バイデン家のウクライナ危機…開戦前夜報道に抱く違和感

反逆罪で逮捕された諜報機関のドンはハンターの親友だった。新たに暴かれたバイデン家とカザフ・ウクライナ政財界の腐った関係。不都合な事実は“開戦前夜報道”にも影を落とす。
バイデン親子とマシモフ表紙.png

ロンドン南東ケント州のバス停で、一般市民が濡れた書類の束を見付けた。それは50ページにのぼる英国防省の機密ファイルだった…昨年報じられた奇妙なニュースの中でも群を抜くものだ。

ヤバいブツを拾ってしまった市民はBBCに連絡し、スクープ記事となった。ファイルの大半は低レベルの機密だったが、クリミア半島沖で展開する「デトロイト作戦」に関する文書も含まれていた。
▽英ケント州のバス停(イメージ)
英ケント州のバス停イメージ.jpg

匿名希望の市民がファイルを拾った翌日の’21年6月23日、クリミア沿岸で緊迫した事態が発生する。英海軍駆逐艦「ディフェンダー」が“警告爆撃”を受けたのである。

「クリミア附近を航行した場合、ロシア側はどう反応するか」

落し物の機密文書には、ロシア軍の反応を3パターンに分類し、推測していた。クリミア併合を認めていない英国にとっては訓練に伴う無害航行だが、ロシア側としては明確な領海侵犯だ。



クリミア沿岸を航行する「ディフェンダー」をロシア沿岸警備隊の巡視船2隻が追尾。空軍の戦闘機20機が直上を旋回した。その緊迫の一部始終を取材で偶々乗り組んでいたBBCが撮影に成功する…

機密ファイルの発見がヤラセ劇だったとしても、誰にメリットがあるのか、想像が及ばない。スクープを獲得したBBCも同じで、野党が狂喜乱舞して政権側を追及する気配もなかった。
▽拾われた機密文書の駆逐艦予定航路図(BBC)
スクリーンショット 2022-02-18 3.05.20.png

英国防省のドジっ子職員が重たい書類をバス停に置き忘れ、拾った善良な市民が警察ではなく、公共放送に相談した。美談風にまとめることも可能だが、余りにも偶然が重なり過ぎている。

我が国に伝えられるウクライナ情勢は、釈然としない部分が多い。ヤヌコーヴィチ失脚に繋がる2014年のユーロマイダン運動、続くクリミア併呑にしても整合性のある解説に乏しい。
▽衝突に発展したユーロマイダン運動’14年2月(AFP)
AFPキエフ14年2月.png

何か重要なピースが抜け落ちているように見えるのだ。

【昨年4月に始まったロシア軍の国境集結】

「ウクライナがNATOに加盟し、クリミア奪還を図れば、加盟国は自動的に紛争に巻き込まれる。ロシアは核大国であり、その戦争に勝者はいない」

仏露首脳会談後の会見で、プーチンはそう語った。国際社会を大きく動揺させた2月8日の核戦争発言である。ロシア軍の集結はウクライナのNATO加盟を牽制する為の威嚇だと繰り返し報道される。
▽モスクワで開かれた仏露首脳会談2月7日(AP)
マクロン大統領(右)とロシアのプーチン大統領=モスクワ2月7日AP.jpeg

欧米諸国に突き付けたNATO東方不拡大は、ロシアにとって譲れない一線だ。同時にNATOは、仮想敵国の要求を受け入れて加盟基準を改めることなど出来ない。米英が断固拒否するのも当然だ。

逆にプーチンが軍を引き上げ、平和共存を唱えればウクライナが加盟する動機がなくなる…そう考える9条信者は永遠にステイホームしていて欲しい。現実の安全保障問題はパワー対パワーである。
▽ウクライナ国境北に展開する露部隊2月13日(Maxar)
ウクライナ国境北に展開する露部隊2月13日(Maxar).png

ウクライナを包囲する形でのロシア陸軍集結は厳然たる事実だ。標準の訓練から大きく逸脱する部隊配置で、即時国境を突破する態勢を整えていたことも明らかである。

「ウクライナとの国境地帯や2014年に併合したクリミア半島に軍部隊を集結させているとの情報が出ている」(’21年11月8日付け時事通信)

ロシア軍大集結の理由は、東部地域に偏在する親ロシア武装勢力への高性能ドローン攻撃とされる。ドンバス紛争の形成を一変させる新兵器の登場にクレムリンが焦り、侵攻を企てたという見方だ。

「アゾフ海からケルチ海峡を抜けて黒海に至るラインを確保し、水など物資の安定供給を図る狙いがある」
9.jpg

青山繁晴参院議員によると、2月15日の自民党国防部会で制服組幹部がそう指摘したという。今回の危機報道では触れられないが、クリミア半島は併呑後、慢性的で深刻な水不足に陥っている。

