近隣諸国条項が曇らす竹島…土下座外交26年の禍根

竹島記述をめぐるソウルの抗議は大暴走。韓国がハーグ裁定を嫌うのは流血強奪の歴史がある為だ。一方、我が国では北方4島と違い、竹島は売国条項で“保護”されている…
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李明博大統領は7月18日、就任後初めての「国家安全保障会議」を招集した。会議の課題は、金剛山で起きた韓国女性射殺事件への対応だったが、竹島についても言及。実効支配の強化を議論したという。

北朝鮮による無警告射撃事件と、こどもの教科書解説書記述を同じ土俵で話し合ったのだ。領土問題は安保上の重要テーマだが、人命に関わる緊急性は微塵もなく、李政権の狼狽ぶりが滲み出ている。
▼NSC招集した李明博7月18日(AP通信)
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騒乱状態が続いていたソウルの日本大使館前は、18日未明に周辺道路を封鎖。ブロックする態勢に移ったようだ。これは外国公館の保護よりも、醜悪なデモが内外に報じられるマイナス面に配慮した結果だ。

ソウル日本大使館前の抗議活動は、日を逐って過熱。腐った卵の大量投げ込みから始まって、16日には御真影を毀損するプラカードも登場。これは絶対に看過できない蛮行である。
▼福田はOKだが御真影は許されない(AFP)
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そして抗議は、17日、惨たらしい殺生パフォーマンスにエスカレート。大使館前に現れた「特殊任務遂行者会」のメンバーは、我が国の国鳥キジを旭日旗の上に並べて解体。内臓を引き摺り出して生食いする者もいた。

海外通信社のカメラが集まる中での残忍な抗議で、余りの発狂ぶりに韓国内でも抵抗感が見られるようだ。
▼キジを生食いする遂行者会の男(AFP)
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「特殊任務遂行者会」は、北朝鮮に派遣された工作員や特殊部隊OBによって組織された団体。過激なことで知られ、この7月初めにも政党本部に乱入し、暴行事件を起こしている。
参照:朝鮮日報7月2日『元北派工作員ら、進歩新党本部に乱入し暴行』
▼キジを惨殺する遂行者会メンバー(AP通信)
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騒乱は、ごく一部の韓国人によって引き起こされたものだ。しかし、注視すべきは、韓国メディア全体が竹島で絶叫していることである。

【実効支配国が泣きわめく逆転現象】

竹島問題では常に、日韓で著しい温度差が見られる。

解説書に竹島の文字が踊ると判明した翌日、韓国メディアは一斉に反発。主要紙がこぞって社説で対日批判を捲し立てた他、東亜日報などは、全3面を竹島問題の記事・論説で埋め尽くす有り様だった。
▼一斉に報じた韓国各紙(JNN)
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実効支配している側が問題をクローズアップさせて絶叫する逆転現象。韓国政府は本来「韓国と日本の間に領土問題はせず」というスタンスである。

煽り立てることによって、第三国までが領土問題に存在に気付き、注目することは、好ましくないのだ。騒げば騒ぐほど、将来的は不利に作用する可能性がある。
▼竹島で絶叫する韓国人団体7月14日(AFP)
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対して竹島問題で大声を上げる必要があるのは日本側だが、相変わらず扱いは低調だ。我が国のメディアは14日の文科省発表、官房長官会見といった一報を伝えた後、焦点を表面的な外交問題にすり替えている。

駐日韓国大使の帰国など韓国政府の動向は伝えるが、竹島をめぐる根本的な事実関係への言及は少ない。竹島問題とは隣国による領土簒奪であって、日韓外交部門が“落とし所”を探るような類いのものではない。
▼15日帰国した韓国・権哲賢駐日大使(ロイター)
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果たして日本国民の何割が、竹島問題に関する基礎知識を持っているのか…

竹島問題のイロハを学んでいるネットユーザー以外は、余りにも知識が乏しいと想像できる。本当ならば、この機会を捉えて歴史的経緯など解説を加えるべきだ。

しかし、この期に及んで酷かったが朝日新聞だった。

【自国領土を貶める反日脳も全開】

新しい学習指導要領の解説書記述決定、更に韓国の発狂ぶりを受けて主要紙は、社説で竹島問題を取り上げた。

予想通り読売・産経は真っ当な内容だが、朝日・毎日は示し合わせたかのように「冷静な対応」を呼びかけた。日本人が日本の読者に向けて書いたとは到底思えない醜さだ。

「日本が竹島を島根県に編入した1905年は、日本が韓国から外交権を奪い、併合への道筋を開いた年だ」
参照: 朝日社説7月15日『竹島問題―日韓は負の連鎖を防げ』(魚拓)
▼要塞と化した現在の竹島(AP通信)
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朝日流の反日歴史講義である。韓国側の論調をなぞって歴史の一面だけを切り取る詐欺的な説明だ。反日脳で汚染された朝日新聞の購読者は、竹島問題の基礎知識すら永遠に得られないだろう。

