石垣市字登野城の我が領土…残像歪む六本木デモ

「一般人ではない」…読売テレビが参加者を中傷した。六本木デモの実態を歪める無能メディアは、尖閣領有に関する中共の主張も垂れ流し。沖縄県石垣市の島を中共は“意外な県”に組み込んでいた。
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「あまり過敏に反応するのはいかがなものか。日中の政府・国民は日中関係の大局に立って冷静に対処することが重要だ」

10月18日の会見で仙谷由人は、そう牽制した。これはシナ学生騒乱に絡んで六本木デモについて問われた際、答えたものだった。看過できない国民への暴言である。

3,200人以上が参加した六本木デモは「表現・言論の自由」の枠から逸脱しない範囲で行われ、その後の中共大使館抗議でもトラブルはなかった。それをシナの学生騒乱と並べて論じること自体が誤りだ。
▼武漢のシナ学生騒乱10月18日(AFP)
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加えて、16日の抗議活動は、中共を糾弾すると同時に、菅内閣・民主党政権を批判対象としていた。仙谷由人は自分らが指弾された正当な抗議活動について、官房長官として因縁を付けたのである。

過去の自民党政権下でも極左団体による反政府デモが繰り返されたが、それを官房長官が直接批判するケースなど近年なかった。仙谷のデモ批判は異例中の異例だ。
▼六本木デモを批判する仙谷10月18日(NHK)
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しかも仙谷由人は学生時代から新左翼の一派である社青同構造改革派に所属。原潜入港をめぐる反米デモや日韓基本条約反対デモへの参加を認めた他、今年1月の衆院予算委では、こう答弁していた。

「ベトナム反戦のデモには相当多く出かけていったような記憶があります」

健忘症を患っているので記憶が曖昧なようなだが、仙谷が参加していたのは、べ平連のデモ活動だ。当時、べ平連幹部がソ連のKGBから資金援助を受けていたことはロシア機密文書の公開で判明している。
▼参院内閣委で答弁する仙谷10月21日(産経新聞)
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冷戦下の仮想敵国が極秘支援するデモに加わっていた人物が、一般市民による平穏なデモ活動を中傷しているのだ。矛盾も甚だしい。自由国家の政府首脳として許されない暴言で、即時辞任に値する。

【2ちゃんねらーに負ける情報整理能力】

仙谷由人に限らず、日本メディアの一部もシナ内陸部の略奪騒動と絡めて、六本木デモを誹謗した。なぜか5中全会の間だけに各地で発生したシナ学生騒乱が日本側へのカウンターだったのは事実である。

しかし、略奪行為までも日本側のデモに原因しているかのように表現し、シナ側の凶暴性を薄める報道はミスリードだ。騒乱の燃料となったのは、前エントリで指摘した15日付け環球時報の扇動記事だった。
▼略奪被害受けた綿陽の販売店10月18日(FNN)
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「日本右翼3,000人が大使館を包囲攻撃」というニセ情報。その環球時報の記事を取り上げて解説したメディアはなかった。更に、この扇動記事だけではなく、その前に伏線もあったのだ。

10月3日、親大陸系の香港紙『中国評論新聞』が、第1弾の渋谷デモを伝える記事の中で、街宣右翼と機動隊が衝突する無関係の写真を掲載。写真には環球時報のクレジットがついていた。
▼渋谷デモ記事の掲載写真(環球時報)
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こうした団体が10月16日に「包囲攻撃」を行うという認識が広まっていた可能性が高い。まさか実際の日本側のデモ参加者が、主婦や若いカップルも含まれるなどとは想像も出来なかっただろう。

また一部メディアは、ネット経由でデモ情報がシナ学生に拡散したと解説しているが、これも誤りだ。環球時報は人民日報よりも売れているタブロイド機関紙で、シナ各都市で手軽に入手できる。
▼扇情的な記事が特徴の環球時報(資料画像)
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発行日は現在、土日を除く週3日で、問題の扇動記事は15日の金曜日版に掲載された模様だ。これを元に携帯メール・通話で情報を交換し、当局が配備したデモ要員の他に野次馬が増えたと考えられる。

シナ学生騒乱の予想外の拡大に慌てたのか、中共党宣伝部は“反日デモ”関連記事の規制を強化。我が国で行われる反シナ・反中共デモも1面など目立つ箇所に掲載しないよう求める方針を打ち出したという。
▼暴徒が乱入した成都の料理店10月17日(読売新聞)
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渋谷、六本木と連続した都内の大規模デモとシナ学生騒乱の関係性は、何も高度な情報収集など必要なく、漫然と「2ちゃんねる」を眺めているだけでも把握できる。