参照:産経新聞R3年4月23日『クリミア「水危機」続く 露、併合の重い代償 海底の淡水探査に着手』

’14年以前は85%の淡水を本土から供給していたが、併呑で断絶。長時間の断水と濁った水に不満が上がる中、ロシア政府は巨額のインフラ整備を打ち出すが、偏ったクリミア優遇に国内で批判も高まる。

ウクライナ東部のロシア編入はクリミア半島の“孤立”を解消する一石二鳥の策だ。西方拡大で帳尻合わせする無法な手口だが、腑に落ちる背景説明ではある。
▽クリミアの枯れた貯水庫’21年1月(ukrinform)
ukrinformクリミアの枯れた貯水庫21年1月.jpg

一方、クリミア併呑直後からの問題に対し、今になって武力行使を伴う“解決”を急いだ理由は何か。高性能ドローンは無関係だ。ロシア軍の国境大集結は、まず1度目が昨年4月に起きている。

それは、発足間もないバイデン政権の反応を見極めるかのような動きだった。

【カザフ・ルートでもハンター窮地】

「ハンター・バイデンはカザフスタンのカリム・マシモフ首相と組んで1億2,000万ドルのパイプライン取引締結に動いていた」

英メール紙は2月8日、ハンターの怪しいビジネスに絡んだ複数の電子メールを入手し、独占で伝えた。中共・ウクライナ・カザフスタンを結ぶ不都合な事実の暴露である。
▽騒乱で解任・拘束されたマシモフ元首相(UPI)
Kazakhstan-Authorities-arrest-ex-intelligence-chief-on-accusations-of-treason.jpg

マシモフは今年1月のカザフ騒乱の際、国家反逆罪で逮捕された人物だ。ナザルバエフ前大統領の懐刀で、2度に渡り首相を務め、秘密警察のトップを任された諜報機関のドンでもあった。

マシモフ逮捕後、バイデン親子との親密な関係がクローズアップされ、1枚のピンボケ写真が話題になった。バイデンが副大統領時代の’15年にワシントンの有名レストランで撮影されたものだ。
▽右がマシモフ 左はラスボス級の政商’14年4月(Kair)
バイデン親子とマシモフ4オリジナル.png

新たに浮上したバイデン家の暗黒ビジネス利権カザフ・ルート。そこで、ハンターはウクライナの天然ガス大手ブリスマ社の取締役として中共の石油メジャーに掘削権を与える為に暗躍していたのだ。

“地獄からのラップトップ”にはハンターが当時、カザフと北京を往来した記録が残っていた。便宜を図った中共の石油大手は米国が後に制裁を科す中共軍系のCNOOC(支那海洋石油)である。
▽ベトナム沖に強行設置されたCNOOC石油リグ’14年(WSJ)
ベトナム沖のCNOOC石油リグ’14年(WSJ).jpg

「あいつら何か不満そうなんだけど、パリから先はシークレットサービス外すことにしたわ」

ハンターが’15年にカザフ入りした際、SPを置き去りにしていた事実も判明した。米共和党の重鎮C・クラスリー上院議員は「隠密旅行」の記録が改竄されていると批判する。

「ハンター・バイデンによるウクライナでのビジネスは、腐敗防止に向けた米国の努力を損ねるものだ」
▽公開された米国務省元職員のメール冒頭部分(JTN)
just Newsのメール.png

元国務省職員が記した’16年11月22日付けのメール内容も明らかになった。米政府の方針に反する商取引だったと断定すると共に、トランプ弾劾で意図的に証拠から外された疑惑も持ち上がった。

参照:Just the News2月1日『Classified State Department email declared Hunter Biden 'undercut' U.S. efforts in Ukraine』

父親のジョーは副大統領時代、5回もウクライナを訪れ、同国の政財界に深く食い込んだ。ビジネス経験のない無能な好色ジャンキーがエネルギー大手の取締役に抜擢された理由を探る必要もない。
▽無難なレベルのハンター写真(流出物)
KRWZFGOXSWMEOVAHFYPQ27KLTY.jpg

バイデン家はウクライナの泥濘に足を突っ込んだまま、今に至った。老練で目端の利くプーチンが、それに気付かないことも見て見ぬ振りをすることもない。

【バイデン家の犯罪証拠をプーチンは握る】

「要請に迅速かつ友好的に応えてくれたプーチン大統領に特別な感謝を捧げる」

カザフスタンのトカエフ大統領は騒乱のロシア軍介入を手放しで讃えた。習近平も上海協力機構の部隊派遣を申し入れたが、法的根拠に欠けるという表向きの理由で却下された。

カザフスタンは中共の植民地ベルト構想の重要な草刈り場で、ナザルバエフ前政権を資金面で支えてきた。それが子飼いのマシモフ元首相と共に吹き飛ばれる結果となった。親中勢力一層の色合いが濃い。
▽北京でマシモフを歓迎するプー’15年(AFP)
カザフスタン首相当時のマシモフ氏(左)と握手を交わす中国の習近平国家主席=2015年3月、中国・北京【AFP時事】.jpg

