米南の失われた同盟…反日狂乱に仕込んだ遅延毒

昨年の旭日旗騒動が全ての始まりだった。レーダー照射事件もGSOMIA破棄を実現する為に文在寅が打った布石。最終目標は駐留米軍の半島撤退、そして軍事同盟の解消だ。
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外務大臣は待ち惚けを食らった末に会見もお蔵入りとなった。今から7年前の平成24年6月29日のことで、当時の外相は玄葉光一郎。民主党悪夢政権の時代である。

その日、玄葉は外務省内で待機し、駐日南鮮大使の訪問を待っていた。GSOMIAの署名式を行った後、夕刻から会見に臨む予定だった。ところが直前になって署名式は一方的にキャンセルされる。
▽外相時代の玄葉光一郎’12年9月(聯合)
連合12年9月28日外相時代の玄葉光一郎.png

「国会との関係で署名は延期したい」

南鮮大使館から外務省に「延期」の連絡が届いたのは、署名式の約50分前だった。南鮮側は、このドタキャン事件に先立ち、前の月にも1回目の署名「延期」を通告していた。

日南GSOMIA締結は同年4月に都内で仮署名が行われ、続く5月に北京で開かれた野田・李明博会談でも正式署名に進む方針が確認された。しかし、締結は南鮮のお家事情に左右され、迷走し始める。
▽北京で開かれた日南首脳会談’12年5月(官邸)
官邸HP12年5月13日日南首脳会談.png

「GSOMIAは自衛隊の半島派遣の根拠となり得る」

締結方針が表面化すると同時に、野党や親北メディアは一斉に反対を唱えた。初期は“密室協議”批判だったが、程なく歴史問題を絡めた反日色が増し、収拾がつかない状態に陥る。

「つまらない反日感情を持ち出すことは国益にならない」

南鮮与党は抵抗したが、次期大統領候補だったパク・クネが反対論を打ち出したことで様相が変わる。大統領選を控え、李明博政権が、リスク回避の為に締結を先送りしたのだ。
▽GSOMIA反対運動の親北団体’16年(AP)
16年ソウルで、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に反対する市民グループのメンバー=11月22日(AP).jpg

安全保障問題も政局を睨んで気軽に取り扱う。昔も今も南鮮の為政者は、やり方が変わらない。そして反対論者だったクネ政権下で、GSOMIA締結に至ったことは皮肉である。

背後で強力に後押ししたのは米国だ。

【南鮮高官の捏造発言で混乱拡大】

「日韓軍事情報包括保護協定を破棄するとの韓国の政府の決定に失望した」
▽会見するポンペオ国務長官8月21日(ロイター)
ロイター822.png

カナダ訪問中の米ポンペオ国務長官は、そう語った。記者団の質問に答え、不快感を露わにしたのだが、続いて国務省も22日、公式のステートメントを発表。これが強烈だった。

「GSOMIAを破棄すれば、米国及び同盟国の安全保障上の利益を阻害することになると文在寅政権には何度も説明してきた。北東アジアの厳しい安全保障環境について文政権は深刻な思い違いをしている」

「韓国側」という紋切り型の表現ではなく、「文在寅政権」という固有名詞を掲げたのだ。同盟国に対する非難声明としては極めて異例である。
▽G7サミットに出発するトランプ大統領8月23日(ロイター)
G7サミットに出発するトランプ米大統領=23日、メリーランド(ロイター).jpg

破棄を決めた22日夜の時点で南鮮側は「米国の理解」を強調していた。ポンペオ発言とは全く異なる。「理解」発言を紹介したのは訪米中の李泰鎬(イ・テホ)外交部第2次官だ。

「(米政府は)韓国側の立場を十分理解しており、自分達で出来ることをすると言っていた」

李泰鎬が米東部時間21日に面会した米国務省関係者は、スティルウェル次官補とクラーク経済次官。この内の誰かが「理解した」と語っていたと言うのだが、真っ赤な嘘だった。会談内容の捏造である。
▽記者団に答える李泰鎬8月21日(南鮮KBS)
KBS821南鮮メディアに答える李.jpg

米国務省が激怒するのも当然と言える。南鮮の次官は印象操作に役立つと考えたのだろうが致命的なミスである。高官らが平然と嘘を吐き、混乱に拍車を掛ける…“日南対立”の原因を自ら示した格好だ。

