異形の白色テロが香港を包む…習近平“非情指令”で激烈化

キャンパスは炎とガスに覆われ、学生が狙撃された…民主派議員の一斉逮捕に続き、香港当局が打ち出した非情な弾圧。凶暴化加速の鍵が行政長官と習近平の会談だったことは明白だ。
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9月22日、香港・九龍エリア東部の魔鬼山沿岸に少女の水死体が浮かんだ。亡くなったのは専門学校に通う15歳の陳彦霖(チャン・インラム)さん。発見当時、全裸だったという。

「外傷はなく、死因は不明だが自殺と見られる」

香港警察の発表に疑惑の目が向けられた。チャンさんは、反送中デモに複数回参加していたことから殺害されたのではないか…友人によれば水泳が得意で入水自殺は不自然。また遺書も見当たらない。
▽遺体で発見されたチャン・インラムさん(蘋果日報)
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チャンさんは9月19日昼過ぎに友人と別れてから足取りが掴めなくなった。捜索願いが出た翌日に遺体となって発見されたが、家族が呼ばれた時は既に火葬され、外傷の有無は確認できなかったという。

蘋果日報が10月11日に不審死をスクープした後、地元メディアに母親が「精神を病んでいた」と答えたが、SNSに残る母親との別人疑惑が浮上。警察が公開した監視カメラ映像も捏造が指摘される。
▽市内に設けられたチャンさんの祭壇(ブルームバーグ)
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少女の全裸水死体が波紋を広げた背景には、この夏以降、香港で相次ぐ抗議参加者の不審死がある。10月8日に香港島・海怡半島附近で発見された全身黒服の女性も「自殺」として処理された。

11月4日、新界地区の駐車場で香港科技大の周梓楽さんが意識不明の重体となっている所を発見され、4日後に息を引き取った。催涙ガスから逃れようとして誤って上階から転落したことが判っている。
▽転落現場で死を悼む香港市民11月8日(AFP)
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内外のメディアは「香港抗議デモで初の死者」と報じるが、強い違和感を抱く。他にも9月下旬に海浜花園近くで黒服男性が水死体で見つかったケースなど“疑惑の死”は連続している。

民主派議員の調べでは、警官隊が無差別に市民を襲った8・31太子駅事件を境に自殺者が急増。5倍近くに達しているという。何割かが自殺を装った謀殺だと考えることは決して突飛な想像ではない。

【激烈化する香港警察の弾圧】

数十センチ程の至近距離から警察官は迷わず発砲した。香港島東部の西湾河の地下鉄駅周辺で11月11日、黒シャツ姿の男子大学生が胸部を狙撃され、一時重体に陥る事件が起きた。

(↓閲覧注意)


香港警察側は短銃を奪われそうになった為に発砲したと正当防衛を主張する。しかし映像を見ると、学生は華奢な体型で、屈強な警官から素手で短銃をもぎ取ることなど不可能である。

先月の初の実弾狙撃事件でも、発砲警官は危機的な状況ではなかった。そこにあったのは明確な殺意だ。民主派の象徴とされる周庭さんは西湾河の事件を受け、こうツイートした。

「香港警察はすでに殺人鬼のようです」
▽騒然とする殺害未遂現場11月11日(共同)
抗議活動を行っていた若者らに警官が発砲し、騒然とする現場付近=11日、香港(共同).jpg

狙撃事件の発生は11日朝。抗議者陣営に衝撃が走る中、同日午後には北部・新界地区でデモ隊を罵倒した50代の男が火ダルマにされるという異様な事件が起きる。
▽火を放たれる直前の模様11月11日(CNN)
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(閲覧注意↓)
YouTube『Man set on fire during verbal clash with protesters』  

映像は口論の模様から撮影されているが、デモ隊側は見切れて顔は見えない。そして可燃性の液体を掛け、素早く火を放つ。手際はプロフェッショナルで、とても人生初の殺人決行とは思えない。

犯人は逃亡し、現時点で中共工作員の偽装と断定する材料はない。それでも一部メディアは、炎上事件をクローズアップし、相対的に狙撃事件を薄める格好になったことは確かだ。
▽抗議者を制圧する機動隊員11月10日(ロイター)
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報道機関は「双方の暴力がエスカレート」と安直に書くが、過激化しているのは香港当局である。ゼネスト呼び掛けを含む11日の大規模抗議は、周梓楽さん追悼に端を発している。

対して警察側は、11日からギアを一段上げ、これまで自制していたエリアへの突撃を開始した。

【キャンパスが戦場と化した日】

狙撃事件で騒然とする西湾河では、住宅街の一画で異例の事態が進行していた。11月11日午後カトリック系教会「聖十字架堂」に完全武装の機動隊員が乱入、信徒を激しく殴打した上、5人を逮捕した。



香港では令状なしで警察が教会内に立ち入ることは違法だという。香港の教会は「逃亡犯条例」への反対署名を集めるなど積極的な役割を果たしているが、デモ隊の拠点でも隠れ家でもない。

機動隊員が教会内で暴力の限りを尽くす光景は衝撃的だ。支那大陸では香港人が創設した教会が狙い撃ちにされ、宣教師が追放処分を受けた。こうした中共の弾圧に連動しているようにも見える。
参照:Bitter winter10月23日『香港系の家庭教会が取り締まり対象に』

▽中文大構内への突入図る機動隊11月12日(AP)
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「香港最高レベルの大学が戦場になった」(BBC11月12日)

香港警察は11月12日、前日から始めた主要大学構内への突入を本格化させた。最優先の攻略対象となったのは、名門の中文大だ。6月以来、反送中デモをリードしてきた抗議陣営の根拠地とも言える。

