南鮮が突き破る対北包囲網…疑惑の極東“無用艦隊”
北朝鮮産石炭の大規模な密輸、瀬取り現場に出没する南鮮籍タンカー。日米英など各国が連携して対北包囲網を強化する中、ホットスポットの海域から排除された国があった。
「被疑者らが捜査に応じず、難しい面があった…」
追い詰められた末の摘発だった。南鮮関税庁は8月10日、国内の業者3社が、北朝鮮産石炭などをロシア産と偽って違法に輸入した事実を認めた。余りにも遅過ぎる審判だ。
南鮮関税庁が米国から対北制裁違反の疑いを指摘されたのは、昨年10月。今年2月には、UN安保理・制裁委の専門家パネルで偽装輸入の詳細な手口が報告され、状況証拠は揃った。
▽中間報告を発表する南鮮関税庁8月10日(聯合)
「今年2月、逮捕が可能という前提で検察に捜査指揮を申し出たが、北朝鮮産かどうかの証拠が不充分で、更に情報を集めるよう指示された」
摘発が遅れたことについて、南鮮関税庁側は、原因を検察に丸投げした。他の官庁に責任を押し付ける見下げた態度だが、文在寅政権を窮地に追い込みかねない意味深な発言でもある。
対北専門家パネルは、今年6月の報告書でも決定的な証拠を突き付け、それを受ける形で一部メディアが「疑惑」を報じた。それでも文在寅政権は微動だにしなかった。
▽今年2月までに判明した密輸ルート(産経)
参照:産経新聞2月11日『石炭密輸、ロシアルートで韓国へ 北の制裁逃れ手口判明』
8月4日、ソウル近郊の港に停泊していたベリーズ船籍のタンカーは何のお咎めもなく、悠々出港した。繰り返し北朝鮮産の石炭を密輸した容疑のタンカーだったが、関税庁は「問題なし」と判定したのだ。
ところが、8月8日になって事態が急転した。米国のボルトン大統領補佐官が、FOXニュースのインタビューで、青瓦台の国家安保室長と石炭密輸問題で協議したことを明かす。
▽TV番組に出演するボルトン補佐官8月(FOX)
更に翌日、米下院テロリズム・不拡散・貿易小委のテッド・ポー委員長がVOAに登場。石炭密輸に関わった南鮮企業へのセカンダリー・ボイコットもあることを強く示唆した。
完全に追い詰められた南鮮関税庁は緊急会見を開き、中間報告として摘発を発表する。しかし、それはトカゲの尻尾切りにもならない罪の擦り付けだった。
【電力公社に流れた“怪しい石炭”】
偽装した北朝鮮産石炭・銑鉄の密輸は、昨年4月~7月にかけて計7回行われ、総量は約3万5,000tに上る。ただし、これは南鮮政府が今回認定したケースだけで、疑わしい船舶の入港は20回以上に達する。
当局が摘発したのは一部に過ぎない。しかも送検予定の“犯人”は、輸入仲介業者3社と経営者3人だという。大手あるいは中小商社ではなく、個人に近い輸入代行業者なのではないか。
「港で水揚げされた石炭は通関手続きを受けたが、その後の行方については不明だ」
▽北朝鮮・羅津港の輸出用石炭(AFP)
南鮮外交部の報道官は7月中旬、密輸疑惑の石炭について、そう語っていた。水揚げした後の石炭は消息不明で、誰が受け取ったのか判らないと明言したのだ。だが、全くの嘘だった。
北朝鮮産石炭は、韓国電力の子会社である「南東発電」で使われていた。韓国電力は政府と政府系機関が株の過半を持つ公社だ。田舎の工場に流れたのではなく、当局が最も把握しやすいルートである。
▽韓国電力公社=KEPCOの本社ビル(file)
ブローカーまがいの怪しい貿易商が、最大手の国有企業と取引することは有り得ない。少なくとも南東発電は、買い上げた石炭の原産国を知っていたと考えられる。
「今回の北朝鮮産石炭の搬入は、一部の輸入業者による逸脱行為」
南鮮関税庁は10日の緊急会見で“一部不良業者”の犯罪に落とし込んだ。石炭を買い上げた南東発電及び、銑鉄の取引に関与した銀行は、偽装を知らなかったとして「嫌疑なし」のお墨付きを与えた。
