南シナ海に開戦前夜の霧…侵略を支援する反日2軍紙

制服組トップの視察強行に続き、大型の中共軍機も飛来。南シナ海情勢が急激に悪化する中、伝説の軍港に再び旭日旗が翻った。だが親中共メディアは、そこでも“自衛隊悪玉論”を並べ立てる。
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世界の海戦史を塗り替えた明治38年の日本海海戦。我が聯合艦隊と激突する前、露・バルチック艦隊は、当時の同盟国フランスが支配する東洋植民地の港に集結した。それがカムラン湾だ。

狭い間口の入江、そして大型船も停泊可能な水深の深い天然の良港。仏印進駐に伴って我が海軍は、この港を獲得、蘭印作戦など南方戦線の一大拠点となった。
▽半島と岬に包まれるカムラン湾
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そして「聯合艦隊最後の勝利」とも讃えられる昭和19年12月の礼号作戦。この時、比・ミンドロ島沖に向け、第二水雷戦隊が出撃したのもカムラン湾だった。

聯合艦隊の始まりと終わりに登場したベトナム中部の軍港。しかし礼号作戦以降、その軍港の名が日本海軍史に再び刻まれるこことはなかった。



「極めて戦略的な寄港地の選定であり、歴史的な訪問だ」

日本政府関係者は、そう話した。海上自衛隊の護衛艦「ありあけ」と「せとぎり」が4月12日、カムラン湾に入った。71年の時を超えて旭日旗が翻る。
▽カムラン湾に入る「ありあけ」4月12日(朝日)
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ベトナム海軍幹部が桟橋で両護衛艦の乗組員を出迎えた他、「ありあけ」艦上では駐越日本大使が記念スピーチ。また地元メディア向けに艦内の公開も行われた。
▽「ありあけ」艦上で駐越大使が挨拶(共同)
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南ベトナム時代、カムラン湾は米海軍の拠点だったが、1979年からソ連が租借。2002年のロシア海軍撤退後はベトナム海軍が基地を置き、海外艦の入港は厳しく制限されていた。

両艦が寄港したのはベースでなく、開港したばかりのカムラン国際港だが、昨年11月の中谷防衛相視察など安倍政権は布石を打ってきた。同じ日、中谷防衛相は会見で寄港に絡み、こう語った。

「我が国にとって南シナ海の航行の自由やシーレーンの安全確保は重要な関心事項だ」
▽表敬訪問した越海軍幹部ら4月12日(地元紙)
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海自護衛艦の寄港が中共の南シナ海侵略を牽制するものであることは説明するまでもない。

【護衛艦「いせ」派遣の意味】

4月3日、比・ルソン島のスービック港に一隻の潜水艦が姿を現した。海自の練習潜水艦「おやしお」だ。僚艦に「ありあけ」「せとぎり」を従えての入港だった。

海自潜水艦のフィリピン寄港は2001年以来、15年ぶりと
なる。初級幹部自衛官の練習航海の一環だが、これも中共の侵略行動を睨んだ日比連携に他ならない。
▽スービック到着の「おやしお」4月3日(AFP)
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冷戦時代、スービック湾は米海軍の一大拠点で、ソ連海軍の重要基地があったカムラン湾と対をなす存在だった。この2カ国のベース消滅という空白が、中共軍の侵略を加速させる結果となった。

中共軍が南シナ海全域に要塞島を建設する中、冷戦期の遺物と思われた旧海軍基地が再び脚光を浴び始めた。「ありあけ」「せとぎり」が、南シナ海を横断して2つの湾を結んだことにも大きな意味があった。
▽「おやしお」と「ありあけ」4月3日(共同)
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「ありあけ」「せとぎり」がカムラン湾で歓待を受けていた頃、西方のスマトラ島沖には、海自が誇る大型艦の艦影があった。全通甲板を持つヘリ搭載護衛艦「いせ」だ。
▽観艦式に参加する「いせ」4月12日(地元ネット)
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護衛艦「いせ」は4月12日、インドネシア海軍の観艦式に参加。続いて、多国間共同訓練「コモド2016」に加わり、大津波被害を想定した捜索・救難訓練を行った。

