中共がウイグル人民戦争布告…非道“テロ宣伝”の嘘と闇

再びフリー・ウイグルの叫びがこだまする。大虐殺から4年、中共は東トルキスタンでの「人民戦争」開始を宣言した。それは正規軍とシナ民衆が一体化してウイグル人抹殺を図るものだ。
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2009年7月に発生したウルムチ大虐殺から4年が過ぎた。各国でウイグル支援デモが開かれる中、東京でも大規模な抗議活動が行なわれた。それは惨事の風化させない為の記念イベントではなかった。

「6月26日から29日まで町の上空をヘリが旋回し続けていました」

東トルキスタン北東部トルファン近郊のルクチュンで起きたウイグル人殺害事件。7月6日の抗議集会に登場した日本ウイグル協会のイリハム・マハムティ代表は、新たに入手した事実を明かす。
▼報告するイリハム代表7月6日(撮影筆者)
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「33人が無差別射殺で命を落としました。彼らは全員ウイグル人です。テロリストが同胞を殺す理由がありますか?」

現地からの情報がほぼブロックされ、ルクチュンの現状は詳しく判らない。だが、中共宣伝機関や反日メディアが垂れ流す“テロ事件”とは様相が違う。その逆だ。やはり、陰惨な虐殺が起きていたのである。

「6月21日金曜日、当局は市内のモスクを閉鎖し、宗教指導者を拘束しました」
▼7・6六本木ウイグル支援集会(撮影筆者)
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東トルキスタン西部のホータンでは6月28日、バイクに乗った若いウイグル人が中共の公安に狙撃されたことが判明している。この射殺事件の真相も、各種報道とは異なっていた。背景は根深く、被害は深刻だ。

モスク封鎖に対し、地元ウイグル人は強い衝撃を受けた。そして一週間後の金曜日、抗議するウイグル人はバイクや徒歩で市内を行進。モスクを目指した。その時に惨劇が起きる。

「抗議に立ち上がったウイグル人は400人規模でした。その集団に向けて、無差別発砲を始めたのです。15人が即死し、50人以上が負傷ました。そして拘束されたウイグル人は200人を超えます」



大虐殺が起きていたのだ。ホータンでは当日、複数の公安施設がウイグル人に取り巻かれたことも判っている。全体で犠牲者は何人に及ぶのか…その後、ホータンからの悲鳴を漏れ聞くこともなくなった。

【1万人の軍靴の音は聞こえるか】

「テロ勢力は全国人民の敵だ」

急遽ウルムチ入りした兪正声は、武装警察など弾圧部隊の示威セレモニーに出席、檄を飛ばした。現地には、党公安部門のトップである孟建柱も同時に入っていた。異例の事態である。
▼弾圧部隊の“決起集会”6月29日(ロイター)
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習近平指導部が、東トルキスタン情勢を深刻に捉えていることが窺える。そして大規模弾圧強行の方針を打ち出したのだ。中共は侵略された側と決して言葉を交わさない。送り返すのはいつも銃弾だ。

ウイグル人を恐怖に陥れた6月29日の示威セレモニーには、治安部隊メンバー約1万人が集結したという。ケタが違った…武力による鎮圧といった表現すら生易しい。この装備と規模は内戦の準備に等しい。
▼ウルムチ到着の治安部隊車両6月末(Twitter)
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シナ本土地域から重装備兵を満載したトラックが次々に到着し、武装警察の装甲車両も市内各地に展開。またホータンやカシュガル、アクスなど主要な街でも治安部隊の“決起集会”が開かれた模様だ。

東トルキスタンの現在の“植民地総督”は、屠殺鬼時代に配属された張春賢である。当初は、通信規制を一部解除するなど柔軟路線に向ったが、一転、習近平の意向を受けて強硬策に突き進んでいる。
▼ウルムチに群れる装甲車6月29日(ロイター)
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また中共当局は7月2日、15㌢を超す長さの刃物の「自主提出」を通達した。東トルキスタン侵略地全土に向けて命じたものだが、もちろんシナ人の中華包丁は含まれない。ウイグル人を拘束する名目だ。

「包丁を持っていたらテロリスト扱いになる」

以前から亡命ウイグル人は、そう訴えていた。中共当局がキッチンの包丁を武器認定してウイグル人を連行するケースは珍しくないのだ。しかし今回、中共侵略勢力は、提出期限を10日間と設定した。
▼弾圧部隊を歓迎するシナ人も…6月29日(BBC)
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7月12日以降、刃物の所持を理由にウイグル人が一斉拘束される恐れが高まっている。そして中共側は“対ウイグル戦争”の開戦を宣言した。

【“局地復活”毛沢東の民族浄化】

「勇ましい人民戦争によって攻撃する」

東トルキスタン国内に配布される中共機関紙「新疆日報」は7月3日、そう主張した。ウイグル人弾圧に凶悪な“思想的根拠”を与え、完全に抑え込む方針を示したのである。

「人民戦争」とは毛沢東語録にも登場する共産党用語で、正規軍兵士と「人民大衆」が渾然一体となって反革命勢力を駆逐することだ。今回の場合、反革命勢力は当局に抵抗する全てのウイグル人を指す。
▼ウルムチ弾圧部隊の行進6月29日(AFP)
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国際デビュー間もない習近平が、古ぼけた毛沢東理論を持ち出したことに驚く。こんな時代錯誤の国家と首脳会談を開く必要はない。習近平指導部は明らかに迷走し、暴走している。