▽業者の犯罪と力説する関税庁8月10日(AP)
だが、米国が「業者の犯罪」として対北制裁逃れを処理する可能性は低い。韓国電力公社は、子会社と共に米国の調査対象となる事態を見据え、戦々恐々としている模様だ。
対イラン制裁破りで、支那IT大手ZTEを締め上げたトランプ政権である。公社への破滅的な金融制裁はないにしても、相応のペナルティを科すだろう。果たして文在寅政権は、どう対処するのか。
▽北産石炭密輸に関わったタンカー8月7日(聯合)
南鮮政府は、産地偽装の疑いを米国から得ながら、拿捕も抑留もせず、事実上の野放しにしてきた。青瓦台が税関や検察を動かさななかったことが、より大きな疑惑の輪郭を形造る。
【瀬取り現場から逃走した南鮮タンカー】
今年5月24日、東シナ海を巡航中の海自護衛艦「うみぎり」が、不審なタンカー2隻を発見。瀬取りの犯行現場を押さえた。北朝鮮タンカーにホースを渡していたタンカーの船体には、こう記されていた。
「MYONG RYU 1」
防衛省は船籍について断定していないが、一部報道によると「ミョン・リュ」は朝鮮語として不自然ではないという。旧満州東部の朝鮮族がタンカーを所有する事例はあるのか…
▽瀬取り現場の「MYONG RYU 1」5月24日(防衛省)
違法な瀬取りに従事した「MYONG RYU 1」の行方は伝えられていない。一方、その約3週間前、同じ東シナ海で北朝鮮タンカーに異常接近する南鮮籍のタンカーを海自艦艇が確認していた。
喫水の変化が見られなかったことから瀬取りは未遂に終わったと推測される。恐らく、我が国の艦艇に捕捉され、慌てて中止しただけだ。非公表だが、南鮮タンカーの不審な動きは過去にもあったという。
▽逃走する「MYONG RYU 1」5月24日(防衛省)
日本政府は南鮮側に情報を送ったが、関係者は容疑を否認。正式な調査も行われず、“迷宮入り”となった。対北制裁違反に繋がる重大な嫌疑があるにも拘らずだ。
南北タンカーによる未遂事件の発生は、5月3日。あの芝居染みた南北首脳会談の直後、TBSなど朝鮮労働党系メディアが「融和ムード」を誇張し、声高に日本孤立論を叫んでいた頃だった。
▽未遂事件直前の南北首脳4月27日(AP)
大量の資源を移し替える大掛かりな瀬取りは、荒っぽい海運業者によるヤミ取引ではなく、政治的な合意に基づく国家事業だ。これに関しても、青瓦台が「知らぬ存ぜぬ」で押し通しことは無理がある。
文在寅政権は、年初からアシアナ航空機の北向けフライト強行など対北制裁の“例外”を繰り返し、常に抜け道を探っている。その象徴が、瀬取り摘発に対する姿勢だ。
【対北連携から排除された南鮮海軍】
8月3日、英国海軍の揚陸艦「アルビオン」が晴海埠頭に入港。一般公開も行われた。なぜ、英海軍の揚陸艦が我が国に寄港したのか。艦長は、こう答えた。
「我々がこの地域にいるということは、制裁決議に対する英国の責任を明確に表している」
▽晴海埠頭に接岸する「アルビオン」8月3日(産経)
「アルビオン」は瀬取り監視の為、インド洋を越えて極東に展開しているのだ。監視活動は、日米を軸に英・豪・加の3カ国が参加し、包囲網を強化しつある。
主要な周辺1カ国が抜けている…南鮮海軍は、どこで何をしているのか。瀬取り摘発は非公表も多いが、海自が圧倒的な功績をあげる中、これまで南鮮艦艇が現場を押さえたケースは、唯の1回もない。
▽会見するアルビオン艦長8月3日(産経)
山東半島に近い黄海や日本海西部の海域は、南鮮海軍とコーストガードの守備範囲だ。上海東方の公海よりも北タンカーが頻繁に往来する最重要の海域に大きなエアポケットが生じている。
その中で日米当局が、南鮮海軍のサボタージュに触れず、協力要請も批判もしないことが奇妙に映る。最初から連携の対象外であるかのような取り扱いだ。
▽竹島沖に展開する南鮮艦艇’17年(聯合)
