侵犯船ビデオの情報制御空間…証拠映像は複数存在する
衆院予算委が侵犯船ビデオの提出を議決。だが民主党政権は国民への公開を拒否する構えだ。証拠映像は巡視船以外からも撮影されていた。そこに映り込んでいる事件の核心とは何か…
「ビデオは海保に返却した。あとは海保の判断」
シナ侵犯船の暴力船長が釈放された9月24日、地検関係者は産経新聞に対し、返却を明言していた。これを受ける形で、馬淵国交相も証拠ビデオの公開について、こう言及した。
「状況を見ながら対応を見守りたい」
ところが、政府側はその後、証拠ビデオは「捜査資料」として那覇地検が保管していると主張。菅直人も9月28日の記者質問で、ビデオ提出は「検察庁の判断」と突き放した。
▼ぶら下がりで答える菅直人9月28日(産経新聞)
これは公判前の訴訟資料を原則非公開とする刑事訴訟法47条を盾にした菅政権の証拠隠匿だった。暗黒弁護士・仙谷由人が智恵入れしたことは間違いない。釈放時の「処分保留」という“玉虫色決着”も同じだ。
「中国に配慮する官邸サイドの意向を受けた判断」
一連の経緯について海保幹部は、そう証言する。しかし12日の衆院予算委で石破茂政調会長は、容疑者が既に帰国していることから「公判が開かれる可能性はない」と指摘。仙谷由人も答弁で渋々、認めた。
「事実上、そういうことになるだろうと私も思う」
事務的な処理を除き、侵犯船事件の捜査は終結。刑事事件の初公判には被告人の出廷が必要だが、その可能性はゼロだ。「裁判資料」として検察が保管する理由はない。
衆院予算委は9月13日午後、証拠ビデオの提出を那覇地検に求めることを全会一致で議決した。だが、議決には具体的な公開方法が含まれず、菅政権側は当面、非公開を貫く方針だ。
▼提出を議決した衆院予算委10月13日(産経新聞)
証拠ビデオの取り扱いは、今後、衆院予算委の理事会で協議されるが、一部国会議員への公開に限定される恐れが高いという。それでは国民が「主体的に外交」を考える材料にはならない。
これまでに判明している証拠映像の中身は断片的で、ごく僅かだ。
【ビデオを見た海保関係者らの証言】
「意図的でないと考えられない動き」
事件発生直後、巡視船「よなくに」が撮影した映像を見た海上保安庁関係者は、侵犯船の異常な動きについて、そう証言していた。この時の状況を最も詳しく語っているのが前原外相だ。
「中国漁船が舵を切って体当たりしてきた。故意ではなくミスなら、エンジンを逆回転して離れる措置を取るはずだが、そうした形跡はまったくない」
▼答弁する前原外相9月28日(産経新聞)
9月28日に開かれた参院外交防衛委員会での証言だ。これに先立ち、前原外相は国交相時代の9月10日に「体当たりは明確」と答弁していたが、その際「DVDで見た」と答えている。
「バッチリ撮れている。公務執行妨害でいこう」
そう叫んだのは9月7日に映像を見たという那覇地検関係者だ。また同じく事件当日、霞ヶ関の海上保安庁で激突の瞬間映像を見た保安官は印象を、こう語る。
「近付いて来たな。危ないな。来るぞ。アッ、ぶつかったと心の中で叫んだ」
▼傷跡が生々しい「みずき」10月8日(琉球新報)
これらの証言は、逮捕に至った激突の瞬間に関するものばかりで、前後の状況は不明だ。その中、映像を見た関係省庁の政務三役の1人が発した言葉は、異質だった。
「あれは公開してはいけない。あれを見たら『中国人ふざけるな』と国民感情が燃え上がってしまう」
▼船長のポーズに日本人は既に憤慨9月25日(AFP)
シナ侵犯船は執拗に攻撃を繰り返した。だが、船舶が激突した瞬間だけを見て、果たして多くの日本人が反中感情を一気に高めるか疑問だ。更に映像を見たという民主党幹部は、こう言い切る。
「ビデオを出したら国民は激高するだろうな」
