老朋友バイデン親中の地金…惚けた指導者が招く台湾有事

眠れる大統領は“台湾独立”発言の始末に追われた。軍事侵攻をチラつかせて脅す習近平に米国の軸足は揺らぐ。親中派の本性を現わし始めたバイデン政権の無策で、台湾危機は高まる
AFP 1116米中会談表紙候補.png

「南シナ海で実施するのは初めて。海域を問わずハイエンドな訓練を実施できることは、日米相互運用性の高さを示すものだ」

山村浩海上幕僚長は11月16日、そう語った。フィリピン西方の南シナ海で行われた日米共同の対潜水艦訓練。秘匿性の高い対潜訓練の即日公表は極めて珍しい。

参加艦艇は海自の護衛艦「かが」「むらさめ」と米海軍駆逐艦「ミリウス」。海上で追尾される役回りの海自潜水艦については艦名非公表だった。
▽比島西方沖の日米対潜共同訓練11月16日(防衛省)
スクリーンショット 2021-11-19 0.20.19.png

晩秋のフィリピン沖で日米艦艇が共同訓練に励む様は感慨深い。77年前のこの時期は、レイテ沖海戦からマニラ空襲へと続く我が海軍の晩節に当たる。

南シナ海対潜訓練の4日前には、護衛艦「いなづま」が豪海軍フリゲート「ワラマンガ」に対して「武器等防護」を実施したと発表された。米軍以外では初のケースとなる。
▽四国沖の「いなづま」と「ワラマンガ」(海自)
海自四国沖の「いなづま」「ワラマンガ」.jpg

武器等防護は平和安全法制で新たに定められたもので、平時から他国の艦艇・航空機を守る活動だ。豪側の要請を受け、岸防衛相が実施を命じた。

「今回の寄港はインド太平洋地域の平和と安定に積極的に貢献するというドイツの決意を示すもので、重要なターニングポイントになった」
▽視察後に会見する岸防衛相ら11月5日(産経)
産経11月5フリゲート艦「バイエルン」艦上のツォルン連邦軍総監(右)、ゲッツェ駐日大使(左)、岸信夫防衛相(中央).jpeg

独海軍フリゲート「バイエルン」を視察した岸防衛相は11月5日、そう強調した。19年ぶりの独艦艇寄港。会見の右端は独軍トップのツォルン連邦軍総監だ。

外国艦艇に絡む海自関連のトピックスは尽きない。注目を集めたクイーン・エリザベス英空母打撃群は11月11日、アデン湾で「ゆうぎり」と連携。半年に及ぶ極東遠征の最後を飾る訓練となった。

【東トルキスタンに浮かぶ米空母】

「中国を日米両国でけん制する狙いとみられる」(11月16日付け毎日)

海自の共同訓練・演習を報じる際、メディアの大半はそんな定型句を添える。中共海軍への対抗策であることは明白で、およそ意味がない。動機は習近平指導部による海洋侵略に由来する。

独艦「バイエルン」の極東派遣は北朝鮮の瀬取り監視に伴うものだが、これも安保理決議に反して資源を供給する側が中共だ。無法で無秩序な極東の海を象徴する犯罪行為である。
▽お台場に入港した独艦バイエルン11月5日(産経)
お台場に到着した独艦バイエルン11月5日産経.jpg

南シナ海の軍事拠点建設に始まり、東シナ海や西太平洋にまで中共は軍事プレゼンスを高め、一歩も引く気配がない。その中で焦眉の問題は台湾国防衛だ。’96年の海峡危機とは比べ物にならない。

中共軍機の台湾国ADIZ突破は常態化し、スクランブル対応は既に限界を超えた。尖閣接続水域への武装船侵入と同じ物量作戦で、相手を激しく消耗させる。“牽制”とは次元が異なる明かな軍事挑発だ。
▽離陸に備える台南空軍基地の機体1月(ロイター)
離陸準備する台南空軍基地1月ロイター.jpeg

航空戦力による挑発と並行し、中共は新型地対艦ミサイルの発射など台湾侵攻を想定した演習を相次ぎ公開。台湾国民に対し、心理的なプレッシャーを与えることにも余念がない。

米国に対しても同様だ。民間組織の米海軍協会は11月8日、中共が新たに設置したミサイル射撃実験施設の衛星写真を公表した。砂漠に浮かぶ艦影は、米フォード級原子力空母と一致した。
▽砂漠で発見されたフォード級の標的(USNI)
発見されたフォード級の標的(USNI).jpeg

