習近平の“死体蹴り”会談…国民党は北京に凱旋せよ

初めは興奮した海外メディアも急に忘れたふり。死に体の馬英九と習近平の会談は総統選に逆風を吹き寄せた。“中台”真の和解とは「統一」ではなく国民党が北京に凱旋することだ。
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東日本大地震の当日、馬英九は日本から来たVIPと面会していた。VIPといっても海部元首相なのだが、その際、馬英九は故宮博物院所蔵品の日本展示について話し合ったという。

我が国が平成最大の天災に見舞われたのは、この対面後まもなくのことだった。偶然に過ぎないにせよ、台湾国内で東日本大震災は「馬英九がもたらした災厄」のひとつにカウントされている。
▽海部元首相と固く握手’11年3月11日(総統府)
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3・11の2年前、馬英九が中米ベリーズを訪問した日にカリブ海でM7.3の大地震が発生…馬英九が接触した人物が直後に急死、あるいは災害に巻き込まれるケースが後を絶たないと囁かれているのだ。

被害者リストを検めると、急死した人が100歳を超す老人だったり、危険な災害現場に向かう救助隊員だったり、正直、微妙な気もするが、その中でも「握手」はヤバイらしい。
▽握手を求める馬英九(file)
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「死亡之握(死の握手)と回春之手(生き還らせる手)では、どっちが凄いのか?」

今年1月、式典で馬英九と握手した台北市長の発言が、物議を醸した。外科医でもある民進党系市長の皮肉なのだが、それ程までに“馬英九の呪い”は台湾国内で一般的なのだ。名付けて「デス握手」w

参照:フォーカス台湾1月3日『交わすと不幸になる? 馬総統の“デス握手”がまた話題に』
▽握手する馬英九と便所前11月7日(AP)
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そんな都市伝説を知りながら眺める“歴史的会談”は、格別だ。便所前男こと習近平と馬英九は、報道陣の前で握手した。しかも2分近く…会談後、記者団に対して馬英九は、こう誇らしげに語った。

「がっちりと握った」

デス魔法がしっかり効きそうな気配である。北京に戻った便所前男に異変は現れていない模様だが、心肺停止の危機に瀕するのは国民党かも知れない。選挙戦最後の賭けに敗れ、蘇生のチャンスを失った。

【習近平は誰と会ったのか?】

11月3日深夜、台湾国総統府は、7日に馬英九がシンガポールを訪問し、習近平との会談に臨むと明かした。実質3日前の電撃発表だ。反国民党の国民は直ちに猛反発。翌日から激しい抗議が展開された。

「馬英九を罷免せよ」

4日、総統府前は抗議者で埋め尽くされた。任期切れ半年前の“国共合作”。馬英九が置き土産代わりに何を約束するか、不安だけが募る。支持率10%未満のダメ総統がスタンドプレーに走ることは確実だ。
▽台北市内の抗議デモ11月4日(VOA)
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「選挙に影響を及ぼすための政治操作だ」

最大野党の民進党は、強い懸念を表明した。来年1月に控える総統選。便所前と馬英九の狙いが、選挙を揺さぶることにあるのは、誰の目にも明らかだった。民主派の怒りは沸騰した。
▽総統府前の抗議11月5日(AP)
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ところが、5日に開かれた馬英九の会見で、意外な事実が判明する。便所的とダメ総統は共に「指導者」として会談するものの、互いを「先生」と呼び合うというのだ。

妥協策や折衷案では済まない大きな問題だ。公式外交では双方の立場が重要となる。文書にサインする際、氏名と共に肩書きを記さなければならない。
▽台湾国内の抗議デモ11月7日(AFP)
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つまり、会談時に何ら外交文書を取り交わすことは出来ないのだ。外信部の記者は、直ぐにピンと来ただろう。ただ2人が合うだけのパフォーマンスである。そして馬英九は就任前、こう宣言していた。

「私は何時でも北京へ行く用意がある。ただ唯一の条件は、私を『中華民国総統』と呼んでくれることだ」
▽緊急会見する馬英九11月5日(中央社)
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元から高いハードルとは言え、馬英九のヘタレぶりを物語る宣言だ。「先生」とは取って付けた適当な敬称でしかない。「指導者」にしても、馬英九が何処で誰を指導する人物なのか設定が不明確だ。

果たして、シンガポールで習近平が会ったのは誰なのか?