誰もが反感を抱き、怒りに震えるようなシーンが映像に収められているのだ。
【挑発的な行動…カメラ撮影する“漁民”】
9月7日午後0時55分、停止命令を無視して暴走する侵犯船に11管の巡視船「みずき」が強行接舷。侵犯船に乗り込んだ海上保安官がエンジンを止めた。その一部始終がビデオで撮影されている。
「みずき」の保安官が撮影した映像は、現場海域に展開していた指揮船「はてるま」に届けられ、直ちに霞ヶ関の海上保安庁に電送。午後4時頃、オペレーションルームで映像が再生された。
▼陸揚げされた「みずき」10月8日(琉球新報)
その映像は実に2時間40分。巡視船を追い払うかのようなジェスチャーをする乗組員の他、読売新聞によると、侵犯船のデッキに立つ簷其雄が延々と挑発的な行動を取る模様も写っていたという。
「挑発的な行動」とは何なのか…仕草ではないのだ。デッキにある備品類を投げつけるなど具体的な妨害行為があったと想定できる。恐らく、「国民が激高」する要素が、そこ刻み込まれている。
▼石垣港の侵犯船と「よなくに」9月8日(読売新聞)
また、延々と挑発行動を続ける簷其雄が無言だったとは考えられない。エンジン音が激しく、鮮明に聴き取れるケースは少ないが、和訳すれば日本人が激怒するような罵声を浴びせていた可能性もある。
更に、侵犯船の乗組員が一般漁民ではあり得ない行動を取っていた模様も映り込んでいるのではないか…事件直後、石垣島に入った海洋安全保障の専門家・山田吉彦教授は、異常な目撃証言を入手している。
「私の友人が見ていたのですが、船(侵犯船)が着いた時、船内から漁船の乗組員がビデオカメラで、乗り込む海保の捜査員や岸壁に立っている人達まで撮影していた。これは通常の漁船では考えられません」
山田教授は最新号の『文藝春秋』誌でも同様の目撃情報を紹介している。侵犯船の乗組員が何故かビデオカメラを持っていたことは確実で、恐らく、逃走時や激突時にもカメラを回していたはずだ。
撮影は侵犯船の操舵室からと想定できるが、映像を解析すれば、その異様な行動も明らかになる。やはり単なる漁船ではなかった…これも日本人が改めて釈放に憤慨する大きな要素になるだろう。
さらに証拠となる映像は、1種類だけではなく、複数存在する。
【事件当時の撮影映像は5種類ある】
「中国側に実情をはっきりと伝えることが、一義的には重要。ひとつには正確な情報として漁船がこちらに衝突してきたこと。それが中国政府あるいは国民に正確に伝わっているかどうか疑問だ」
中共側が発狂姿勢を隠さなかった9月21日、北沢俊美防衛相は、ビデオの公開を念頭に置いて、そう発言していた。内弁慶の典型的な民主党閣僚で10月11日の日支防衛相“会談”では何も抗議できなかった。
▼立ち話する北沢と梁光烈10月11日(ロイター)
先月の勇ましい発言は、自らも証拠映像を見ていたことを示唆している。北沢俊美も証拠映像を見た閣僚の1人だ。ただし、それが海保のビデオとは限らない。海自も当日、上空から現場を撮影している。
海自のP3C哨戒機は毎日、少なくとも1回、尖閣海域を飛行し、監視活動を行っている。9月7日、海保のレーダーが領海侵犯を確認し、緊急態勢に入ったのは午前9時過ぎだった。
▼那覇基地に駐機するP3C1月(時事通信)
発生した最初の攻撃が起きた10時15分までにP3Cが現場海域へ到着していたことは確実である。監視活動中のP3Cにとって目標物の撮影も重要な任務だ。
レーダーで対象を補足し、接近した後、機体の左側にある専用の窓から静止画・動画を撮影する。この為、P3Cは常に目標物を左方向に据えて飛行する。
▼外国コンテナを識別するP3C9月15日(時事通信)
侵犯船事件の1週間後、東シナ海で続くP3Cの監視活動が一部メディアに公開されたが、その際の写真も外国籍のコンテナ船を機体左側に据えて飛行している。ここで注目するのは高度の低さだ。
