緒方重威 不可解な密会劇…すべては朝銀事件の闇に

緒方重威は監視網を知りながら総連幹部と会っていた。堂々たる“密会”は何を意味するのか…メディアは裏取引の経緯に着目するが、事件の背景にあるのは朝銀問題の深い闇だ。
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6月13日、最初の会見で緒方重威(しげたけ)は報酬について、こう語っていた。

「着手金は1,000万円で、年100万円を5年間受け取る予定だが、まだもらっていない」

しかし、東京地検特捜部の調べで、実際に緒方重威の手に渡っているカネは、その10倍だったことが判明。緒方自身も白状している。

「4月に元社長から1億円を受け取った」

元社長とは、この事件の仲介役・満井忠男だ。バブル期に地上げで名を轟かせた「三正」代表で、98年には仮想売買で逮捕。今回の総連本部事件でもキーマンとなっている。

これまでの所、大掛かりな事件の割には、登場人物は少なく、5人前後。そしてカネの流れも意外に単純化されている。
▽カネの流れと登場人物(産経新聞)
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朝鮮総連ヤミ金庫の“黒い頭取”=許宗萬(ホ・ジョンマン)から満井忠男に流れたのが4億8,400万円。その満井から約1億5,000万円が出資調達役の42歳元銀行員に渡っていた。2億円は許宗萬に返却。

残るは1億円…18日の会見で9条ネット共同代表の土屋公献は、こうシラを切っていてた。

「3億5,000万円は保証金。残り1億円以上は私にも分からない」
▽18日会見する土屋公献(北海道新聞)
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余りにもお粗末なウソだった。その会見の時点で既に1億円は緒方重威のサイフに入っていたのだ。在日不法マネーを取り仕切る暗黒弁護士にしては脇が甘過ぎた。

裏金の流れは素早く判明したが、反面、特捜部が登場人物を少数に絞り、背後まで追及せず、打ち止めにする恐れもある。この事件の本質は総連本部の保全というシンプルなものでは決してないのだ。

【毎日新聞にリークしたのは誰か?】

これまで総連マネーに絡んだ問題は、全マスコミが参加する劇場型の騒ぎになることはなかった。大半が闇から闇に葬られて終了だった。しかし、今回は明らかに様相が異なる。

第一のミステリーは、6月12日の『毎日新聞』スクープ記事のリーク元だ。現時点では、様々な可能性が考えられ、消去法で絞り込む作業も難しい…
▽朝鮮総連中央本部(毎日新聞)
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例えば内部告発説。許宗萬は朝鮮総連の実質的なトップだが、独裁ぶりを嫌う内部関係者も多いという。総連の権力闘争で後ろから刺されたとしても不思議ではない。

また北朝鮮指導部も、許宗萬に対して疑惑の目を向け、本国召還命令を下していたとの情報もある。その昔、許宗萬は膨大な送金で平壌の覚えが目出度かったが、今はATMとして役に立っていない。

北朝鮮指導部にとってカネを持って来ない在日朝鮮人など、ただの外国人だ。掃いて棄ててもOKである。
▽総連最高幹部・許宗萬(NNN)
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朝鮮総連内部告発説、平壌筋リーク説は『毎日新聞』の親北スタンスから仰ぎ見ると充分にあり得る。陰謀論風味だが、決して可能性ゼロではない。

その逆で、ストレート過ぎて意外性に欠けるのが警視庁公安部によるリーク説だ。当然のように『毎日新聞』がスクープを打つ前に、公安部は異常な動きを察知していた。

しかし、その動きが奇ッ怪なのだ…

【事態が急展開した6月11日の謎】

露見直前、総連サイドの許宗萬自身が、まるで“自爆”するかのような不用意な行動を取っていた。

4月中旬に緒方重威は土屋公献の事務所を訪れ、許宗萬と謀議を行なったことが明らかになっている。だが、緒方と許宗萬が接触したのは、この1回だけではない。緒方本人が13日の最初の会見で自ら、こう自白している。

「(許宗萬と)土屋事務所で数回、会った」
▽北朝鮮のフィクサー土屋公献14日(産経新聞)
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何度も謀議を重ねていたのだ。そして18日の会見で緒方は注目すべき発言をしている。

