東京五輪を覆う政治ウイルス…変異した曲線のトリック

まさかの無観客で、スローガンは北京に略奪された。五輪の政治利用を許した菅政権は感染症対策でも迷走。その背後で政策決定の指標となるグラフの曲線1本がいつの間にか変異していた。
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たった2本の曲線を使って、京大の藤井聡教授が感染症対策の基本を説明していた。昨年3月、特別措置法が改正され、政府の専門家会議が活発になり始めた頃だ。

ひとつ目の曲線は武漢ウイルス感染による健康被害で、もう1本は自粛などに伴う経済的な被害。内容は複合的だが、健康被害の数値は感染死、他方を生活苦に起因する自殺者数と単純化する。
▽被害は人命・健康・幸福水準とやや複雑(YouTube)
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藤井教授は2つの曲線が交差するポイントを目標に対策を講じる必要があると説く。内政問題で判断に困った際、筆者は同教授の見解を参考にすることが多いが、これは決して奇抜なアイデアではない。

2つの曲線はトロッコ問題との類似が指摘される。「人命と経済」は大雑把な選択肢で、これを感染死と自殺者に置き換えよう。バランスの良い舵取りは難しく、正解は導き出せない。
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トロッコ問題(trolley problem)は正解のない思考実験だが、武漢ウイルス対策は違う。感染死の殆どは後期高齢者で、生活苦による自殺者の多くは勤労世代だ。

図説に従えば、トロッコを上側のレールに進め、将来世代を救うのが正解である。けれども、こんな冷酷な解答を専門家・識者が口に出せるハズもない。社会的に自分が抹殺されてしまう…
▽対策分科会の尾身会長ら6月(ロイター)
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まして政府の対策分科会メンバーや官僚が公言することなど不可能だ。主流メディアの論説員も声の大きな評論家も、それを承知で責め立てるか、或いはトロッコ問題に悩んでいる素振りを見せる。

しかし、ワクチン接種のワープスピード的な進展で事態は劇的に変わった。高齢世代の死者・重症者が大幅に減り、上側のレールは「無人」と言ったら過言だが、それに近い状況だ。

トロッコが避けるべきレールは明からである。

【東京“自虐”五輪のサプライズ】

「残念ながら首都圏においては、感染者の数は明らかな増加に転じている」

菅首相が7月8日に臨時会見で発表した4回目の東京緊急事態宣言発出に衝撃を受けた。しかも期限は五輪開催期間に重なる8月22日まで…東京“自虐”五輪の確定だ。

更にIOCと東京都・国などで構成する5者協議で、1都4県34競技会場の一律無観客開催が決定。これにより「人類が新規感染症に打ち克った証」というスローガンは破綻した。
▽会見で発令表明する菅首相7月8日(産経)
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東京五輪のオープニングを飾る開会式には、天皇陛下がご臨席され、開会の詔を賜る見通しだが、無観客は淋しすぎる。令和の御世を改めて寿ぐ大舞台は声と艶を奪われた。至極残念である。

定員50%以内、上限1万人の観客制限が決まったのは、6月21日の5者協議だった。国内の各種スポーツイベントを基準にした数値だが、他はそのままに五輪限定の特別措置となった。
▽青海のスポーツパーク周辺7月8日(ロイター)
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前回の5者協議では緊急事態宣言再発の場合は、無観客も検討するとしていた。観客ゼロ化の最終決定は権限を持つ東京都だが、菅政権が屈した格好で、妥協の産物だったように見える。

昨春に藤井教授の2つの曲線を見た時、一抹の不安を覚えた。感染死は合併症であっても医学的な根拠は示される。しかし、経済苦による自殺は、精神面や環境を含め不確定要素が多い。
▽往来の少ない浅草寺参道5月7日(ロイター)
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政治家・行政サイドにとって、自殺に関しては言い逃れ可能だが、感染死の増加は責任問題に発展する。政権担当者や首長は自らのリスク回避を優先し、感染死減に向けてレバーを引くのではないか…

昨年や今年初めの段階では、菅政権もバランス感覚を保ち、曲線の交差ポイントを探っていた。それがGW期間のいわゆる第4波ピークを境にブレ始め、五輪を目前に迷走が顕著となった。
▽札幌で開かれたマラソンテスト5月5日(BBC)
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売国野党が無限リピートする「後手後手の対策」とは違う。遅れてやって来る経済停滞を見越した上で、問題を先送りにしている印象だ。流された結果の自虐五輪。“有事の宰相”としては心許ない。

【石原・安倍オリピックへの復讐劇】

2度目の東京五輪は最初から政治銘柄だった。石原慎太郎都知事が執念を燃やし、開催地決定のゴールには安倍前首相が絡み、組織委を率いるのは森喜朗元首相だ。

親台湾国の三羽烏である。老害左翼からパヨクや二階俊博らを含む反日・売国勢力にとって歓迎できるものではない。大方の国民感情とは一切関係なく、オートマティックに反東京五輪である。

「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」
▽開催期決定に沸く立役者ら’13年9月7日(AFP)
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『月刊Hanada』8月号に掲載れた安倍前首相の発言に図星を突かれた反日陣営が発狂する様は愉快極まりない。ストレートな言葉で敵を炙り出すスタイルは独特なものだ。