目標物発見後は、海面から約30㍍の低空を飛ぶという。9月7日の事件当日も単に侵犯船の航行を撮影していただけでなかく、船上の細かい動きまで捕捉していたはずである。
▼石垣港に向う侵犯船9月8日(読売新聞)
このP3C哨戒機や「みずき」の映像以外に、巡視船「よなくに」や「はてるま」も船上からも撮影。現場海域を旋回していた海保ヘリからの映像を加えれば、5種類ほど存在する。
証拠映像は、たっぷりだ。
【民主党政権の情報統制が完成する】
ネット上では「実は海上保安官が海に突き落とされていた」とする類いの噂が急速に拡大。西村眞悟前議員や石垣市議が紹介した“過去のケース”と混同した模様だが、公務執行妨害罪の適用も関係している。
公務執行妨害罪の構成要素は公務員への「暴行・脅迫」だ。「故意の衝突」は明白だが、より直接的な襲撃が立件の決め手になったと考えるのも自然で、その辺りが国民に疑心暗鬼を生じさせている。
▼侵犯船への立ち入り調査9月7日(海保提供)
一方、尖閣周辺海域の全景も謎だ。海保のレーダーが当日朝、久場島附近で捉えた船影は、領海内30隻・領海外40隻だったという。大船団が押し寄せていたのだ。
その中の1隻が単独で巡視船に攻撃を仕掛けてきたとは思えない。組織的な行動で、背後には“監視船”が控えていた可能性もある。その日、尖閣海域で何が起きていたのか…それが映像公開の核心だ。
▼P3Cから望む久場島9月15日(時事通信)
P3Cの撮影映像は機密に相当し、公開されることはないが、防衛相を始め、政府三役も閲覧が可能。ところが、自衛隊の最高指揮官である総理大臣は、海保ビデオさえも「見ていない」と言って憚らない。
何度も繰り返すが、リスク管理の甘さではなく、危機を危機と認識することが出来ないのだ。村山富市を越えている…これは我が国にとって本当の危機だ。
▼予算委で眠たげな菅直人10月13日(時事通信)
首相が無関心を決め込む中、民主党の幹部はビデオを見ていた。「国民が激高する」と語った人物だが、それが事件当時に外相だった岡田克也でなければ、大問題となる。
関係省庁の高官や閣僚・副大臣クラスがビデオを見るのは職務上も当然である。しかし、政府に属さない党幹部が、非公開映像を見ることは許されない。党が政府の上に君臨してはならないのだ。
▼予算委で気色ばむ仙谷由人10月13日(時事通信)
侵犯船ビデオの公開問題は、民主党政権が本格的な情報統制に踏み切るか否かの試金石だ。一部議員への公開に留めるなら、それは平和賞絡みで外国報道を軒並みブラックアウトした中共と何ら変わらない。
これは「知る権利」といったレベルではなく、党独裁による情報コントロールだ。国民への公開が実現されなければ、その時、もはや我が国は民主党の情報制御空間に覆われたと断定する。
〆
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参照:
防衛省HP9月21日『大臣会見概要』
参考記事:
■産経新聞10月8日『漁船衝突ビデオ 公開先延ばし・責任押し付け…政府、国民無視の対中配慮(阿比留記者)』
■琉球新報10月9日『衝突の巡視船 糸満で修理に 尖閣沖事件』
■毎日新聞9月30日『中国漁船・尖閣領海内接触:検証 船長の釈放/衝突の経緯/逮捕の判断』
■時事通信:特集『尖閣諸島 緊張の海』
■読売新聞9月29日『「悪質な中国漁船」示す狙い…衝突ビデオ提出へ』
■読売新聞9月29日『尖閣の主権守る…外相「船長逮捕は当然」』
■読売社説9月30日『衝突ビデオ開示 正当性示すためにも不可欠だ』
■産経新聞9月24日『【中国人船長釈放】海上保安庁「われわれも悔しい…」ビデオ公開の道筋みえず』
「ビデオは海保に返却した。あとは海保の判断」
