西岡議長が裁く菅の大罪…首相問責のギャベルを鳴らせ
党幹部が後継レースに動く中、尚も菅直人は権力にしがみ付く。早くから菅批判を続けていた西岡参院議長の指摘は的確だった。無能総理を追い詰めた数々の直言…そして最初で最後の直接対決が迫る。
「『首相として適格ではない』と言い尽くした」
参議院の西岡武夫議長は6月9日、改めて菅の即時辞任を求めた。居座り続けようとするサギ総理に対し、もう呆れ果てた様子だ。菅直人は3日の閣議で口走った通年国会についてもバッサリ斬る。
「1年中国会をやるという話は、菅さんが延命の為だけに言っただけで、震災復興や原発事故処理の為に開いておくのではない。そうした批判が出て来ないのが不思議だ」
不信任否決後、焦点に浮上した菅内閣の退陣時期。6月10日の参院予算委でも野党側が追及したが、反日サギ男は「一定のメドが付くまでの責任」を強調し、辞任や退陣という言葉は一切、口にしなかった。
「仮設住宅、瓦礫処理、原子力発電所事故の収束に一定のメドが付くまでは責任をもって仕事をさせて貰いたい」
▼特別復興委で答弁する菅直人6月9日(時事通信)
菅直人は9日の衆院復興特別委で、そう答弁した。瓦礫処理という発言を捉え、メディアは「8月まで続投の意欲」と報じたが、西岡議長は曖昧だと批判。実際、翌日になると退陣時期は更に先送りされた。
「生活がちゃんとできるか、孤立死の問題に責任を持って引き継がないといけない」
仮設住宅の着工完了ではなく、被災者の生活環境も見守るという。この期に及んでも菅直人は、被災者を“人質”にして官邸に籠城する方針だ。復興が遅れるだけ政権が延命する「悪魔の図式」である。
▼悲劇の現場に立つ菅直人4月2日(AP通信)
それでも6月2日に年明けまでの居座りを示唆した菅政権がコーナーに追い詰められ、サンドバッグ状態になっていることは確かだ。
【菅政権サポーターの“鬼子豹変”】
「辞めるとかそういう事がこの文書に書いてある訳でもないし、私の聞いていた限りでそういう議論があったとは考えていません」
伝書鳩が錯乱した菅との覚書。6月2日夜のニュース番組に生出演した岡田克也は、勝ち誇った表情で退陣説を一蹴。閣僚の多くも見事にカネを騙し取った詐欺師のように高笑いし、極めて傲慢な態度だった。
▼退陣を完全否定する岡田6月2日(NNN)
逃げ遂せると考えていたのだ。ところが菅政権への逆風は予想以上に強く、一気にトーンダウン。6月4日、視察先で取材に応じた岡田克也は前言を翻し、こう明言した。
「辞めることを前提で話をしたのは事実だ」
180度発言が変わっている。また同じ日、枝野官房長官や国対委員長の安住淳も「首相の居座り」を否定。幹事長ら全力で首相を支えるべき要職の人物が相次いで、ハシゴを外した。
▼長期居座り説を否定する枝野6月4日(NNN)
豹変の背景は、党内からの批判・突き上げだった。国会新聞社の宇田川敬介氏によると両院議員総会の開催を求める署名が200以上集まった他、菅の違法献金を問題視する声も出始めたという。
「こうなった以上は潔く早期退陣を鮮明にし、政治の局面転換を急ぐよりあるまい」「こんな文書を取り交わしたことで勝負はついていた」「震災への対応では総大将らしさ見せられず、失態も目立った」
6月4日付朝日新聞は1面に主筆の辞任勧告論文を掲載した。執筆したのは菅のブレーンとされる若宮啓文。影響力は不明だが、少なくとも朝日新聞は、それまで菅政権の有力なサポーターであった。
▼不信任否決で一礼する菅直人6月2日(時事通信)