「我々は代表団の派遣を含む必要な措置を講じる用意があり、その為に北と南の当局が至急会談することも出来る」
金正恩は元日に命乞い演説とも取れる「新年の辞」で、唐突に五輪参加を表明。一気に南北融和ムードが高まったとされる。だが、これを米朝接近のスタートラインに位置付けることが誤りなのだ。
▽新春命乞い演説の金正恩1月(KCNA)
3代目は文在寅が申し出を拒否しないと知っていた。北に五輪参加を呼び掛け、統一チーム結成を提案した張本人である。文在寅の招待発言は昨年6月で、北産石炭の密輸が軌道に乗った時期だった。
しかも密輸は、文在寅の次期大統領就任がほぼ確定した頃に始まった。決して偶然の一致ではない。米国が抱く不信感は昨秋に北の石炭が南鮮国内に運び込まれた時点で、確信に変わったのではないか?
▽北・元山港で石炭を積載するタンカー7月(聯合)
トランプ大統領が打ち出した米南合同演習の無期限凍結は、北を刺激しない為の配慮でも予算削減の一環でもない。南シナ海の「航行の自由作戦」と同様に、南鮮軍艦艇は意図的に排除されているのだ。
恐らくホワイトハウスは、文在寅政権による石炭密輸事件の処理を静観するだろう。「業者」収監で捜査を強制終了させるか、全容解明に向け取り組む姿勢を少しでも見せるのか…
▽反日活動で忙しい文在寅と洋公主8月14日(共同)
ポンペオ再訪朝以降、膠着状態に入った米朝交渉。トランプ大統領は、金正恩の気まぐれに振り回されているのではない。文在寅の動きもまた読み切れていないのだ。
〆
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参照:
防衛省HP6月1日『北朝鮮船籍タンカー「SAM JONG 2 号」と「MYONG RYU 1」による洋上での物資の積替えの疑い』
参考記事:
□ZAKZAK8月11日『「裏切り行為」韓国が北朝鮮産の石炭偽装輸入、米制裁に戦々恐々 識者「対象企業に制裁金か」』
□日経新聞8月10日『北朝鮮産石炭の密輸、韓国で摘発 見過ごしと批判の声』
□産経新聞8月11日『「北制裁破り」の韓国企業、米国内で2次制裁求める声 緩む対北圧力…クギ差す』
□産経新聞8月10日『北朝鮮産石炭をロシア産に偽装し輸入、韓国3業者送検へ 安保理制裁違反「野放し」文政権に批判』
□読売新聞8月10日『韓国が北の石炭密輸入、文政権で制裁に「緩み」』
□中央日報8月10日『米下院「北の石炭に関与なら韓国企業もセカンダリー制裁」』
□東亜日報8月9日『ボルトン米補佐官「鄭義溶氏が北朝鮮産石炭問題で法的措置を約束」』
□朝鮮日報8月11日『対北制裁破り:対応遅れの指摘に韓国関税庁「業者が非協力的だった」』
□朝鮮日報8月11日『対北制裁破り:「北朝鮮産石炭」明記の契約書、韓国関税庁は見て見ぬふり』
□FNN5月29日『北の“瀬取り”に関与濃厚も・・・まるで隠ぺい?韓国政府の態度 石油の洋上密輸の実態』
□産経新聞5月13日『韓国船、北瀬取りに関与か 南北会談直後に発生、日本政府が調査要求』
□読売新聞5月13日『韓国船が瀬取り未遂か…政府、韓国に調査要請』
□産経新聞8月10日『洋上での裏取引…北の「瀬取り」阻止へ極東監視 英海軍揚陸艦「アルビオン」』
「被疑者らが捜査に応じず、難しい面があった…」
追い詰められた末の摘発だった。南鮮関税庁は8月10日、国内の業者3社が、北朝鮮産石炭などをロシア産と偽って違法に輸入した事実を認めた。余りにも遅過ぎる審判だ。
南鮮関税庁が米国から対北制裁違反の疑いを指摘されたのは、昨年10月。今年2月には、UN安保理・制裁委の専門家パネルで偽装輸入の詳細な手口が報告され、状況証拠は揃った。
▽中間報告を発表する南鮮関税庁8月10日(聯合)
「今年2月、逮捕が可能という前提で検察に捜査指揮を申し出たが、北朝鮮産かどうかの証拠が不充分で、更に情報を集めるよう指示された」