「米国がGSOMIAの継続を希望してきたのは事実。希望通りにならず失望したのは当然だ」

8月23日に会見した青瓦台国家安保室の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)第2次長は、米国務省声明を受け、そう開き直った。前日に外交部高官が吐いた嘘について釈明する素振りもない。
▽会見で毒づく青瓦台の金鉉宗8月23日(産経)
産経8月23日、ソウルで記者会見する韓国大統領府の金鉉宗・国家安保室第2次長.jpg

それでも米声明の発表前、南鮮に楽観論があったことは事実である。対北政策担当の米ビーガン特別代表が、滞在延長して22日もソウルに留まったことから「米国とは合意済み」と憶測されていたのだ。

しかし、振り子は逆に振れる。ソウルではビーガン代表のメンツを潰し、ワシントンでは米高官の発言を捻じ曲げた。大胆不敵なホワイトハウスへの挑戦。なかなか出来る芸当ではない。
▽金鉉宗と接触したビーガン代表8月22日(共同)
共同金鉉宗と対面するビーガン代表22日.jpg

安倍政権に続くトランプ政権との激突だ。愚かしい二正面作戦は迷走の果てに生じたのか。それとも文在寅の描いたシナリオ通りだったのか?

【破棄実現へのロードマップ】

ターニングポイントは8月9日の米エスパー国防長官の南鮮入りだった。7月の就任後、初の南鮮訪問である。先立って我が国を訪れたエスパー長官はGSOMIAに関して、こう話していた。

「我々の共同防衛において鍵となるものだ」

米南国防相会談では、米軍駐留費増額に加え、GSOMIAもテーマの上がり、エスパー長官は継続を強く念押しした模様だ。更に文在寅と対面した際も直接、重要性を訴えた。
▽文在寅と対面するエスパー長官8月9日(AP)
9日、ソウルで、握手を交わすエスパー米国防長官(左から2人目)と韓国の文在寅大統領(右)=聯合AP.png

ところが、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長も文在寅も、明言を避けた。日本側の「出方次第」で決めるという他人任せの対応。責任を我が国に押し付ける気満々だ。

「判断」と「責任」を擦り付け、対米関係の悪化を恐れて我が国が折れると踏んでいたのか…つい最近も捏造慰安婦問題で、クネ政権が“大成功”したケースがあった。
▽定型文を読み上げる岩屋防衛省8月23日(産経)
産経防衛省で取材に応じる岩屋防衛相=23日午前.jpg

だが、ホワイト国からの南鮮追放が閣議決定され、発効日を待つ状態で、我が国が取り下げることは有り得ない。一部報道によると、日米防衛当局者は、この時点で「破棄の可能性が高い」と分析していた。

喧嘩を知らない文在寅政権は、対日関係で迷走した挙句、深刻な対米問題を産み落としてしまった…歴代最低の大統領という評価が固まる一方、GSOMIA破棄がシナリオ通りだったとも考えられる。
▽大規模な反文在寅ソウル集会8月15日(ゴゴ通信)
ソウルの大規模な反文在寅集会8月15日(ゴゴ通).jpeg

「GSOMIAが破棄されれば、次に来るのは米軍の韓国からの撤退と米韓同盟の解体だ」

ペンタゴンと密接な米の有力シンクタンク「ランド研究所」は、そう警告していた。南鮮紙に上席研究員の発言が掲載されたのは、エスパー長官の訪問前日で、青瓦台も警告を受け止めいたはずだ。

南鮮政府や反日メディアの「順序入れ替え」に騙されてはいけない。文在寅は、駐留米軍の追放・同盟解体を最終目標に定め、GSOMIA破棄という布石を打ったのではないか。
▽釜山観艦式に現れた文在寅’18年10月(共同)
観艦式の文.png

昨年のGSOMIA自動延長の直後に、釜山観艦式の旭日旗騒動が勃発。そして年末にレーダー照射事件が発生し、年明けには海自機への接近禁止を掲げた事実上の敵軍宣言が飛び出す。

これらが偶然続いたとは思えない。

【南鮮海軍はペルシャ湾に向かう】

北朝鮮は8月24日早朝、東部海岸エリアから立て続けに短距離弾道ミサイル2基を発射。1発目は約400㎞飛翔、2発目は約350㎞飛翔し、それぞれ日本海に着弾した。

発射情報は防衛省発表が先で、南鮮軍は後れを取った。また飛距離も約380kmと食い違う。南鮮は7月25日のミサイル発射で着弾海域を2度も修正する失態を犯したばかりだ。
▽8月16日に発射したとする北弾道ミサイル(KCNA)
8月16日に朝鮮半島南東部の江原道通川付近から発射KCNA.jpeg