「カネが(元社長に)行ったと知ったのは11日の夕方です」

緒方自身の説明によれば、6月11日、今度は許宗萬が緒方のオフィスを訪れ、謝礼金について説明をしたという。ガードの甘い、不可解な訪問だ。これを我が国では「密会」と呼ばない。
▽元公安調査庁長官・緒方重威(時事通信)
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警視庁公安部外事二課は、許宗萬を行確(行動確認)対象にし、完全に足取りをマークしている。ほぼ24時間監視を行ない、許宗萬がどこで誰と会うか徹底調査しているのだ。それは許宗萬も承知している。

外事二課の捜査官は、6月11日に許宗萬が元公調トップの事務所に入っていくのを確実に捕捉していた。見逃すことは、あり得ない。つまり11日の時点で外事二課は“動かぬ証拠”を掴んでいたのだ。

【行確を知りつつ動いた許宗萬&緒方】

毎日新聞が追及を始めたのも、表向きだが、11日のことだった。スクープ記事の最後半に、何気ない記述がある。

毎日新聞は11日、弁護士事務所や家族を通じて緒方氏に取材を申し込んだが、12日未明までに回答を得られていない。(毎日新聞12日)

電話取材だけではなく、港区のオフィスや目黒区の自宅まで押し掛けていたと考えられる。許宗萬の緒方事務所訪問に前後して、毎日新聞は詰めの取材を行なっていたのだ。

事件発覚後の14日朝、緒方重威は強制捜査に憤慨していた。

「ここをガサ(捜索)して事実をつくることが大事だったんですよ。何のために…? それは、これを潰すためです。取引を」
▽14日直撃された緒方重威(ANN)
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意味深長な発言だ。

インテリジェンス機関の長だった緒方重威は、許宗萬が行確対象であったことを知っている。それを承知で許宗萬の緒方オフィス訪問を許していた。

警視庁公安部外事二課に、自分と許宗萬の関係を見せつけるかのような異常な行為だ。大胆不敵である。緒方と許の双方が不用心だったとは到底考えられない。

2人が共に抱いていたのは、例え外事二課が気付いても、捜査の手を伸ばして来ないだろうという確信だ。架空取引、強制執行妨害を行なっても、表沙汰にならないという自信である。

その確信は、どこから来ていたのか?

【総連中央ビルの命脈は絶たれた】

問題となった千代田区富士見の朝鮮総連中央本部は、18日の地裁判決で競売の対象になることが確実となった。仮執行宣言が付いていたのがポイントで、判決確定前でも差し押さえ、競売が可能だ。

朝鮮総連の序列3位・南昇祐(ナム・スンウ)は、翌19日に火病談話を発表、こう息巻いている。

「RCCの債権回収問題が政治問題に変質し、朝鮮総連中央本部会館を駆逐せよと言わんばかりの異様な状況が作られたことは、現政権の朝鮮総連敵視政策と在日朝鮮人に対する排外主義に起因する」
▽総連ナンバー3南昇祐(参考画像)
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文句があるなら借金を返してからにせよ。日本人様にお金を頂戴して逆ギレするとは余りにも愚かしい。

マスコミも関連ニュースで、競売がただならぬ事態で、総連の凋落を示すものだといった論調で伝えている。ところがRCCによって総連の重要施設が競売にかけられるのは、これが初めてではなかった。

【競売にかけられた重要工作拠点】

朝鮮総連は、千代田区の中央本部以外にも、都内には2つの工作拠点を持っている。文京区千石4丁目の東京都本部、そして、同じく文京区白山の朝鮮出版会館。

2拠点のうち、朝鮮出版会館が2001年に競売に出された。朝鮮新報社や科協、留学同など20余りの工作機関が入る悪の巣窟ビルだ。今年4月、環状線封鎖の朝鮮人騒擾事件が起きた現場でもある。
▽朝鮮総連会館前の騒擾事件(東京新聞)
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地上13階建て、敷地面積は約180坪。白山通りに面した交通至便な都心の一等地である。周囲は神社・仏閣も多い閑静な高級住宅街だが、不逞半島人が居座り、ロケーションを台無しにしている。

