総連幹部の日本人殺害指令…母子失踪34年の闇

昭和48年の母子3人失踪事件が北朝鮮による拉致事件として捜査される。そこに関わったのは朝鮮総連の大幹部が作ったダミー商社…34年間、闇に葬られた事件に今、光が当てられる。
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その日、妻の渡辺秀子さんは、連絡がつかなくなった夫を心配して勤務先の会社を訪ねた。悲劇だったのは、そこが普通の会社ではなく、朝鮮総連傘下の暗黒商社であったことだ。

警視庁などは4日、昭和48年に都内で起きた母子3人失踪事件について、2人の子供が北朝鮮に拉致された疑いが強いとして来週にも合同捜査本部を設置、本格的な調べを行う方針を固めた。

失踪したのは北海道帯広市出身の渡辺秀子さん(当時32歳)と長女の敬美(きよみ)ちゃん、長男の剛(つよし)くん。敬美ちゃんは当時6歳、剛くんは3歳だった。

遂に34年間も闇の中に葬られていた事件が封印を解かれるのか…

それは余りにも非情な事件だった。

失踪した渡辺秀子さんは、地元の北海道である男性と知り合い、昭和42年に結婚する。その相手が日本人ではなかったのが不幸の始まりだ。夫となったのは、高大基(コ・ダイキ)を名乗る釧路出身の在日朝鮮人。
▽渡辺秀子さんと高大基
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その後、渡辺秀子さん一家は、埼玉に転居して家族4人で暮らしていたが、昭和48年6月に夫の高大基が突如、行方をくらます。その年の12月、途方に暮れた秀子さんが勤務先の会社を訪ねたところ、3人とも監禁されてしまった。

ある証言によれば、秀子さんは殺され、2人の子供は東北地方まで連行されたうえ、工作船で北朝鮮に送られたという。
▽剛くんと敬美ちゃん(ANN)
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34年の前の平和な我が国で起きた出来事…

秀子さんの夫・高大基が、総連ヤミ組織のメンバーだったことが全ての悲劇を呼び起こした。

【総連大幹部の腹心だった高大基】

一部メディアは、秀子さんの夫・高大基について、北朝鮮工作員の疑いが濃いとしている。 間接的に北朝鮮の指令を受けて暗躍していたの事実だろう。 しかし、拉致工作員・辛光洙とは趣きが異なり、高大基は朝鮮総連の国内謀略活動に深く関わっていた人物だ。
▽高大基(コ・ダイキ)
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高大基の勤務していた会社は東京品川区西五反田にあった「ユニバース・トレーディング社」なる商社だった。

昭和46年6月に設立され、資本金は4,000万円。同社がテナントとして入っていたのは、有名な「東京卸売りセンター」、現在のTOCビルである。
▽画像:NNN
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「ユニバース社」は、通常の貿易業務はフェイクで、実際には本国の密命を受けた工作拠点だった。10人程の従業員が「ドミトルグループ」という秘密組織を形成、非公然活動に従事していたと見られる。秀子さんの夫・高大基は、その中でも重要な位置にいたようだ。

このダミー商社は、表向き日本人のお飾り社長を代表に据えていたが、実際は、当時の朝鮮総連の大幹部だった金炳植(キム・ビョンシュク)副議長が作ったものだった。

この凶悪朝鮮人は、総連のドン・韓徳銖(ハン・ドクス)の姪の夫に当たる。いわば総連の暗黒ロイヤル・ファミリーの一員だ。

金炳植は、昭和40年代に朝鮮総連の中で権勢を誇り、内部で粛清に次ぐ粛清を行った人物だ。悪名高い暗殺チーム「フクロウ部隊」を私兵として組織し、謀略の限りをつくしていた…

その極悪大幹部・金炳植が朝鮮問題研究所の所長を務めていた頃、資料室長だったのが、高大基であった。
▽画像:FNN
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つまり高大基は、金炳植の腹心だったのだ。

重要な立場に居た高大基の秘密を守る為、執拗に消息を追う秀子さんは危険人物と見なされた。

【女工作員が口封じで殺害、逃亡】

失踪した昭和48年暮れ、秀子さんが直接、西五反田の「ユニバース社」を訪ねたか、どうかは確定的ではない。会社周辺にいた所を、取り押さえられたとも一部で報じられている。
▽渡辺秀子さん(北海道新聞)
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北朝鮮=朝鮮総連サイドは、秀子さんが警察に相談することを恐れ、抹殺を企てたと推測される。事件の前に、秀子さんと会っていた人物がいる。実の妹である鳥海冏子(けいこ)さんだ。