ロシアとの対立に発展しないまでも中共の影響力は大幅に低下した。黄熊は唇を噛み締めたが、泣きたいのはバイデンだ。ハンターがclose friend(親友)と呼ぶマシモフが持って行かれた…

カザフ・ルートに係るバイデン家の秘密をプーチンが手中に収めたと言って良い。命乞いするマシモフは洗いざらい吐き、物証も提出するだろう。ウクライナ・ルートも似通った状況だ。

「少なくとも1社を所有し、事実上のトップだった。全てのファクターから判断すると稼ぎも多かったが、刑事犯罪に当たる要素は見当たらない」
▽メディアの質問に答えるプーチン(AP file)
メディアに答えるプーチン(AP file).jpg

ハンターの疑惑についてプーチンは米大統領選直前の’20年10月末、そう語った。地獄ラップトップが火を吹き、ハンターの映像が成人向け動画サイトで再生回数を激増させていた頃である。

米民主党陣営はプーチン発言を歓迎し、左派メディアも嬉々として伝えた。ロシアの大統領が他国の検察事情を話すという異常な事態。その不自然さをスルーする“寛大な報道姿勢”に苦笑する。
▽モスクワのGRU本部とされるビル(共同)
GRU本部かも.png

同様に米メディアは過去に、GRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)がブリスマ社のハッキングに成功し、情報を集めていたこと好意的に報じた。トランプ弾劾に繋がると期待していたのだ。

しかし、バイデン家は青褪め、震え上がったに違いない。ロシア諜報当局に証拠を握られた。汚職で逮捕されたブリスマ創業者との関係も含め、クレムリンが全容を把握した可能性が高い。
▽これでも無難レベルのハンター写真(流出物)
スクリーンショット 2022-02-18 3.02.28.png

バイデンとの間伸びした会談で、プーチンが持ちネタを披露することはない。切り札は手元に置き、相手を疑心暗鬼に陥らせるのが常套手段だ。残念ながら、この神経戦にバイデンが勝てるとは思えない。

ウクライナに横たわるバイデン家の弱みと闇。危機報道に抱く違和感の正体、欠落した重要ピースは、それだ。メディアは、トランプ弾劾の為に捏造されたウクライナ疑惑の辻褄合わせに四苦八苦している。



最後まで読んで頂き有り難うございます
クリック1つが敵に浴びせる銃弾1発となります

banner1

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

中国侵攻で機能不全に陥る日米安保 [ 西村幸祐 ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2021/11/19時点)




参照:
□Kair HP’19年11月28日『The son of former US Vice President Biden received money not only in Ukraine but also in Kazakhstan』

参考動画:
□YouTube青山繁晴チャンネル・ぼくらの国会2月16日『ニュースの尻尾「戦争は起きるのか」』

参考記事:
□英メール2月8日『EXCLUSIVE: Hunter Biden tried to broker a $120million oil deal between Chinese energy firm now under US sanctions and former Kazakhstan prime minister who has been accused of treason in hopes of pocketing a fortune, laptop emails reveal』
□NYポスト2月8日『Hunter Biden sought ‘forever’ deal with China military-tied firm: emails』
□NYポスト2月2日『Classified 2016 email shows US diplomat warning of Hunter Biden deals in Ukraine』
□NYポスト’20年10月20日『Photo shows Joe Biden meeting Hunter’s alleged business partner from Kazakhstan』

□Politico11月1日『Satellite images show new Russian military buildup near Ukraine』
□時事通信11月8日『ロシア軍「9万人集結」情報 ウクライナ国境、緊張再燃も』
□ニューズウィーク(ロイター)’20年10月26日『プーチン、バイデンの息子めぐる疑惑否定 トランプ発言に同調せず』
□CNN’20年1月14日『ロシア軍、ウクライナ疑惑渦中のガス会社をハッキング』
□NY Times’21年4月22日『Russia Orders Partial Pullback From Ukraine Border Region』
□BBC’21年6月28日『イギリス軍の機密書類、ケント州のバス停で見つかる BBCが内容を確認』
□ギガジン’21年6月28日『国防省職員がバス停に置き忘れてしまった機密文書を一般市民が発見』
□乗りものニュース’20年6月27日『英露がクリミア沖での軍艦の通航めぐり応酬 警告射撃に示威飛行…非はどちらに?』
□産経新聞R2年12月18日『『クリミアで「水不足」深刻 併合のプーチン政権に不満』

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 12

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた
ナイス
ガッツ(がんばれ!)

この記事へのコメント