更に言えば、親台派の三巨頭がプレゼントしてくれた東京五輪に対し、連中は恨み嫉み憎しみの念まで抱く。ひと一言で「反対派」と括れないレベルのドス黒い政治思想が底流にある。
▽最大の功労者は石原都知事H18年(日経)
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捏造紙や代々木が煽動する東京五輪攻撃は、難癖とイチャモン程度に留まり、連戦連敗だった。それが武漢ウイルスの襲来で一変する。徹底した感染症の政治利用だ。国民の健康など端から関心がない。

繰り返すけれども、武漢ウイルスの特徴は政治性・党派性だ。反日勢力がその特徴を最大限に活用し、初期段階から政局に結び付けようと動いていた。
▽尽力した森会長も追われた2月(代表)
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10年前の東日本大震災後、当時の民主党支持メディアは国民の団結を呼び掛け、政治議論の自粛を訴えた。それに同意し、素直に従った自分を少し恥ずかしく思う。

ところが今回は、国民の危機さながらに感染リスクを煽ると同時に政権批判の火の粉を振り撒く。政治的議論は一貫して花盛り。悪意や敵意の蔓延はウイルスよりも質が悪い。
▽航行する五輪マークのオブジェ3月(ロイター)
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確信犯的なウイルスの政治利用を批判すると、何か自分に向かって舞い戻って来るブーメランが見える気がするが、筆者の場合は反中共という割とピュアな立場から深淵を覗き込もうとしている。

政治スタンスを公言・明言している者と、人命重視とか綺麗事を並べて偽装している輩との違いだ。

【変異したグラフ曲線が導く暗い未来】

「重症者用の病床利用率も30%台で推移するなど、新規感染者数が増加する中にあっても、重症者の数や病床の利用率は低い水準に留まっております」

華やかな五輪に水を差した菅首相の7・8会見だが、気になる発言もあった。主流メディアが見出しで誇張する「重症者大幅増」とは真逆の実態だ。

参照:捏造紙7月14日『五輪延期したが状況改善せず 感染も重症も大幅増の東京』

全国の最新データを調べると、重症者数が5月のピーク時に比べ、1/3以下に減少していることが判った。死者数は日毎に変化するものの、7月12日には3人にまで減っている。
▽1,400人超えは5月26日(読売)
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参照:読売新聞『新型コロナウイルス データ』

変異したのは武漢ウイルス本体ではなかった。2つの曲線のうち、上側の感染死数が、いつの間にか感染者数に変異している。これでは曲線の交差ポイント策定も意味をなさない。

感染者数の絶対視・至上主義は我が国の特殊事情なのか、世界的な傾向なのか…正確な分析が必要だが、ウィンブルドンやユーロ2020の満員御礼、大熱狂ぶりを見ると先進国一律ではないようだ。
▽観客6万人を集めたユーロ2020準決勝7月7日(AFP)
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「経済にも結果的にプラスになる」

立憲民主党は今年2月、唐突に「ゼロコロナ戦略」を発表した。欧米各国が踏襲するハンマー&ダンス理論を全否定する極論だが、主流メディアの一部は嘲笑せず、共感と理解を示す。

大規模な人流規制や周辺検査の強制には「民主主義と非常大権」という厄介な問題が控える。独裁・専制国家とは事情が違うのだ。この難問を無視して感染者数のカウントに励む姿は愚かしい。
▽武漢都市封鎖もミスリードだった ‘20年2月(ブルームバーグ)
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「徹底した隔離と封鎖、往来の禁止」

哲学者ライプニッツが17世紀に示した「疫病対策の提言」に昨年注目が集まった。ゼロコロナ脳と同じハンマー&ハンマー理論だが、対象となる感染症はペストだった。

ペストと武漢肺炎を同列にする見解が公然と語られる…村に町に死屍累々の黒死病と異なり、武漢ウイルス禍は観測者と広報機関がなければ多くの一般国民は存在を確認することが難しい。
▽WHOも北の感染0記録を公式認定(BBC file)
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ここで観測者と宣伝機関を制御できる独裁国家が“優位”に立つ。北朝鮮であっても全滅した村はないだろう。北庶民は全土的な蔓延を確かめる術がなく、党が感染ゼロと言えばゼロになる。

嫌な予感が現実化しそうだ。次の冬季五輪は党が感染者・死者数を完全にコントロールする北京で準備が進む。「人類が打ち克った証」のスローガンをCCPが奪い、開会式も華やかになるに違いない。
▽IOC前の大規模な虐殺五輪抗議6月22日(AFP)
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東京五輪潰しの煽動者と北京虐殺五輪の支援者は同一だ。大会期間中にも「批判の種」を撒き、閉幕後に失敗の烙印を捺す。連中は獲得メダル数よりも感染者数の上積みを望む。

徹底的に政治利用され、国民の分断に使われる石原・安倍オリンピックが間もなく始まる。



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【side story】

大規模抗議など動きのあった北京虐殺五輪問題の話題を書くつもりが、冒頭の枕部分が膨らんで、所感を書き連ねた感じに…久々かも。先日、感染者数カウント厨で反ワクチンという厄介な知人が現れたことが主な原因だったりします。

参考動画:
□YouTube R2年3月26日『【コロナ対策総論編】リスク・マネジメントに基づく「新型コロナウイルス対策」の提案 Part1(解説:藤井聡ユニット長)』

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