東アジア黙示録  

アクセスカウンタ

zoom RSS 不毛な6カ国協議など無用…中朝の時間稼ぎは許されず

<<   作成日時 : 2006/11/20 20:10   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 7 / コメント 7

APECは北朝鮮に誤ったメッセージを伝えた。当初11月中とも囁かれた6カ国協議は大幅にずれ込み、年内開催も危うい。これ以上、中朝の時間稼ぎに付合う必要もなければ、6カ国協議も不要だ。
画像

「理解できない野蛮な行為で、解決のため引き続き協力したい」

プーチン大統領は安倍首相との会談で拉致問題に対し、異例の極めて強い口調で非難した。この発言が北朝鮮国内で翻訳されることを想定すると「野蛮な」という単語の持つ意味は大きい。

しかし、18日に閉幕したAPECでは我が国が外交的優位に立つシーンは殆ど見られなかった。

日米は北朝鮮非難の文言をコミュニケに盛り込むことを求めていたが、結局、文書化できず、一段弱い議長声明に盛り込まれただけだった。

共同宣言からの北朝鮮非難除外を画策していたのは中共であった。韓国がそれに追随する形で結局、中共の思惑通りに進んだようだ。

15日から始まったAPEC閣僚会合を前に、シェルパ役の各国外交官は、詰めの作業を行っていた。しかし、駆け引きは共同宣言が出される直前まで続いていた模様だ。

議長声明格下げを決定的にしたのは、最終日の朝方に行われた米中首脳会談だったと見られている。
親玉同士の手打ちだ。
画像

この日、ブッシュ大統領は胡錦濤の滞在するハノイ市内のホテルを訪れ、米中首脳会談を行った。この段階でコミュニケから外すことは固まっていたと見る。

ちなみに産經新聞によると、胡錦濤は会談が決まった各国首脳を自分の滞在するホテルに呼び付け、中共が迎え入れる形式を取ったと言う。それを突っぱねたのはプーチン一人だった…

安全保障をテーマにした2日目の首脳会議で、北朝鮮問題の口火を切ったのは安倍首相であった。

「6カ国協議を歓迎するが、開催自体が目的ではない。北朝鮮が非核化に向けた約束を果たす具体的行動を取るよう国際社会が圧力をかけていく必要がある」
画像

また拉致問題については…
「このような非人道的行為が許されないことを国際社会の総意として北朝鮮に伝えることが重要だ」

非難のトーンはかなり強い。こうした安倍首相の発言に対して米豪から同調する声が出され、ブッシュ大統領は「拉致問題を6カ国協議で取り上げていくことが大切だ」と言明した。

中共外交部は、米中首脳会談で交わされた会話の一部を明らかにしている。ブッシュ大統領は北朝鮮に対してこう述べたと言う。

「正しい行動と道筋を促すメッセージを送らなければならない」

それでも共同宣言に北朝鮮非難が盛り込まれることはなかった。

この結末は、金正日へ誤ったメッセージを発信する結果になったのではないか。

【12月中の開催に黄色信号】

APEC閉幕後、米国のヒル国務次官補が20日から北京を訪れることが公表された。
素早い行動だ。
恐らくヒル次官補はハノイでの何らかの米中合意を受け、中共の6カ各国協議担当者・武大偉と詰めの作業を進めるだろう。

一部報道は、12月中の開催に向け意見交換する為と報じているが、果たしてそう簡単にことが進むだろうか。

先月19日の唐家セン訪朝後、11月中にも6カ国協議が開催されるとの観測が支配的だった。しかし、日数が経つに従い、開催時期は先延ばしされているようだ。

本当に12月中の開催は可能なのか?

