習近平“追尾抗議”の絶叫…ポスト屠殺鬼で続く悪夢

行く先々に翻る雪山獅子旗。習近平の「顔見せ訪米」で5日間に渡る追っ掛け抗議が繰り広げられた。だが、オバマは最初から腰砕け…ポスト屠殺鬼の新時代もチベットの悲劇は終わらない。
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ロサンゼルスの空港周辺に数多くの雪山獅子旗が翻った。米国入りしている習近平の最後の訪問地。在米チベット人と支援者は2月16日、東部地域から一斉に移動し、西海岸でも迎撃の準備を整えていた。
▼空港近くの抗議活動2月16日(AFP)
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チベット支援者たちはロス市内でも習近平を追い続け、シナ系商人らとの交流イベントが催された会場に集結。さらにシナ産品を扱う大手業者の本部前を“占拠”するなどの抗議を展開した。
▼LA市内の“占拠”抗議2月16日(AP)
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規模こそ大きくなかったが、少数精鋭の徹底した反中アクションだ。習近平訪米に合わせた抗議活動は、2月13日からワシントンD.C.で始まった。

ポトマック川に架かるアーリントン記念橋。そこに巨大なバナーを吊るしたのは、NYを拠点にするスチューデンツ・フォー・ア・フリーチベット(SFT)のメンバー4人だった。
▼大型バナーによる抗議2月13日(SFT)
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「我々は習近平に対し、暴力的な弾圧が何も生み出さないことを訴えたかった」

抗議を実行した在米チベット人の男性は、そう語っている。久しぶりに見るアクロバティック抗議。これが、5日間に渡って繰り広げられる習近平“歓迎”の狼煙だった。



習近平の入国直前、ホワイトハウス周辺には在米チベット・ウイグル人らが集まり、抗議の声をあげた。オバマ大統領が強い姿勢で会談に臨むことを求めていたのだ。

「快適な訪問にする為、重要問題を犠牲にはしない」

会談前に米政府高官は、そう明言した。否が応でも、期待が高まる。果たして習近平訪米は、チベット弾圧を少しでも弱め、事態を改善する切っ掛けとなるのか…

【「人権」で無知晒した習近平】

「すべて人々の権利を認識することの重要性を、引き続き強調する」

会談でのオバマ大統領の発言は、チベット問題を念頭にしたものと捉えられているが、余りにも抽象的だった。ホワイトハウス周辺に駆け付けた抗議者たちが納得できる内容ではない。
▼ホワイトハウス前の抗議2月14日(AFP)
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前日200人余りだったホワイトハウス周辺の抗議者は、会談当日、数百人規模に膨れ上がった。チベット支援者や在米ウイグル人に加え、法輪功関係者の姿も目立つ。

また亡命まもない反体制作家の余傑氏や、収監中の高智晟弁護士の妻・耿和さんらが抗議集会に参加。ホワイトハウス北側のラファイエット公園は、さながら反中共陣営勢揃いの趣きだ。
▼演説する耿和さん:右端2月14日(毎日)
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オバマ・習近平会談の内容は彼らを失望させたが、米政府部内で存在を示したのは“伏兵”のジョー・バイデン副大統領だった。14日に開かれた昼食会で、バイデン副大統領は、こう直言した。

「人権は米国外交の重要な基礎だ。中国の状況は悪化していると考えており、何人かは現在も厳しい立場にある」
▼習近平見詰める副大統領2月14日(AFP)
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大勢が見守る中での踏み込んだ発言だ。米民主党重鎮として及第点の発言だが、中共首脳を揉み手で迎える我が国の自称リベラルとは雲泥の差だ。それに対し、習近平は反論することを忘れなかった。

「人権問題は改革・開放以降、過去30年余りで多くの成果を挙げた」
▼プラカード掲げる抗議女性2月14日(AFP)
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笑いどころ不明のブラックジョークだ。出席者の反応は報道されていないが、開き直りも甚だしい。そもそもシナ人は人権の意味すら解っていない。2月15日の講演で習近平は、こう語っている。

「現実の国情や歴史、文化がそれぞれ異なり、人権問題で中米間に意見の相違がある」
▼ホワイトハウス前の抗議2月14日(AFP)
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以前、江沢民も同様の発言をしていたが、人権とは普遍的なもので国柄や政治体制とは無関係である。中共指導部に限らず、大半のシナ人がそれを理解できていないことを国際社会は知るべきだ。