「まあ朝日さんが菅内閣のスポークスマンみたいなことを仰るとは思わなかったけども…」
西岡議長が会見で絶句したのは4月14日のことだ。菅批判を強める西岡議長に対し、朝日新聞記者は「政権に至らざることもある」などと首相側近のような口ぶりで擁護し、詰問を続けたのだ。
■5'45”から朝日記者との応酬
昨年末からTPP推進などを条件に菅支援の密約を取り交わしていたと噂されていた朝日新聞。記者が菅批判に因縁をつける姿は象徴的だった。それが一転、最後通牒を突き付けたことは余りにも滑稽だ。
同時に、西岡議長が強い信念のもと4月の段階から「菅降ろし」を訴えていたことに驚く。それは自民党執行部よりも力強く、的確な批判だった。
【辞任要求…波紋呼ぶ異例の寄稿文】
「参議院議長としては黙っていられないという気持ちです」
4月7日、西岡議長が震災対応で菅政権の猛批判を行った。官邸に乱立する対策本部、復興構想会議が税制にまで言及したことに憤慨。余りの無策ぶりを嘆き、こう切って捨てた。
「菅内閣が今の状態で日本の国政を担当するということは許されないと思うんです、将来にわたって」
▼定例会見で批判強める西岡議長4月7日
これだけも痛烈だが、更に翌週4月14日、西岡議長は震災関連法案が1本も出ていないなど対応の遅さとリーダーシップの欠如を指摘。見放すように、こう言い放った。
「総理大臣の考え方が出てこなければ、これ、お辞めになったらいいんじゃないかと思うんです」
▼都内で講演する西岡議長4月26日(産経新聞)
異例の辞任要求だ。こうした主張に菅の飼い犬記者が牙を噛み付いたのだが、少しも怯まなかった。繰り返し「想定外」を強調する菅直人らを講演で糾弾。続く4月28日の会見では名言も飛び出した。
「『急流で馬を乗り換えるな』という言葉があるが、急流を渡れず流されているのであれば、馬を乗り換えなければならない」
Don't change horses in the midstream. リンカーンが大統領選中に用いたスローガンが起源だ。西岡議長によると、この言葉は激流に立ち向かう雄々しさを前提にしたものだという。
▼菅と接触する西岡議長4月15日(産経新聞)
さらに西岡議長の発言は続き、5月に入ると菅辞任を訴えた論文を読売新聞に寄せ、それが19日付け紙面に掲載される。同じ民主党の三権の長による異例の“最後通牒”だ。
なぜ直後に緊急事態法をまとめ立法化を図らなかったか…首相の責任を曖昧にした会議乱立、10万人規模の自衛隊員動員でも開かなかった安全保障会議…西岡議長は菅政権の法律無視を徹底的に糾弾した。
▼インタビュー受ける西岡議長5月17日(産経)
実に的を射た指摘である。時間は前後するが、読売への寄稿情報をキャッチした産経新聞は単独インタビューを試み、5月18日付紙面に掲載された。そこで出たのが「内閣不信任決議のススメ」だ。
【不信任否決でも決意変わらず】
「会期末に不信任案を出したって何にもならないですよ。それでは遅すぎます。やはりサミット前に不信任案を出すのが常道だと思いますよ」
サミットを1週間後に控えた時期の衝撃発言だ。菅内閣の閣僚が反発する一方、党内の一部からは歓迎の声。波紋が広がる中、会見で改めて「菅の何がダメなのか」と問われた西岡議長は、あっさり答えた。
「全部です」
▼会見で質問に答える西岡議長5月19日(NNN)
注水問題の大迷走が始まる直前だった。この後、原発対応で菅を責め立てた野党が不信任案提出の動きを加速させ、小沢被告らを巻き込んだ緊急事態に繋がったことは記憶に新しい。
「今日のこの機会が国難を切り抜けていく転機点になると思う」