冏子さんが姉の秀子さんに会ったのは昭和48年9月。その時の模様を、こう振り返る。

「姉はその年は、本当にいつもの年と違って、悩みを抱えて帰ってきてる感じはしてました」 (FNN)

「ユニバース社」の女性従業員は、夫を心配する秀子さんらを言葉巧みに誘い出し、都内のマンションに監禁した。Kというイニシャルのこの在日朝鮮人の女(当時24歳)もまた、非公然活動家だった。

母子3人が監禁されたのは、東京・目黒区下目黒にある「清水台マンション」の一室。そこは北朝鮮=総連の秘密のアジトだったとも言われる。秀子さんが悲劇に見舞われたのも、この清水台マンションの中だったようだ。

口封じの為である。秀子さんは、夫が「工作員」であることを知っていた。ある時、秀子さんは親友に、こう話したという。

「(秀子さんが)『うちのダンナは工作員なの』と言った。私はエンジニア、職人だと思って。『工作員って職人さんだから、お金持ちなんだね』と渡辺さんに言いました。渡辺さんは何も言わず、笑ってました」 (JNN)
▽渡辺秀子さんと敬美ちゃん(時事通信)
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親友の女性は「工作員」がスパイではなく、職人と勘違いしたようだ。同じように、秀子さんが勘違いしていたとも考えられるが、夫の素顔を薄々知っていたのだろう。それを警察に話されたら、金炳植としては自らが危うくなる…

そこで組織ぐるみで犯行に関わったのは明らかである。社員=工作員の独断では決してない。金炳植からの殺害・拉致指令があったのは確かだ。

それこそ朝鮮総連大幹部による日本人殺害指令である。

そして実行犯と見られる在日朝鮮人Kは、高大基の失踪後「ユニバース社」の責任者となり、会社を閉鎖した後、昭和54年5月6日に成田から出国している。

この女工作員Kもまた北朝鮮の保護下に置かれているのだ。

【ユニバース社と「よど号」の接点】

実行犯の逃亡から28年…

工作拠点だった「ユニバース社」をめぐって去る3月、新たな情報がもたらされた。

週刊「AERA」3月12月号が報じたもので、拉致被害者・福留貴美子さんが、同社がテナントとして入るTOCで働いていたことが分かったのだ。

福留貴美子さんは、昭和51年夏「モンゴルに行く」と言って出国。消息を絶ったが、後に北朝鮮で「よど号」犯・岡本武の妻となっていたことが判明した女性だ。

福留さんは高知の高校卒業後、警備会社に就職。そして昭和48年に退社するまでの一時期、福留さんはTOCビルで受付嬢のような仕事をしていたことが、同郷の友人の証言で明らかになった。
▽五反田のTOC(参考画像)
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まだユニバース社との関係性は判然としていないが、果たして単なる偶然だったのか…TOCにテナントとして入るユニバース社の非公然活動家が、受付の福留さんとニアミスしていたのは確実だ。

更に、「よど号」犯の柴田泰弘が昭和63年5月、日本潜伏中に逮捕されたが、その際に持っていたパスポートの名義人が「ユニバース社」と関係した後、北朝鮮に渡った人物だったという。

来週にも設置される渡辺さん母子に関する合同捜査本部には、警視庁に加えて兵庫県警も加わっている。

母子3人の失踪をめぐっては、柴田泰弘の関連捜査で兵庫県警が情報を入手、これまで慎重に捜査を進めていた。

点と線は未だ結びついていないが、渡辺さん母子3人の失踪事件と「よど号」グループが、どこかで絡み合っているのは確かだ。恐らく、そこに深い闇がある。

34年も前に起きていた決定的な事件…公安は何も知らなかったのか?