競売にだされた朝鮮出版会館だったが、占有権を主張するダークな面々を恐れてか、結局、買い手は現れず。競売は取り下げられた。その後、不透明な顛末を経て、所有権は「朝鮮出版会館管理会」という有限会社に移っている。
▽文京区白山の朝鮮出版会館(宝島Real038より)
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ジャーナリスト野村旗守氏の丹念な取材によれば、この有限会社は総連のダミー会社で、設立は2000年12月。当時の社長は、朝鮮学校の教科書をつくる「学友書房」の河泰弘(ハ・テホン)。もちろん総連幹部だ。

2001年7月に朝鮮出版会館を担保に約4億8,000万円の融資を受けていることが判明。融資を行なったのは宮内善彦率いるオリックスだった。

状況から判断すると、総連がダミー会社を使って元競売物権を取り返したことは明らかである。問題は5億円以下で買い戻したことだ。

【悪の錬金術で生まれた50億円】

バブル全盛期、朝鮮総連は、この出版会館を担保に、なんと80億円を超す乱脈融資を行なっていた。当時の不動産価値は推定30億円以下。つまり50億円が悪の錬金術で生み出されたのだ。

その乱脈融資を行なったのが、朝銀大阪と朝銀東京だった。融資枠を越えているにも関わらず、約50億円が魔法のように捻り出された…
▽朝銀東京
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そしてバブル崩壊で当然のように朝銀は破綻。50億円もの乱脈融資のツケを被ったのは、善良な日本人勤労者だった。

これを不良債権と呼ぶのは容易い。しかし、朝銀のケースは全く違う。錬金術で生み出された巨額マネーは、北朝鮮に送られたのだ。

想像を絶する国際金融犯罪である。

だが、それにも関わらず、2001年の朝鮮出版会館をめぐる問題は、ニュースにならなかった。あらゆるメディアが無視する完全な闇の中で買い戻しが進められたのだ。

それが今回の中央本部偽装売買事件で何を意味するのか?
▽直撃取材を受ける許宗萬(朝日新聞)
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朝鮮出版会館の買い戻しで暗躍したのも許宗萬だった…つまり、許宗萬は取引が「事件化・表面化」しないという絶対の自信があったのだ。

そして、緒方重威にも過去のケース同様に、問題化しないという確信を持っていたに違いない。それだからこそ、外事二課の監視を知りながら堂々と何回も接触を続けていた、と考えられる。

2人の確信は共通している。異常な取引をしてもバッジ(国会議員)が守ってくれると安心しきっていたのだ。

【葬られた史上最大の金融犯罪】

今回の事件で浮かび上がった4億円、5億円などタバコ銭に過ぎない。更に、30億円とも言われる中央本部の不動産も、微々たるカネだ。背景にあるのは、公的資金1兆4000億円が注入された朝銀問題である。

RCCが総連に返済を求める627億円。それも朝銀の乱脈融資・違法送金が生み出した文字通りの負の遺産だ。
▽朝鮮総連本部前での抗議活動(ロイター)
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この期に及んでも各メディアは事件の根源をなす朝銀問題に触れようとしない。マスコミはバッジを恐れ、迎合し、10年以上も国民を欺き続けた。

朝銀問題は日本史上の最大の金融犯罪とも言われる。
それを無視して国政を論じる資格はない。

問題の核心は、朝銀をめぐる深い闇の中にある。

過去に葬り去ったものを、覚悟を決めて掘り起こせ。


      〆
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参考文献:
別冊宝島Real『北朝鮮「対日潜入工作」』2002年
野村旗守論文「『公的資金』をあてこんだ、朝鮮総連の『競売物権買い戻し計画』をすっぱ抜く!」

参考記事:
イザ6月23日『出資調達役に1億5000万円 総連仮装売買』
読売新聞6月21日『緒方元長官に1億円、東京地検が朝鮮総連の許副議長を聴取』
NORTH KOREA TODAY6月15日『緒方重威氏記者会見答弁全文』

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