6月2日午前の会見で西岡議長は、そう語った。午前中の段階では可決が濃厚だったのだ。そして切り崩しに遭った後も西岡議長は小沢被告に対し、出席して賛成票を投じるよう薦めたという。
▼会見に臨む西岡議長6月2日午前(産経新聞)
辞任詐欺による菅の続投、勝利宣言に近い当日夜の会見…4月から菅の即時辞任を求めていた西岡議長の夢は潰えたかに見えた。だが、菅退陣の流れが塞き止められることはなかった。
「菅首相の指導力のなさが、初動を遅らせ、原発事故の収束を遅らせ、震災対応を、今なお遅らせています」「私は今後も引き続き、菅首相の即時辞任を求めます」
6月6日、会見に臨んだ西岡議長は、そう言い放った。また首相周辺から続出した長期続投の否定発言や、メディアに情報を流しつつ仙谷由人が公然と動いた大連立工作にもクギを刺した。
「政府高官、与党幹事長の皆さんは、他人事のように勝手な発言をされているが、実は、皆さんは菅首相と『共同正犯』であることをくれぐれもお忘れないように」
菅直人のクビを差し出して延命を謀る民主党執行部の黒い思惑は、見透かされている。
【首相問責のギャベルを叩く時】
退陣の流れに沿って民主党内では「ポスト菅」を模索する動きが活発化。お家芸とも言える代表選をめぐる混乱だ。野田財務相や鹿野農水相らの名前が挙がるが、西岡議長は一喝する。
「政権の中枢に関わった皆さん方が『次をどうするか』ということを言う資格はまったくない」
▼参院予算委の野田&鹿野ら6月10日(時事通信)
この発言は主に野田擁立工作に向けられている。キングメーカー然として野田佳彦を担ぐのは仙谷だ。思い起こせば、尖閣事件対応で仙谷を批判していたのも西岡議長だった。
民主党執行部は月内退陣・7月上旬の代表選を視野に調整を始めている模様だ。8月以降の続投を狙う菅直人はカヤの外、政権末期のレームダックも甚だしい。
▼談笑する仙谷と野田の横で…(ZAKZAK)
復興基本法案の成立が17日にも見込まれる中、次に鍵を握るのは特例公債法案。民主党はこの法案成立と引き替えにした菅退陣をチラつかせているが、野党が簡単に呑むことはない。
一方、不信任案という切り札を使った野党側も行き詰まっている。政治評論家も下手にコメントできない混迷ぶりだ。睨み合いが続く状況下、6月9日の緊急会見で西岡議長は意味深長な発言をした。
「菅首相の下で国会審議ができるのか、皆さんに考えて貰わないといけない」
参院議員に向けた発言で、首相問責決議案の提出を野党に促すものと解釈される。内閣不信任案と違い、法的拘束力はないが、末期の菅政権を揺さぶる数少ない手段だ。
参院では代々木や民社党が棄権に回っても「たちあがれ日本」や自民など4党の賛成で可決する。興味深いのは、その際の参院民主党の動向だ。反対票を取りまとめるのは参院のドン・輿石東である。
▼マニフェスト検証委の輿石ら6月9日(時事通信)
輿石は小沢と共に求心力を失いつつあるが、反執行部の急先鋒東。加えて参院には小沢時代に当選した民主党の1年生も多い。素直に菅支持を打ち出すのか…代表選にも影響を及ぼす可能性がある。
▼参院でのサミット報告6月1日(産経新聞)
首相問責決議でギャベル(木槌)を叩くのは、参院議長。これまで菅を猛批判してきた西岡議長にとって問責可決は援護弾、そして最高の晴れ舞台となる。仕掛ける価値は充分だ。
〆
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参照:(↓読売寄稿文を読むことが出来ます)