【米の反中デモは報じる不思議】

ひとくさりワシントンD.C.で 毒づいた習近平は2月15日、アイオワ州に移動。かつてホームステイした家を大々的に訪ねたのだが、実際は2泊しただけだという。取って付けたようなパフォーマンスだ。

習近平と米国との関係は、娘をハーバード大に留学させていたことなのだが、一般シナ人から見ればマイナス評価に繋がりかねない。その逸話をクローズアップさせることはなかった。
▼アイオワ州の抗議デモ2月15日(TP)
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習近平の行く先々で抗議するのが基本だ。多くのチベット支援者が、アイオワ州に駆け付け、州都デモインではデモ行進も繰り広げられた。

習近平が訪問する民家の近くでもチベット支援者が待ち構え、抗議の声をあげた。一方、中共サイドは近隣のシナ人や学生を動員。五星紅旗を持たせて「歓迎ムード」を演出した。
▼住宅街で対峙する抗議者ら2月15日(AFP)
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ロイターは、ここで抗議者と支持者が「もめる一幕もあった」と報じているが、これまでにシナ人による襲撃は伝えられていない。それでも、不逞シナ人が抗議者を挑発するシーンは投稿映像で確認できた。
▼抗議者を脅す不逞シナ人2月15日
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参考動画:YouTube『Protestors and supporters wait for Xi Jinping in Muscatine, Iowa』

4年前に長野市で発生したシナ人騒擾事件のような暴力はなかった模様だ。しかし、組織されたシナ人集団が抗議者を取り囲み、街頭で『義勇軍行進曲』を熱唱する光景は異様である。

チベット支援者を中心とする習近平追跡抗議は、米メディアでも大きく取り扱われた。通常レベルの報道量だが、意外なのは、我が国のメディアが割と積極的に報じたことだ。



ワシントンD.C.の抗議は、NHKや新聞各紙が軒並み報道。JNNはロスの抗議も独自取材を交えて伝えていた。中共首脳来日時に日本国内で行われた反中デモを完全封殺する一方での、奇っ怪な現象だ。

明らかなダブスタではあるが、海外の反中抗議が隠蔽されるよりはマシだろう。米国のデモ活動を紹介する報道の中で、ごく一瞬だが焼身抗議の映像が流れるケースもあった。
▼JNNが報じた尼僧の焼身抗議
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昨年11月3日、カム地方タウで自らに火を放った尼僧パルデン・チュツォさんだ。ネットを使わない層にとっては、確実に初めて目の当たりにしたショッキングな映像である。

そして、これは過去の悲劇ではない。チベットでは2月に入ってから再び焼身抗議が増え始めたのだ。

【尼僧も…今月だけで既に8人】

焼身抗議で入寂した僧侶らを弔う世界一斉法要が2月8日に行われ、我が国では都内の護国寺で日没後から営まれた。多くの日本人が参列したが、同時刻に新たな悲劇が起きていた。
▼法要が営まれた護国寺2月8日(AP)
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抗議活動の起点で、激しい弾圧が続くンガバ。その地の小学校前で1人のチベット人が自らに火を放った。キルティ僧院で学んでいたリクジン・ドルジェさん、19歳だった。

ドルジェさんは既に深刻な状態だったが、中共当局が連れ去り、生死も消息も判らない。そして同じ日、カム地方ティドゥで僧侶ソナム・ラプヤンさんが焼身抗議を行った。
▼ソナム・ラプヤン僧(FB)
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相次いで判明した焼身抗議。その衝撃が全く冷めない2月11日、ンガバの尼僧テンジン・チュドゥンさんが僧院近くの路上で自らを灯明と化し、間もなく息を引き取った。

享年18…直後に公開された写真のチュドゥンさんは、あどけない少女そのままだった。3人目となる尼僧の抗議。チュドゥンさんは、最初の尼僧抗議者テンジン・ワンモさんの後輩にあたる。
▼テンジン・チュドゥン僧(パユル)
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さらに米国での連続抗議がスタートした2月13日、今度はンガバの町中心部で僧侶が炎をまとった。キルティ僧院で学ぶロブサン・ギャンツォさん。彼もまた19歳という若さだった。
▼ロブサン・ギャンツォ僧(パユル)
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ギャンツォさんの安否も判っていない。しかし、連行される直前に中共治安部隊が激しい暴行を加えていた事実が目撃証言で暴かれている。絶望的な状態にあることは間違いない。