「いせ」派遣は、訓練開催の僅か1週間前に発表された。観艦式でもひときわ大きな艦影が目を引いたが、それにも理由があった。海自幹部は、こう説明する。

「通常の護衛艦派遣よりも意味合いは大きい。潜水艦派遣と合わせ、中国にとっては厳しいメッセージに映るだろう」
▽観閲艦迎える「いせ」4月12日(海自FB)
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高い対潜能力を誇る「いせ」は、16セルのVLSを備え、哨戒ヘリの複数同時展開も可能だ。南シナ海を“赤い潜水艦”の海に変えている中共は、「いせ」派遣の意味を充分に理解しているだろう。

共同訓練を終えた「いせ」は、豪州・ベトナムなど18カ国の若手士官を乗せ、フィリピンに向けて舵を切った。間もなく、スービック湾にその大きな艦影を映し出す。

【中共軍トップが“最前線”視察】

「戦闘機の撤去を強く求める」

ベトナム外務省が語気を強めて非難したのは、海自護衛艦のカムラン湾到着から2日後の4月14日だった。中共軍が、南シナ海北部のウッディー島に戦闘機などを配備したことが明らかになった。

配備情報は2月の時点で米情報機関がキャッチしていたが、最新鋭の戦闘機に加え、戦闘爆撃機「殲轟7」も確認された。地対空ミサイル8基の配備で懸念が広がる中での軍備増強だ。
▽ウッディー島に配備された殲轟7(新華社)
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パラセル諸島のウッディー島は、半世紀前に中共が侵略し、実効支配した。80年代末に滑走路や桟橋が建設されたものの、小規模な泊地レベルに過ぎなかった。それが瞬く間に軍事拠点へと変化した。

中共軍は昨年から100隻を超す艦艇が参加する大規模演習「機動」を南シナ海で開始。詳しい海域は公表されていないが、実戦配備が進むウッディー島周辺と見られる。
▽軍備増強が進むウッディー島(file)
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南シナ海を睨む中共海軍の最前線は長らく海南島だったが、一気に300kmも南進した格好だ。中共軍は、この新たな要塞島を起点にスプラトリー諸島へ黒い翼を広げている。

4月17日、スプラトリー諸島・ファイアリークロス暗礁付近の人工島に中国軍機が飛来した。中共メディアは作業員の救急搬送と宣伝するが、既成事実を積み上げる為の小芝居に過ぎない。
▽海南島に戻った中共軍機4月17日(CNN)
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ファイアリークロス暗礁付近の人工島には、4月上旬、中共軍制服組トップの范長龍が視察に訪れていた。船や民間機は利用しないだろう。この時が最初の軍用機到着と考えられる。

「中国の領土であり、驚くに当たらない」

軍用機の発着陸について中共外交部は、そう強弁した。しかし、ファイアリークロスは干潮時に小さな岩が海面から突き出る程度の暗礁だ。周囲を埋め立て、領土と言い切る神経は野蛮人にも劣る。
▽ファイアリークロス暗礁の原型(干潮時)
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ファイアリークロス暗礁はスプラトリー諸島の中でも西に位置し、カムラン湾にも近い。ベトナムは現在、この人工島の兵力増強に危機感を募らせている。

【南シナ海危機も「日本が悪い」】

「現状を変更し緊張を高めうるあらゆる威嚇的、威圧的または挑発的な一方的行動に対し、強い反対を表明する」

広島を舞台にしたG7外相会合。4月11日に発表された「海洋安全保障に関する声明」は、名指しこそ避けたものの、中共の南シナ海侵略を強く牽制するものだった。
▽厳島神社参拝したG7外相4月10日(時事)
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G7会合を前に習近平指導部は英独の外相に対し、南シナ海問題に触れぬよう働きかけたが、効果はなかった。護衛艦派遣とも重なるタイミング。安倍外交の花々しい成果である。

