日中韓トリプル会談に捧げる金正日の警告

金正日は残った2枚のカードのうち1枚を切った。それが核実験宣告だ。国連安保理に残された手段は制裁決議の発動のみ…ついに北朝鮮はラストダンジョンに向かうのか?米朝決戦と東アジア情勢を分析する
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【突然に見えた核実験宣告】

昨夕からの動き:まとめ

日本時間3日午後6時、朝鮮中央テレビの男性アナウンサーは「今後、安全性が徹底的に保証された核実験を行うことになる」との原稿を読み上げた。

金正日政権が残されたカードのひとつを切った瞬間だった。
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90年代初頭から核疑惑の渦中にあった北朝鮮が核実験を公式に行うと宣言したのはこれが初めてだ。

昨年2月の核保有宣言から1年8ヵ月、核実験の準備を継続してきた北朝鮮はついに核実験のボタンに指を掛けた。

これを受けて日本政府は、麻生外相、安倍首相が相次いで会見し、強い非難を北に投げつけた。

安倍首相は「万一、核実験を行えば日本としても国際社会としても断じて許すことができない」と強調したうえで「核実験を行えば国際社会で厳しい対応をとることになる」と金正日政権に警告。

直ぐに北朝鮮が核実験に踏み切る可能性は低いとの見方もある一方で、麻生外相は「こういったもの(声明)が出た後、間をおかずに現実になってきたという過去の例があり、可能性を否定するのは甘すぎる」と懸念を表明した。
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日本時間の翌4日未明、国連安保理は非公式協議を開いて対応を進め、現地時間の4日からは本格的な協議に入る見込みだ。

7月のミサイル乱射後、より強固な金融包囲網を築かれた金正日政権は、次の一手として早期に核実験に踏み切るとの分析が出されていた。その可能性が高いと見られていた9月の建国記念日には何ら動きはなく、暫く金正日は様子見をするだろうと伝えられていた。

その間、金正日は一切公の場に姿を見せず、動静も殆ど報じられることがなかった。

なぜ、3日に突然、核実験を宣告したのか?

【米ヒル次官補の謎の警鐘】

韓国の潘基文外交通商相が次期国連事務総長に当確してから、北朝鮮の宣告が出るまで、ちょうど半日だった。このタイミングから金正日は警告に打って出たとの観測もある。面白い見方でもある。

国連事務総長は、その肩書きを使い、緊急のケースでは視察目的で北朝鮮国内に足を踏み入れることが可能だ。金正日にとって韓国人事務総長の誕生は、不愉快なものでしかない。南北が今以上の緊張に包まれた場合、韓国人事務総長では政治性が強く、一転して、事務総長ポストを忌避される可能性もある。

その観測に同意したい思いもあるが、やはり北朝鮮の動向は米国の制裁の動きとリンクしているのではないか?

直前には、米国内で奇妙な発言が続いていた。

9月28日、アメリカのヒル国務次官補は「重大な局面を迎えている」と語り、「6週間後に北朝鮮は回答を示すよう」求めた。
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「重大な局面」とは、核実験をめぐる6カ国協議の再開に関してだという。

一方、ライス国務長官は6週間以内にアジア地域を歴訪し、関係国と北朝鮮問題を協議すると語っていた。これは9月25日に米有力紙(WSJ)のインタビューで語ったものだ。

二人の口から出てきた「6週間」とは何だ?

ヒル国務次官補は、6週間後に何が起き、この6週間が何を意味する期限なのか明らかにしていない。

更に奇妙なことはライス発言が報じられた25日、アジア担当だったアーミテージ元国務副長官が同じく米の有力紙(フィナンシャル・タイムズ)で、「今年末までに北で核実験が行われる可能性は50%だ。やらないより、(実験を)やる恐れが強い」と発言。

23日まで平壌を訪れていた国際政策センター(本部ワシントン)のアジア計画部長セリグ・ハリソン氏が、米に帰国したタイミングとも符合する。

恐らく、米国は北朝鮮に対し、何らかの要求を伝えたうえで、そのタイムリミットを6週間後と決定したのだろう。
米朝間の非公式接触で、米国が一方的に最後通牒を与えたと想定すれば、これらの動きは不思議ではない。

米朝最終決戦への扉が開きかけているのかも知れない。

【決議1695号不履行とトリプル会談】

7月のミサイル乱射後、安倍・麻生AAコンビが強硬な外交圧力を加えた末、対北朝鮮非難決議1695号が全会一致で安保理採択された。

安保理決議1695号の6項には核実験の放棄とIAEA復帰要請が明示されている。

これによって、北朝鮮が核実験に踏み切った場合、非難決議はすみやかに制裁決議の採択に結びつく。中共やロシアの言質を取ったことは、外交上の大得点につながる可能性も出てきた。

その一方で、安倍首相の訪中、訪韓が確定した。
安倍首相は昨夜、会談の重要テーマとして北の核実験について話し合う意向を明かしている。

スケジュールを確認しよう。

8日~日中首脳会談
9日~日韓首脳会談

更に13日には中韓首脳会談が北京で行われる見込みだ。

新たな仮説だ。

金正日には、この3つの連続する会談を牽制する狙いがあったのではないか?

調整が続いていた中韓首脳会談に、加え、まったく想定外であった日中、日韓会談がセットされたことに慌て、金正日は米国が提示していた「6週間後」のギリギリに発表するはずだった核実験宣告を早めたとも推測できる。

「何を話し合うことがあるのか?」と疑問視する声も上がっていた安倍首相の訪中、訪韓に緊急のテーマが浮上した。安倍政権にとって北の恫喝は、逆に“側面支援”だったとも言える。

だが、疑問も残る。金正日が日中韓のスクランブル会談にクサビを打ち込んだとしたのなら、余りにも意味がない。東アジアの他3国が対北で緊密な連携を進める可能性が高いだけだ。
金正日のメリットは何ひとつないのではないか…
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もしかしたら、核実験宣告は中共に向けられた金正日の一撃ではないだろうか?

中朝のバランスが一気に崩れたら、何が起こるのか、現段階ではまったく予測不能だ。連続する会談の期間中に、北朝鮮がどのような動きを示すのか、注意深く見守って行こう。後の劇的な変化をセットすることになるかも知れない。

少なくとも今の時点で明確に言えることは、金正日は核実験宣告のカードを切ってしまった。

残るのは核実験強行という最後の1枚しかないということだ。

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