「対空母能力に焦点を当て、米海軍艦に重点を置いていること示すものだ」

同協会は、そう分析する。空母模型の周囲にはアーレイ・バーク級駆逐艦と酷似する艦影もあった。衛星でキャッチされることを前提にした挑発。しかも施設は東トルキスタン国内だった。

実物模型を使った演習で威嚇するのは中共の伝統だ。数年前には台湾国総統府をリアルに再現した建物が南蒙の演習に登場し、衝撃を与えた。斬首作戦のシミュレーションである。
▽南蒙に出現した「台湾国総統府」’15年(鳳凰網)
南蒙に出現した「台湾国総統府」’15年鳳凰網.png

「台湾の為に戦う」

昨年の世論調査でも、そう答えた台湾人が8割近くに上った。馬英九時代と比べると隔世の感がある。国防意識の高まりは、強い危機感と表裏一体だ。事態は逼迫している。

ホワイトハウスの宿泊客は、こうした現実世界の状況と向き合っているのか?

【会談で急所を抉られたハンター父】

「今日は我々の初めてのオンライン会談だ。老朋友を見て、とても嬉しく感じる」

米東部時間11月15日に行われた対面形式の会談冒頭で、習近平は先制パンチをかました。老朋友とは「古くからの友人」という意味で、平凡な挨拶とも捉えられるが、バイデンにとっては痛かった。
▽四川旅行を楽しむ老朋友2人’11年(WH公式)
Joe_Biden_visits_China,_August_2011_15.jpg

「互いに良く知っているが、我々は古い友人ではない」

今年6月の記者会見で、バイデンはそう明言した。長年親密な間柄であることを躍起になって否定していたのだ。昨年の大統領選では「北京バイデン」と渾名され、非難と嘲笑の的になった。

FJBことバイデンは上院外交委トップだった時代の2001年から支那詣でを繰り返し、副大統領就任後の’11年にはプーと四川旅行を満喫した。また訪米したプーを案内したのもFJBだった。
▽プー訪米をアテンドするFJB’12年(AP)
AP通信2012年カリフォルニア.png

確かに長い付き合いだが、黄熊は単に親密な交友関係を指摘したのではなく、長年のビジネスパートナーで今も続いていることを強調したのだ。いきなり、五寸釘を突き刺した格好である。

FJBの息子ハンターは今年2月の時点でも、中共傘下の投資ファンド・渤海華美の株式10%を保有していることが判明。一部報道を受け、ホワイトハウス報道官も事実関係を認めた。

「彼は自分の投資を引き上げようと努力している」
▽服を着たハンターのレア写真1月(AP)
AP通信ハンターバイデン1月.jpg

その後、大株主の座を譲ったという追加情報はない。持ち株を処理できない状況は不明だが、相手は常識が通用しない中共系企業だ。更に巨額報酬を受け取ったビッグ・ガイの正体も中共は把握している。

参照:大紀元2月9日『ハンター・バイデン氏は今も中国の投資ファンドの株式保有=ホワイトハウス報道官』

会談冒頭で、バイデンは自分がハンターの父であると思い知らされた。ウイグル問題にも触れた模様だが、習近平に終始ペースを握られたことは、中共側の「好感触」という評価からも推測できる。
▽会談に臨むバイデンと主要閣僚11月15日(AFP)
AFP 1116米中会談2.jpg

「米国は引き続き“一つの中国”政策にコミットしている」

これまでの電話会談でもFJBは、同様の発言を繰り返し、言質を取られた。トランプ退場後、米中首脳会談はCCPの“ワン・チャイナ”プロバガンダを拡散・宣伝する場になっている。

【古い独立論に取り憑かれた米中トップ】

「台湾は独立している。それは自ら決断する」

会談から一夜明けた11月16日、FJBことバイデンは視察先で、そう力説した。黄熊に後足で砂をかける痛快な発言だが、その後、釈明に追われて「独立は奨励しない」と修正した。
▽視察先で記者団に答えるFJB11月16日(NNN)
スクリーンショット 2021-11-18 16.58.47.png

発言は「台湾問題で何か進展はあったのか」という記者団の問いに答えたものだった。原文を検めると、米台湾関係法の説明に続いて「それは独立…」と話した。関係法が“独立”することはない。

