中共軍“不沈空母”の暗礁…旭日旗は南シナ海を守る

珊瑚礁は軍事要塞に変わり、子供達が暮らす島の沖合には凶悪な揚陸艦も浮かぶ…中共軍の海洋侵略に手をこまねくばかりのオバマ政権。その中、南シナ海に旭日旗が還ってきた。
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沖縄・嘉手納基地から飛び立った米海軍の最新鋭哨戒機P-8Aポセイドンは5月20日、南シナ海・スプラトリー諸島上空に到達した。眼下には、ファイアリー・クロス礁が見える。

かつての美しい珊瑚礁は面影すらなく、今そこにあるのは、中共軍の早期警戒レーダー基地、管制塔と3000m級の滑走路、巨大な兵舎…僅か2年間で、面積は8平方キロ以上も広がった。
▽ファイアリー・クロス礁近くの埋立地(CNN)
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「中国海軍の警告が、陸上のこの施設から発信されていることは間違いない」

偵察飛行部隊の司令官は、P-8Aに同乗したCNN記者にそう語った。再三の退去警告に対し、P-8A側は「公海上の空域だ」と回答。すると苛立ち始めた中共海軍は、こう宣言した。

「ここは我々の軍事警戒区域である」

簡単な罠に引っ掛かった格好だ。人工島の異常拡張が基地建設に向けたものであることは誰の目にも明らかだが、中共側は最近、気象観測などの「平和利用」を主張、宣伝に努めていた。



そんな陳腐なプロパガンダも、管制官の一言で軽く吹き飛んだ。米国防総省は、情報戦の一環として記者を同乗させ、そして初回のフライトで相手が罠に掛かってくれた。企画は大成功だった。

更にCNNは、同じ空域を飛ぶデルタ航空機が警告を受けていた事実を明らかにした。重大な問題だ。民間航空機のルートにも影響を与える恐れが出てきたのである。
▽新設された中共軍レーダー施設(CNN)
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日本メディアは、この点に一切触れなかったが、スプラトリー上空は、日系キャリアも含め、各国の航空機が通過する。そこに突如、違法な飛行禁止空域が出現する危険性が高まっているのだ。

最早、遠い南の海の「異変」といったレベルの認識で看過することは出来ない。

【漂流船を追い払う軍事施設】

「この数カ月間、中国軍は浚渫船とブルドーザーで南シナ海に砂の万里の長城を築いている」

米太平洋艦隊のハリス司令官は3月末、そう批判し、強い懸念を示した。「数カ月」という表現は決して大袈裟なものではない。英ジェーンズが発表した3枚の写真は、衝撃的だった。
▽ガベン暗礁10ヵ月の“成長”(ADS)
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南シナ海のガベン暗礁は、干潮時に僅かに岩が確認できる程度だった。上の3枚の写真のうち左側が、昨年3月。それが、8月にはリーフが埋め立てられ、今年1月には人工島が完成していた。

元の暗礁を取り囲むように築いたのではなく、付近の珊瑚礁を潰し、人工島を誕生させている。長い防波堤に加え、ヘリポートや兵員の駐屯施設も建設済み。明らかな軍事施設だ。
▽ガベン暗礁付近の中共軍拠点(CSIS)
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「気象予報や海難救助などの能力向上につながる」

中共海軍の司令官・呉勝利は5月1日、そう言い切った。あくまでも表向きは「平和利用」なのだ。我が国の反日メディアや親中論者も、このプロパガンダに添って、南シナ海の異常事態を軽くスルーする。
▽ガベン暗礁付近の構造物2月(比軍撮影)
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だが、この数日後に呉勝利の発言が嘘と判明した。5月5日、エンジン故障で漂流を始めたベトナム漁船が、ガベン暗礁に接近。しかし、中共海軍が人命救助を優先することはなかった。

「ガベン礁に接近すると、中国船が入域を妨害した。攻撃は受けなかったが国際海洋法違反だ」

海洋法では、故障船の緊急入域や救助が規定されている。例えば外国籍の難破船が尖閣諸島に一時退避することは違法上陸と見なされない。だが中共海軍はベトナムの漂流漁船を無慈悲に追い払ったのである。

そこは、中共海軍が公言した通り“軍事警戒区域”に他ならない。

【逆説教された米国務長官】

米軍の準機関紙『星条旗新聞』は5月13日、スプラトリー周辺海域で撮影された1枚の写真を公表した。波を上げて進むのは、米海軍のLCS=沿岸海域戦闘艦「フォートワース」だ。
▽追尾される「フォートワース」5月11日(S&S紙)
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後方に小さな船影が確認できる。それが中共海軍の江凱II型フリゲート「塩城」だという。「塩城」は、射程180kmの対艦ミサイル8基を搭載する主力艦の1隻である。