【「中台分断」の意味不明】

「中台首脳、歴史的会談へ」

会談予定が電撃発表された際、共同通信は、そんな見出しを掲げて大規模な転換点を迎えたかのように報じた。共同だけではなく、多くのメディアが内外問わず、「歴史的会談」と表現した。
▽会談を報じる11月8日付台湾各紙(共同)
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一部には金大中と金正日の南北首脳会談に準えたり、米国とキューバの54年ぶり国交回復と比較する声も出る始末だ。脊髄反射で「歴史的」と騒ぐのは商業メディアの悪い癖だが、読者を馬鹿にし過ぎだ。

「台湾海峡両岸の歴史的会談だ」

AP通信は、そんな表現で讃えた。ただし、配信したのは10年前だ。2005年4月末、台湾国民党の連戦は北京を訪問し、胡錦濤との初会談に臨んだ。当時も、各メディアは「歴史的」と連呼しまくった。
▽北京の連戦・胡錦濤会談05年4月(新華社)
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この時、国民党は野党だったが、連戦は党主席として北京に招かれ、迎えた胡錦濤も中共総書記の肩書きを用いた。オフィシャルな両党代表の会談である。

対して今回の会談は「習近平さんと馬英九さん」のご対面でしかなかった。馬英九は昨年末に国民党主席の肩書きも喪失。“第3次国共合作”と揶揄された2005年の北京会談よりも、圧倒的に格下だったのだ。
▽会談に臨む便所前と馬英九11月7日(共同)
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国家や政党を代表するワケでもないオヤジ同士の雑談である。もちろん、効力を有する外交文書に署名することもない。「歴史的」と持ち上げたメディアも会談後は、潮が引くように出稿量も激減した。

その中で目に付いたのが「中台分断」というキーワードだった。何が分断されたのか…余りにも不親切な記事だ。反日メディアは「分断国家」としたいようだが、そう書いた瞬間、中共に締め上げられる。
▽会談場に殺到した報道陣11月7日(AP)
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台湾は台湾であり、台湾人は台湾人。国家も政党も国民も、そして領土も分断されてなどいない。

【国民党の北京凱旋が待たれる】

我が国の敗戦から2ヵ月以上が過ぎた昭和20年10月25日、最後の台湾総督・安藤利吉陸軍大将閣下は、不名誉な式典に引き摺り出される。中華民国が“降伏式”と呼ぶセレモニーだ。
▽署名文書渡す安藤利吉閣下(file)
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この日をもって中華民国が台湾に復帰したとする主張は、二重三重の嘘で包んだプロパガンダに過ぎない。ミズーリ艦上の批准で決定したのは、日本による台湾各州の統治権凍結だった。

中華民国が台湾島を統治したことはなく、清朝は「化外の地」と蔑んだ。領土という認識が極めて薄い中、我が国に惨敗した清朝は、1895年の日清講和条約で、台湾島を日本に割譲する。
▽聖徳記念絵画館壁画「下関講和談判」
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台湾はチベット・東トルキスタンと同様、“失われた帝国の周縁”に位置する。近代国家の概念が確立される以前の曖昧な周辺の地。古地図を頼りに領土と宣言する野蛮な姿勢は、南シナ海問題にも通じる。

「着衣に乱れが許されなかった日本軍に比べ、台湾民衆が迎えた“祖国”の軍隊は、天秤棒に鍋釜を下げ、見すぼらしいボロボロの綿入り服に身を包み、だらだらと歩くわらじ履きの兵隊達であった」(『台湾人と日本精神』151頁)

老台北こと蔡焜燦さんは率直に、そう記す。昭和20年10月、米軍艦で運ばれきた国府軍兵士に衝撃を受ける。初めて台湾に足を踏みれ入れた支那兵。彼らもまた進駐軍だ。
▽大正時代に完成した台湾総督府庁舎
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本当の悲劇の始まり。2回目の冬を迎えた時、2・28事件で大陸から増派された兵員は、侵略部隊でしかなかった。そして国共内戦後の蒋介石による統治は本来、亡命政権と呼ぶべきものであった。

大陸反攻の足掛かり…国民党のスローガンは負け犬の遠吠えに過ぎず、以前からこの島に暮らす台湾人とは何の関係もない。李登輝元総統は日本時代を経た戦後の台湾について、こう言い切った。