参照:ホワイトハウスHP11月16日『Remarks by President Biden in Press Gaggle』

起きていても寝言を漏らすバイデンにしては、示唆に富んだ発言だ。いわゆる台湾独立論は近年、大きく変化した。与党内に異論はあるものの、蔡英文総統は、こう訴えている。
▽F16引き渡し式典の蔡総統11月18日(時事)
F16引き渡し式典の蔡総統11月18日(時事).jpg

「私達は既に独立国家であり、改めて独立を宣言する必要はない」

台湾国外交部の公式見解も「確立した主権独立国家」である。勿論、国号の変更を含む独立宣言必須論者も居るが、中共が粘着非難する“独立勢力”とは、ウイグルなどと同様に武力弾圧の口実でしかない。
▽中共が支援する沖縄の独立勢力11月14日(NHK)
中共が支援する沖縄の独立勢力11月14日(NHK).png

今や幻に近い少数派の仮想敵。外国機関のコントロール下にある独立勢力が沖縄県内にしかいないのは皮肉だ。それでも共産党史に忠実な習近平は、脅し文句を吐く。

「台湾独立勢力がレッドラインを突破すれば断固とした措置を取る」

面と向かって言い放ったのだ。断固たる措置とは即ち、軍事侵攻である。首脳会談で使って良い言葉ではない。更に、台湾を支援する人々に対しても恫喝を加えた。

「非常に危険な火遊びで、火遊びする者は、その火で焼け死ぬ」
▽北京で放映される首脳会談11月16日(ロイター)
ロイター 1116支那国内で放映される首脳会談.png

中共宣伝機関が公表した会談の要旨で、実際の会話とは異なる可能性があるが、米側は特に否定していない。こうした掛け合いがあっても一部メディアは「友好ムードの会談」と評する…

詳細が判明するまでにはタイムラグがあり、3時間に及んだ会談の全貌は杳としている。だが、米側が強いトーンで台湾及びウイグル問題に斬り込み、何らかの条件付けを行ったとは到底思えない。
▽会談頭撮り中に眠気がさしたFJB11月15日(AFP)
AFP 1116米中会談1.jpg

英COP26で異例の米中共同声明が出たことも別に驚く必要はないだろう。気候問題担当特使のジョン・ケリーもまた中共系ファンドに出資し、ウイグル強制労働にリンクする親中派だ。

昨年秋の選挙戦でバイデンは習近平を「ゴロツキ」と呼び、就任100日会見では「独裁者」と表現した。しかし、その実像はハンターの父親でしかない。
▽視察先で観衆を集め演説するFJB11月16日(FOX)
FOX 1116視察先で演説するバイデン.png

北米最凶を誇るパンダハガーの地金が露出し始めた。中共にとっては最も御し易い米国のリーダーだ。終身主席の実績づくりに焦る習近平が、この好機を見逃す可能性は、残念ながら低い。



最後まで読んで頂き有り難うございます
クリック1つが敵に浴びせる銃弾1発となります

banner1

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

中国侵攻で機能不全に陥る日米安保 [ 西村幸祐 ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2021/11/19時点)




参照:
□防衛省HP11月16日『日米共同対潜訓練(IPD21)について』

参考記事:
□USNI News11月7日『China Builds Missile Targets Shaped Like U.S. Aircraft Carrier, Destroyers in Remote Desert』
□CNN11月9日『中国、砂漠地帯に米軍艦の模型を建設』
□ロイター11月16日『米中首脳会談、習氏がバイデン氏を「老朋友」と表現 友好の証か』
□ニューズウィーク(ロイター)11月16日『米中首脳会談、ウイグルやチベット問題も協議 習近平は台湾めぐりバイデンけん制』
□JB Press11月18日『習近平に「古い友人」と呼ばれてしまったバイデンの胸の内(福島香織)』
□AFP11月18日『バイデン氏、 台湾政策に変更なし 「それは独立」発言釈明』
□AFP’20年1月15日『台湾の蔡総統、「われわれはすでに独立国家」 中国に警告』
□産経新聞11月5日『独艦艇20年ぶり日本寄港 インド太平洋に関与強化』
□読売新聞11月16日『南シナ海で日米が初の対潜水艦共同訓練…上空から捜索し攻撃までの手順確認』
□共同通信11月12日『豪軍に初の「武器等防護」安保法任務、米から拡大』

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 12

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス

この記事へのコメント