シナ侵犯船の暴力船長が釈放された9月24日、地検関係者は産経新聞に対し、返却を明言していた。これを受ける形で、馬淵国交相も証拠ビデオの公開について、こう言及した。
「状況を見ながら対応を見守りたい」
ところが、政府側はその後、証拠ビデオは「捜査資料」として那覇地検が保管していると主張。菅直人も9月28日の記者質問で、ビデオ提出は「検察庁の判断」と突き放した。
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これは公判前の訴訟資料を原則非公開とする刑事訴訟法47条を盾にした菅政権の証拠隠匿だった。暗黒弁護士・仙谷由人が智恵入れしたことは間違いない。釈放時の「処分保留」という“玉虫色決着”も同じだ。
「中国に配慮する官邸サイドの意向を受けた判断」
一連の経緯について海保幹部は、そう証言する。しかし12日の衆院予算委で石破茂政調会長は、容疑者が既に帰国していることから「公判が開かれる可能性はない」と指摘。仙谷由人も答弁で渋々、認めた。
「事実上、そういうことになるだろうと私も思う」
事務的な処理を除き、侵犯船事件の捜査は終結。刑事事件の初公判には被告人の出廷が必要だが、その可能性はゼロだ。「裁判資料」として検察が保管する理由はない。
衆院予算委は9月13日午後、証拠ビデオの提出を那覇地検に求めることを全会一致で議決した。だが、議決には具体的な公開方法が含まれず、菅政権側は当面、非公開を貫く方針だ。
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証拠ビデオの取り扱いは、今後、衆院予算委の理事会で協議されるが、一部国会議員への公開に限定される恐れが高いという。それでは国民が「主体的に外交」を考える材料にはならない。
これまでに判明している証拠映像の中身は断片的で、ごく僅かだ。
【ビデオを見た海保関係者らの証言】
「意図的でないと考えられない動き」
事件発生直後、巡視船「よなくに」が撮影した映像を見た海上保安庁関係者は、侵犯船の異常な動きについて、そう証言していた。この時の状況を最も詳しく語っているのが前原外相だ。
「中国漁船が舵を切って体当たりしてきた。故意ではなくミスなら、エンジンを逆回転して離れる措置を取るはずだが、そうした形跡はまったくない」
▼答弁する前原外相9月28日(産経新聞)
9月28日に開かれた参院外交防衛委員会での証言だ。これに先立ち、前原外相は国交相時代の9月10日に「体当たりは明確」と答弁していたが、その際「DVDで見た」と答えている。
「バッチリ撮れている。公務執行妨害でいこう」
そう叫んだのは9月7日に映像を見たという那覇地検関係者だ。また同じく事件当日、霞ヶ関の海上保安庁で激突の瞬間映像を見た保安官は印象を、こう語る。
「近付いて来たな。危ないな。来るぞ。アッ、ぶつかったと心の中で叫んだ」
▼傷跡が生々しい「みずき」10月8日(琉球新報)
これらの証言は、逮捕に至った激突の瞬間に関するものばかりで、前後の状況は不明だ。その中、映像を見た関係省庁の政務三役の1人が発した言葉は、異質だった。
「あれは公開してはいけない。あれを見たら『中国人ふざけるな』と国民感情が燃え上がってしまう」
▼船長のポーズに日本人は既に憤慨9月25日(AFP)
シナ侵犯船は執拗に攻撃を繰り返した。だが、船舶が激突した瞬間だけを見て、果たして多くの日本人が反中感情を一気に高めるか疑問だ。更に映像を見たという民主党幹部は、こう言い切る。
「ビデオを出したら国民は激高するだろうな」
誰もが反感を抱き、怒りに震えるようなシーンが映像に収められているのだ。
【挑発的な行動…カメラ撮影する“漁民”】
9月7日午後0時55分、停止命令を無視して暴走する侵犯船に11管の巡視船「みずき」が強行接舷。侵犯船に乗り込んだ海上保安官がエンジンを止めた。その一部始終がビデオで撮影されている。
