石原・平沼新党が投じる一石…政界地図は塗り変わるか

旗揚げまで秒読み段階に入った石原新党。橋下陣営との連携に戦々恐々とする既成大政党。果たして、次期総選挙で台風の目となり、政界地図を塗り変えることになるのか。
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「坂本竜馬の『船中八策』のような国の基幹にかかわる政策を英知を絞って作る作業が今、進行している。自主憲法制定の精神に裏打ちされた新しい理念を打ち出さなければならない」

たちあがれ日本の平沼赳夫代表は2月1日、石原新党の綱領策定を進めていることを会見で明らかにした。産経新聞によると綱領の柱は「国柄を守る」ことを謳い「小さな政府」を目指すことなどだという。
▼定例会見の平沼代表2月1日
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1月25日の3者会談から1週間、新党は「構想の段階」を一気に越え、誕生まで秒読みとなっている。通常国会の開幕と同時に始まった慌ただしい動きだ。

「人の財布に手を突っ込んでお金を取るといっているのと同じだ。我が党の議員がそうした行動に動くべきではない」
▼会見する伸晃幹事長1月31日(FNN)
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自民党の石原伸晃幹事長は1月31日、父親の新党結成の動きに不快感を示した。自民党の現職・前職への引き抜きが具体化している模様だ。その一方、愛知県・大村知事との会談では、こう語っている。

「親子で戦わなければいけないかも知れない。真田親子と同じ心境だ。親父をよろしく頼む」

長男としての偽らざる心境だろう。石原新党の急浮上により、伸晃幹事長は党内で危うい立場に追い込まれているとも指摘される。選挙戦の最高指揮官は党幹事長。大敗すれば引責辞任も必至だ。
▼平沼代表と会談した都知事1月25日(ANN)
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いくら親子でも選挙前に水面下で立候補者の調整を行うことは不可能。複数の選挙区で激突することになる。しかも、新党が目論むのは「一本釣り」というレベルではない。

【“親日政治家”のシャッフル】

「自民党から何十人か来て貰わないといけないし、民主党の保守系の人たちにも声を掛ける。70人とか80人を糾合することが目標だ」

平沼代表は1月中旬、そう発言していた。投網で一網打尽といった感覚。前回の衆院選で落選した前議員を想定しているとされ、ターゲットになるのは、主に「創生」日本のメンバーだ。

参照:「創生」日本HP「役員・メンバー」

3年前の総選挙で自民党は大幅に議席数を減らしたが、その中でも国士系議員の多くがバッジを失った。数少ない保守勢力が大きな打撃を受けたのだ。これが今の谷垣体制にも影を落としている。
▼自民党大会で挨拶する総裁1月22日(産経)
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大半の前議員は次期総選挙で同じ選挙区からの出馬が予定されるが、不安も多い。前回のような逆風は吹き荒れないにしても、追い風は見込めない。そこで新党に望みを託す前議員が現れる余地もある。

一方、民主党から鞍替えする議員は出るのか…保守系にカテゴライズされる若手議員の中で、与党の地位を捨てて反旗を翻す気骨のある者が何人いるのか疑問だ。

新党に色気を見せているのは、既に離党済みの被告系議員ばかり。この期に及んで過剰な“純血主義”は邪魔だが、ハッキリ言って不要。満を持しての石原新党だ。ご免被る。
▼新党きづなの結成会見1月4日(産経)
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平沼代表と石原都知事がタッグを組むのなら、政党の方向性に何ら心配はない。全幅の信頼と期待を寄せることが出来る。そこで少々引っ掛かるのは、現実的な問題である結党資金だ。

安倍政権下で復党を拒絶した後、平沼代表は新党を構想しながらも実現までに長い時間を要した。最大の理由は、資金集めに苦慮した為だったと見られる。それが今度は実にイージーな流れだった。
▼たちあがれ日本の結党時H22年4月
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スポンサーが居るのか、想像を巡らしてみるとポケットマネーで結党資金を購える人物が1人居た。不肖の兄と一緒に旧民主党をつくった男、鳩山邦夫だ。未だに無所属のままだし…

新党との連携を打ち出している大村知事を「囲む会」にも何気に参加。殆ど注目されていないところが逆に怪しいのだが、それで本格的な大型新党が出来るのなら、軽くスルーしておこう。

腐れタブロイド紙など反日メディアは、早くも新党バッシングを始めている。しかし、それは決して大型新党が予想される為ではない。総選挙で台風の目となるのは一定の条件を満たした後だ。