摘発が遅れたことについて、南鮮関税庁側は、原因を検察に丸投げした。他の官庁に責任を押し付ける見下げた態度だが、文在寅政権を窮地に追い込みかねない意味深な発言でもある。
対北専門家パネルは、今年6月の報告書でも決定的な証拠を突き付け、それを受ける形で一部メディアが「疑惑」を報じた。それでも文在寅政権は微動だにしなかった。
▽今年2月までに判明した密輸ルート(産経)
参照:産経新聞2月11日『石炭密輸、ロシアルートで韓国へ 北の制裁逃れ手口判明』
8月4日、ソウル近郊の港に停泊していたベリーズ船籍のタンカーは何のお咎めもなく、悠々出港した。繰り返し北朝鮮産の石炭を密輸した容疑のタンカーだったが、関税庁は「問題なし」と判定したのだ。
ところが、8月8日になって事態が急転した。米国のボルトン大統領補佐官が、FOXニュースのインタビューで、青瓦台の国家安保室長と石炭密輸問題で協議したことを明かす。
▽TV番組に出演するボルトン補佐官8月(FOX)
更に翌日、米下院テロリズム・不拡散・貿易小委のテッド・ポー委員長がVOAに登場。石炭密輸に関わった南鮮企業へのセカンダリー・ボイコットもあることを強く示唆した。
完全に追い詰められた南鮮関税庁は緊急会見を開き、中間報告として摘発を発表する。しかし、それはトカゲの尻尾切りにもならない罪の擦り付けだった。
【電力公社に流れた“怪しい石炭”】
偽装した北朝鮮産石炭・銑鉄の密輸は、昨年4月~7月にかけて計7回行われ、総量は約3万5,000tに上る。ただし、これは南鮮政府が今回認定したケースだけで、疑わしい船舶の入港は20回以上に達する。
当局が摘発したのは一部に過ぎない。しかも送検予定の“犯人”は、輸入仲介業者3社と経営者3人だという。大手あるいは中小商社ではなく、個人に近い輸入代行業者なのではないか。
「港で水揚げされた石炭は通関手続きを受けたが、その後の行方については不明だ」
▽北朝鮮・羅津港の輸出用石炭(AFP)
南鮮外交部の報道官は7月中旬、密輸疑惑の石炭について、そう語っていた。水揚げした後の石炭は消息不明で、誰が受け取ったのか判らないと明言したのだ。だが、全くの嘘だった。
北朝鮮産石炭は、韓国電力の子会社である「南東発電」で使われていた。韓国電力は政府と政府系機関が株の過半を持つ公社だ。田舎の工場に流れたのではなく、当局が最も把握しやすいルートである。
▽韓国電力公社=KEPCOの本社ビル(file)
ブローカーまがいの怪しい貿易商が、最大手の国有企業と取引することは有り得ない。少なくとも南東発電は、買い上げた石炭の原産国を知っていたと考えられる。
「今回の北朝鮮産石炭の搬入は、一部の輸入業者による逸脱行為」
南鮮関税庁は10日の緊急会見で“一部不良業者”の犯罪に落とし込んだ。石炭を買い上げた南東発電及び、銑鉄の取引に関与した銀行は、偽装を知らなかったとして「嫌疑なし」のお墨付きを与えた。
▽業者の犯罪と力説する関税庁8月10日(AP)
だが、米国が「業者の犯罪」として対北制裁逃れを処理する可能性は低い。韓国電力公社は、子会社と共に米国の調査対象となる事態を見据え、戦々恐々としている模様だ。
対イラン制裁破りで、支那IT大手ZTEを締め上げたトランプ政権である。公社への破滅的な金融制裁はないにしても、相応のペナルティを科すだろう。果たして文在寅政権は、どう対処するのか。
▽北産石炭密輸に関わったタンカー8月7日(聯合)
南鮮政府は、産地偽装の疑いを米国から得ながら、拿捕も抑留もせず、事実上の野放しにしてきた。青瓦台が税関や検察を動かさななかったことが、より大きな疑惑の輪郭を形造る。
【瀬取り現場から逃走した南鮮タンカー】