「みずき」の保安官が撮影した映像は、現場海域に展開していた指揮船「はてるま」に届けられ、直ちに霞ヶ関の海上保安庁に電送。午後4時頃、オペレーションルームで映像が再生された。
▼陸揚げされた「みずき」10月8日(琉球新報)
その映像は実に2時間40分。巡視船を追い払うかのようなジェスチャーをする乗組員の他、読売新聞によると、侵犯船のデッキに立つ簷其雄が延々と挑発的な行動を取る模様も写っていたという。
「挑発的な行動」とは何なのか…仕草ではないのだ。デッキにある備品類を投げつけるなど具体的な妨害行為があったと想定できる。恐らく、「国民が激高」する要素が、そこ刻み込まれている。
▼石垣港の侵犯船と「よなくに」9月8日(読売新聞)
また、延々と挑発行動を続ける簷其雄が無言だったとは考えられない。エンジン音が激しく、鮮明に聴き取れるケースは少ないが、和訳すれば日本人が激怒するような罵声を浴びせていた可能性もある。
更に、侵犯船の乗組員が一般漁民ではあり得ない行動を取っていた模様も映り込んでいるのではないか…事件直後、石垣島に入った海洋安全保障の専門家・山田吉彦教授は、異常な目撃証言を入手している。
「私の友人が見ていたのですが、船(侵犯船)が着いた時、船内から漁船の乗組員がビデオカメラで、乗り込む海保の捜査員や岸壁に立っている人達まで撮影していた。これは通常の漁船では考えられません」
山田教授は最新号の『文藝春秋』誌でも同様の目撃情報を紹介している。侵犯船の乗組員が何故かビデオカメラを持っていたことは確実で、恐らく、逃走時や激突時にもカメラを回していたはずだ。
撮影は侵犯船の操舵室からと想定できるが、映像を解析すれば、その異様な行動も明らかになる。やはり単なる漁船ではなかった…これも日本人が改めて釈放に憤慨する大きな要素になるだろう。
さらに証拠となる映像は、1種類だけではなく、複数存在する。
【事件当時の撮影映像は5種類ある】
「中国側に実情をはっきりと伝えることが、一義的には重要。ひとつには正確な情報として漁船がこちらに衝突してきたこと。それが中国政府あるいは国民に正確に伝わっているかどうか疑問だ」
中共側が発狂姿勢を隠さなかった9月21日、北沢俊美防衛相は、ビデオの公開を念頭に置いて、そう発言していた。内弁慶の典型的な民主党閣僚で10月11日の日支防衛相“会談”では何も抗議できなかった。
▼立ち話する北沢と梁光烈10月11日(ロイター)
先月の勇ましい発言は、自らも証拠映像を見ていたことを示唆している。北沢俊美も証拠映像を見た閣僚の1人だ。ただし、それが海保のビデオとは限らない。海自も当日、上空から現場を撮影している。
海自のP3C哨戒機は毎日、少なくとも1回、尖閣海域を飛行し、監視活動を行っている。9月7日、海保のレーダーが領海侵犯を確認し、緊急態勢に入ったのは午前9時過ぎだった。
▼那覇基地に駐機するP3C1月(時事通信)
発生した最初の攻撃が起きた10時15分までにP3Cが現場海域へ到着していたことは確実である。監視活動中のP3Cにとって目標物の撮影も重要な任務だ。
レーダーで対象を補足し、接近した後、機体の左側にある専用の窓から静止画・動画を撮影する。この為、P3Cは常に目標物を左方向に据えて飛行する。
▼外国コンテナを識別するP3C9月15日(時事通信)
侵犯船事件の1週間後、東シナ海で続くP3Cの監視活動が一部メディアに公開されたが、その際の写真も外国籍のコンテナ船を機体左側に据えて飛行している。ここで注目するのは高度の低さだ。
目標物発見後は、海面から約30㍍の低空を飛ぶという。9月7日の事件当日も単に侵犯船の航行を撮影していただけでなかく、船上の細かい動きまで捕捉していたはずである。