☆花うさぎの「世界は腹黒い」5月19日『西岡参院議長、読売に「菅首相退陣を求める」長文の寄稿!』
☆陸奥月旦抄5月24日『西岡武夫参議院議長の菅政権批判を支持する』
☆参院HP『参議院議長定例記者会見等』
参考記事:
■産経新聞4月7日『 西岡参院議長会見(1)「菅内閣が今の状態で日本の国政を担当することは許されない」』
■産経新聞4月7日『西岡参院議長会見(4)「参院議長として黙っていられない」』
■産経新聞4月14日『西岡参院議長会見(2)「(菅首相は)お辞めになったらいいんじゃないか。議長の枠にとどまって傍観できない」』
■産経新聞4月14日『西岡参院議長会見(4)「政府の対応が遅すぎると言っているんです」』
■産経新聞4月14日『西岡参院議長会見(3)「リーダーシップを持った方がやらなきゃだめだ」』
■産経新聞4月26日『西岡議長「想定外、で逃げるな」菅政権を批判』
■時事通信4月26日『汚染水放出は「国際的犯罪」=西岡参院議長』
■ZAKZAK5月12日『小沢よりも怖いゾ…西岡参院議長“菅潰し”へ超党派議連』
■時事通信5月12日『浜岡停止、首相判断に疑問=西岡参院議長』
■産経新聞5月18日『西岡武夫参院議長 サミット前に内閣不信任案を 国難で菅首相が「最大不幸」』
■読売新聞5月26日『会談求めたら「ドタ菅された」…西岡参院議長』
■産経新聞6月6日『西岡氏の「所感」全文 「首相は即刻辞任を」「怒りを抑えることはできない」』
■日経新聞6月9日『自民総裁「延命のための会期延長認めず」』
■ZAKZAK6月10日『野田潰し!“狡猾”仙谷が跋扈する…民主に漂う陰鬱ムード』
「『首相として適格ではない』と言い尽くした」
参議院の西岡武夫議長は6月9日、改めて菅の即時辞任を求めた。居座り続けようとするサギ総理に対し、もう呆れ果てた様子だ。菅直人は3日の閣議で口走った通年国会についてもバッサリ斬る。
「1年中国会をやるという話は、菅さんが延命の為だけに言っただけで、震災復興や原発事故処理の為に開いておくのではない。そうした批判が出て来ないのが不思議だ」
不信任否決後、焦点に浮上した菅内閣の退陣時期。6月10日の参院予算委でも野党側が追及したが、反日サギ男は「一定のメドが付くまでの責任」を強調し、辞任や退陣という言葉は一切、口にしなかった。
「仮設住宅、瓦礫処理、原子力発電所事故の収束に一定のメドが付くまでは責任をもって仕事をさせて貰いたい」
▼特別復興委で答弁する菅直人6月9日(時事通信)
菅直人は9日の衆院復興特別委で、そう答弁した。瓦礫処理という発言を捉え、メディアは「8月まで続投の意欲」と報じたが、西岡議長は曖昧だと批判。実際、翌日になると退陣時期は更に先送りされた。
「生活がちゃんとできるか、孤立死の問題に責任を持って引き継がないといけない」
仮設住宅の着工完了ではなく、被災者の生活環境も見守るという。この期に及んでも菅直人は、被災者を“人質”にして官邸に籠城する方針だ。復興が遅れるだけ政権が延命する「悪魔の図式」である。
▼悲劇の現場に立つ菅直人4月2日(AP通信)
それでも6月2日に年明けまでの居座りを示唆した菅政権がコーナーに追い詰められ、サンドバッグ状態になっていることは確かだ。
【菅政権サポーターの“鬼子豹変”】
「辞めるとかそういう事がこの文書に書いてある訳でもないし、私の聞いていた限りでそういう議論があったとは考えていません」
伝書鳩が錯乱した菅との覚書。6月2日夜のニュース番組に生出演した岡田克也は、勝ち誇った表情で退陣説を一蹴。閣僚の多くも見事にカネを騙し取った詐欺師のように高笑いし、極めて傲慢な態度だった。
