参院選の雌雄は決したか…政治の季節がやって来る

参院選の行方を知る精度の高いデータがある。期日前投票の出口調査だ。一方で新聞各社の予想のままなら混乱は必至…危機的状況が生まれる中、暑い政治の季節がやって来る。
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約3週間に渡る長い選挙戦が間もなく終わり、あと数日で運命の投票日を迎える。最終的に多くの有権者が、どのような審判を下すのか…

しかし、すでに現時点で大メディアは参院選の的確なデータを入手している。実際に、投票行動を終えた有権者の調査情報だ。それを解くキーワードが、期日前投票である。

平成15年末に施行された期日前投票制度も、随分とポピュラーになった。期日前投票は従来の不在者投票制度に比べ、大幅に手続きが緩和され、気軽に投票できるのが特徴。
▽新潟被災地の期日前投票所(イザ)
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総務省は7月23日、期日前投票の中間状況を公表した。これが意外な多さだった…

この10日間で投票を終えた有権者は全国で約399万人。前回の参院選に比べて1.5倍を超す多さとなっている。最終的には1000万人を上回る有権者が期日前投票を行なうペースだという。

既に大規模な投票行動がスタートしている。その投票傾向を一部の大メディアは把握している。期日前投票を行なう有権者数に比例してサンプル数も増加。精度はより高くなる。
▽期日前投票を行なう有権者(日本海新聞)
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今回、期日前投票が急増していることからも、メディアが掴んだデータは精度が高まっていると考えて良いだろう。だが、なぜ事前に知り得ているのか?

理由は簡単…選挙報道に欠かせない「出口調査」を大規模に行なっているからだ。

【出口調査データを知る者たち】

「出口調査」とは、その名の通り投票所の出口附近で待ち構え、具体的に聞き出す調査法である。RDD方式の電話調査に比べ、高い精度を誇ると言われる。正直に誰に投票したか答える有権者がほとんどのようだ。

投票日には各メディア、主にNHKを筆頭にしたTV局が、人海戦術でリサーチを行なう。規模は全国で、バランスの取れた投票所が選ばれる。バランスとは、有権者の職業が偏っていないという程度のものらしい。
▽都知事選での出口調査ポイント(イザ)
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その出口調査を期日前投票でも実施。今回の参院選でも各地の役所で出口調査が行なわれている。少し前の求人広告を調べると、それなりの規模でスタッフが募集されているようだ。(募集広告キャッシュ)

データを収集するのは、大小のリサーチ会社だが、段階的にまとめてメディアに集計過程を伝達するものと見られる。当然、そのデータは極秘扱いで不特定多数の関係者が知ることはできない。

しかし、メディアのひと握りの幹部は、現時点で極秘情報を把握し、各大政党の幹事長クラスにデータを横流ししていると想定する。

恐らく、参院選の雌雄は既に決しているのだ。内心で万歳している政党もあれば、臍を噛んでいる政党もあるだろう。
▽ラストサンデーの銀座演説会場(AFP)
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情報の商品価値を知るメディア側が、集計過程を不用意に示唆することはない。それでも、投票を前にした各党幹部クラスの発言を注意深く見守れば、期日前投票の“結果”が、どのようなものか、ある程度想像できるのではないか。

これは怪しい…とピンと来る発言や動きが必ずあるハズだ。

参照:
産経新聞7月24日『首相退陣の必要なし 塩崎氏、参院選敗北でも』

イザ7月25日「必死で戦い抜け」 小沢氏、楽観ムード戒める

しかし、なぜ各メディアは巨額の人件費を費投じて“門外不出”の事前データを集めるのか?

もちろん政治家に横流しする為ではなく、それは投開票日の「選挙特番」に向けてのものだ。

【大勢判明は29日午後8時00分】

NHKと民放キー局は、7月29日夜に通常編成を破壊して、大型の「選挙特番」をプログラムしている。各社の報道局が直接対決で競い合う、半ば視聴率無視、広告代理店泣かせの番組だ。

圧勝するのは毎度NHKだが、民放各局とも番組予算は青天井に等しい。青天井の予算など、バブル絶頂期の土建屋か国立研究機関でしか耳にしない言葉だろう。

次の日曜日は、各局ほぼ横並びで選挙特番が始まる。投票日移動で『27時間テレビ』と重なったフジ系列以外の民放は、投票締め切りの午後8時ちょっと前からスタート。
参照:ZAKZAK7月12日『参院選テレビ各局見どころは?TBS一歩遅れのワケ』
▽NNN系選挙特番
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この午後8時少し前という編成が肝だ。時計の針が午後8時を回った瞬間に公選法の縛りが解ける。そして8時00分のタイミングで、各局が予想値を発表。大勢が判明する。
▽ANN系選挙特番
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この予測値を弾き出すのが地道な出口調査の結果。新聞社ではなくTV局が全国規模で実施しているのは選挙特番が控えているためだ。

2年前の9・11総選挙では、日テレ系が「自民党309」の予想議席を打ち出して、腰を抜かしたのは記憶に新しい。他の民放各局も軒並み自民300議席超の数字を出していた。

実際の結果は296議席で、予想値は10議席ほど多く見積もられ、最終的には何か自民党が伸び悩んだ印象だった。予想と結果に差異が生じたのは、激戦区での読み違えと、期日前投票のデータを精査しなかった為とも言われる。
▽9・11総選挙の各局予想(日経リサーチ)
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その反省から、各局は今回、より丹念な期日前投票の出口調査を行っていると考えられる。貴重なデータが既に続々と集まっているのだ。

