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zoom RSS 中共軍産複合体が牙を剥く…21世紀型の“共産党細胞”

<<   作成日時 : 2018/12/14 00:17   >>

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革命第1世代に連なる赤いエリートの血統。逮捕された女CFOこそ華為技術の核心だ。失われた10年…警告は無視され、中共軍産複合体の「細胞」は世界を覆い尽くしていた。
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空港のトランジット・エリアは無国籍の空間ではない。もちろん容疑者自身、承知していたはずだが、真逆そこに捜査員が乗り込んでくるとは思っていなかっただろう。

華為技術(フアウェイ)のCFO兼副会長=孟晩舟(メン・ワンツォウ)は12月1日、乗り継ぎで立ち寄ったカナダ・バンクーバー空港で拘束された。米当局の要請に基づく異例の逮捕劇だった。
▽プーチンと同席する孟晩舟’14年(ロイター)
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「政治的な関与や介入はなく、当局が適切な決断をした」

トルドー首相は、米捜査当局への協力を強調する一方、数日前に通知があった事実を明かした。米側は、孟晩舟がバンクーバーでトランジットすることを把握し、タイミングを見計らっていたのだ。

出発地は香港。利用したキャセイ・パシフィック航空に目的地であるメキシコへの直行便はなく、乗り継ぎは必須。親中派とされるトルドー政権のカナダは安全圏だと信じ切っていたのか…
▽G20のトルドー・習近平会談’16年(AFP)
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米当局は孟晩舟の動きを追い、網の中に入り込む一瞬を狙った。恐らく通信傍受ではなく、深圳や香港に根を張ったヒューミントの成果。20世紀的な諜報スタイルで身柄確保に至ったことは皮肉だ。

逮捕は極秘で、容疑も当初は非公表だった。その後、12月7日の保釈審理で、米国の対イラン制裁をすり抜ける為に金融機関の虚偽の報告をした詐欺の容疑であることが判明する。
▽保釈審理で出廷した孟晩舟のスケッチ12月10日(地元紙)
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華為技術の対イラン制裁違反は今年4月に浮上し、一部メディアで報道された。安全保障に絡んだ華為技術の疑惑としては比較的新しい材料で、米財務省やFBIなど複数の機関が捜査に当たっていた。

第三国への逮捕協力要請は強い自信の現れで、米検察当局は既に制裁違反の決定的証拠を握っている。ただし、逮捕した孟晩舟はスケープゴートに非ず、華為技術“躍進”の核心だ。

【周恩来・李鵬に庇護された血統】

孟晩舟は、華為技術CEO任正非(レン・ツェンフェイ)の実の娘。姓が異なるのは、離婚した最初の妻の姓を使用している為だという。母親の血統を強調していることに大きな意味がある。

華為技術の創業者である任正非は中共軍出身だ。既存メディアも仕方なく紹介するケースが増えてきたが、経歴には不明点が多く、所属部隊名や階級を始め、はどこの軍区かすらも分からない。
▽華為技術を率いる任正非(ブルームバーグ)
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退役した任正非が通信機器を取り扱う事業を立ち上げたのは、六四天安門事件の前年に当たる1988年。退役軍人仲間と共に、資本金を持ち寄って起業したという。

軍の元技官らが会社を興すことは、どこの国であれ珍しくはない。しかし中共の場合は例え起業しても、党や軍幹部の後ろ盾がなければ、事業の拡大は難しい。
▽深圳の華為技術本社(file)
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なぜ華為技術は電話交換機の製造から出発し、中共の国策企業に成り得たのか…“成長神話”の裏にあるのは創業者・任正非の人脈ではない。今回、逮捕された娘・孟晩舟の血筋だ。

任正非の元妻・孟軍の父親、つまり孟晩舟の祖父は四川省副省長を務めた中共の大幹部だった。名は孟東波。1938年に共産党に入党した「革命第1世代」である。
▽祖父にあたる孟東波(華人百科)
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そして、この孟東波を幹部級に引き上げたのが、四川省共産党書記に君臨した楊超(ヤン・チャオ)だった。1911年生まれで、延安ひきこもり時代も経験した元老クラスの古参党員だ。

楊超は周恩来の秘書を歴任するなど中南海にも大きな影響力を誇った。周恩来の養子・李鵬が長く権力中枢に居座ったことから、2007年に没するまで終生安泰の地位を保ったと見られる。
▽後ろ盾の元老級幹部・楊超
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華為技術の支那広域展開には、孟東波-楊超ラインが深く関わっているはずだ。共産圏では「革命第1世代」が尊重され、特に中共や北朝鮮では血統が物を言う。

末端の軍人などゴミ同然。任正非の中共軍出身という経歴に目を奪われてしまいがちだが、最初の妻が党の大物に連なる“由緒正しい血筋”だったことが重要だ。
▽次期トップが確定していた孟晩舟(地元紙)
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巷間伝えられる孟晩舟のサクセス・ストーリーはフェイクだろう。離婚に激怒した中共指導部が、孟東波の直系を次期トップに据える条件で、華為技術の支援継続を了承したという暗黒シナリオもあり得る。

【恫喝に滲む中共指導部の迷い】

孟晩舟の極秘逮捕から10日、中共指導部は北京滞在中のカナダ人拘束に踏み切った。標的となったのは、国際シンクタンクで上級顧問を務める元外交官だった。
▽報復逮捕されたマイケル・コブリグ氏(CNBC)
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「歴史を顧みれば、報復と懸念するだけの理由は存在する」

香港紙の取材に元カナダの駐北京大使は、そう訴える。4年前、米の要請でカナダ当局が支那人を逮捕した直後、中朝国境エリアに長く暮らすカナダ人夫妻がスパイ容疑で拘束された。

“人質交換”を意図した報復逮捕は中共のお家芸でもある。我が国でも尖閣侵犯事件の際、準大手ゼネコンの支那主張社員がスパイ容疑で連行されたことは記憶に新しい。
▽10日余り拘禁されたゼネコン社員ら’10年9月(共同)
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「直ちに釈放しなければ重大な結果を招く。その全ての責任はカナダが負う」

中共指導部は勾留が長期化すると見て威勢良く吠えたが、カナダの裁判所は12月11日、GPS機器の装着や移動制限などの条件付きで、保釈を決定。孟晩舟はバンクーバーにある「自宅」に戻った。

交渉で切り札となる駐カナダ大使の召還も早過ぎた。そこにはハイレベルな外交問題化で、逆に孟晩舟が中共指導部にとって「重要人物」であることを認めてしまうというジレンマが見え隠れする。
▽裁判所前で騒ぐ支那人活動家12月10日(ロイター)
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尖閣侵犯船事件をめぐる対応も同様だった。中共側の強硬姿勢は、単なる漁民の海難事故とは一線を画していた。ただ今回の孟晩舟は、使い捨ての海上民兵と違い、党が全力で護る「赤い貴族」の一員だ。

カナダ検察の訴追資料から、孟晩舟が香港発行など7通のパスポートを持っていることも判明した。中共幹部クラスと同等の待遇。北京の密使として暗躍する裏の顔も暴かれた。
▽裁判所を出た孟晩舟12月11日(加CBC)
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メディアが連呼する「中国のIT最大手」といった定型句には鼻白む。華為技術は中共軍産複合体の中核組織なのだ。

【中共軍産複合体の産ぶ声】

「この軍事企業は中国当局主導の『中国製造2025』計画、ネットワーク設備や一部の兵器の製造などを担っている」

RFAの取材に対し、支那国内の有識者は匿名で、そう明言する。「中国製造2025」とはハイテク機器の支那製品比率大幅引き上げを目指す国策で、習近平が唱える「保護貿易反対」と著しく対立する。

「現在、中国共産党は『Made in China 2025』計画を通じ、ロボット工学、バイオテクノロジー、AIなど世界の最先端産業の90%を支配することを目指している」
▽演説するペンス副大統領10月4日(AP)
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米ペンス副大統領の反中共演説でも強く警告された。国内産業の育成という解説は誤りで、目標は高く世界制覇。そこで尖兵の役割を果たしているのが、華為技術なのだ。

中共が掲げる「世界制覇」とは製品の市場席巻やユーザーの信頼を勝ち取るという意味ではない。パワーによる圧倒。即ち、軍事力による支配である。
▽中露蒙の大規模合同演習9月13日(AFP)
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ハイテク兵器の制御系を担うことで華為技術は、中共軍産複合体の中核にのし上がった。煤けた人民公社が建ち並んでいた時代には想像もできなかった巨大な軍産複合体だ。

中共の軍産複合体は、衛星・通信部門など既に江沢民政権下で形成されてきたが、習近平はそれらを表舞台に引き上げた。昨年6月に自らの主導で旗揚げした「中央軍民融合発展委員会」である。
▽全人代軍会議で軍民融合を訴える習近平3月(新華社)
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「集中的で統一的な領導を強化し、全要素・多領域・高効益の軍民融合の深い発展の枠組みの形成を速める」