▼退陣を完全否定する岡田6月2日(NNN)
逃げ遂せると考えていたのだ。ところが菅政権への逆風は予想以上に強く、一気にトーンダウン。6月4日、視察先で取材に応じた岡田克也は前言を翻し、こう明言した。
「辞めることを前提で話をしたのは事実だ」
180度発言が変わっている。また同じ日、枝野官房長官や国対委員長の安住淳も「首相の居座り」を否定。幹事長ら全力で首相を支えるべき要職の人物が相次いで、ハシゴを外した。
▼長期居座り説を否定する枝野6月4日(NNN)
豹変の背景は、党内からの批判・突き上げだった。国会新聞社の宇田川敬介氏によると両院議員総会の開催を求める署名が200以上集まった他、菅の違法献金を問題視する声も出始めたという。
「こうなった以上は潔く早期退陣を鮮明にし、政治の局面転換を急ぐよりあるまい」「こんな文書を取り交わしたことで勝負はついていた」「震災への対応では総大将らしさ見せられず、失態も目立った」
6月4日付朝日新聞は1面に主筆の辞任勧告論文を掲載した。執筆したのは菅のブレーンとされる若宮啓文。影響力は不明だが、少なくとも朝日新聞は、それまで菅政権の有力なサポーターであった。
▼不信任否決で一礼する菅直人6月2日(時事通信)
「まあ朝日さんが菅内閣のスポークスマンみたいなことを仰るとは思わなかったけども…」
西岡議長が会見で絶句したのは4月14日のことだ。菅批判を強める西岡議長に対し、朝日新聞記者は「政権に至らざることもある」などと首相側近のような口ぶりで擁護し、詰問を続けたのだ。
■5'45”から朝日記者との応酬
昨年末からTPP推進などを条件に菅支援の密約を取り交わしていたと噂されていた朝日新聞。記者が菅批判に因縁をつける姿は象徴的だった。それが一転、最後通牒を突き付けたことは余りにも滑稽だ。
同時に、西岡議長が強い信念のもと4月の段階から「菅降ろし」を訴えていたことに驚く。それは自民党執行部よりも力強く、的確な批判だった。
【辞任要求…波紋呼ぶ異例の寄稿文】
「参議院議長としては黙っていられないという気持ちです」
4月7日、西岡議長が震災対応で菅政権の猛批判を行った。官邸に乱立する対策本部、復興構想会議が税制にまで言及したことに憤慨。余りの無策ぶりを嘆き、こう切って捨てた。
「菅内閣が今の状態で日本の国政を担当するということは許されないと思うんです、将来にわたって」
▼定例会見で批判強める西岡議長4月7日
これだけも痛烈だが、更に翌週4月14日、西岡議長は震災関連法案が1本も出ていないなど対応の遅さとリーダーシップの欠如を指摘。見放すように、こう言い放った。
「総理大臣の考え方が出てこなければ、これ、お辞めになったらいいんじゃないかと思うんです」
▼都内で講演する西岡議長4月26日(産経新聞)
異例の辞任要求だ。こうした主張に菅の飼い犬記者が牙を噛み付いたのだが、少しも怯まなかった。繰り返し「想定外」を強調する菅直人らを講演で糾弾。続く4月28日の会見では名言も飛び出した。
「『急流で馬を乗り換えるな』という言葉があるが、急流を渡れず流されているのであれば、馬を乗り換えなければならない」
Don't change horses in the midstream. リンカーンが大統領選中に用いたスローガンが起源だ。西岡議長によると、この言葉は激流に立ち向かう雄々しさを前提にしたものだという。
▼菅と接触する西岡議長4月15日(産経新聞)
