安倍首相8年後の春の威風…隅に追われた捏像慰安婦

暴風に打ちのめされた訪米から8年…安倍首相を待っていたのは喝采だった。歴史的なスピーチに隠されたメッセージ。D.C.に翻る日の丸にアンチ陣営の慟哭が聞こえる。
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言葉を結んでから、実に1分間以上も満場の拍手は鳴り止むことなく続いた。壇上から降りた安倍首相の周りには、握手を求める議員が集まり、議場から熱気が去る気配はなかった。

歴史的な演説だった。それが米時間で4月29日という昭和節に行われたことも意義深い。嘉永7年の和親条約締結から161年にわたる日米関係史の中でエポックとなるものだ。
▽演台に向かう安倍首相4月29日(AP)
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「日本が、世界の自由主義国と提携しているのも、民主主義の原則と理想を確信しているからであります」

演説の冒頭で安倍首相は祖父・岸信介首相のスピーチを引用した。米議会で演説した我が国の首相は、昭和29年(’54)の吉田首相をはじめ、過去3人しかいない。

前回、昭和36年に行われた池田勇人首相の演説は上院のみで、日本語による僅か数分の「挨拶」に過ぎなかった。対して、安倍首相が招かれた舞台は上下両院合同会議で、時間は約45分に及んだ。
▽演説する安倍首相(ロイター)
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その中で安倍首相が、はにかむような表情を見せたのは、高校時代にキャロル・キングの歌の聴いたという逸話を語った紹介した時だ。「いちばん暗い、そんな夜でも…」と歌詞を紹介する。

「2011年3月11日、日本に、いちばん暗い夜がきました」

軽快なエピソードから一転、演説は東日本大震災の話に移り、その際に駐留米軍が「未曾有の規模で救難作戦を展開してくれた」と続ける。そして「トモダチ作戦」に絡めて、こう締めた。

「we've got a friend(私たちにはトモダチがいました)」
▽演説する安倍首相(官邸公式動画)
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安倍首相が紹介したキャロル・キングの曲名は「You've Got A Friend」。歌詞から入り、タイトルで落としたのだ。1971年の全米ヒット曲で、世代的にも米議員はピンと来ただろう。

よく練られたスピーチだ。翌朝の情報番組は見ていないが、こうした仕掛けを解説するのが本来のワイドショーの役割で、取って付けたような反日説教などホントにいらない。

【突破する安倍首相の“勇猛”】

「親愛なる友人の皆さん、日本国と日本国民を代表し、先の戦争に斃れた米国の人々の魂に深い一礼を、そして久遠の哀悼を捧げます」

最も感動的なシーンは、演説が始まってから12分が過ぎた頃に、突然、やってきた。安倍首相は議場上手の傍聴席を仰ぎ見て、高齢の米国人男性が特別に招かれていることを告げた。
▽傍聴席を指し示す安倍首相(UPI)
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「70年前の2月、23歳の海兵隊大尉として中隊を率い、硫黄島に上陸した方です」

そこに居たのは、米海兵隊のローレンス・F・スノーデン元中将だった。スノーデン元中将は、90歳を超えても毎年春に硫黄島で行われる日米合同慰霊祭に繰り返し参加し、元気な姿を見せている。
▽硫黄島慰霊祭の元中将’14年(米大使館)
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「硫黄島には、勝利を祝う為に行っているのではない。その厳かなる目的は、双方の戦死者を追悼し、栄誉を称えることだ」

安倍首相は、スノーデン元中将の言葉を引用。続いて隣に控える人物を紹介した。新藤義孝前総務相だった。説明するまでもなく、新藤前総務相の祖父は、硫黄島の激戦を戦い抜いた我が軍の英雄だ。
▽新藤前総務相と元中将(ロイター)
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「これを歴史の奇跡と呼ばずして、何と呼ぶべきでしょうか。熾烈に戦いあった敵は、心の紐帯が結ぶ友になりました」

手を取り合う2人の姿を見詰めながら、安倍首相は、そう述べた。演説を成功に導くサプライズ。それは、ただ感動的だったのではない。安倍首相は栗林閣下を、こう形容した。

「勇猛(valor)が今日に伝わる栗林忠道大将・硫黄島守備隊司令官」

衝撃的だ。無名戦士を讃えるケースはあっても、日本国総理が米国議会で皇軍将校を「勇猛」と表現することは、従来なら絶対に有り得なかった。
▽握手する硫黄島ゆかりの2人(ロイター)
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安倍首相は、軽々と「突破」して見せた…これこそ快挙と呼ぶに相応しい。