大胆に予測するとチャンスは2回。
12月1日〜7日
12月16日〜22日

まず、12月8日から13日までフィリピン・セブ島でASEAN首脳会議と第2回東アジアサミットが開催される。
画像

  (メーン会場はまだ建設途中)

ここで日中韓の首脳が再び顔を揃えるが、米国は埒外だ。ちなみに小泉前首相が署名の際に温家宝からペンを借りたのは、第1回東アジアサミットでの出来事だった。

ヒル次官補のスピーディーな動きを見ると、この会議前の6カ国協議スタートを狙っているようだ。

ヒルが北京で北朝鮮密使と交渉し、合意に至れば今週中にも協議日程が明かされる可能性もある。しかし、それに失敗すれば、12月上旬の開催はない。

一方、12月中旬に米中首脳会談が行われることが決まった。スケジュール的には、14日以降となる。その際に米中首脳の口から6カ国協議開催の確定日時が明かされる可能性もあるだろう。

胡錦濤とブッシュの面子が立つからだ。

だが、次の6カ国協議は1週間程度のマラソン交渉になる見通しが高い。クリスマス休暇が始まることを考えれば、遅くとも12月16〜17日から始まる日程が望ましい。年内ギリギリの開催だ。

タイミングは限られている。

中共の意図は東アジアサミットでも北朝鮮問題を議題から外し、会議の主導権を握ることではないか。

第1回目のクアラルンプール会合で明らかになったように、中共は自らが提唱する「東アジア共同体」構想を推し進める為にこの会合を利用し、米国抜きでの共同体構築を企んでいる。

6カ国協議開催をちらつかせながら、我が国を牽制して来るに違いない。今回のAPEC同様、中共が国際会議の主人公になる為には、その要素が欠かせないのだ。

北朝鮮の核実験さえも自国の戦略に有利に組み入れようとする悪どいやり方である。

米中首脳会談の直後に6カ国協議が開催されなければ、年内の開催はほぼ絶望的だ。果たして、そんな綱渡り状態で北朝鮮を誘い込むことが出来るのだろうか…

【6カ国協議など潰してしまえ】

10月9日の核実験強行によって、これまで6カ国協議を牽引してきた中共の役割は幕を下ろした。ホストとして何ら指導力を発揮できなかったばかりか、北の核保有を前進させる結果を招いたのだ。

まずその失敗が問われなければならないだろう。

結果責任を負わずに中共が今後も主導的な立場を保持することは本来、許されない。
画像

6カ国協議は2003年8月に第一回会合が開かれた。

核開発を巡って米国との直接対話を求める北朝鮮と、クリントン外交の失敗から2国間取引を嫌う米国との間で溝が深まった。そこで折衷案として浮上したのが、ステークホルダーを巻き込んだ多国間のテーブルであった。

米朝交渉の代替案である。

協議が難航し、長引くにつれて仲介役である中共の存在感が大きくなっていることを警戒する。

この期に及んで米朝が本格的な直接交渉に踏み出せば、それは6カ国協議前の段階に遡行することに他ならない。

3年の歳月は何だったのか…北朝鮮に核実験を準備させ、実行させただけではないか。

その一方でホスト役の中共は、何ら効果的な役割を果たせず、国際会議の場で6カ国協議を“人質”にして主導権を握り続けている。

6カ国協議など無用だ。

不毛な議論は北朝鮮と中共の時間稼ぎに利用されるだけだ。更に盧武鉉にとっても「対話継続」は都合が良い。そうした近隣諸国の思惑が交錯する中、多国間協議は我が国にとって余りにも実利に乏しいのが現状だ。

引き延ばしの時間も、不毛な議論も我が国には迷惑でしかない。

逆に、6カ国協議など潰しにかかっても良いだろう。

「対話」の時代はとっくに終わっているのだ。

【国連決議を軸に圧力一本で追い込め】

話し合いに実りがなければ、後は「圧力」しかない。示談で解決できなければ、司法判断に委ねるのが正しい順序だ。

金正日への判決文は既に出されている。安保理決議1718号がそれだ。

1718号は、IAEA監視員の原状復帰やWMD拡散防止の船舶検査実施など、北朝鮮封じ込めの要素がおおよそ揃っている。

これは昨年9月、第4回6カ国協議で打ち出された共同声明よりも踏み込んだ内容なのだ。次回の協議でもこの共同声明が叩き台になるが、それは国連決議軽視の後退でしかない。
画像