19世紀には、地球上のあらゆるエリアに厳格な国境線が引かれることはなかった。特に人の居住しない小島などは伝統的な扱いに基づき、明示されるケースは少なかったのだ。
▼安政時代の「亜細亜小東洋図」(島根県HP)
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細かい線引きが一斉に進んだのが20世紀初頭である。1905年の島根編入は、歴史的にも国際的な地図上でも明確だった我が国固有の領土・竹島を改めて確認したに過ぎない。

問題が生じたのは、昭和27年の韓国武力勢力による侵攻、強奪である。それが竹島問題を語る上での大前提で、今に至る状況を産み出している。

【武力侵攻・漁船員虐殺…竹島悲惨史】

今年5月、ハーグの国際司法裁判所が、小さな島の帰属問題で判断を下した。

「当法廷は12対4で、1980年までにペドラ・ブランカ島の領有権はシンガポールに移転されていたとみなし、同国に帰属すると判断するに至った」

マレーシアとシンガポールの間にある小島。大きさはサッカー場の半分という花崗岩性の無人島だ。1980年にマレーシアが自国領として地図に記載したことで論争勃発。領有権問題はハーグに持ち込まれ、結果、今回の裁定で28年の論争にピリオドが打たれた。
▼ハーグ国際司法裁判所での審議11月(AFP)
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帰属問題は、2国間による決着が難しく、国際司法裁判所に持ち込むのが望ましい。しかし韓国側は、国際司法裁定を恐れている。歴史資料などから、敗訴を理解しているだけではない。

我が国が主権を取り戻す直前の“空白期間”に行った武力侵攻。その政治的な経緯は、去年の2月のエントリ『わが竹島レコンキスタ…李承晩ラインの惨劇』で触れた。
▼李承晩ラインへの抗議活動(wikiより)
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隙に乗じた強奪行為も韓国や反日メディアが隠したい要素だが、国際司法裁判所提訴を韓国側が嫌っているのは、周辺海域で殺傷行為を繰り返した事実だ。

方的に引いた無法な李承晩ラインに基づき、韓国は我が国の漁船を相次いで銃撃・拿捕した。代表的なのが、海洋主権宣言の直後の昭和27年2月4日に起きた第一大邦丸事件。

この事件は、漁船を偽装した韓国海軍警備艇が、至近距離から日本漁船を狙撃。頭部を撃たれた漁船員が死亡したものだ。警告射撃なしの虐殺行為である。
▼韓国に拿捕された日本漁船員(wikiより)
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竹島で流血の事態はなかったが、周辺では日本人犠牲者が発生。そして、竹島は武力制圧された…竹島問題を論じる上で、韓国側の非道行為を書き漏らしてはならない。

今回の解説書の記述など、まだ生温いのだ。

【最重要ワードを剥ぎ取った福田官邸】

「我が国と韓国の間に、竹島を巡って主張に相違があることなどにも触れ、北方領土と同じ様に、我が国の領土、領域について、理解を高めさせることも必要である」

これが新たな学習指導要領の解説書に記述されることになったセンテンス。落第点である。焦点は竹島について「我が国固有の領土」という表現が盛り込まれるか否かであった。中川昭一元政調会長は、こう批判する。

「わけの分からない記述になった。解説書に記載するなら『固有の領土』と書かなければならない」
▼指導要領の中央説明会7月14日(産経新聞)
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おととし閣議決定した政府の公式見解は「竹島は韓国に不法占拠されている」というものだ。同じ解説書で北方4島に関しては「不法占拠」と表現されたが、竹島については韓国に配慮して削除された。

そもそも竹島に関する記述は、新しい学習指導要領に含まれるはずだった。3年前、当時の中山文科相は新指導要領に記述すると答弁していたのだ。
▼都内政府庁舎のポスター(ロイター)
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それが李大統領の2月の来日と重なって見送られ、法的拘束力ない解説書にレベルダウン。改正教育基本法の「我が国と郷土を愛する」態度の育成は、福田政権によってなし崩しにされた。