【靖国参拝正常化へのステップ】

新藤義孝前総務相とスノーデン元中将の隣には、昭恵夫人とケネディ駐日大使の姿があった。ケネディ大使は、硫黄島ゆかりの2人が招かれたことを「和解の実例」と評し、こう感想を述べた。

「第二次世界大戦に従軍した米軍将兵を讃える記念碑の視察に触れたことは非常に力強いものだった」

この日、安倍首相は議会演説の直前、D.C.にある「WWⅡメモリアル」を訪れ、黙祷した。「パール・ハーバー」と刻まれたモニュメントの前で暫く佇む光景も見られた。
▽メモリアルを巡る安倍首相4月29日(首相twi)
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「真珠湾、バターン、コレヒドール、珊瑚海…メモリアルに刻まれた戦場の名が心をよぎり、私は米国の若者の失われた夢と未来を思いました」

安倍首相は演説で、訪問時の印象を静かに語った。この「WWⅡメモリアル」は、11年前に完成した新しい国立施設で、現職総理として献花したのは、安倍首相が初めてではないか。
▽献花する安倍首相4月29日(AP)
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米首都訪問で通常、我が国の閣僚らが訪れるのは、アーリントン墓地だ。南北戦争に始まるアーリントンと違い、ここは第二次大戦限定。我が国の首脳にとっては明らかに敷居が高い。

追悼の場としては千鳥ヶ淵に似ているが、今回の訪問は、靖国神社参拝で米国に因縁を付けさせない為の布石とも思える。同じ珊瑚海で散華された自国の将兵を悼むことに何の異議があるのか…
▽演説する安倍首相(AFP)
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「歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。私は深い悔悟を胸に、しばしその場に立って、黙祷を捧げました」

深い悔悟=deep repentance 記念碑を前にした黙祷の場面では、1人の人間としてのナチュラルな感情表現と思える。評価が割れるののは、米国とは関係がない第3国に対する文言だ。

【処刑につづく謝罪は要らない】

「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない」

余計である。歴史的な米議会演説の唯一とも言える汚点だ。「痛切な反省」を胸に刻んだのが安倍首相ではなく「戦後日本」であるにせよ、米国で日本国総理が口にする必要は微塵もない。

我が軍は、一部のアジア諸国民に苦しみを与えたかも知れない。共に戦ったINA(インド国民軍)やBNA(ビルマ独立義勇軍)、タイ国軍の将兵に対し、志半ばで力尽きたことを陳謝したい。
▽INA=インド国民軍の将兵(file)
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そのような意味を込めて安倍首相が表現したと解釈することも不可能ではないが、やはり想像が飛躍し過ぎだろう。村山富市ら反日脳の連中が言うアジアとは、常に支那・朝鮮限定の歪んだものなのだ。

文言調整上のテクニックにも暗雲が漂う。先のジャカルタ演説では日本語で「深い反省」となっていたが、今回は「痛切な反省」だった。英文は同じで「deep remorse」でも、後退した感は否めない。
▽カリバタの日本人墓所訪問4月22日(地元紙)
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わずか一週間で何があったのか…英文が同じだったことから米国への配慮ではない。だとすれば、与野党内の売国派や反日系メディアの罵声に影響されたものと考えられる。

夏に向けて微調整は続いているようだ。しかも、方向はマイナスに振れてさえいる。この期に及んで、憂国陣営はもっと大きな声をあげる必要があるだろう。「反省」など欠片も要らない。

確信犯的な一部メディアは「反省」に加えて「謝罪」の文言まで強要している。それは史実を一顧だにしない無謀で不当な要求だ。米国は極東軍事裁判で既に、我が軍最高幹部らを軒並み処刑している。
▽市ヶ谷台の極東軍事裁判(file)
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“死刑判決”が下された御英霊に裁かれる罪状などない。それを再確認した上で少し乱暴な比喩を用いれば、現時点での謝罪要求は、死刑に処した者の家族に更に謝罪を求めるようなものだ。

あり得ないことである。繰り返し何回も謝罪する必要があるのなら、処刑台の露と消えた御英霊は何の為に裁かれたのか…あの忌々しい死の儀式は、連合国による復讐劇の結末あって、プロローグではない。