さらに西岡議長の発言は続き、5月に入ると菅辞任を訴えた論文を読売新聞に寄せ、それが19日付け紙面に掲載される。同じ民主党の三権の長による異例の“最後通牒”だ。
なぜ直後に緊急事態法をまとめ立法化を図らなかったか…首相の責任を曖昧にした会議乱立、10万人規模の自衛隊員動員でも開かなかった安全保障会議…西岡議長は菅政権の法律無視を徹底的に糾弾した。
▼インタビュー受ける西岡議長5月17日(産経)
実に的を射た指摘である。時間は前後するが、読売への寄稿情報をキャッチした産経新聞は単独インタビューを試み、5月18日付紙面に掲載された。そこで出たのが「内閣不信任決議のススメ」だ。
【不信任否決でも決意変わらず】
「会期末に不信任案を出したって何にもならないですよ。それでは遅すぎます。やはりサミット前に不信任案を出すのが常道だと思いますよ」
サミットを1週間後に控えた時期の衝撃発言だ。菅内閣の閣僚が反発する一方、党内の一部からは歓迎の声。波紋が広がる中、会見で改めて「菅の何がダメなのか」と問われた西岡議長は、あっさり答えた。
「全部です」
▼会見で質問に答える西岡議長5月19日(NNN)
注水問題の大迷走が始まる直前だった。この後、原発対応で菅を責め立てた野党が不信任案提出の動きを加速させ、小沢被告らを巻き込んだ緊急事態に繋がったことは記憶に新しい。
「今日のこの機会が国難を切り抜けていく転機点になると思う」
6月2日午前の会見で西岡議長は、そう語った。午前中の段階では可決が濃厚だったのだ。そして切り崩しに遭った後も西岡議長は小沢被告に対し、出席して賛成票を投じるよう薦めたという。
▼会見に臨む西岡議長6月2日午前(産経新聞)
辞任詐欺による菅の続投、勝利宣言に近い当日夜の会見…4月から菅の即時辞任を求めていた西岡議長の夢は潰えたかに見えた。だが、菅退陣の流れが塞き止められることはなかった。
「菅首相の指導力のなさが、初動を遅らせ、原発事故の収束を遅らせ、震災対応を、今なお遅らせています」「私は今後も引き続き、菅首相の即時辞任を求めます」
6月6日、会見に臨んだ西岡議長は、そう言い放った。また首相周辺から続出した長期続投の否定発言や、メディアに情報を流しつつ仙谷由人が公然と動いた大連立工作にもクギを刺した。
「政府高官、与党幹事長の皆さんは、他人事のように勝手な発言をされているが、実は、皆さんは菅首相と『共同正犯』であることをくれぐれもお忘れないように」
菅直人のクビを差し出して延命を謀る民主党執行部の黒い思惑は、見透かされている。
【首相問責のギャベルを叩く時】
退陣の流れに沿って民主党内では「ポスト菅」を模索する動きが活発化。お家芸とも言える代表選をめぐる混乱だ。野田財務相や鹿野農水相らの名前が挙がるが、西岡議長は一喝する。
「政権の中枢に関わった皆さん方が『次をどうするか』ということを言う資格はまったくない」
▼参院予算委の野田&鹿野ら6月10日(時事通信)
この発言は主に野田擁立工作に向けられている。キングメーカー然として野田佳彦を担ぐのは仙谷だ。思い起こせば、尖閣事件対応で仙谷を批判していたのも西岡議長だった。
民主党執行部は月内退陣・7月上旬の代表選を視野に調整を始めている模様だ。8月以降の続投を狙う菅直人はカヤの外、政権末期のレームダックも甚だしい。
▼談笑する仙谷と野田の横で…(ZAKZAK)
復興基本法案の成立が17日にも見込まれる中、次に鍵を握るのは特例公債法案。民主党はこの法案成立と引き替えにした菅退陣をチラつかせているが、野党が簡単に呑むことはない。