日本のメリットは余りにも少ないのだ。

我が国が目指すべきは、北朝鮮への武力行使であり、金正日の強制排除だ。それにはもう二段強い国連決議が必要となるが、米国に頼り切った姿勢も転換しなければならないだろう。

国際社会の動きとは別に、我が国は更なる独自制裁案を連続して打ち出す必要がある。

その意味では日本・EUが連携し、17日に国連第3委員会で採択された北朝鮮人権非難決議は効果的だった。初めて賛成に回った韓国に対して北朝鮮当局が口汚く罵る姿など痛快である。
画像

この決議案は12月中に国選総会の本会議での採択を目指している。もし6カ国協議とタイミングが合えば、相乗効果をもたらし、中朝を牽制する材料になろう。

しかし、それだけでは甘い…

北朝鮮の核実験強行から既に2ヵ月半近くが経過するが、中韓の巻き返しで北朝鮮封じ込め策は穴だらけになりつつある。

どうらや時間は金正日に味方しているようだ。

そもそも米国がイラクへの武力行使で足掛かりにした決議1441号と1718号には大きな違いがあった。1718号には査察受け入れのタイムリミットが設けられていないのだ。いつの時点で北朝鮮の決議不履行と見なし、次の制裁決議に進むのか明示されていない。

玉虫色にしたのは米中の意向だ。

6カ国協議のテーブルは日本が率先してヒックリ返しても良いだろう。利害関係国の綱引きを眺めていても解決には至らない。

新しい枠組みを造る時が来ているのだ。

それにはEUや人権大国カナダなどの参加が必要であろう。願わくば「人権」を踏み絵にした反北朝鮮連合であって欲しい。

核・拉致・ミサイル

我が国が打ち出している対北戦略の正しさを、今こそ国際社会で堂々と主張し、中共の時間稼ぎを断罪しなければならない。

         〆

ランキングに参加しました
クリック1つが敵に浴びせる銃弾1発となります

banner1

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(7件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
本日買った『うれしい本』
本日近所の書店で、〔『タブー』の世界地図帳:日本文芸社〕という本を購入。 探していた本に出合えた瞬間でした。 久しぶりに本を手に取り、うれしさが湧き上がりました。 そんな一冊。。。 この場をお借りして、簡単に& ...続きを見る
日出処の民
2006/11/21 01:47
日中、日朝関係に蠢くアメリカの影
中共がBDA(バンコ・デルタ・アジア)に凍結中の北口座の一部... ...続きを見る
もののふのこころ
2006/11/21 16:02
★北は支那の猿真似。
≪支那(中国)をお手本とする北朝鮮政策≫ 〜彼らが『核武装』する理由〜 ...続きを見る
Flight to Freedom/神の...
2006/11/22 01:44
沖縄を平成の出島に
沖縄振興策  沖縄をいつまでも展望もなく軍事基地に頼るままにしては良くない。平成の出島として自由貿易地域として活用することだ。長崎出島の現代版だ。中韓両国との交易を沖縄に限定する。江戸時代にオランダ交易のため長崎に出島を造ったように。中韓両国との交易を沖縄に限定することが沖縄の振興策になる。これは対馬の振興策にもなる。米軍の勝手な移転に膨大の資金を出すな。米国の曖昧外交戦略が中国の軍拡をもたらした。そして日本駐留の継続の狙いは不安定だからこそ駐留の意味があると思わせることだ。  ...続きを見る
異議あり!
2006/11/22 13:47
沖縄を平成の出島に
沖縄振興策  沖縄をいつまでも展望もなく軍事基地に頼るままにしては良くない。平成の出島として自由貿易地域として活用することだ。長崎出島の現代版だ。中韓両国との交易を沖縄に限定する。江戸時代にオランダ交易のため長崎に出島を造ったように。中韓両国との交易を沖縄に限定することが沖縄の振興策になる。これは対馬の振興策にもなる。米軍の勝手な移転に膨大の資金を出すな。米国の曖昧外交戦略が中国の軍拡をもたらした。そして日本駐留の継続の狙いは不安定だからこそ駐留の意味があると思わせることだ。  ...続きを見る
異議あり!
2006/11/22 13:47
6カ国協議で最終調整 進展なければ休会へ  債務整理 管理人から一言お知らせ
債務整理 管理人から一言お知らせ北朝鮮の核実験の問題が世間を賑わしていますが、ふと気がつくと、自分の借金の問題が小さくなっているのに気がつきました。借金が減ったからではなく、それよりも大きな問題が世界にあるということを認識したから... ...続きを見る
債務整理、任意整理、特定調停について弁護...
2006/12/23 01:22
louis vuitton outlet
不毛な6カ国協議など無用…中朝の時間稼ぎは許されず 東アジア黙示録  /ウェブリブログ,?is raksts tika uzrakst?ts prec?zu Tom?r, ja j?s v?laties, lai var?tu apskat?t saist?tos rakstus, j?s varat apskat?t inform?ciju ?eit:louis vuitton outlet,http://www.fortsask.ca/fortsask/lv.aspx ...続きを見る
louis vuitton outlet
2013/11/09 22:03