今年5月24日、東シナ海を巡航中の海自護衛艦「うみぎり」が、不審なタンカー2隻を発見。瀬取りの犯行現場を押さえた。北朝鮮タンカーにホースを渡していたタンカーの船体には、こう記されていた。
「MYONG RYU 1」
防衛省は船籍について断定していないが、一部報道によると「ミョン・リュ」は朝鮮語として不自然ではないという。旧満州東部の朝鮮族がタンカーを所有する事例はあるのか…
▽瀬取り現場の「MYONG RYU 1」5月24日(防衛省)
違法な瀬取りに従事した「MYONG RYU 1」の行方は伝えられていない。一方、その約3週間前、同じ東シナ海で北朝鮮タンカーに異常接近する南鮮籍のタンカーを海自艦艇が確認していた。
喫水の変化が見られなかったことから瀬取りは未遂に終わったと推測される。恐らく、我が国の艦艇に捕捉され、慌てて中止しただけだ。非公表だが、南鮮タンカーの不審な動きは過去にもあったという。
▽逃走する「MYONG RYU 1」5月24日(防衛省)
日本政府は南鮮側に情報を送ったが、関係者は容疑を否認。正式な調査も行われず、“迷宮入り”となった。対北制裁違反に繋がる重大な嫌疑があるにも拘らずだ。
南北タンカーによる未遂事件の発生は、5月3日。あの芝居染みた南北首脳会談の直後、TBSなど朝鮮労働党系メディアが「融和ムード」を誇張し、声高に日本孤立論を叫んでいた頃だった。
▽未遂事件直前の南北首脳4月27日(AP)
大量の資源を移し替える大掛かりな瀬取りは、荒っぽい海運業者によるヤミ取引ではなく、政治的な合意に基づく国家事業だ。これに関しても、青瓦台が「知らぬ存ぜぬ」で押し通しことは無理がある。
文在寅政権は、年初からアシアナ航空機の北向けフライト強行など対北制裁の“例外”を繰り返し、常に抜け道を探っている。その象徴が、瀬取り摘発に対する姿勢だ。
【対北連携から排除された南鮮海軍】
8月3日、英国海軍の揚陸艦「アルビオン」が晴海埠頭に入港。一般公開も行われた。なぜ、英海軍の揚陸艦が我が国に寄港したのか。艦長は、こう答えた。
「我々がこの地域にいるということは、制裁決議に対する英国の責任を明確に表している」
▽晴海埠頭に接岸する「アルビオン」8月3日(産経)
「アルビオン」は瀬取り監視の為、インド洋を越えて極東に展開しているのだ。監視活動は、日米を軸に英・豪・加の3カ国が参加し、包囲網を強化しつある。
主要な周辺1カ国が抜けている…南鮮海軍は、どこで何をしているのか。瀬取り摘発は非公表も多いが、海自が圧倒的な功績をあげる中、これまで南鮮艦艇が現場を押さえたケースは、唯の1回もない。
▽会見するアルビオン艦長8月3日(産経)
山東半島に近い黄海や日本海西部の海域は、南鮮海軍とコーストガードの守備範囲だ。上海東方の公海よりも北タンカーが頻繁に往来する最重要の海域に大きなエアポケットが生じている。
その中で日米当局が、南鮮海軍のサボタージュに触れず、協力要請も批判もしないことが奇妙に映る。最初から連携の対象外であるかのような取り扱いだ。
▽竹島沖に展開する南鮮艦艇’17年(聯合)
「我々は代表団の派遣を含む必要な措置を講じる用意があり、その為に北と南の当局が至急会談することも出来る」
金正恩は元日に命乞い演説とも取れる「新年の辞」で、唐突に五輪参加を表明。一気に南北融和ムードが高まったとされる。だが、これを米朝接近のスタートラインに位置付けることが誤りなのだ。
▽新春命乞い演説の金正恩1月(KCNA)
3代目は文在寅が申し出を拒否しないと知っていた。北に五輪参加を呼び掛け、統一チーム結成を提案した張本人である。文在寅の招待発言は昨年6月で、北産石炭の密輸が軌道に乗った時期だった。
しかも密輸は、文在寅の次期大統領就任がほぼ確定した頃に始まった。決して偶然の一致ではない。米国が抱く不信感は昨秋に北の石炭が南鮮国内に運び込まれた時点で、確信に変わったのではないか?