警察部隊による中文大電撃侵攻は11日に始まったが、学生側はバリケードなどを築いて抵抗。学長も最前線で調停を試みた。しかし、警察側は12日、学長らに目もくれず催涙弾を乱射し、前進した。
▽“空襲”を受け逃げ惑う学生11月12日(AFP)
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「丘の斜面にあり普段は静かな同大学キャンパスは数時間にわたって戦場と化した」(AFP11月13日)

学生側はレンガと火炎瓶を投擲して防戦。警察側は集団目掛けて催涙弾を絶え間なく打ち込んだ。その模様は入江の対岸から見ると、シリア北部の市街戦と見紛う。
▽黒煙が立ち昇る中文大11月12日(Twitter)
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キャンパス内の激しい攻防は13日未明まで続き、数十人の学生が負傷した。約2300発の催涙弾・ゴム弾と200本の火炎瓶が飛び交ったという。現場からリポートしたBBC記者は、こう印象を語った。

「警察は11日からキャンパスに警官隊を出動させており、戦略を変えたと思われる」
▽中文大周辺に展開する機動隊11月12日(NYT)
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香港政府が弾圧強化に乗り出した契機は、単純にして明快だ。状況の悪化は、行政長官の林鄭月娥が上海から戻って直ぐのことだった。因果関係を説明する必要もない。強硬方針は習近平の指令に基づく。

【遠隔操作される異形の白色テロ】

香港政府は11月3日、林鄭月娥が北京を訪れ、中共政治局常務委員の韓正(かん・せい)と会談すると発表した。韓正は党序列7位で、指導部では香港・マカオ工作の担当者だ。

林鄭月娥は南支歴訪中で香港に戻るのは11月5日の予定だったが、急遽変更し、6日に韓正と会うという。更に驚くことに、北京行き発表の翌日、上海で習近平と電撃的に会談する。
▽林鄭を呼び付けた習近平11月4日(新華社)
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「秩序回復が香港の当面の最重要任務だ。中央政府はあなたに高い信頼を置いている」

習近平は6月以降の「デモ対策」について、高く評価した。直前に英国紙が伝えた更迭説を吹き飛ばす褒め方だが、所詮は表向きだ。この会談で習近平が具体的な指示を与えたことは明らかである。
▽市内で出撃命令を待つ機動隊11月9日(AP)
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大学や教会といった禁断エリアへの突入は、指令を受けたものだ。そして、11月8日夜に突如始まった立法会の民主派議員一斉逮捕も習近平の指令に基づく措置である。

逮捕後スピード起訴された7人のうち4人は今月24日の区議会選に出馬している。選挙監視団派遣の是非を問う以前に、不都合な議員を軒並み逮捕するという独裁国家も顔負けの異常事態だ。
▽大荒れになった香港立法会の審議5月(共同)
5月、香港立法会の審議でもみ合いになる民主派と親中派の議員ら(AP=共同).jpg

不可解なのは林鄭月娥の会談スケジュールで、11月6日の会談で韓正は習近平の言葉を概ね復唱しただけだった。余りも不毛な会談。石平氏は習近平が責任を2人に丸投げしたのではないか、と疑う。

参照:ニューズウィーク11月7日『香港トップ会談で露呈した習政権の無責任体質』

地味な裏方で実力もない韓正が、このタイミングで香港の担当責任者として登場したことは、危険な兆候だ。香港で流血の惨事が続発し、欧米諸国が猛反発した際は、韓正の首を切り落とせば良い。
▽北京で林鄭と会談する韓正11月6日(SCMP)
Carrie Lam韓正会談11月6日SCMP.jpg

勿論それで一件落着になる見込みもないが、鄧小平の主席辞任で許された六四天安門事件という苦い過去がある。習近平が正面突破を図ることは、11月11日の“戦略転換”で明白だ。

「あなた達の背後には国家の武警や香港駐留部隊が控えている」

中共の党機関紙は11月12日、香港警察に向けて異例のエールを送った。国際社会は中共軍部隊の越境を節目と捉える模様だが、既に中共治安部隊の要員は、この夏から香港警察に紛れ込んでいる。
▽衆人環視の中で発砲した交通警官11月11日(香港紙)
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西湾河の狙撃事件で、発砲した警官は周囲のカメラを恐れず、素顔を曝け出して凶行に及んだのか…生粋の香港市民であれば身バレを嫌う。しかし派遣されたエージェントなら本土に戻るだけで済む。

いま香港で起きているのは衝突でも騒乱でもなく、武装した治安部隊が市民を襲う白色テロである。しかも政府側に非市民の本土系支那人が入り込む異形の白色テロだ。
▽大学構内で応戦する学生11月12日(AFP)
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香港人の仄暗い未来は、凄惨な未来に変わりつつある。



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参考記事:
□大紀元10月12日『15歳少女が全裸の水死体で発見 香港でデモ開始後不審死相次ぐ』
□蘋果日報10月11日『全裸女浮屍 為15歲泳將曾赴反送中示威』
□BBC11月13日『香港は「法の支配が崩壊寸前」 衝突激化で警察が警告』
□AFP11月13日『香港民主派デモ、初めて主要大学キャンパスでも本格的な衝突』
□日経新聞11月12日『香港政府、デモ隊への譲歩拒否 警察は大学構内に突入』
□産経新聞11月11日『香港当局、圧力一気に強化 習氏の指示受け成果急ぐ』
□CNN11月12日『デモ隊罵倒の男性、体に火をつけられ重体 香港』

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