一方、不信任案という切り札を使った野党側も行き詰まっている。政治評論家も下手にコメントできない混迷ぶりだ。睨み合いが続く状況下、6月9日の緊急会見で西岡議長は意味深長な発言をした。
「菅首相の下で国会審議ができるのか、皆さんに考えて貰わないといけない」
参院議員に向けた発言で、首相問責決議案の提出を野党に促すものと解釈される。内閣不信任案と違い、法的拘束力はないが、末期の菅政権を揺さぶる数少ない手段だ。
参院では代々木や民社党が棄権に回っても「たちあがれ日本」や自民など4党の賛成で可決する。興味深いのは、その際の参院民主党の動向だ。反対票を取りまとめるのは参院のドン・輿石東である。
▼マニフェスト検証委の輿石ら6月9日(時事通信)
輿石は小沢と共に求心力を失いつつあるが、反執行部の急先鋒東。加えて参院には小沢時代に当選した民主党の1年生も多い。素直に菅支持を打ち出すのか…代表選にも影響を及ぼす可能性がある。
▼参院でのサミット報告6月1日(産経新聞)
首相問責決議でギャベル(木槌)を叩くのは、参院議長。これまで菅を猛批判してきた西岡議長にとって問責可決は援護弾、そして最高の晴れ舞台となる。仕掛ける価値は充分だ。
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☆花うさぎの「世界は腹黒い」5月19日『西岡参院議長、読売に「菅首相退陣を求める」長文の寄稿!』
☆陸奥月旦抄5月24日『西岡武夫参議院議長の菅政権批判を支持する』
☆参院HP『参議院議長定例記者会見等』
参考記事:
■産経新聞4月7日『 西岡参院議長会見(1)「菅内閣が今の状態で日本の国政を担当することは許されない」』
■産経新聞4月7日『西岡参院議長会見(4)「参院議長として黙っていられない」』
■産経新聞4月14日『西岡参院議長会見(2)「(菅首相は)お辞めになったらいいんじゃないか。議長の枠にとどまって傍観できない」』
■産経新聞4月14日『西岡参院議長会見(4)「政府の対応が遅すぎると言っているんです」』
■産経新聞4月14日『西岡参院議長会見(3)「リーダーシップを持った方がやらなきゃだめだ」』
■産経新聞4月26日『西岡議長「想定外、で逃げるな」菅政権を批判』
■時事通信4月26日『汚染水放出は「国際的犯罪」=西岡参院議長』
■ZAKZAK5月12日『小沢よりも怖いゾ…西岡参院議長“菅潰し”へ超党派議連』
■時事通信5月12日『浜岡停止、首相判断に疑問=西岡参院議長』
■産経新聞5月18日『西岡武夫参院議長 サミット前に内閣不信任案を 国難で菅首相が「最大不幸」』
■読売新聞5月26日『会談求めたら「ドタ菅された」…西岡参院議長』
■産経新聞6月6日『西岡氏の「所感」全文 「首相は即刻辞任を」「怒りを抑えることはできない」』
■日経新聞6月9日『自民総裁「延命のための会期延長認めず」』
■ZAKZAK6月10日『野田潰し!“狡猾”仙谷が跋扈する…民主に漂う陰鬱ムード』
この記事へのコメント
内閣総辞職のうえ、平沼赳夫氏もしくわ西岡武夫議長を頭に、解散総選挙を前提にした救国暫定連立内閣が筋だと思っているんですが、筋を通さない民主党だから望み薄ですかね?
こうした状況を見るにつけても真正保守の結集が待たれます。遠回りでもそれが日本再生への一番近道ではないでしょうか。
ところで、菅直人がここまで総理の座にしがみつくのは、権力欲だけが理由なのではなく
▲後任者によって復興が手際よく進んだら立つ瀬がないこと
▲不正献金や原発処理での訴追を恐れていること
など、口が裂けても言えない理由があるからなのでは?