▽北・元山港で石炭を積載するタンカー7月(聯合)
トランプ大統領が打ち出した米南合同演習の無期限凍結は、北を刺激しない為の配慮でも予算削減の一環でもない。南シナ海の「航行の自由作戦」と同様に、南鮮軍艦艇は意図的に排除されているのだ。
恐らくホワイトハウスは、文在寅政権による石炭密輸事件の処理を静観するだろう。「業者」収監で捜査を強制終了させるか、全容解明に向け取り組む姿勢を少しでも見せるのか…
▽反日活動で忙しい文在寅と洋公主8月14日(共同)
ポンペオ再訪朝以降、膠着状態に入った米朝交渉。トランプ大統領は、金正恩の気まぐれに振り回されているのではない。文在寅の動きもまた読み切れていないのだ。
〆
最後まで読んで頂き有り難うございます
クリック1つが敵に浴びせる銃弾1発となります
↓

参照:
防衛省HP6月1日『北朝鮮船籍タンカー「SAM JONG 2 号」と「MYONG RYU 1」による洋上での物資の積替えの疑い』
参考記事:
□ZAKZAK8月11日『「裏切り行為」韓国が北朝鮮産の石炭偽装輸入、米制裁に戦々恐々 識者「対象企業に制裁金か」』
□日経新聞8月10日『北朝鮮産石炭の密輸、韓国で摘発 見過ごしと批判の声』
□産経新聞8月11日『「北制裁破り」の韓国企業、米国内で2次制裁求める声 緩む対北圧力…クギ差す』
□産経新聞8月10日『北朝鮮産石炭をロシア産に偽装し輸入、韓国3業者送検へ 安保理制裁違反「野放し」文政権に批判』
□読売新聞8月10日『韓国が北の石炭密輸入、文政権で制裁に「緩み」』
□中央日報8月10日『米下院「北の石炭に関与なら韓国企業もセカンダリー制裁」』
□東亜日報8月9日『ボルトン米補佐官「鄭義溶氏が北朝鮮産石炭問題で法的措置を約束」』
□朝鮮日報8月11日『対北制裁破り:対応遅れの指摘に韓国関税庁「業者が非協力的だった」』
□朝鮮日報8月11日『対北制裁破り:「北朝鮮産石炭」明記の契約書、韓国関税庁は見て見ぬふり』
□FNN5月29日『北の“瀬取り”に関与濃厚も・・・まるで隠ぺい?韓国政府の態度 石油の洋上密輸の実態』
□産経新聞5月13日『韓国船、北瀬取りに関与か 南北会談直後に発生、日本政府が調査要求』
□読売新聞5月13日『韓国船が瀬取り未遂か…政府、韓国に調査要請』
□産経新聞8月10日『洋上での裏取引…北の「瀬取り」阻止へ極東監視 英海軍揚陸艦「アルビオン」』
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