【公安機関は高大基を追っていた】

一部メディアが不思議な証言を伝えている。

渡辺秀子さんは、夫・高大基と共に北海道から埼玉・上福岡市(現ふじみ野市)に移り住んでいる。そこで、警察関係者が近くの家に許可を得てあがり込み、渡辺さん一家の様子を窺っていたという。
▽一家が住んでいた家(JNN)
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近所の住人は、こう証言する。

「『おじゃまさせてください』とトイレに潜った。窓からずっと家の様子を見ている。警察は(高氏は)密入国で船できて、仕事としてきていると言っていた」 (JNN)

失踪する前の話だ。つまり、公安は高大基が工作活動に従事していることを知り、追いかけていたのだ。高大基が家族に何も告げず、行方をくらましたのは、公安の影が自身の周辺にチラつき始めていたからではないか。

危険を察知して高大基は突如、北朝鮮に高飛びしたと想像できる。

ここで重要なことは、公安機関は30数年前の時点で、北朝鮮=総連の工作活動を徹底的にマークしていた事実だ。実際に各メディアが入手し、公開している高大基の顔写真も公安の秘蔵ファイルの1枚だった。
▽公安がマークしていた高大基
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異様な工作活動が起きているのを知りながら、公安は何ら有効な手を打てなかったのか…

【見逃された北朝鮮=総連の犯罪】

わが国の公安機関は、遥か昔から朝鮮総連の幹部クラスを徹底マークし、工作活動にも捜査の手を確実に伸ばしていた。だが、それを「事件化」できなかったのは、政治的なパワーバランスである。

具体的には、総連から莫大な裏金をもらっていた旧社会党の影響力を恐れてのものだった。それが長い歳月をかけて我が国に由々しき「闇の部分」を築いてきたのだ。

55体制下の野党第一党として君臨した社会党は今の社民党とは、比較にならない程、強い政治力を保っていた。そこに反日親北メディアが乗っかり、ジャーナリズムに「北朝鮮タブー」を作った…

それが北朝鮮=朝鮮総連の犯罪を見逃さざる得なかった最大の理由、母子3人の失踪を34年間も放置してきた要因だ。

渡辺さん母子のケースは、横田めぐみさん拉致をスクープした石高健次氏が平成12年12月号の『文藝春秋』誌上で告発していた。それを読んで衝撃を受けた記憶があるが、実に詳細なリポートだった。

7年も前の告発記事だ。

その後、平成15年1月、秀子さんの実妹・冏子さんが殺人と国外移送目的略取の疑いで、氏名不詳の数人を容疑者として警視庁に告訴状を提出していた。

4年前のことである。

その際に「殺人、氏名不詳の数人」とされたことには理由があった…

【殺人容疑で朝鮮総連に突入せよ】

警察は遺体遺棄に関わった工作員の証言まで既に獲得していたのだ。その工作員は、殺害現場にも居合わせ、仲間と一緒に秋田・山形の県境にある海岸で遺棄したことも告白しているという。

ほぼウラは取れていた…にも関わらず、これまで放置していた理由は何だったのか。

今回の捜査本部設置は、敬美さん・剛さん姉弟を北朝鮮で目撃したという有力情報が得られた為だとも言う。だが同時に、2人が朝鮮籍であることから、拉致認定が難しいとも報じられている。
▽敬美ちゃん剛くん(時事通信)
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そこで安倍首相は、4日夜の会見で、こう答えていた。

「日本から強制的に連れ去られたということであれば、日本国籍であろうとなかろうと絶対許されない行為だ」

徹底な捜査を行うとも宣言している。もう闇に封じ込めておく必要はない。事件の全容を暴き出すべきだ。

そして、これは拉致事案であると同時に、渡辺秀子さん殺害事件でもある。朝鮮総連の大幹部だった金炳植の工作機関が、組織ぐるみで一人の日本女性を殺めたのだ。

それを同時に追及することが肝要である。

殺人幇助組織・朝鮮総連をこれ以上、野放しにしてはならない。闇を闇として温存させてはならない。今こそ徹底して“我が国の膿み”を出す時だ。

実行犯が国外逃亡している以上、時効は成立していない。

殺人容疑で朝鮮総連を強制捜査せよ。


     〆
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参考情報:
イザ4月4日『父は工作員、会社が拠点 北、73 年に姉弟拉致の疑い』

日本財団図書館より~産経新聞朝刊 2003年2月7日「遺体、海岸で捨てた」 渡辺さん失跡で北工作員証言 30人余の拉致に関与も
注:殺人の証言はあるものの、秀子さんの遺体が発見されていないことから、特定失踪者問題調査会では、拉致の可能性も否定できないとして今年3月22日にリストアップしています。
特定失踪者問題調査会リスト:渡辺秀子さん

高知新聞11月15日『福留貴美子さんは「拉致」救う会高知が県警に告発』

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