦しい立場に置かれる。北朝鮮の動きを受けてハードルは跳ね上がった。現状の「配備撤回」ではなく、「撤去」に変わるのだ。

3月6日夜、発射台2基を含むTHAAD装備の第1陣が、ソウル南方の烏山基地に空輸された。当初、配備完了は今年の秋以降とされたが、大幅前倒しで、早ければ5月中にも稼働を始める見通しとなった。
▽南鮮に到着したTHAAD機材3月6日(AP)
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つまり反対派の新大統領は、実戦配備された最新鋭のミサイル防衛システムを強制撤去しなればならないのだ。ゴミ同然の腐れ像を撤去すよりも難しい。

中共も予想外の早期配備に狼狽している。しかし、ロッテのゴルフ場に完成したTHAADを一瞬で撤去するチート技があるのだ。

【習近平が選ぶ“第三の道”】

習近平にとって南鮮THAAD配備は死活問題である。左手敬礼で老兵の涙を誘った2年前の六四虐殺広場パレードで、便所前はパク・クネを招待し、特等席に座らせた。
▽軍事パレード観閲するクネ’15年9月(ロイター)
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軍事パレードにはTHAADの迎撃対象となる中共製弾道ミサイルも登場。クネはそれを肉眼で確認した上で一転、配備を決定する。国家の安全保障より重要な自らのメンツが潰された。逆上するのも道理だ。

政争に利用される他、最も無能な主席のレッテルを貼られ、哀れな晩年を過ごすことになりかねない。ところが、THAAD撤去を実現する選択肢が存在する。大胆に3つに絞ってみると…

①新大統領を籠絡し、撤去を宣言させる
②北朝鮮軍の南侵を支援し、南鮮併呑
③金王朝を崩壊させ、核・ミサイルを封印&無効化

▽ICBM発射で金正恩マンセー2月12日(KCNA)
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第1のプランは実行中だが、失敗する確率も高い。第2案は、67年前に実行済み。注目は、以前なら検討も出来なかった第3の選択肢があることだ。

北朝鮮軍の脅威がなくなり、野戦部隊に元戻りすれば、米国が南鮮にTHAADを配備する大義名分は失われる。同時に上海・広東まで射程に納める北ミサイル群も地上から消滅する。
▽北弾道ミサイルのレンジ(英エコノミスト)
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金正恩体制の排除であって、北朝鮮の国家崩壊や南主導による統一ではない。中共の描く戦後ヴィジョンは不明だが、北朝鮮を残す形で半島の中立化を求め、在南米軍は撤退する方向になるだろう。

これまでは中共に加え、ロシアが朝鮮半島有事を憂慮し、米軍のサージカル・ストライクを強く牽制してきた。しかし、トランプ政権の親露傾向とシリア情勢で風向きが変わった。
▽独首相と会談するトランプ大統領3月17日(AP)
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限定空爆であっても米国はUN安保理決議のお墨付きを求めるが、中・ロ2カ国は拒否権を行使せず、棄権に回る可能性が高い。斬首作戦を容認する国際環境は、急速に整ったのである。

「誰も望まない場所に向かう」
▽ティラーソン・便所前会談3月19日(共同)
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支那訪問を前にした米メディアとのインタビューで、ティラーソン長官は改めて軍事オプションを排除しない姿勢を示した。3月19日に行われた便所前との会談でも突っ込んで話たことは確実だ。

この席でティラーソン長官は、安保理決議案の草案を提示したのではないか。習近平の訪米は早ければ4月の第1週。フロリダの別荘での首脳会談で、一気に最終合意に至るケースも想定される。
▽新型エンジンの燃焼実験3月18日(KCNA)
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北朝鮮は4月15日に金日成誕生日、同25日に軍創建85年の記念日を迎える。新型エンジンの燃焼実験に続き、ICBM発射・核実験に踏み切る公算が高い。

今後1ヵ月の間に緊迫化する半島情勢。我が国にとっても未曾有の事態だ。朝鮮半島有事は対岸の火事ではなく、列島を揺るがす重大な治安問題であると認識し、厳重警戒しなければならない。



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参照:
□NNSA’16年10月6日『NNSA and Air Force conduct two successful joint flight tests』
□王丹Facebook3月11日『這是「前文革」時期的典型特徵」

参考記事:
□産経新聞3月6日『「核攻撃力を持った途端、金正恩は死ぬ」 米高官の警告直前の地中貫通核爆弾投下試験公表は斬首作戦の前触れか』
□ZAKZAK3月7日『北・正恩氏、米韓軍の『斬首作戦』訓練に狂乱4発 高まる「米朝開戦」危機、米特殊部隊動く』
□産経新聞3月16日『ティラーソン氏、安倍晋三首相と会談 対北、圧力強化で一致「あらゆる選択肢がテーブルに…」』
□NHK3月16日『米国務長官 “北朝鮮の脅威増す これまでの政策は失敗”』(魚拓)
□時事通信3月19日『「協力、唯一の正しい選択」=米国務長官と初会談-中国主席』
□朝鮮日報3月14日『韓米合同軍事演習に「ビンラディン暗殺部隊」も参加』(魚拓)
□時事通信3月19日『新型エンジン燃焼実験成功=金氏視察、近くミサイル発射か-北朝鮮』
□時事通信3月7日『対韓報復強化、THAADけん制=「ロッテたたき」正当化-中国』
□ハンギョレ新聞3月14日『止まらない中国の「THAAD反対」』
□大紀元3月14日『「愛国」スローガン叫ぶ中国の小学生 韓国企業排斥を教育か』

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