福田首相は、洞爺湖サミットで李明博との立ち話しの際、「固有の領土」明記について事前説明したという。しかし、その後、首相権限で最重要ワードを削ってしまったのだ。
▼洞爺湖サミットの福田&李明博(AP通信)
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日本側の一方的な譲歩である。

【近隣諸国条項の“防護壁”に激突】

読売新聞によれば韓国の学習指導要領には、こう記述されている。

「日本帝国は日露戦争中に、独島を不法に日本の領土に編入…」

盗人猛々しい表現。このような韓国の歴史歪曲に対して、我が国のバッジ連中や文科省など関係機関は、抗議を入れた試しがあるのか。常に韓国側が暴言を浴びせるだけだ。
▼竹島に集結した韓国議員団7月14日(AP通信)
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解説書への記載を巡って官邸が思案している最中の7月11日、韓国国会は、明記を反対する決議案を採択した。他国の教科書への“指導”である。

歪んだ関係だが、実際に韓国サイドは、クレームを入れることが可能なのだ。しかも、その特権は我が国の政府がプレゼントしたものである。いわゆる「近隣諸国条項」だ。

昭和57年6月末の日テレ報道記者による教科書検定誤報事件を発端に突如、外交問題化。当時の官房長官・宮沢喜一が特別談話を出して鎮静化を図るが、相手を増長させるだけで効果はなかった。
参照: 外務省HP『「歴史教科書」に関する宮沢内閣官房長官談話昭和57年8月26日』
▼蔵相時代の宮沢喜一(産経新聞)
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以来、付け焼き刃的な宮沢談話の方針は、教科書用図書検定基準に項目として盛り込まれ、25年以上経った今も明記されている。急場しのぎの内閣延命策が、後世に大きな禍根を残した典型的なケースだ。

「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」
参照: 文科省HP『高等学校教科用図書検定基準(平成11年4月16日文部省告示第96号)』
『義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成11年1月25日文部省告示第15号)』

“国際協調の見地”とは婉曲表現で、ストレートに言えば「近現代史ジャンルでは関係国に配慮し、相手国の意見を聞き入れる」必要があるということだ。不要な内政干渉を誘発する以外の何ものでもない。
▼竹島周辺を侵犯する韓国警備艇(AFP)
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「近隣のアジア諸国」とは特亜3国であって、ロシア(旧ソ連)は含まれない。つまり、教科書の世界で、北方4島と竹島の“置かれている立場”は異なるのである

文科省は教科書検定基準で、学習指導要領から逸脱しない内容を望む一方で「近隣諸国に配慮せよ」とも求める。そこに矛盾があり、つけ込まれる隙を与えているのだ。
▼竹島を不法占拠する韓国海洋警察(AP通信)
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「竹島は我が国固有の領土で韓国に不法占拠されている」

全ての教科書が当然の歴史事実を取り扱うには、まず、 無法極まりない近隣諸国条項を除去する作業が不可欠である。


  〆
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young

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【Side Story】
今回の韓国の抗議は、教科書問題ではなく、日本政府が竹島問題で強い立場を示そうと試みたことへの恐怖感から出発しています。その点で、近隣諸国条項は直接関係ないように見えました。

しかし、文科省の検定基準を改めて読むと、指導要領に沿うよう求めながらも「売国条項」はしっかり残っていて、明らかにバッティング。

今後、教科書レベルで竹島を北方領土と同じ地平に置くには、検定に潜む致命的な欠陥を問い直す作業が必要です。また日韓基本条約締結時の棚上げ、更には、李承晩ライン設定で拿捕が連続した時代の外交姿勢も問われるでしょう。

参考記事:
■イザ7月15日『福田、竹島問題でも弱腰…また「全方位土下座外交」』
■イザ7月14日『「竹島」問題、指導要領と解説書の違いは?』
■読売新聞7月9日『日韓首脳が15分間「立ち話」、竹島問題も話題に』
■読売新聞7月11日『中学社会の指導要領解説書、「竹島」明記巡り調整難航』
■イザ7月15日『竹島問題 韓国各紙が一斉に日本批判「こざかしい策」』
■産経MSN7月12日「竹島」明記は「挑発行為」 韓国国会が決議
■読売新聞5月18日『中学社会の指導要領解説書に「竹島は日本領」と明記』
■AFPBB5月23日『マレー半島の小島、領有権はシンガポールに 28年間の論争に終止符』

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