▼石垣港に向う侵犯船9月8日(読売新聞)
このP3C哨戒機や「みずき」の映像以外に、巡視船「よなくに」や「はてるま」も船上からも撮影。現場海域を旋回していた海保ヘリからの映像を加えれば、5種類ほど存在する。
証拠映像は、たっぷりだ。
【民主党政権の情報統制が完成する】
ネット上では「実は海上保安官が海に突き落とされていた」とする類いの噂が急速に拡大。西村眞悟前議員や石垣市議が紹介した“過去のケース”と混同した模様だが、公務執行妨害罪の適用も関係している。
公務執行妨害罪の構成要素は公務員への「暴行・脅迫」だ。「故意の衝突」は明白だが、より直接的な襲撃が立件の決め手になったと考えるのも自然で、その辺りが国民に疑心暗鬼を生じさせている。
▼侵犯船への立ち入り調査9月7日(海保提供)
一方、尖閣周辺海域の全景も謎だ。海保のレーダーが当日朝、久場島附近で捉えた船影は、領海内30隻・領海外40隻だったという。大船団が押し寄せていたのだ。
その中の1隻が単独で巡視船に攻撃を仕掛けてきたとは思えない。組織的な行動で、背後には“監視船”が控えていた可能性もある。その日、尖閣海域で何が起きていたのか…それが映像公開の核心だ。
▼P3Cから望む久場島9月15日(時事通信)
P3Cの撮影映像は機密に相当し、公開されることはないが、防衛相を始め、政府三役も閲覧が可能。ところが、自衛隊の最高指揮官である総理大臣は、海保ビデオさえも「見ていない」と言って憚らない。
何度も繰り返すが、リスク管理の甘さではなく、危機を危機と認識することが出来ないのだ。村山富市を越えている…これは我が国にとって本当の危機だ。
▼予算委で眠たげな菅直人10月13日(時事通信)
首相が無関心を決め込む中、民主党の幹部はビデオを見ていた。「国民が激高する」と語った人物だが、それが事件当時に外相だった岡田克也でなければ、大問題となる。
関係省庁の高官や閣僚・副大臣クラスがビデオを見るのは職務上も当然である。しかし、政府に属さない党幹部が、非公開映像を見ることは許されない。党が政府の上に君臨してはならないのだ。
▼予算委で気色ばむ仙谷由人10月13日(時事通信)
侵犯船ビデオの公開問題は、民主党政権が本格的な情報統制に踏み切るか否かの試金石だ。一部議員への公開に留めるなら、それは平和賞絡みで外国報道を軒並みブラックアウトした中共と何ら変わらない。
これは「知る権利」といったレベルではなく、党独裁による情報コントロールだ。国民への公開が実現されなければ、その時、もはや我が国は民主党の情報制御空間に覆われたと断定する。
〆
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参照:
防衛省HP9月21日『大臣会見概要』
参考記事:
■産経新聞10月8日『漁船衝突ビデオ 公開先延ばし・責任押し付け…政府、国民無視の対中配慮(阿比留記者)』
■琉球新報10月9日『衝突の巡視船 糸満で修理に 尖閣沖事件』
■毎日新聞9月30日『中国漁船・尖閣領海内接触:検証 船長の釈放/衝突の経緯/逮捕の判断』
■時事通信:特集『尖閣諸島 緊張の海』
■読売新聞9月29日『「悪質な中国漁船」示す狙い…衝突ビデオ提出へ』
■読売新聞9月29日『尖閣の主権守る…外相「船長逮捕は当然」』
■読売社説9月30日『衝突ビデオ開示 正当性示すためにも不可欠だ』
■産経新聞9月24日『【中国人船長釈放】海上保安庁「われわれも悔しい…」ビデオ公開の道筋みえず』
この記事へのコメント
菅:人質にとられたままでは私の政権が持ちません。閣下のご命令にはいかようにでも従いますので何とか善処のほどを。
温:我が国の領海を侵犯して、我が国の漁船に体当たりしてきたのはお前の方であるぞよ。お前はこのことを分かっているのだろうな!