「中華民国という別の外来政権による統治が始まった」
▽講演に臨む李登輝元総統7月(AFP)
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国民党と中共の真の和解とは、台湾国が赤化統一に巻き込まれる事態ではない。国民党が北京に凱旋することだ。中共側に歓迎する気がないのなら、何度接触を重ねても意味はない。

【総統選揺さぶる斬首戦の脅し】

「台湾海峡有事で中国が行使しうる現実的な作戦に『斬首戦』があります。弾道ミサイルなどで政治経済軍事の中枢を叩き、混乱の中で傀儡政権を樹立する」

7月1日、平和安保法制の特別委に招かれた軍事アナリストの小川和久氏は、そう指摘した。沖縄の米海兵隊が抑止力になっているケースとして挙げたものだった。
▽特別委で発現する小川氏7月1日(YouTube)
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一気に国家の中枢を奪取する斬首戦。安保法制報道が不毛な抽象論に終始する中で特に注目されなかったが、この直後、小川氏の指摘が「現実の危機」であることが明らかとなった。

CCTVが7月5日に放映した中共軍の演習映像に見覚えのある建築物が一瞬だけ写り込んでいた。南モンゴルの砂漠地帯に聳える建物は、台湾総統府を模したものだった。
▽模造総統府に突進する特殊部隊
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「斬首行動を成功裏に実施した」

中共軍機関紙は演習について、そう評価した。台湾総統府制圧を想定した模擬演習だったことは明らかだ。そして映像の公開には、総統選を牽制する意図が込められていた。脅しである。
□総統府突入シーンは3分2秒~


96年の総統選で、中共軍は基隆沖の領海にミサイルを放った。また、陳水扁勝利が観測された次の総統選では、独立宣言を座視しないとする『台湾白書』を発表。中共軍制服組トップは、こう警告した。

「台湾独立は戦争を意味し、分裂したら平和はない」

模擬演習は、今も中共が野望を捨てていない現実を改めて突きつけた。現在の台湾国では早急な独立よりも現状維持を求める声が優勢とされるが、その陰に「独立宣言=開戦」という中共の恫喝があるのだ。
▽会談に抗議する台湾国民11月7日(共同)
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馬習会談後の世論調査では、民進党の蔡英文候補が国民党・朱立倫を更に引き離し、50%目前まで支持率を伸ばした。便所前男による総統選への直接介入は、裏目に出た。

だが、各都市に照準を定めた弾道ミサイルが、台湾国内の独立機運を削いでいる状況に変わりはない。民主国家の意思決定を武力で揺さぶる暗黒の構図だ。
▽総統府前の抗議行進11月7日(AFP)
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総統選投票日まで残すところ2ヵ月。中共指導部は必ず次の手を打ってくる。そこでは軍事オプションも決して排除されてはいない。



最後まで読んで頂き有り難うございます
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参照:
門田隆将オフィシャルサイト11月7日『「習―馬会談」で始まる中国の“台湾併呑作戦”』

参考記事:
□ニューズウィーク11月10日『中台トップ会談は逆効果だった―国民党への支持率低下』
□ロイター11月9日『台湾総統選、野党・民進党の蔡英文主席が支持率リード=世論調査』
□産経新聞11月8日『「嘘つき!」…記者会見場で叫ぶ台湾人ジャーナリスト 馬英九総統は目線合わさず』
□産経新聞11月8日『習主席、台湾提案に「ゼロ回答」 主導権ガッチリ…“アメとムチ”政策強める』
□産経新聞11月8日『中国各紙が1面報道も「台湾=国」払拭に腐心「分裂活動に団結して反対」』
□The Huffington Post11月9日『中台首脳会談は「密室政治そのもの」 台湾人の留学生たちが反対声明』
□産経新聞11月7日『習近平・馬英九両氏にノーベル平和賞? 「南北首脳会談と遜色ない」との過大評価に失笑も』
□産経新聞11月4日『「選挙に向けた政治操作だ」「民主主義に背く」中台首脳会談で野党反発』

□時事通信7月23日『台湾総統府制圧を想定か=中国軍の市街戦演習』
□ZAKZAK7月26日『中国軍、“擬似”台湾総統府で軍事演習 武力統一に向け着々』
□人民網2005年5月7日『胡錦濤総書記と連戦主席の会談、世界で報道相次ぐ』

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