血走る菅直人“暴君の誕生”…官邸籠城で深まる危機

大幅改造に失敗した末、野党に喧嘩を売る一本釣り。解散を仕掛ける哲学も資格もなく、菅直人は官邸に籠城する。党代表を制御できない民主党が生み出したのは議会無視の暴政だった。
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「答えが不十分だ」「総理、逃げるのか!」

公務を言い訳に逃げ去る菅直人に対して怒号が飛び交う。先延ばしの末、やっと開催された民主党の両院議員総会。予想通り、複数の無役議員が党代表を批判する香ばしい事態になった。

「小学生が宿題をしない理由として『一定のメドが付けば』と言っている」

「被災地は最大不幸社会になっている。首相は1日も早く四国巡礼の旅に発つように意志を固めて欲しい」
▼両院議員総会で意見聞く菅直人6月28日(AFP)
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批判の嵐に冷ややかな視線…代表が現れた際にも拍手がなかった。殆どの既存メディアは、菅直人の糾弾会さながらになったと伝えたが、実際には痛み分けだ。

今回の両院議員総会で注目されていたのは、党代表の解任動議提出だった。伝書鳩会談の後、菅直人を「ペテン師」と罵ったルーピーは、直ちに議員総会の開催を求め、署名活動を始めた。

それは解任動議の提出を目指したものだった。民主党には代表のリコール規定がなく、採決しても強制力はないが、菅を追い詰めるには有効な手段だ。
▼約1時間で途中退席する菅直人6月28日(AFP)
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しかし6月28日の両院議員総会で解任動議が出されることはなかった。小沢被告系の議員から代表を糾弾するシーンが続いたが、所詮はガス抜きレベルだった。

党の常任幹事会も役員会も、暴走する菅直人に鈴も歯止めも掛けられない。中共の国家主席でさえ政治局常務委員会で糾弾されれば失脚する。みすみす代表の独裁を許す民主党は、それ以下の政党だ。

【改造パズルのピースも足りない】

「チーム・ドラゴンとして、7月中をメドに被災地の本格復興のための基本指針を取りまとめたい」

就任から一夜明けた6月27日、松本龍は会見で質疑の途中、サングラスを装着した。何のパフォーマンスなのか、意味不明。震災後、菅内閣の中で最も役立たずだったのが、この松本龍だ。
▼松本龍の就任グラサン会見6月28日(NHK)
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これが政権延命に向けたお色直しの目玉人事なのだから、笑わせる。復興担当相就任の一方で環境相は辞任。ヨレヨレの耄碌大臣・江田五月が法相と環境相を兼務する異常事態になった。

被災地の瓦礫処理を所管するのが環境相である。復興に向けた喫緊のテーマだが、その中で大臣をすげ替えた上に畑違いの法相と兼任…正に場当たり的カオス人事の象徴だ。

「具体的な役割はまだ白紙だ」
▼官邸に入る細野豪志6月28日(産経新聞)
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原発担当相に任命された細野豪志も会見で役割分担など実務内容について理解していなかった。珍妙な大臣が出現する一方、行政刷新相は官房長官兼務で覚醒剤マフィアは首相補佐官に降格した。

大臣の定員17人が満杯になってしまったことから破綻を来したのだが、原因は閣僚3人増員を柱にした内閣法改正案の未成立。審議が停滞する中、慌てた菅直人が見切り発車した結果である。
▼たらい回し閣僚らの記念撮影6月27日(官邸)
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中古大臣と中古補佐官を使い回しただけの奇形内閣。それは民主党の人材不足だけではなく、菅の手駒議員が足りない実情を暴露している。お遊びの内閣改造パズルは、嵌めるピースもないのだ。

その中でまさかの官邸入を果たしたのが、亀井静香だった。政権末期の徒花と言うより、激しく毒花の匂いがする。

【釣り竿操る亀井静香の“漁獲高”】

「こんなことをしたら、大変なことになる。よりによって石破茂政調会長の地元から引っこ抜くなんて」

6月27日の民主党役員会で仙谷由人は、声を張り上げたという。そんなことは反日クソ虫に指摘されるまでもない。執行部を置き去りにした菅直人の独断人事に民主党内から批判が噴出するのも当然だ。
▼両院議員総会の菅と仙谷6月28日(時事通信)
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昨年の参院選で初当選した自民党・浜田和幸議員の総務政務官任命。副大臣より格下のレベルだが、年初に「たちあがれ日本」を震撼させた与謝野一本釣りよりも政局に与える影響は大きい。

浜田議員は一部から「憂国の論客」とも支持される米国通の国際政治学者。都内の一等地を中共大使館が獲得した問題では国会追及の急先鋒だっただけに残念な展開である。



釣り竿を握っていたのが、亀井静香と石井一だった。2人は自民党の参院議員10人前後と水面下で接触。その1人に丸山和也議員も含まれていたことが発覚している。

不信任騒動後、菅直人が話を聞くのは亀井と北沢俊美くらいと言われていた。ブレーン気取りで調子に乗る亀井は、釣り上げた魚を献上する一方、自らは副総理就任を拒絶。逃げ道の整え方が老獪だ。
▼首相補佐官に就任した亀井静香6月27日(時事通信)
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「菅政権は暴走を始めた。自民党の協力はいらないというメッセージだ」