半島近海にしか監視網がなく、日本海中央は“死角”だと開き直る。我が国からの情報提供で正確な位置を把握したことから、GSOMIAの重要性が再認識される結果となった。

だが、文在寅政権にとってGSOMIAに基づく情報に価値があったか否かは別問題だ。「日本の情報で恥をかかされた」と逆恨みしている可能性が高い。朝鮮人特有のメンタリティである。
▽発射視察する金正恩と太鼓持ち8月(KCNA)
16日午前、新兵器の試射を指導する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(朝鮮通信・時事).jpg

「まだ破棄されずに今まで存在していたこと自体が異常だ」

朝鮮労働党の宣伝機関は、GSOMIA破棄を声高に主張。これに呼応して南鮮国内の親北組織は、破棄を求める運動に乗り出していた。防衛当局者による「北を利するだけ」という指摘は正しい。
▽GSOMIA破棄を求める親北団体7月(AP)
GSOMIAの破棄を求める市民団体(7月、ソウル)=AP.png

ここに疑問を挟む余地はない。北朝鮮のメリットは文在寅政権のメリットとイコールだ。加えて、中共も7年前に締結が浮上した際、機関紙を通じ、日南GSOMIAに反対を唱えていた。

恐らく中共は、機に乗じて文在寅に秋波を送るような真似はしない。中共シフトを強めていたパク・クネを北京軍事パレードに招待したことで米国が激高。結果、THAAD配備に繋がった。
▽北京軍事パレードに招かれたクネ’15年(共同)
共同2015年9月記念行事に臨む中国の習近平国家主席、韓国の朴槿恵大統領=3日.jpg

トランプ政権も同じだ。金正恩と細い糸で結ばれる中、表立って文在寅を追及する態度は見せない。ただし、南鮮軍に対しては旗幟を鮮明せよと強く迫るだろう。

具体的には、南シナ海における航行の自由作戦およびホルムズ海峡の多国籍有志連合への南鮮海軍参加だ。更に、対北瀬取り監視網の艦艇派遣も視野に入る。
▽ペルシャ湾に展開する英海軍フリゲート7月(AFP)
AFPペルシャ湾で商船を護衛する英海軍フリゲート艦「モントローズ」。国防省提供(2019年7月25日.png

「今回の決定は弱体化ではなく、米国との同盟関係を一段階アップグレードさせる為のものだ」

青瓦台幹部は会見で、そう豪語したが、安全保障にポエムは要らない。求められるのは徹底したリアリズムだ。文在寅が海軍派遣を拒絶・先送りにした時、65年に渡る米南同盟は一瞬で瓦解する。



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参照:
海自幹部学校HP海幹校戦略研究’14年12月『「日韓軍事情報包括保護協定(日韓 GSOMIA)締結延 期の要因分析」―署名1時間前の土壇場で政策変更された背景にあったもの ―(PDF)』

参考記事:
□ロイター8月23日『GSOMIA破棄、「韓国の決定に失望」と米国務長官』
□日経新聞8月23日『米韓、主張にズレ 日韓軍事協定破棄で』
□産経新聞8月23日『GSOMIA破棄、文在寅政権が極端な決定に走ったワケ』
□産経新聞8月23日『“最悪カード”切った文在寅氏 日米韓の対北枠組み崩 GSOMIA破棄』
□ZAKZAK8月24日『文政権の裏切りに米国激怒! GSOMIA破棄で韓国が突き進む「赤化統一」、朝鮮半島に『反日』巨大国家誕生か』
□ZAKZAK8月24日『北朝鮮、韓国「GSOMIA破棄」直後にミサイル発射 文氏をあざ笑う正恩氏』
□中央日報8月23日『青瓦台「GSOMIA終了決定、韓米同盟一段階アップグレードさせる」』
□南鮮KBS8月22日『韓国外交部次官が訪米 韓日対立めぐって説明』
□ZAKZAK8月11日『トランプ氏、韓国・文政権に厳重警告!「GSOMIA」破棄なら…日韓に対立緩和を促した“本音”』
□読売新聞8月9日『GSOMIA継続、文在寅氏は米長官に明言せず』
□JB Press8月13日『文在寅大統領をじわじわ追いつめる米国の秘策』
□日経新聞’12年6月29日『日韓の軍事情報共有協定、韓国が締結を再延期』
□聯合ニュース’12年6月29日『日本外相「韓日軍事情報協定の早期署名を希望」』

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