事実上の「人民戦争」布告は、居もしないウイグル人“テロリスト”を強調する為のレトリックにも見える。中共側は「テロとの戦い」を口実に一気に武装レベルを上げているのだ。
▼演習名目の大規模展開続く7月2日(RFA)
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だが東トルキスタンで、正規軍と“人民大衆”の連携は、深刻な意味を持つ。実際に4年前、当局から武器の所持を許されたシナ人暴徒のウイグル人襲撃事件が起きている。

2009年7月7日、ウイグル抹殺を口々に叫ぶ漢族の集団がウルムチ市街に出現。市内に配置されていた武装警察部隊は見ぬふりを続け、ウイグル人商店は軒並み破壊された。
▼凶器手に現れた侵略シナ人09年7月(AFP)
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襲撃に参加した漢族は約1万人。殆どが大型スコップや角材で武装していた。最終的にウイグル人居住区の手前で不逞シナ人集団は、引き返したのだが、それも不自然だった。

当局の指示で組織的に動いていたのは明らかだ。また、この時、漢族暴徒が商店を打ち壊している横で、自動小銃を持った治安部隊員が附近の路地を警戒している姿も確認できた。
▼シナ人暴徒の左上に注目09年7月(AP)
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シナ人暴徒は武装警察の護衛を受けてウイグル人地区に侵攻したのだ。 正に最悪な「人民戦争」の形態である。それが今度は東トルキスタン全土で発生する恐れが高まっている…

危機的で、絶望的だ。

【矛盾だらけの中共テロ宣伝】

「中国は虐殺を止めろ!中国は真実を隠すな!」

7月6日に都内で繰り広げられた抗議デモは、250人規模に膨れ上がった。地下鉄駅近くから六本木交差点を越え、中共大使館に向うコースである。
▼六本木ヒルズ前をいくデモ隊列(撮影筆者)
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いきなり夏本番の厳しい暑さだ。午後3時スタートの集会、デモ行進に続いて、中共大使館前の個別抗議も行なわれた。最後の抗議者が大使館前に立ったのは日没直前で、実に4時間近い抗議活動だった。

ロイターなど海外メディアの姿もなかった。国内の報道機関からスルーされるのは馴れているが、今回は別に苦言を呈さない。都内の活動を報じる前に伝えるべきことがある為だ。



何よりも東トルキスタンの現状を報道することが優先される。大虐殺4周年に合わせ、複数のメディアがウルムチに入った。一部はウイグル人居住区にカメラを運んだが、全体像は見えてこない。

「警察は警備を強化して、人が集まらないよう指示しています」
▼ウルムチのウイグル人7月4日(ANN)
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ウイグル人住民は、少人数が集まっただけで拘束されると語る。更にRFAによると、当局は犠牲者の家族を把握し、追悼の動きを警戒。4周年当日の前後、軟禁状態に置いているという。

都市から都市、あるいは街から街の移動も制限され、ウイグル人は携帯端末などの記録データも検問でチェックを受ける。チベット同様、海外流出を水際で断ち切る徹底した“画像狩り”が行われているのだ。
▼報道陣を脅す治安部隊員6月29日(AFP)
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海外メディアも今回は完全に移動を禁じられた。西部ホータンはおろか、比較的近いルクチュンにも近寄れない。そして「4周年の日」が過ぎると早々に北京に戻ってしまった…

「テロ被害を受けたと主張する一方で、それを取材したいというメディアの現地訪問を禁じている」

イリハム代表は、中共側の矛盾を指摘した。中共外交部は、組織的なテロ事件だったと決め付け、宣伝機関も“襲撃された公安施設”と称する写真を繰り返し引用した。
▼7・6六本木デモのプラカード(撮影筆者)
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中共は党を挙げて“テロ宣伝”に躍起なのだが、海外メディアの取材陣を被害現場に案内することはしなかった。絶好の宣伝チャンスを自ら逃したのだ。明らかに辻褄があわない。

メディア側も、そうした矛盾に気付いているはずだが、改めて中共当局を問い質すこともしない。同時期のカイロ取材とは対照的だ。一連のエジプトの動きは確かに歴史的なターニングポイントだっただろう。

だが、その一方で、世界の片隅で、東トルキスタンの歴史そのものが、消滅の危機に瀕している。




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関連エントリ:
平成21年7月8日『官製暴徒がウルムチを蹂躙…ウイグル人抹殺計画の実景』

参考記事:
■RFA7月5日『Two Dead in Xinjiang Attack Following House Search』
■ RFA7月5日『Uyghurs Prevented From Mourning Deaths in Urumqi Riots』
■大紀元7月3日『指名手配に装甲車配備 新疆各地、厳戒態勢』
■産経新聞7月7日『ウイグル族締め付け 「二重基準」の中国』
■読売新聞7月3日『警官発砲でウイグル族10~15人死亡か…』
■東京新聞7月6日『ウルムチ騒乱から4年 中国当局、武力で平穏維持』

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