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
6カ国協議は過去も現在も無力だった。未来も無力であるに違いない。

露・支・韓は論外としても、同盟国である米国にも米国の事情がある。
KEDO以来の対話路線が無力であったことがそれを証明している。

>我が国が目指すべきは、北朝鮮への武力行使であり、金正日の強制排除だ。
確かに目指すは、その方向しかない。でなければ何も解決しない。

NATOも当初から比べると大幅に間口を拡げている。EUやカナダなど人権を踏み絵にした反北朝鮮連合に加え、日本がNATOに加盟する選択肢も探ったらいい。
考えられる全ての選択肢を検討すべきと思います。
平成退屈男
2006/11/21 13:16
ランキング、遂にベストテン入り!!〜♪〜♪
いつも勉強させていただいてます。これからもよろしく。
平成退屈男
2006/11/21 13:20
>平成退屈男さま
こちらこそ、宜しくお願いします。
どうも米国の動きが怪しい。なんか第一次核危機の集結シナリオをなぞるような予感がしてきました。
あのクリントン外交の果てに我が国はテポドンを撃たれましたから、その二の舞は是非避けたい。
すべての選択肢を検討するのは最良ですね。
また、安全保障でハシゴを外されるケースも想定して熟考していかなければ…
アネモネ
2006/11/21 18:45
 北朝鮮を追い詰めるには、もっと強力な制裁が必要だと思います。
とても不思議に思うのですが、なぜ朝鮮総連のトップを逮捕しないのでしょうか。そうすれば非常に効果的な制裁になると思います。
まりりん
2006/11/21 21:04
>まりりん様
もう2段階強力&角度の違う制裁を早く打ち出して貰いたいです。
総連筋では例の「科協」に踏み込めば、黒い材料がうなる程出てくると考えますが、果たして今年中にGOサインが出るか…確率は低そうで残念です。
アネモネ
2006/11/22 00:48
麻生さんが6者協議再開を吐き捨てるように何の進展も期待していないような事をおっしゃってたことを理解できました。
kame
2006/11/22 04:43
>kameさま
麻生外相はそのような事を語っていましたか…率直な想いだと想像できます。協議を突っぱねる訳には行かない我が国の苦しい立場が分かりますね。協議が完全な失敗に終わり、独自制裁の強化に踏み出す事を期待しています。
アネモネ
2006/11/22 20:57

コメントする help

ニックネーム
本 文

Links

不毛な6カ国協議など無用…中朝の時間稼ぎは許されず 東アジア黙示録  /BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる