日中首脳会談に仕掛けられた罠はあるか?

5年ぶりの日中首脳会談には我が国の国益にプラスとなる材料はあるのか?会談の主要テーマに北の核実験問題が急浮上する一方で、既に外務省が中共指導部との裏取引に応じていた可能性も出てきた。顔見せ興行に終始しなかった場合、旧来の密約外交が復活する恐れもある。
画像

安倍首相の訪中は公式訪問となった。政府が発表したスケジュールによると8日に北京入りし、9日午前にソウル到着。そして同日夜に帰国する。

一部報道は、共同声明ではなくプレスリリースが会談後に発表される見込みだ、と伝えている。気になるその中身は「未来志向」を謳ったものになるというが…

【首脳会談にメリットはあるか】

外交では文書完成が成否を占う鍵とされる。

日中間の懸案事項はAランクのものだけでも唸るほどある。

☆シナ白樺ガス田盗掘問題
☆シナ遺棄化学兵器捏造問題
☆シナ犯罪組織輸出問題
☆シナ軍機領域侵犯問題
☆シナ違法著作物管理問題

本来はどれも恫喝してしかるべき問題だが、この中で合意点に辿りつけそうなモノはひとつもない。小泉時代から変わらないのは、日中首脳会談を行ったとしても、日本に利する要素が殆ど見いだせないことだ。

恐らく8日の夜には、北朝鮮の核実験宣告に関する首脳合意の報道発表が出されるだろう。それに伴い、首脳会談では北朝鮮問題で突っ込んだ話し合いがもたれる。表面的には6カ国協議復帰を促す程度のものだが、背後で日本側は瀋陽周辺での金融制裁徹底と中共の金正日延命策凍結を要求し、胡錦濤の出方を探ると見られる。
画像

しかし、核実験問題は10月に浮上したテーマである。今回の日中首脳会談に向けて、外交当局は半年以上の下準備期間を設け、詰めの調整を行っていたと分析されている。

そこで何をテーマに協議が続いていたのかが、首脳会談受け入れまでの下地を想像するうえで重要だ。

なぜ安倍首相は北京入りを決意していたのか?

2点ある。

ひとつは前述した北朝鮮包囲網の拡大であり、同時に中共の金正日延命支援凍結を促すものだ。この問題は7月のミサイル乱射によって、日中のトップレベルが直接話し合う必要性が生じていた。

もう一点ある。

【口約束で操り人形化した屈中外交】

「アジア外交の空白を招いた」とされる小泉外交批判を裏返すためである。

日中間の懸案はいずれも中共側に責任があるが、野党や自民媚中派&売国メディアは小泉前首相による「靖国参拝」の一点が原因だとアナウンスしてきた。根本原因が日本側にあり、それが取り除かれれば、日中関係はスムーズに進展するという理屈だ。

朝日新聞5日付社説にはこう書かれている。

「小泉前首相が靖国神社への参拝を繰り返したことで、首脳同士が会えないという異常な事態になっていた。(略)この異常事態がどれだけ大きな損失をもたらしてきたことか」

“大きな損失”が何なのかは、示されていない。具体的に何だ?それは国益ではなく、朝日の“社益”ではないか。

まず「外交の空白」を非難した連中は、空白によって日本の国益がどうのように損なわれたか、ついに明示することはなかった。同じく、こうした連中が日中間の諸問題を無視し、不参拝ならガス田盗掘問題まで解決される勢いで語っていたことは記憶に新しい。

首脳会談実現で日本国に実利があるとすれば「日中のトップ会談が実現しても中共側の対外政策が全く変わらない」という事実を内外に示せることだろう。

さらに「文書を取り交わす」という正式な外交に中共を引きずり込ませるのが肝要だ。
これまでの日中外交の問題点は、合意文書よりも、口約束=紳士協定を優先し、それに縛られてきたことだ。

田中角栄から野中~橋本ラインに至るまで、その時々の中共幹部と交わした密約が優先され、中共はそうした密約の履行を要求してきた。日中友好声明にまつわる軍民二分論、ODA談合、最近では靖国3閣僚不参拝が有名だ。
画像

合意内容を文書化してサインするという当たり前の作業がなされてこなかった。それを国際社会のルールに基づかせるだけでも大きな進展と言える。

【除去された政治的障害とは?】

4日に出された中共外交部の声明にはゾッとする一文が紛れ込んでいる。

「中日双方は、両国関係に影響を及ぼす政治的障害の克服と、両国の友好協力関係の健全な発展の促進で一致した」

会談確定にあたって「政治的障害の克服で一致した」とは何を意味するのか?

これまでの中共の言を借りれば、政治的障害=靖国参拝だ。中共が叫んできた“最大の懸案”は、もう決着済みなのか…実に不気味な表現だ。

安倍首相の「明言せず」という方針に頭の固い中共がオーケーしたのか?だとしたら胡錦濤の大転換だが、中共に関して甘い観測は禁物だ。

連中は謀略の限りを尽くし、34年間も政治家とメディア幹部を籠絡し、日本国民を見事なまでに洗脳してきた。あの天安門虐殺で国際的な非難を浴びながらも、わずか2年足らずでイメージを回復させたことを忘れてはならないだろう。

【ボールには何と書かれていたか】

日中の外務次官による協議は9月23日から26日まで都内で断続的に連続して行われていたようだ。先のエントリでこの次官級協議に最終決定権がないと非難したが、一部報道では、安倍首相は中川秀直=北京ラインを切って、谷内=戴秉国ラインを優先させた可能性が指摘されてる。
画像

組閣作業と平行して進められていたこの4日間東京会議が最終的な方向性を決定付けたとの分析も出始めているようだ。

この協議は2日間の日程で開始された「第6回総合政策会合」いわゆる「日中戦略対話」である。

そのスケジュールはやや混乱していた。

24日には開かれず、25日に再開。また26日夕方には1時間半協議が行われて閉幕している。

共にメーンの出席者は谷内外務次官と戴秉国外務次官だ。背後にどのうような外交スタッフがいたか不明である。
この席では合意に至らなかったというのが、一般的な報道だった。
要約すると…

「日本側は安倍首相の靖国参拝“あいまい戦術”の理解を求めたが、中共側は会談再開には政治的障害の排除が必要と主張し、協議は平行線に終わったとみられる」

進展しなかったという見方だったが、結果は違った。
戴秉国が日本側の返答を北京に持ち帰ったところ、胡錦濤がGOサインを出したのだ。

日本側が投げたボールを中共サイドがキャッチしたことになるが、果たしてそのボールには何と書かれていたのか?

1)胡錦濤の訪日招請(国賓待遇)
2)追加円借款の増額
3)靖国不参拝表明

胡錦濤が意思を固めるまでの日数の短さから考えると、3番目が匂うし、それ以外には考えられないような気もする。

しかし、それでは完全な裏取引外交であり、来春の例大祭後に早くも密約が表沙汰になる可能性もある。安倍政権がそこまで譲歩する利点があるのだろうか、疑問だ。

断続的な4日間の協議が「押し問答」に終始するわけがない。もう少し高度なテクニックが使われたに違いないだろう。戴秉国は協議期間中に何度も中南海の意向を伺いながら、細部を詰めて行ったのではないか?イエスかノーで割り切れる問題を「詰める」のは不自然だ。

一方、この話し合いで「靖国参拝明言せず」を胡錦濤が了解したのなら、外務省的には谷内外務次官の大手柄だ。画期的でもある。

小泉参拝前後の中共のリアクションや、安倍首相が官房長官時代の今年8月に「参拝明言せず」の方針を自らリークしたことなど読むと、多少は中共側が譲歩した可能性もある。

もっと深読みすると、この夏に突然出てきた「参拝明言せず」とは日中の妥協点だったのではないか?

例えそうであっても、胡錦濤のメンツを守る為に、公に語られることはないだろう。中共メディアが会談後、「靖国」という文言を使うか使わないかで、おおよその判断はできるが。

【真の日中友好もいらない】

5年ぶりの日中首脳会談。その一部内容が判るのは「運命の8日夜」だが、それは表向き当たり障りのないものだろう。実際に反応が出て来るのは年末から来年にかけてだ。結論は急がない方がベターである。
画像

これまで日本国総理の訪中では、例外なく手土産を持参していた。大半が円借款絡みのマネーである。カネを袋に包みながらも哀れな土下座外交を繰り広げていたのだ。

安倍訪中でその風向きが少しでも変われば歴史的な転換と言える。通常の2国間外交に戻すだけなのだが、長い屈中外交の汚れを拭うには相応の時間が必要だ。

黒いパイプとなって暗躍していた媚中議員らを完全に無力化しなければならない。国益に反する各種の日中友好団体も軒並み抹殺する必要がある。

ただ、それでも「真の日中友好が始まる」といった戯れ言に惑わされてはならない。

日本と支那の真の関係は、中共独裁政権が倒れた後にスタートすべきものだ。中南海を共産党が牛耳っている限り、日本国民と国際社会はこれを打倒する意思を捨ててはならない。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 5

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 日中首脳会談

    Excerpt: 日中首脳会談  神奈川16区と大阪9区で、10月22日に投票が行われる衆議院の補欠選挙で敗北の許されない自民党の中川幹事長がとった対策は、安倍首相の中国と韓国訪問で両国首脳会談を取り付けることであっ.. Weblog: ある女子大教授のつぶやき racked: 2006-10-06 22:19
  • 安倍外交の始動に思う

    Excerpt: 最近の日本外交の雲行きについての雑感です。 安倍総理は訪中時に「双方が政治的困難を克服し、適切に対処したい」(産経新聞ウェブ版第2面)と発言していますが、これは後々に禍.. Weblog: 言語学研究室日誌 racked: 2006-10-09 11:46