【橋下応援演説の地下通路】

「自民党からも民主党からも雪崩を打って新党に行く」

先月末、珍しくメディアに露出した森元首相は、そう語った。離反者が石原新党に続々集まると警告したのだ。しかし、この発言には重要過ぎる前提があった。

「橋下徹市長と連携して成功すれば」

報道各社も永田町の住人も関心は、連携の一点に集中している。橋下市長が1月20日、国政進出に強い意欲を示したことで、次期衆院選を取り巻く環境は激変した。
▼政治資金パーティーの橋下市長(産経)
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「次の衆院選の敵は、自民党ではなく『第三極』政党。石原氏と橋下氏が組めば大変なことになる」

民主党のベテラン議員は警戒感を隠さなかったという。既成政党が戦々恐々とするのは頷けるが、連携が失敗した場合、石原新党の影響力が限定的であるかのようで、苦々しくも思える。

「中央集権をぶっ壊していくのは、地方と地方の強いアライアンスがなかったら出来ない」
▼会見を終えた石原都知事1月27日(読売)
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新党結成を公に認めた1月27日の会見でも石原都知事は「大阪維新の会」との連携に期待を滲ませた。だが、当の橋下市長は言葉を濁し、松井府知事も否定的な考えを示している。

これに対して「維新の会」との連携が確実視されているのが「みんなの党」だ。1月28日の党大会で渡辺代表が次期総選挙へ向けての連携強化を明言。橋下市長も歓迎のコメントを出した。

「みんなの党」と「維新の会」による第三極連合に石原新党が加わることが出来るのか…メディアの見方は冷ややかだが、石原新党が旗揚げもしていない状態で、橋下陣営が連携を打ち出すはずもない。
▼「みんなの党」定期大会1月28日(読売)
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「彼に対するバッシング報道に腹が立った。義憤を感じている」

昨年11月末の大阪ダブル選挙の際、石原都知事は突如、大阪入りして応援演説を行った。言葉通り、義憤に駆られての行動だと理解していたが、決してそれだけの理由ではない。
▼応援演説に現れた都知事11月(産経)
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この時すでに石原都知事は、新党の結成を決意し、後の連携を視野に入れていたと考えられる。政治は激情では動かない。石原都知事も橋下市長もリアリストだ。

代々木を含めた既成政党を敵に回し、孤立無援だった当時の橋下陣営。石原都知事の他に逸早く支持を打ち出した政治家がいた。その人物こそ今回の新党結成のキーパーソンでもあった。

【一笑に附された新党構想…】

「一人芝居だ。たちあがれ日本としては、なんらコミットしていない」

平沼代表は歯牙にもかけない様子だった。石原都知事も「バカなことを言って大迷惑」と手厳しい。これは昨11月25日、国民新党の亀井代表が新党結成に意欲を見せた時の反応だ。
▼会見する亀井代表11月25日(産経)
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「政党交付金目当ての年末の風物詩だ」

永田町から聞こえてくるのは失笑だけだった。御大2人を巻き込んだ新党など誰にも荒唐無稽な夢物語に見えたのである。ところが、実際には亀井発言に添う形で新党結成への動きが始まっていた。

「石原知事にしても、大変なリーダーシップを持っているし発信力もある。橋下君も大村知事も持っている。他知事にもそういう人はいるだろうし永田町の中にもいる。そういうものを結集していけばいい」
▼石原都知事をめぐる相関図(産経)
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同じ会見で亀井代表は石原・橋下・大村3氏の連携にも期待を滲ませていた。これが今囁かれる「3都連合」あるいは「3都新党」の原形だ。ちなみに亀井発言に対して橋下府知事(当時)は、こう答えていた。

「国政へのスケベ心を出せばみんな離れてしまう」

みんな揃ってタヌキだ。年内の新党結成や石原新党と「維新の会」の糾合はなかったが、昨11月の時点で水面下に動きがあったことは確かだ。報道各社の政治部は舞台裏を把握できていなかったのか…
▼石原・橋下会談12月(産経)
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亀井静香は自社さ連立政権誕生の仕掛け人だ。あの時は野中広務が参謀役で亀井が実行役だった。憲政史上に残る奇形政権を作り出した政治家である。“橋下・石原連合”は、自社政権よりハードルが低い。

果たして2度目の政権交代を潰すのも、また亀井静香という展開になるのか?