谷垣総裁は激怒したが、内閣プチ改造に伴う引き抜き工作は先週末に浮上。25日付けの産経新聞は、具体的に亀井の名前を挙げて与野党の動きを報じていた。

参照: 産経新聞6月25日『参院自民党に離党情報 混乱する党執行部 参院のドンの影も』
▼会見する浜田和幸参院議員6月27日(時事通信)
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「重要閣僚にするとか、大金をくれるとかいうなら別だが、いくらなんでも今の民主党に行く人間はいないだろう」

自民党幹部の1人は、そう高を括っていたが現実は違った。常識の斜め上を行くのが菅政権なのだ。

【対立激化で空転・続投のシナリオ】

「申し訳ない。自分達も知らなかった。今日は坊主頭にして来ようかと思った」


与野党国対委員長会談で民主党の安住は、菅の独断人事に陳謝したが、取材カメラを意識した電波芸に過ぎない。丸刈りする誠意もなければ、抗議の意を示して委員長を辞任する度胸もない男だ。
▼逢沢委員長と対面した安住淳6月28日(NNN)
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禁じ手に自民党が猛反発し、民主党執行部が呆れ返る中、国対レベルでの話し合い決着は不可能。菅政権が延長国会を乗り切れないことは誰の目にも明らかである。

そこから導き出されるのが、窮地の菅直人サイドが、敢えて対立を激化させたという狂気のシナリオだ。国会の空転が続き、審議未了で時間切れになれば、菅の退陣条件は揃わず、続投となる…
▼約1ヵ月ぶりの首相会見6月27日(AP通信)
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「復旧・復興に貢献したいとの強い思いを持っていて、それが私に伝わってきた」

菅直人は27日夜の会見で浜田和幸議員の一本釣りについて、意義を強調した。「空転延命」の奇策を菅側が抱いているならば、浜田議員は意に反して復旧・復興を遅らせる“傷害物”でしかない。

また亀井静香は29日、一本釣りが再生可能エネルギー特措法の成立の為に必要だったと説明した。参院では、代々木と社民が賛成に回った場合、1票差で可決できるという。単に数合わせの駒だったのだ。

参照: 読売新聞6月29日『浜田氏引き抜きは究極の1票のため…亀井氏解説』
▼首相側近に堕ちた亀井静香6月27日(産経新聞)
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一方、菅政権が自ら国会空転に繋がる強硬姿勢をとったことで、破れかぶれかの解散に踏み切るとの観測も強まった。いわゆる脱原発解散だ。

【官邸冷温停止せず…暴君の誕生】

「エネルギー政策をどのような方向に持って行くかが次期国政選挙で最大の争点になる」

両院議員総会での菅直人の発言は、原発を争点にした解散を示唆するものとして、慎重な報道機関も飛びついた。しかし、菅自身が言及したことは、解散がない“逆フラグ”が立ったと読み解く。
▼議員総会で演説する菅直人6月28日(時事通信)
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菅直人は退陣3条件のひとつに、再生エネ特措法の成立を掲げた。そこから反原発を踏み絵にした解散に挑むという予想だが、この特措法案は経産省の官僚が作成したものだ。

参照: 経産省HP3月11日『電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案について』

再生可能エネルギーの推進は、ルーピーが国際公約した「温室効果ガス25%削減」の具体策で、脱化石燃料発電を意図している。これを反原発にすり替えるようなブレーンは菅直人の周囲にいない。



一部には郵政選挙を模倣するという見方もあるが、郵政改革は小泉元首相のライフワークとして知られていた。原発の海外トップセールスを自賛する菅直人が、今さら反原発を旗印に戦うことは不可能だ。

原発事故の処理と無関係な再生エネ特措法は、緊急を要する重大法案でもない。現在、深刻なメルトダウンが進行し、レッドアラームが鳴り響いているのは、首相官邸である。
▼官邸に籠城する菅直人6月28日(産経新聞)
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最近の動きを見る限り、菅直人と民主党執行部の対立は、全て猿芝居とは思えない。執行部の面々はコントロールできず、菅は少数の取り巻きと共に官邸に籠城している状態だ。

民主党政権下では「総理代表」が熱暴走した際に、冷温停止させる機能もシステムもないことがハッキリした。無能汚染をブロックする格納容器は予め党内に備えられていなかった。
▼議員総会で並ぶ無能執行部6月28日(産経新聞)
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党則はおろか、不信任案の再採決以外に官邸から主を追放する法的手段はない。孤立した往生際の首相が議会を無視し、独りよがりの政策を遂行し続ける…

我が国の長い憲政史上でも初めての異常事態。国民が目の当たりにしているのは、暴君の誕生だ。

  〆
最後まで読んで頂き有り難うございます
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参考記事:
■産経新聞6月28日『禁じ手人事、お構いなし 民主党内反発「最後の悪あがき」』
■中国新聞6月28日『浜田氏の地元「議員辞めろ」』
■ZAKZAK6月27日『自民切り崩しへ亀井蠢く…“一本釣り”丸山センセイにも接触』
■時事通信6月28日『両院議員総会発言要旨』
■時事通信6月28日『自民、対決路線に不安も=「退陣」でジレンマ、公明とずれ』
■ZAKZAK6月27日『自民切り崩しへ亀井蠢く…“一本釣り”丸山センセイにも接触』
■NHK6月28日『“選挙の争点はエネルギー”』(魚拓)
■時事通信6月23日『大幅改造、亀井氏が進言=首相「検討する」-復興相任命27日の方向』

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