だが、既存メディアの取り扱いは低調だった。ケリー国務長官の原爆慰霊碑訪問は印象的ではあったが、東シナ海情勢にも踏み込んだ「G7海洋声明」は現在進行形の危機を的確に映し出していた。
▽慰霊碑前のケリー・岸田両外相4月11日(代表)
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その中、反日メディアの一部は「南シナ海の真実」を隠蔽する姿勢を示している。信濃毎日新聞は、海自護衛艦のカムラン湾寄港について、狂気漂う異常な社説を掲載した。

「自衛隊が出ていくことには疑問がある。緊張を高めれば、中国に人工島を軍事利用する口実を与えることにもなりかねない」

参照:信濃毎日新聞4月14日『安保をただす 海自艦寄港 懸念が募る南シナ海派遣』 (魚拓)

前段で人工島造成に触れているが、軍事利用はとっくに始まっている。中共は戦闘機や爆撃機を配備し、泊地としての設備も整えた。中共軍トップは、漁民に挨拶に行ったとでも言うのか?
▽視察を強行した范長龍3が(AFP)
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米海軍や海自の警戒行動が、南シナ海の危機を高める…こうした事実歪曲・本末転倒の難癖は、反日2軍紙のオリジナルではない。習近平指導部の最近の論調と全く同じである。

「最も重要なことは、米軍の戦略爆撃機や駆逐艦を含む最新兵器が日々、南シナ海に出現していることだ」
▽米支外相の共同会見2月23日(AFP)
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2月にワシントンで行われた米支外相会談で、中共の王毅は、そう平然と言ってのけた。中共国防部や党宣伝機関も同じ屁理屈を捏ね繰り回す。信濃毎日の社説は、中共の指導方針に沿ったものなのだ。

人工島の要塞化完成を前に米支が正面から衝突することはない。だが、既に南シナ海をめぐる情報戦は加速し、一部の反日メディアは読者に嘘を吐いてまで中共に恭順する姿勢を取り始めた。
▽パラセル諸島に展開する侵略部隊(新華社)
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本物の戦争協力者たちの登場。親中共勢力が南シナ海情勢を矮小化し、実態を隠すかのように霧の奥に押し込めていることに危機感を抱く。それは紛れもなく開戦前夜、開戦準備の為の煙幕だ。



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参照:
□海自Facebook4月14日【西太平洋海軍シンポジウム2016(WPNS2016)】
□海自Facebook4月14日【インドネシア海軍国際観艦式】
□外務省HP4月11日『海洋安全保障に関するG7外相声明(PDF)』

参考動画:
YouTube『2 chiến hạm Nhật Bản cặp cảng quốc tế Cam Ranh』

参考記事:
□VIETJO4月13日『海上自衛隊の護衛艦2隻がカムラン湾に初寄港、中国けん制』
□BAOMOI4月12日『Đón 2 tàu hộ vệ của Nhật Bản thăm cảng Cam Ranh』
□産経新聞4月12日『海自護衛艦が越の要衝カムラン湾に初寄港 人工島軍事拠点化進める中国を牽制』
□読売新聞4月13日『中国に「静かな圧力」…護衛艦初のベトナム寄港』
□朝日新聞4月12日『海自艦、ベトナム・カムラン湾に寄港 「歴史的な訪問」』
□産経新聞4月16日『中国の野望「南シナ海制圧」防げ、自衛隊のフィリピン展開求める声も…日比は準軍事同盟関係に』

□ロイター4月12日『海自艦に18カ国の士官が乗船、インドネシアからフィリピンへ』
□時事通信4月12日『海自大型護衛艦が参加=インドネシアで共同訓練』
□AFP4月3日『海自潜水艦など3隻、フィリピンに寄港 南シナ海の係争海域近く』

□産経社説4月13日『G7海洋声明 中国抑止へ結束を示した』
□WSJ4月15日『中国軍制服組トップ、南シナ海の人工島訪問』
□時事通信4月14日『中国の戦闘機配備に抗議=南シナ海・永興島-ベトナム』

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