習近平の「講話」の中で最も重要な物のひとつだ。軍産複合体は欧米諸国にも普遍的に存在し、陰謀論者が好むような「影の支配者」ではない。しかし、共産圏は別だった。

党の軍事部門が重工業から兵器製造、更に研究者・技術者まで一括管理してきた。いわゆるソ連モデルで、中共も踏襲したが、ソ連崩壊によって製造・管理システムに限界があることを理解した。
▽放置されるソ連版スペースシャトル(CNN)
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冷戦終結が、中共に軍産複合体を誕生させる結果となったのだ。民間企業を偽装した覆面軍事企業の登場。産み落ちた瞬間に脅威を認識し、排除すべきだったが、いとも容易く世界は騙された。

【21世紀型“共産党細胞”の拡散】

「悪意ある機能が組み込まれた機器を調達しないようにすることは極めて重要だ」

菅官房長官は12月10日の定例会見で、そう指摘した。名指しこそ避けたが、華為技術と中興通訊(ZTE)を念頭に置いたもので、政府調達からの事実上排除が確定した。

次いで13日には、電力・水道など重要インフラに関わる民間企業・団体に対して「懸念のある機器」を調達しないよう要請。華為技術とズブズブのソフトバンクも重い腰を上げ、排除の方針を固めた。
▽北京市内の華為技術ショップ12月6日(AP)
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「米政府は、同盟国での華為技術普及により、不正な通信傍受など安全保障上の脅威に晒されることを懸念している」(11月22日付WSJ)

米国による華為技術排除の呼び掛けが報じられたのは、孟晩舟逮捕の約10日前だった。再三の警告を無視し、同盟国で汚染が拡大する現状に苛立っていたようにも見える。

国防権限法の成立で、米国が華為技術など中共系5社製品の政府調達禁止を打ち出したのは、8月のことだった。トランプ政権の「対中貿易戦争」の一環として解説されるケースが多いが、ミスリードだ。
▽国防権限法に署名したトランプ大統領8月13日(AP)
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米議会の一部が華為技術の動向に注視し始めたのは11年も前だという。そして2012年10月、米下院情報委員会は、1年の調査を経て報告書を提出。華為技術と中興通訊について、こう結論付けた。

「米国の安全保障にリスクをもたらしている」

報告書は、2社と中共政府との緊密な関係を指摘。破壊的・壊滅的なシステム不全を引き起こす危険性にも言及した。それでも華為技術と中興通訊の製品は各国で広まり続けた。
▽世界の通信基地局シェア’17年度(産経)
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「華為技術は通信会社という仮面を被った共産党のスパイ機関だ」

米上院のクルーズ議員は、そう言い放った。通信基地局やスマホに仕込まれた“余計なパーツ”が、どのような働きをするのか、詳しく明かされていない。だが有事に至った際に「働き方」を知るのでは遅いのだ。

共産党は「細胞」を組織し、密かに根を張る。元は地方支部や地下組織など活動単位を示す古い専門用語だが、今も手口は変わらない。指導部の命令を受け、一斉に「細胞」が動き出す…
▽上海市内の華為技術広告(ロイター)
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かつての「細胞」はハイテク機器に潜むチップに置き換えられた。裏切って二重スパイになることもなければ、待遇に不満も漏らさない。極めて優秀な“諜報員”であり“非公然活動家”だ。

中共が21世紀型の「細胞」を培養し、敵国にバラ撒くことは決して奇策ではない。「細胞」は小さく、見付け難く、モバイルガジェットを通じて政府中枢から一般家庭にまで入り込む。



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参考記事:
□Wedge12月12日『ファーウェイ・孟晩舟とはどんな女性なのか?』
□日経新聞12月12日『保釈の孟副会長、紅いエリート、党は奪還に躍起』
□Japan In-depth12月12日『華為(Huawei)の危険性を遡る』
□ロイター12月7日『アングル:謎めいたファーウェイ創業者一族、後継者逮捕で注目』
□大紀元12月11日『ファーウェイCFO逮捕に中国猛反発、専門家「当局の重要人物だから」=米RFA』
□大紀元12月12日『ファーウェイ締め出し、米政府10年越しの成果 5Gの軍事利用に最も懸念=米WSJ』
□日経ビジネス’17年1月25日『習近平主導「軍民融合」が示す軍事経済の始まり』
□ZAKZAK12月11日『中国共産党による「秘密特務」関与か!? 逮捕されたファーウェイ孟CFOが持つ“7つのパスポート”の謎』
□BBC12月7日『ファーウェイ副会長逮捕 カナダのトルドー首相、政治的思惑を否定』
□読売新聞12月9日『旅券7通使うCFO、加検察「国外逃亡の恐れ」』

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