一方で、大々的に公表される新聞社の選挙予測は、余り優秀ではない。

【郵政総選挙では予想を裏切る結果が…】

投票日まであと1週間の時点で、新聞各社の参院選事前アンケートがほぼ出揃った。微妙な差こそあれ、各社内容は共通。いずれも悪寒を覚える数字が並んでいる。

与党の参院過半数割れは濃厚で、民主党が第1党に伸し上がる勢い。比例で民主党が優位に立つ一方、激戦の1人区でも多くの議席獲得が予想…
▽「民主くん」(イザ)
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もっとも、こうした選挙予測は電話調査がメーンで、出口調査とは比較にならない程、精度が低い。

参考までに、9・11総選挙の際の各社の情勢調査(1週間前)は、以下のようなものだった。

読売…「自公、過半数超す勢い」
朝日…「自民優勢、過半数の勢い」
産経…「自公300議席うかがう」


衆院での過半数は241議席。結果と比べて控え目なトーンだ。報道各社の情勢調査は、サンプル数と実際の有権者数との間に開きがあり、予想幅が大きい。補正しないと現実とは乖離した数値になる。

また予測記事では、度々、逆アナウンス効果が指摘され、選挙結果を受けて与党サイドが不快感を示したり、野党サイドがクレームを付けたりと忙しい。

この逆アナウンス効果は、劣勢が伝えられた政党に「頑張れ」と投票するポジティブな行動ではないようだ。圧勝が予想された政党に票を投じようと考えていた有権者が、投票日に足を運ばなくなる…といったネガティブな行動パターンとも解説されている。

【危機的状況の可能性は高まった】

逆アナウンス効果が実在するのか否か、選挙ウォッチャーによっても見方が対立するテーマだ。先の総選挙では逆アナウンス効果を否定する雪崩現象が起き、優勢の伝えられた党が票を伸ばしている。
▽9・11総選挙(共同通信)
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アナウンス効果も逆アナウンス効果もケース・バイ・ケースだ。しかし、情勢調査はムードを増長させる効果を確実に持っている。

「ムードに流される」ことを批判しても、時すでに遅しだが、現段階では、年金問題の風が一層強まると予想できる。つまり自民党にとっては逆風、民主党にとっては追い風…

外交など国家の根幹が問われることなく、殆ど年金問題シングル・イシューの様相だ。

民主党の年金政策は財源で不透明な問題を抱えているが、イメージ先行で有利に進めている。加えて、各党の年金政策を細かくチェックしない有権者は、情勢調査の結果を眺めて、広く支持を集める政党の政策が「最も優れている」と単純に受け止めるケースも多いだろう。
▽選挙戦初日の演説会場(イザ)
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最終的に数字がどう振れるのか玉虫色の部分は残るが、選挙後に危機的な状況が出現する可能性は高まっている。

今回ばかりは暢気に「選挙特番」をザッピングしている場合ではなさそうだ。

暑い「政治の季節」がやって来るのは、ほぼ確実と見て良いだろう。

【政界に核分裂反応を呼び起こせ】

小沢一郎にとって参院選はあくまでも通過点で、目標は衆院解散・総選挙に追い込むことだ。その狙いを達成させる為には手段を選ばない。国会を空転させて絶え間ないプレッシャーを与えるだろう。
▽7月12日岡山での選挙応援(AP)
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本来、参院で法案が悉く否決され、国会が空転すれば、たちまち批判が巻き起こり、逆に参院第1党は窮地に追い込まれる。

しかし、朝日新聞を筆頭とする反安倍メディアは、問答無用で小沢の援護射撃を仕掛けて来る。今以上の激しいバッシングだ。既得権益を守ろうとする連中の戦いは常に苛烈を極める。
▽7月15日宇都宮での選挙応援(イザ)
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混乱は必至で、一気に政局は流動化…近年になかった「政治の季節」の本格的な到来となる。その際に、懸念されるのは外交の空白が生まれることだろう。内政と違い、外交でのモラトリアムは僅かにも許されない。とりわけ、現在は対北問題で正念場を迎えている。

仮に小沢民主党が現行の売国マニフェストを抱えたまま、総選挙に突入するような事態になれば、喜ぶのは近隣の反日国家群、不利益を被るのは日本国及び日本人だ。

そして、本格的な政治の季節を迎えるにあたっては、将来の政界再編を睨んだ重要なファクターを国会に招き入れる必要がある。示唆することしか出来ないが、ポイントは公示直前のエントリ後半部に記した通り。

現在の与党構成では、反日政党のアキレス腱を突くには無理がある。そこで、国家観そのものを問い掛けて徹底抗戦する勢力の出現こそが大きな転換への礎になる。数の問題ではない。

物理学的な比喩を用いれば、連鎖的な核分裂反応を呼び起こす最初の中性子である。

今、必要なのは議論ではなく具体的なアクションだ。即ち、投票行動に結びつけなければ意味はない。1票を2票、3票に拡大することが肝要だ。家族の他、親しい友人・知人に呼びかけられるなら、輪を広げてみよう。

運命の投票日まで、あと5日…例え、それが僅かな日数だとしても、まだ時間は残されている。


     〆
最後まで読んで頂き有り難うございます♪
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参照:
日経リサーチ『衆院選出口調査の検証』PDF

参考記事:
読売新聞7月18日『与党過半数割れも、民主第1党の勢い…参院選・読売調査』
朝日新聞7月19日『自公、過半数割れも 1人区で自民不振 参院選情勢調査』
イザ7月22日『参院選情勢 与党、過半数割れ濃厚 本社・FNN合同世論調査』

時事通信7月22日『与党過半数、厳しい情勢=自民1人区で不振-民主、第1党の勢い・参院選終盤調査』
毎日新聞7月22日『参院選情勢調査:与党、過半数厳しく 自民は1人区で苦戦』

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