椿事件に言及するまでもなく、第4の権力、マスコミを相手に我々のかつすべはないかと思われます。
解散総選挙になったところで、どうせまたマスコミの集中砲火が自民党に寄せられることになるのでしょう。
だったら、
不信任案決議が否決されて、官民主党が更なる醜態をさらす、というのもありがたいことかもしれません、
が、なんか最近民主主義の限界を感じます。
それにしても、その朝日新聞が菅を批判する分岐点とは何なのでしょうか。
それさえわかれば、なんとかマスコミを退治できるような気がするのですが、、、
これって、米国は金を使わず貰いっぱなしで植民地支配をしているということでしょう。
真の主権回復を目指すなら、やはり日本もフィリピンのように米軍基地ノー!といわなければ。
しかし米傀儡霞ヶ関政権の力が強い現在、最も効果的な戦略は国会決議で「日米地位協定」を即時一方的に破棄することだと思います。外交条約批准の可否という国会の専決事項を国会で行う。これには米帝政府も相手が国会議員であるゆえいくら霞ヶ関官僚を遠隔操作しても国会内破棄決議を左右できないから手が出せません。
この「地位協定即時破棄緊急国会決議」によってのみ、日本が米軍事政権の「核の牧場」という65年間以上続く植民地支配から脱出することができ、真の独立国として国際連合に復帰できると考えられます。
また、非核三原則の日本は米軍事政権の「核の牧場」政策によって基地拡大だけでなく同時に原発濫造をも強いられていますから、地位協定を国会で破棄決議することによって「米軍基地ノー!」と同時に「原発ノー!」も非核三原則の国策のもとに世界に対して堂々と宣言できることになります。
日本が目指すべき道はスイスのような「永世中立国」しかないのは、島国民族としての国際感覚のなさからくる要領の悪さでは、外交はかなりハンディーがあり、戦前の失敗を繰り返すことは間違いないからです。
鎖国体制が最も適しているとは思いますが、いくら何でもこれはね・・
「滑稽」というのは、やや楽観的ではございませんか?
鳩山元総理辞任前夜に、雰囲気が似ていませんか?
一見中立のメディアが、菅前総理を厳しく批判すればするほど、新しく担ぎ上げた総理大臣の株は相対的に上がります。
そこでまさかの解散総選挙+メディア一斉援護射撃となりますと、保守は勝てるのでしょうか?
野田佳彦財務相が代表の政党支部に政治献金していたソフトウエア会社の男性社長が、税務当局の強制調査(査察)を受けていた問題で、社長側は仙谷由人官房副長官や馬淵澄夫首相補佐官らの団体にも資金提供していたことが13日、産経新聞の調べで分かった。提供は平成10年以降、判明分だけで野田氏も含め与野党10議員側に上り、総額434万円に及んでいる。
政治資金収支報告書などによると、社長側は17年、仙谷氏の関係政治団体「21世紀改革研究会」のパーティー券30万円分を購入。21年には馬淵氏の資金管理団体「まぶち会」に社長が20万円を個人献金した。産経新聞の取材に、仙谷氏の事務所は「社長は知人から紹介を受けた。違法性が認められればしかるべき対応を取る」、馬淵氏の事務所は「推移を見て今後の対応を判断する」とした。
民主党では、他にも太田和美衆院議員が代表の「民主党福島県第2区総支部」に21年、同社が10万円を企業献金している。
自民党では他にも菅義偉元総務相、中川秀直元官房長官、二階俊博元経済産業相、古屋圭司衆院議員、加藤勝信衆院議員の関係政治団体が10~21年にかけ、社長側から24万~50万円の企業献金を受領していた。各事務所は「収支報告書記載の通り」などとしている。
関係者によると、社長は実質支配する関連会社を使い、社員寮の建設費を水増し発注するなどして数億円の所得を隠し、法人税約1億円を免れた疑いがある。税務当局は、法人税法違反罪での告発も視野に調査を進めているとみられる。
社長のソフトウエア会社をめぐっては、野田氏が代表の「民主党千葉県第4区総支部」に対し、15年に20万円、17年に30万円を寄付していたことが既に判明している。
2011.6.14
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110614/crm11061401530006-n1.htm