続く2月17日、これまで抗議“空白地帯”だったアムド最北部で、38歳の僧侶ダムチュ・サンポ(Tamchoe Sangpo)さんが自らに火を放った。亡命政府に届いた情報では既に亡くなっているという。
▼タムチュ・サンポ僧(FT)
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セルタ北西の俗人3人を含め、2月に入ってから焼身抗議に臨んだチベット人は実に8人にのぼる。

【習近平への淡い期待は消えた】

植民地総督として中共史上初の戒厳令を敷き、89年のラサ大虐殺を指令したのが胡錦濤だった。血塗られたチベットの屠殺鬼。その非道政権が間もなく終わりを迎えようとしている。

今秋の第18回中共党大会で、習近平が最高指導者のイスを得ることは確実だ。最長で10年続く習近平時代の到来。今回の訪米も次期トップとしての顔見せ興行だった。
▼ホワイトハウス前の抗議2月13日(AFP)
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習近平がポスト屠殺鬼の有力候補と名指しされ始めた頃、チベット世界からは期待する声も上がった。その中身は主に、習近平の父親で副首相を務めた習仲勲のエピソードに基づくものだ。
▼習近平の父・習仲勲(資料)
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「習仲勲元副首相はチベットの事情に比較的理解があった」

SFTの副代表も、そう語る。習仲勲は、謎の死を遂げたパンチェン・ラマ10世と懇意だったとも言われる。また法王猊下が仲勲に贈った腕時計を近平が着用し、公の場に登場したこともあったという。
▼ラサ空港に降り立つ習近平11年7月(AP)
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中共のチベット支配政策が変化するかも知れない…そんな淡い期待も昨年7月、見事に吹き飛んだ。侵略60周年の式典に副主席としてラサに乗り込んだ習近平は猊下を名指しで批判、強硬姿勢を打ち出した。
▼ポタラ宮前の侵略60周年式典(ロイター)
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「彼も中共産党の人間であり、一党独裁体制を堅持することには変わりない。中国の人権問題は独裁者個人に起因するのではなく、構造的な問題だからだ」

約20年間、労働改造所に収監された経験を持つ在米人権活動家ハリー・ウー氏は断言する。新たな中共トップが、チベットや東トルキスタンの侵略支配で政策を転換することは有り得ない。
▼ホワイトハウス前の抗議2月14日(AFP)
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中共独裁が続く限り、占領地の悲劇は終わらない。そこで起きている惨事は、人権問題の提起レベルで済まないことは誰の目にも明らか。目標は常に中共の打倒だ。それ以外に救済の道はない。


  〆
最後まで読んで頂き有り難うございます
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参考記事:
■パユル2月17日『Breaking: Fire rages on in Tibet – Another Tibetan burns to death』
■RFA2月11日『Nun Self-immolates; Buildings Torched』
■WSJ2月13日『Xi Lands in U.S. to 'Free Tibet' Protests』

■時事通信2月14日『チベット族の焼身自殺止まらず=習副主席訪米前にも-中国』
■毎日新聞2月14日『中国:習副主席の訪米、活動家に聞く ハリー・ウー氏/ブーチュン・ツェリン氏』
■毎日新聞2月17日『チベット:亡命政府首相インタビュー 中国に抗議、焼身20件 「解決策、対話のみ」』

■産経新聞2月15日『米中、人権めぐり応酬 改善要請に習氏反論』
■毎日新聞2月16日『中国:習近平氏訪米 在米チベット人らのデモや集会続く』
■朝日新聞2月15日『習・オバマ会談に抗議活動 余傑氏らチベット弾圧非難』
■ロイター2月16日『習近平副主席がアイオワ州訪問、ホストファミリーらと再会』
■産経社説2月17日『習近平氏訪米 国際社会の批判聞く耳を』
■大紀元2011年7月21日『習近平副主席、ダライ・ラマ14世を批判 強硬路線継承へ』

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