どの人工島に近かったのか、具体的な海域は明らかになっていない。また何時間に渡って追尾を受けたのかも不明。しかし、米海軍側がこうした写真を直ちに公開することは異例だ。
▽後方に見えるのが「塩城」5月11日(米海軍提供)
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タイミングは、ケリー国務長官の北京到着直前だった。そこに追尾画像公開に踏み切った意図が透けて見える。ケリーは5月16日の外相会談を皮切りに、習近平らと相次いで対面した。しかし…

「米国は領土問題で中立な立場を取ることを約束したはず。言動を慎むべきだ」

中共軍制服組トップの范長竜に至っては、逆にケリーを叱り付ける始末だった。また習近平も南シナ海の人工島問題に絡んだケリーの質問を軽く無視。結局、この支那訪問で何ら進展はなかった。
▽ドン引きするケリー5月17日(ロイター)
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そしてケリーの帰国直後、ファイアリー・クロス礁を俯瞰したCNNの同乗リポートが発表される。米軍の異例の発表は、弱腰姿勢のオバマ政権に対する圧力にも見える。

「次の段階だ」

米国防総省のウォーレン報道部長は5月21日の会見で、そう明言した。米軍は「次の段階」として人工島の12海里以内に偵察機やLCSを進入させ、領土と認めないことを行動で示すという。
▽偵察中のP-8A機内5月20日(ロイター)
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強気の姿勢を見せた格好だが、決して目新しい発言ではない。これまでもペンタゴンは「12海里以内への進入検討」を公言していたが、ホワイトハウスは一向に承認する気配がないのだ。

中共指導部は、そんなオバマの決断力の無さをとっくに見抜いている。だからこそ、南シナ海情勢は危機的と言える。

【凶悪軍隊に怯える島の子供達】

「米政府は、中国の破壊的な振る舞いに報奨ではなく代償を課す選択肢を検討すべきだ」

米上院軍事委員会のジョン・マケイン委員長らは、この程、リムパックでの中共軍排除を求める書簡をカーター国防長官に送った。同委員長は3月にも、強硬な対処を要請していた。
▽半年間の変貌ジョンソン南礁(比軍撮影)
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再三の要求は、ホワイトハウスの優柔不断さを象徴している。手をこまねくだけのオバマは、これからも同様だ。習近平の訪米が予定される9月まで、具体的なアクションを起こすことはないだろう。

その中で危機感を強めているのが、フィリピンだ。スプラトリー諸島の北に位置する同国最西端の島・パグアサ島。5月11日、その島にフリピン国軍のカターパンJr参謀総長が降り立った。
▽島に到着した比軍参謀総長5月11日(AFP)
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外国メディアを伴って訪れた参謀総長に島民は沸き立った。迎えたの島の小学校の児童だ。パグアサ島には約100人の民間人が暮らす町があり、町長もいれば、学校もある。

島の子供達が恐怖に怯えるようになったのは、最近のことである。沖合25キロ程の海上に人工島が出現。瞬く間に外国の軍人と船で埋め尽くされてしまったのだ。



スービ暗礁。中共侵略軍は、この暗礁でも周辺のリーフを埋め立て、滑走路用の“陸地”を造成。既にドーム型のレーダー施設は稼働を始め、揚陸艦も配備されている。

女性や子供が暮らすパグアサ島には40人規模の比軍部隊が駐屯しているが、中共軍が侵略行動に出れば、島は一瞬にして地獄と化す。ここは、南シナ海危機の最前線だ。
▽平和だった頃の島の暮らし'12年(共同)
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「飛行場建設の完成は2017~18年になるだろう」

5月13日に開かれた米上院外交委で、シアー国防次官補は、そう述べた。再来年にもファイアリー・クロス礁の飛行場が稼働し、次いでスービ暗礁にも巨大滑走路が出現する見通しだ。

中共側は侵略エリアでの滑走路建設について、周辺にある軍事施設に対抗する為と強弁する。パグアサ島のほか、スプラトリー最大の島で、台湾国が実効支配する太平島にも滑走路がある。
▽比最西端のパグアサ島(WSJ)
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だが、それらは警備用の小規模なもので、軍事的脅威などではない。しかも、パグアサ島や太平島は井戸から水が湧く本物の島だが、中共が要塞化を進めている箇所は、暗礁に過ぎない。
▽パグアサ島から見える風景(ロイター)
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UN海洋法条約では、暗礁には領土・領海を設定できないと規定されている。一方的に国際ルールを破り、漁場を戦場に変えようとしているのは、中共だ。