既存の日本メディアは、それすらも出来ないのだ。情報整理能力に重大な欠陥があるのか、あるいは意図的に隠蔽しているのか…

【一般人ではないと断言した読売テレビ】

民放各局のニュース番組がシナ学生騒乱と抱き合わせで六本木デモを短く伝える一方、複数の情報番組も映像を使って取り上げた。その中で酷かったのは読売テレビの『ミヤネ屋』だった。

御用コメンテーターが無知を曝け出すのも問題だが『ミヤネ屋』の場合は、より深刻だ。18日のオンエアーで読売テレビ報道局解説副委員長・春川正明は、こう発言した。

「東京の中国大使館に関するデモについても、やっぱり日本人の感覚としては、ある主義主張に沿った人達がやっている。いわゆる一般の人達が大使館を囲んでいるという状況ではない」
▼加工処理した当日の放送(即刻消去の可能性も)


言葉の綾ではない。生放送で春川正明は、明確にデモ参加者が「一般人ではない」と解説している。報道局幹部として責任が問われる重大な捏造発言だ。

ここで使われる「一般人」とは「政治家」などとの対比ではない。デモや抗議活動の場合、「一般人」の対義語は「プロ活動家」で、それは特定の思想信条を持った組織・団体に所属する人物を指す。
▼横須賀の反基地デモ9月(代々木)
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国際メディアは「citizen=市民」と「pro activist=プロ活動家」を注意深く区分して書き分ける。一昨年のチベット関連抗議でも欧米の支援団体メンバーは「pro activist」と表現されていた。

我が国では曖昧にされ、極左活動家のデモを「市民デモ」と報道し、「プロ活動家」であることを隠してきた。ところが、今回の本当の市民デモを春川正明は「一般人ではない」と言い切ったのだ。
▼春川正明

何を根拠に断定したのか…10月16日の現場には読売テレビも加盟するNNNの報道局記者が来ていた。日テレ報道局社会部の記者と思われるが、読売テレビも情報を共有する立場にある。

報道幹部の個人的な見解では済まされない。読売テレビ報道局の明らかな捏造で、春川の発言は、渋谷デモの記事に街宣右翼の写真を掲載した香港紙と変わらない。余りにも悪質な偽情報の流布だ。
▼当日の青山公園にいたNNN記者
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「自分の真意が十分に伝わらず誤解されかねない発言…」

春川正明は捏造発言後にブログで意味不明な弁明をしているが、確信犯だ。放送での謝罪・訂正はなく、500万人を超える可能性もある視聴者への刷り込みは完成。中共の覚えは目出度いだろう。

一方で春川は、今も日本人が昔ながらの情報空間に居ると考えているようだ。六本木デモの参加者が一般市民だったことは当日の参加者だけではなく、大量にアップされた各動画でも確認できる。
▼六本木通りを進むデモ隊列10月16日(AFP)
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前世紀のように事実を捩じ曲げて逃げ切れる時代ではない。

【沖縄県石垣市字登野城2392番地】

読売テレビ報道局が断定するような「プロ活動家」のデモ行進は、定型のプラカードや赤系統に偏った特定の幟が乱立する。対して六本木デモで主催団体の幟が目立ったのは第1悌団の先頭周辺だけだった。

もちろん日の丸がメーンであったが、多くの参加者がオリジナルの手製プラカードを持ち寄っていたことも特徴だ。写真を加工し、メッセージを書き添えるなど凝ったものばかり。
▼青山公園を出発する第3悌団
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その中でも意外なパンチ力を秘めていたのが「沖縄県石垣市字登野城2329番地」と記されたプラカードだった。魚釣島の番地なのだが、このシンプルなメッセージの奥は深い。

択捉島など北方4島は根室市の行政区域、また竹島は、島根県隠岐郡隠岐の島町だ。戦後、武装占拠された竹島は「官有無番地」だが、尖閣諸島の島々には全て番地が付いている。

南小島…石垣市字登野城2390番地
北小島…石垣市字登野城2391番地
魚釣島…石垣市字登野城2392番地
久場島…石垣市字登野城2393番地
大正島…石垣市字登野城2394番地


▼諸島東端に位置する大正島9月15日(時事通信)
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では、歴史的根拠もなく、国際法を無視して領有を絶叫する中共は、尖閣諸島を行政的にどう位置付けているのか? 中共の主張を調べると、そこには大きな欠陥があるこが判った。

【「化外の地」の遥か東が福建省…】

『週刊ポスト』10月15日号のグラビアに、ジャーナリスト・水間政憲氏が発掘した“動かぬ証拠”が掲載された。1960年に北京市地図出版社が発行した『世界地図集』の一部分だ。