【民主党と自民党のダブル敗北】

「第三極の勢いはすごいな」

1月下旬、新人議員を呼び付け、選挙対策を指示していた小沢被告は、そう漏らしたという。被告が手にしていたのは、民主党が2年ぶりに実施した各選挙区の情勢調査だった。
▼東京地裁に入る小沢被告1月10日(産経)
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データは極秘扱いだが、民主党の支持率が低下し、自民党も横ばいを続ける中、受け皿になっているのは第三極のようだ。無党派層が「みんなの党」など新党に流れる構図は変わらない。

そこに石原新党と「維新の会」が加わることで、どうのような“化学的変化”が起きるか未知数だ。しかし、第三極勢力の躍進で民主党と自民党の苦戦は必至。ダブル敗北すら有り得る。

「今年は何があるか分からず、政界再編もあるだろう。三大政党か四大政党になって、連合政権になるのではないか」
▼インタビューに答える都知事(産経)
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石原都知事は年初の共同インタビューで、そう語っていた。希望的観測も多分に含まれているが、第三極優勢の状況が続く中、この“予言”は現実となりそうな気配だ。

石原新党の旗揚げは6月解散を見越し、選挙戦の準備期間を考慮して3月になると見られる。これは自民党執行部が、消費増税法案の提出をヤマ場と捉えず、端から会期末に照準を定めていることが大きい。
▼代表質問に立つ谷垣と野田1月26日(産経)
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最大野党が国会冒頭から及び腰で話にならない。法案の成立と引き換えに「話し合い解散」に持ち込む算段だが、その前にひと波乱起きる可能性が高い。

石原新党の誕生に伴って「たちあがれ日本」と国民新党は消滅する。下地幹事長が連立維持を野田に約束したばかりだが、自見金融・郵政担当相が閣内に留まることはない。民・国連立も解消となる。
▼3者会談を終えた亀井静香1月25日(ANN)
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焦点は民主党内の被告系議員が呼応して動くか否かだ。小沢の一審判決が出るのはGW前で時期としては微妙。しかしヘタレ軍団が意地を見せれば政局に発展し、総選挙のスケジュールは流動的になる。
▼会談を終えた平沼代表1月25日(ANN)
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石原都知事と平沼代表、そして亀井の3者が投じる一石が、どこまで大きな波紋を広げるのか…永田町は激動の予感を孕みながら春を迎える。




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参考記事:
■産経新聞2月2日『親心「伸晃首相」妨害せず? 橋下氏との連携度もカギ』
■毎日新聞2月1日『3都新党:与野党議員、熱視線 連携探り「囲む会」』
■共同通信2月1日『平沼氏「自主憲法を新党綱領に」 保守系議員の参加促す』

■時事通信1月30日『石原新党、結成に関門も=カギ握る橋下氏、民・自は警戒』
■読売新聞1月28日『石原知事、任期途中で辞任?…都庁内に臆測』
■時事通信1月26日『「石原新党」3月旗揚げも=保守勢力結集、亀井・平沼氏と確認』
■時事通信1月27日『「石原新党」で政界再編も=森元首相』
■読売新聞1月27日『石原新党との連携、大阪維新の会は否定的』
■時事通信1月25日『新党結成に意欲=たちあがれ・平沼氏』
■日経新聞1月28日『橋下氏どう動く 「石原新党」、解散にらみ連携探る』

■産経新聞1月5日『石原知事、新党に意欲 亀井氏らとの協議「密々にやって」「政界再編もあるだろう」』
■産経新聞1月14日『平沼氏の新党構想、70~80人規模目指す』
■産経新聞11月25日『「オールジャパンで国力アップを」 国民新・亀井代表、新党結成へ意欲』
■産経新聞11月26日『平沼氏、新党構想は「亀井氏の一人芝居」 石原知事「バカなことを言って大迷惑」』

この記事へのコメント

roserobe
2012年02月03日 10:41
アネモネ様、軽くスルーの部分が痛快です。
roserobe
2012年02月03日 10:44
アネモネ様、今年の春はワクワクの予感です。
とにかく民主を潰せそうだわ。

軽くスルーの部分に激しく賛成です。
風来坊
2012年02月03日 11:23
「東京よりも国家が大事」と断言し、核シミュレーションにまで言及できる政治家は石原慎太郎を措いて他にはいない。そして何よりも「国柄を守る」と言い切るのが頼もしい。石原ファンとして念願の石原政権の誕生を心待ちにしています。
石原氏も年齢が年齢だけに今回がラストチャンスだと思いますが、この際、新党に群がる有象無象はばっさり切り捨てて、“純粋保守”の観点から踏み絵をさせて“生粋の保守新党”を立ち上げてもらいたいものです。
わさび
2012年02月22日 19:16
石原さん、橋下と組んだらダメだ!!
sancarlos
2012年07月02日 20:33
石原氏の新党は勿論賛成だが何故、あの売国政治家の橋下を見抜けないのか?大阪維新の会と連携したら応援しない。

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