【新南群島に旭日旗が還る日】

「私達にとって最も大切なコモンズである海は、力によってでなく、法とルールの支配する所でなくてはなりません」

一昨年発表された「安倍ドクトリン」は、尖閣周辺のみならず、南シナ海危機を視野に入れたものだった。安倍首相は「力による現状変更の動き」を繰り返し批判、牽制してきた。
▽安保法制に関する会見5月14日(ロイター)
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安保法制の閣議決定に伴う5月14日の会見では、自衛隊機のスクランブルが10年間で7倍に急増している事実を強調した。名指しは避けたものの、これは中共軍機による南西諸島接近の異常な増加を示す。

「なぜ安保法制を急ぐのか?」

反日メディアを筆頭にそんな愚問がリピートされる。南シナ海の異様な光景を見れば、一目瞭然だ。報道機関も野党も、お粗末な妄想を披瀝している場合ではない。
▽侵略加担勢力が相次ぎ登場5月20日(産経)
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安倍首相会見の2日前、海上自衛隊はフィリピン海軍と初の2カ国共同訓練を行った。公式発表は「マニラ西方海域」だが、その舞台はスービック湾沖の南シナ海だった。

実施したのは、多国艦船との偶発的衝突を防ぐCUES(海上衝突回避規範)訓練で、海自からは護衛艦「はるさめ」「あまぎり」が参加。比海軍のフリゲート「ラモンアルカラス」と陣形を整えた。
▽陣形整える日比艦艇5月12日(海自FB)
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今年1月末に締結された日比防衛協力の強化に関する覚書。その目玉が両国防衛トップのハイレベル交流と共同訓練だったが、僅か4ヵ月余り後、実施海域に南シナ海を選んだことは感動的ですらあった。

「日本の介入は更に大きな動揺と不安定をもたらす」

度肝を抜かれたのは中共指導部だ。この共同訓練を速報したのは、我が国のメディアではなく、中共の機関紙だった。激しく動揺している様子が伝わってくる。
▽「あまぎり」に比軍ヘリ着艦5月12日(海自)
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たった2隻の護衛艦と侮ってはならない。これが抑止力というものなのだ。90年代以降、中共海軍は米ソの戦力が消えた南シナ海に躍り出て来た。そこに我が国の艦船が出現することは想定外だったのだ。
▽比フリゲート両脇に「はるさめ」「あまぎり」(海自)
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スプラトリー諸島は、1945年まで新南群島と呼ばれていた。我が国が名付けたのである。そこでは世界に誇る大艦隊が睨みをきかせ、漁民たちは争いに巻き込まれることなく平穏に暮らしていた。
▽’45年以前のスプラトリー近海図
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後に、珊瑚礁が埋め立てられれ、邪悪な五星紅旗が立つことなど誰も想像しなかっただろう。
▽遠洋練習航海に向う「かしま」5月21日(産経)
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19世紀の昔から決まっている。アジアの海を守るのは、我が旭日旗だ。



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関連エントリ:
□H22年8月24日『終わりなき中共 海の侵略…米介入で南シナ海に波紋』

□H26年5月15日『南シナ海を覆う「九段線」…失われた帝国の妄想版図』

参照:
海自Facebook5月14日『日比共同訓練』
海国防衛ジャーナル2014年1月18日『南シナ海 中国が次に狙うのは』

参考記事:
□ロイター5月13日『自衛隊とフィリピン海軍、南シナ海で初の共同訓練』
□時事通信5月12日『「緊張あおるな」と中国=南シナ海の日比共同訓練』

□CNN5月21日『「退去せよ」中国軍から警告 南シナ海飛ぶ米偵察機に同乗』
□Washington Post5月21日『Chinese warnings to U.S. plane hint of rising stakes over disputed islands』l
□産経新聞5月22日『南シナ海で米中の緊張高まる 人工島建設で対中牽制強化 「次の段階」で米軍が12カイリ進入も』
□読売新聞5月22日『中国、南シナ海支配を宣伝…気象観測など強調』
□FNN5月13日『緊迫の度を増す南シナ海情勢 米海軍最新鋭艦を中国軍が追尾』
□産経新聞5月11日『フィリピン軍トップが南シナ海視察 領有権めぐり対立する中国に存在アピール』
□スポニチ(共同)5月14日『中国艦が米軍艦追跡 南シナ海の南沙諸島周辺海域』
□時事通信5月6日『ベトナム故障船、中国が入域拒否=南シナ海』

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