菅:仰せのとおりでございます。
温:ならば、どうする?
菅:日本の領海だとは主張しません。もちろん、海保のビデオも公開しませんです、ハイ。
温:よろしい。では、折を見て残りの一人も解放して進ぜよう。
ビデオは日本側が撮影した複数のものだけでなく、シナ側が撮影したものもあった。それは山田教授の指摘からも明らかです。であるが故に、船長の逮捕だけでなく、全員の逮捕と船舶および荷物の押収をすべきだった。ヤツ等は中共政府のおぼえを目出度くするために、海保をいたぶった様を細大漏らさずビデオに収めている筈です。
「ビデオを観ていない」職務放棄だ。「たとえば防犯カメラ設置している我が家に泥棒が侵入した場合、犯人は逃がすは防犯カメラは観ていないと同一の意味」・・・
衆院予算委理事会マターになっていた証拠ビデオの取り扱いは、関係閣僚の協議で仙谷に一任されることになった模様。これまでの言動から映像の完全封印は間違いなく、国民の側から強く開示を強く求める必要があります。
既に広く知れ渡っていると想像して、告知しませんでしたが、明けて今日(10月16日)、六本木で大規模デモの第2弾が行われます。少しでも前回の人数を上回りたいところです。
よろしくお願いします。
http://dogma.at.webry.info/200703/article_28.html
勉強になります。
中国の反日デモはやってるけど・・・
これでよしとすべきなんでしょうか
NHKの視聴者係として公開されている057○-066-066の番号、不当に上乗せ通話料を取られるだけで効果無し。
抗議の電話にオペレーターは慣れているようで、のらりくらり流される。
何度か電凸して向こうが白状したが「うちはNHKと別会社です」って言いやがった。
あなたの地元、都道府県のNHK支局に電話抗議したほうが効果的。
東京の場合はNHKの別な部署にかけると良いかも。
シナ大使館にどなって抗議しましたが、警察の悪巧みにあい。5人づつにわけられました。
3000人を越える人たちを5人にわけるのですよ!
クーデターを考えなければいけないのでしょうか!
普天間基地移設問題が宙ぶらりんの最中、NHKの目的は
見え見えですね(笑)
米軍叩きと第二次大戦時の日本軍叩き番組はやっても、
中国政府によるチベット人虐殺ネタやウイグル人虐殺ネタ
はスルーするNHK。
チベット人やウイグル人は武器すら持てず、中国政府を批判
するデモしたら投獄され虐殺されるのに。
2010年10月17日(日) 午後9時00分~9時49分 総合
貧者の兵器とロボット兵器
~自爆将軍ハッカーニの戦争~
アフガニスタンで続く泥沼の戦い。武装集団は「貧者の兵器」
と呼ばれる旧式の銃や爆弾で戦い、アメリカは「ロボット兵器」
で攻撃する。知られざるいびつな戦場の姿を描く。
今度の中国漁船領海侵犯事件の捜査と衝突ビデオ非公開の一件は、仙谷奸謀長官と検察の大林宏の二人の連携作業なのではないか。
今の日本政府与党は、外形は違うが中身はシナの思想言論統制主義と同じになっていて、過激な左翼のイデオロギーを内面化したチンピラ左翼が権力機構の頂点に立ち、彼らの理想と目標に従って国体が破壊されつつある亡国左翼国家である。