その中、我が国に再三の謝罪を強要する反日陣営は、新たな詭弁を弄し始めた。

【同じ春に別人の宰相がいた】

「真の謝罪がなかったことを非常に遺憾に考える」

南鮮外交通商部が4月30日に出した声明は、ゴミにカビか生えたような文章で内容で大方の予想通りだった。それよりも「外交敗北」を嘆くトーンが濃かったことが意外だ。

安倍首相の米議会演説が囁かれ始めた頃から、南鮮は官民挙げて「演説阻止」に取り組んできた。スピーチ内容の前に、演説のキャンセルを米側に求めるという厚顔無恥な妨害工作だった。
▽演説後に握手攻めの安倍首相(共同)
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逆に南鮮側は、日本国の首相が初めて上下両院合同会議で演説を行うことの重要性を知っていたとも言える。そして、キャンセル不可能と見ると、唐突に論調を変えて内容に注文をつけるようになった。

「日米韓の連携のためにも、韓国への配慮を見せるべきだ」

演説を目前にして南鮮では、こうした主張が目立ち始めたという。支那属国時代リターンで自ら連携を崩しながら、日本側に「謝罪して配慮せよ」と言うのだ。

意味不明だが、小馬鹿には出来ない。南鮮の屁理屈に追従してNHKなど反日メディアも「地域の安定の為の謝罪」を強調する展開になった。そこで「謝罪しなければならない」理由が問われることもない。
▽予定外の散策楽しむ両首脳4月27日(官邸)
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そして、誰に何を謝罪するのか…反日メディアすら「謝罪」のアウトラインが曖昧になる中、消去法的にクローズ・アップされたのが、米国巡業中の洋公主だった。

「英語も分からないまま連れて行かれた」

米兵相手の接客で苦労した過去を思い出した自称慰安婦。スタンティング・オベーションで議場が沸き立つ中、1人座って安倍首相を睨みつける姿は、オペラ座の怪人といった風情だった。
▽ホンダが仕込んだ洋公主4月29日(AFP)
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呪いの言葉しか吐かない老女に、なぜ日本国総理が謝罪しなければならないのか…捏像慰安婦問題に関心のない層も疑問に思っただろう。国内においては今や、自称慰安婦による説教は逆効果でしかない。

8年前の春、捏像慰安婦プロパガンダの暴風が吹き荒れる中で訪米した安倍首相は、首脳会談で完敗した。あの時、キャンプ・デービットにはメディアに翻弄される少々ひ弱な総理がいた。
▽ホワイトハウスの歓迎式典4月28日(共同)
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それに比べて今回、安倍首相は堂々とした姿勢を貫いた。しかも相手は、ブッシュJrよりも融通の利かないオバマだった。洋公主を連れ回すマイク・ホンダも小さく見えた。
▽リンカーン記念堂の両首脳4月27日(AP)
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8年の歳月は、安倍首相をタフな宰相に変えた。ワシントンD.C.で切り拓かれたのは、日米新時代ではなく、我が国の新しい時代だ。



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参考動画:
□首相官邸オフィシャル(公式字幕付き)


5月2日追加
↓演説完了後の反響まで録画されています

YouTube『Prime Minister Shinzo Abe of Japan's Address to a Joint Meeting of Congress』

参照:
首相官邸HP4月29日『米国連邦議会上下両院合同会議における安倍内閣総理大臣演説』

外務省HP『安倍総理大臣の米国訪問(平成27年4月26日~5月3日)』

参考記事:
□産経新聞4月30日『安倍首相の米議会演説 未来志向、共感強める米』
□産経新聞4月30日『安倍首相、米議会演説で「痛切な反省」も「おわび」に言及しない』
□毎日新聞4月30日『新藤前総務相:硫黄島戦参加の元米中将と握手 米議場で』
□時事通信4月30日『敵同士の和解「歴史の奇跡」=硫黄島で戦った元米兵紹介-安倍首相演説』
□産経新聞4月30日『安倍首相、米議会演説で「希望の同盟」を強調』
□読売新聞4月30日『45分間演説に十数回の総立ち拍手…一部批判も』
□読売新聞4月30日『「非常に力強い演説」…ケネディ大使、高く評価』

□時事通信4月30日『英文では「deep remorse」=安倍首相演説の「深い反省」-米議会』
□日経新聞4月30日『韓国「不十分」、中国は歴史問題に絞り批判 首相議会演説』

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