与那国島の西に国境線が描かれ、魚釣島・尖閣諸島という国際名称が記されている。60年代に中共側が尖閣を日本固有の領土と認めていた明確な資料なのだが、次のページには不可解な地図も掲載されていた。
▼週刊ポスト10・15号24ページ
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「釣魚島(福建)、赤尾嶼(福建)」と書かれている。これは87年に中国社会科学院が編纂した地図で「1820年当時の清」と説明。つまり、中共側は清の版図だったと言いたいようである。

与那国島の遥か北東の大正島を“福建の管轄”としているのは、苦肉の策だ。明治4年(1871年)、台湾南部に漂着した宮古島住民の虐殺に始まる牡丹社事件で、清朝は「台湾は化外の地」と言い放った。
▼明治7年 台湾出兵の図(ウィキ)
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大きな台湾を「化外の地」としながら、井上清が“けし粒”と呼んだ尖閣諸島を福建の管轄とするのは、無理があり過ぎる。牡丹社事件の後、清朝が福建省から分離して台湾省を置いたのは1885年だった。

これに関連して、中共は“福建の管轄”とした主張を取り下げたと思えるが、そこから先で脇の甘さが露呈した。

【尖閣諸島は“台湾省”宜蘭県の管轄?】

シナ侵犯船事件が発生した後、中共の党宣伝機関は尖閣諸島に関するプロパガンダを撒き散らし始めた。その中、CRI=中国国際放送局は 9月14日に「領有の基本情報」と銘打って、こう伝えた。

「釣魚諸島は行政上、台湾省宜蘭県頭城鎮大渓里の管轄下に置かれています」

参照:中国国際放送局9月14日『釣魚諸島の基本情報』
▼宜蘭県は東北沿岸部に位置
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尖閣諸島は、“台湾省”の宜蘭(ぎらん)県に所属するのだという。CRIは中共唯一の海外向け専門メディアで、党の公式見解だ。これに基づけば、尖閣海域のシナ侵犯船は、台湾・宜蘭県に越境していることになる。

これだけでも中共が主張する領有権が無謀なことが判るが、「宜蘭県の管轄」とする公式見解は、後付けの苦しい説明だ。国民党は1970年に尖閣諸島に「青天白日旗」を立て、翌年に領有を宣言した。
▼島から撤去した青天白日旗S45年(沖縄公文書館)
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ところが、尖閣がどこの管轄下にあるのか、示していなかった。内政部の指示で宜蘭県当局が尖閣諸島を「領土」として登記したのは、2004年2月のことだった。つい最近である。

“台湾省宜蘭県の管轄下”とする中共側の主張は、台湾側の措置を受けたものであることが濃厚。温家宝が言う「神聖な領土」の割には、後手後手で、国際司法裁判所が判断するまでもない。

独裁侵略国家にとって行政区域など関係なく、武装占拠による実効支配を目論む。しかし、法治国家である我が国は、行政手続きなど細部に目を向けて、相手の不当な主張を突き崩してゆく必要がある。
▼手製プラカードを背負った参加者10月16日(AFP)
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殆どのメディアは、侵犯船事件に関連して「中国が領有権を主張する」などと伝えているが、それだけでは誤解が広がり、領土問題としてクローズアップされてしまう。中共の術中に嵌まるだけである。

「中国が台湾・宜蘭県に所属すると主張している尖閣諸島」

そう表現すれば中共の異常性が、より鮮明に浮き上がる。いわゆる「ひとつの中国論」とは無関係。“台湾の領土”として侵犯を繰り返す中共側の姿勢は、その侵略体質を改めて国際社会に認識させるものだ。


  〆
最後まで読んで頂き有り難うございます
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参考記事:
■中国評論新聞網10月3日『日右翼分子搞反华游行』
■産経新聞10月18日『反日デモ、日中首脳会談に「ほとんど影響なし」と仙谷氏』
■産経新聞10月20日『中国、日本関連の報道規制通達 反日デモに絡み“3ナイ” デモ続発の社会不安警戒』

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【Side Story】
前エントリのコメ欄にて「乱入した暴漢」に関する情報を付け加えましたが、花うさぎ様が指摘されていた通り、暴漢は2人のみであることが判りました。

参照:花うさぎの「世界は腹黒い」10月20日『仙谷氏が日本人なら「恥を知れ!」』

暴漢を静止した方は、警戒にあたっていた憂国の士で、カメラマンも2人組とは無関係でした。お詫びして訂正します。この件に関し、チャンネル桜も21日の放送で訂正しています。

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