上海に大粛清の嵐~腐敗の元凶は党と軍

上海の近代的な街並を見るにつけ、どこか釈然としないものがある。あの港町の巨大なビル群が暗黒の錬金術で誕生したことを側聞したせいかも知れない…
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史上最大規模の汚職になる可能性が出てきた。上海市の社会保障基金をめぐるスキャンダルは、ついに上海のトップ陳良宇(党政治局員)を解任させ、疑惑の本丸に迫っている。

陳書記を筆頭に中共の幹部連中が群がっていた巨額マネーの総額は、想像を超える額だった。

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【北京 26日 ロイター】
中国共産党は26日、上海市の党委員会トップである陳良宇・市党委書記の解任につながった汚職事件で、汚職問題の真相を究明するとともに、職位にかかわらず関与者全員を追及する方針を表明した。
 陳氏は、上海市の100億元(12億5000万ドル)の社会保障基金を不正融資や投資に流用した疑いが持たれている。
*****引用終わり*****

なんと陳書記の取り分だけで、日本円にして約1400億円を超える額である。総額では計り知れない巨額資金を共産党の幹部と一族が山分けし、甘い蜜を吸っていたのだ。
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【権力闘争の最終局面へ】

このスキャンダル摘発の背景にあるのは、胡錦濤vs江沢民の暗闘である。
複雑な要素が絡み合っているワケではない。
胡錦濤(共青団派)と江沢民(上海閥)との権力闘争が最終ラウンドに近付いてきたことを示している。金銭スキャンダルは、その一環として上海閥を掃討するために表面化させたに過ぎない。

支那では来月8日から重要な政治イベントである「6中全会」が開催される。それを前にして胡錦濤サイドが一気に上海閥を叩きに出たのだ。

その証拠に、陳良宇の失脚と同時に、黄菊副首相の親族が拘束されたことも公表された。現在、末期がんで表舞台から去っている黄菊副首相は共産党序列6位で、上海閥の重鎮である。

親族とはズバリ黄菊夫人の余慧文である。上海不動産王との暗黒な取引によって不正蓄財を重ねていたと見られる。これによって、黄菊副首相の政治生命も絶たれることは間違いない。

シナウォッチャーの宮崎正弘さんは、今回の摘発が「党中央規律検査委員会」によって進められたことに注目している。

8月末に中央から上海に、この党中央規律検査委100人以上が送り込まれたことは各紙でも報じられていた。
恐らく、これには二つの理由がある。

1:胡錦濤の肝入りでこのタスクフォースが派遣された
2:上海の検察や公安(警察)が機能しない
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中央の特命チームが地回りの警察を無視して公然と上海に姿を現した。

なぜか?

【中共幹部の黒い錬金術】

26日付けの『朝日新聞』は、この汚職事件を伝える記事に案の定「腐敗一掃」という見出しをつけていた。記事ではさすがに政争が背後にあることを報じていたが、「中国では深刻な汚職の摘発が続いている」と結んでいる。

まるで胡錦濤政権が汚職追放に努力しているかのような錯覚を起こしてしまう。
実態は、クリーンアップなどと言った奇麗ごとではない。

中共が本気で汚職摘発を進めたら、すべての幹部クラスが逮捕・拘禁されることになる。確実に全滅だ。

上海のケースでは、共産党を頂点に軍、公安と検察、実業家が一体となって汚職にリンクしていた。
つまり、検察も公安も陳良宇らとズブズブの関係にあって、捜査するどころか、逆に捜査情報を提供する可能性があったのだ。

地元としがらみのない中央からのタスクフォースでなければ、摘発は出来なかったと見られる。
これから上海に吹き荒れるであろう大粛清の嵐は、政治浄化とはまったく無縁のものだ。

改革・開放によって国営企業・公社が民営化する過程で、共産党幹部クラスは経営権を実力で横取りした。

気が付けば、みんなそろって企業の社長になっていたというワケだ。絶対に下落しない株式と、インサイダーによる不正売買で丸儲け。手持ちの資金は雪だるま式に増えていった。

更に、資金力が権力を揺るぎないものに変えた。共産党員が資本主義的な錬金術で蓄財していったのである。

「そもそも論」を簡潔に述べます。

そもそも初期のマルキストが資本主義を非難したのは、それが構造的に帝国主義に発展したり、恐慌が度々起こるから…というものではなかった。
より多くの資本を持っている者が圧倒的に有利だから「ダメだ」と指摘していたのである。
ホリエモンや村上良彰を見るまでもなく、投資金額100万円を扱う者より、10億円を取り扱う者の方が、巨額の富を産み出せる。

それが貧富の差を拡大し続け、また、生まれながらの差別、身分の固定化に繋がると非難していたのだ。

中共幹部は、資本主義の最悪の例を地で行ってしまった。
これが80年代に進められた市場開放の現実だ。
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更に、土地所有が認められた90年代には、不動産取引に飛びつき、新たな錬金術となった。
わが国の媚中派と呼ばれる政治家・財界人がスリ寄ったのも、そうした巨額マネーだった。

それも中共政権が続く限り、表に出ない裏金の流れだ。
恐らく、この魅惑的なマネーは今後も日本の政治家を引きつけ、籠絡するだろう。

中共が最悪の国家だと断言できるのはこうした部分だ。

【腐敗に支えられた権力】

暗黒の錬金術によって権力基盤を維持している中共は、腐敗によって支えられていると言っていい。

迫害の末に亡命した学者で『中国的陥穽』の著者・何清漣がこの点をズバリ衝いている。

「中国の政治は少数のグループが支配し、社会の富を権力で奪い、腐敗はとどまらず、つまりは『腐敗をビルトインした体制』となってしまったが、これが権力の商業主義化である」

腐敗が組み込まれているというのだ。
言い回しは難解だが、ズバリだろう。

わが国の中立的な支那ウォッチャーは、「中国はその巨体と腐敗体質でいずれ倒れる」といった甘い見方をしている。
権力の本質を無視した内部崩壊論だ。
そんな妄言は40年前から出されている。

真実は逆だろう。

中共は腐敗によって権力を強めている。党と軍が一体になって全員で内部に固い防壁を築いているのだ。
それを破壊することが、善良な日本人の使命だ。

身分の固定化で夢を失った支那10億の民を解放することに、いま、日本の大義がある。

アジアで日本が責任ある地位を占めたいと願うなら、まず、中共を打倒することだ。

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