“侵略・判決”認めた?安倍首相が信念貫く4つの証拠
国会の代表質問で安倍首相の信念がブレたとする妄言に取り急ぎ反論する。2日目の志位質問までの中間報告とアンチ安倍陣営の反応を解読してみよう。
2日の鳩山質問で問題になったキーワードは4つだ。
1:極東人民裁判の「判決」
2: 同 「戦犯」
3:村山妄言談話の「侵略」
4:靖国参拝での 「明言」
安倍首相の答弁を読む。
1:極東人民裁判の「判決受諾」関しては…
「わが国はSF講話条約により裁判を受諾しており、国と国との関係においてこの裁判に異議を述べる立場にない」
まずポイントは、「国と国との関係」である。
「国と国」とは日米2国間の関係を指す。
対米外交重視の立場から、わが国の主権回復の出発点である講和条約を否定するものではない…というスタンスを明確に述べたものだ。
ストレートに裁判史観に立脚する意思を示してはいない。
安倍首相の持論は「裁判」ではなく「諸判決」を受け入れたというものだった。この点は、政府見解として180度転換させることは控えた。
一方、この発言によって「人民裁判の精神に拘束される」ことはない。
2:極東人民裁判の「戦犯認定」について…
「先の大戦に対する責任の主体についてはさまざまな議論もある。政府として具体的に断定することは適当ではない」
ハッキリと否定している。
また、これは前述の人民裁判史観評価にもつながるものだ。裁判の結論部分である「戦犯認定」の否定は、裁判そのものに疑義を挟むと同様の意味を持つ。
この2つの回答から、安倍首相が人民裁判史観を受け入れていないことは明確だ。
ブレていない。
3:村山妄言談話について…
妄言の核心である「かつて植民地…」から始まるセンテンスを丸ごと引用したことに注目したい。
安倍首相の答弁は…
「(政府としての認識は)かつて植民地支配と侵略によって、とりわけアジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えた、というものだ」
まるまる引用し、自分の言葉では語らなかった点が素晴らしい。
「政府の認識は~というものだ」と距離を置いている。
また、村山妄言引用について安倍首相はそのあとの記者質問で、
「特別私の考えを変えたというわけではない」
と語り、持論とは異なることを強調している。
3日の志位質問では「河野妄言談話」について追及されたが、同様に「政府としてそのような見解が出ている」として村山妄言と同様に踏襲するとの明言は避け、過去に見解が出されたことを認めた程度だ。
河野が首相の2メートル後ろに座っているのだから、まさか否定はできない。
4:靖国参拝について…
これは従来通り、明言しないと明言した。
志位質問では、遊就館の展示を絡めて“靖国史観”を認めるのかどうか、直接的に問われた。
日本共産党はいつも直球を投げてくる…
これに対し、安倍首相は「政治家は謙虚であるべき」と答え、政府や首相本人が歴史観を確定することに異議を唱えた。
この「政治家は謙虚であるべき」が安倍答弁のポイントであり、他の質問に対しても何回か使用された。これまでの「歴史家にまかせる」という主張を補完するものだ。
【朝日は鬼の首を取れなかった】
実際に安倍首相の基本方針が揺らいだのか、どうか?
アンチ安倍陣営がどう捉えたのか、『朝日』を例にとって眺めてみよう。
『朝日新聞』は社説で「日本の侵略と植民地支配をようやく認めた」と大喜びする一方で、こう疑問視している。
「安倍氏の答弁は政府の認識を述べたものだが、首相としての安倍氏の認識はどうなのだろうか?」
ナイスな社説だ。まるで、安倍首相本人の信念はブレてしないと援護射撃しているようである。
答弁は答弁に過ぎないという事らしい。ハッキリ言質を取れなかったことを悔やんでいるようだ。
論戦の舞台は5日からの衆院予算委に移る。
まだまだ戦いは熱く続きそうな気配だ。
2日の鳩山質問で問題になったキーワードは4つだ。
1:極東人民裁判の「判決」
2: 同 「戦犯」
3:村山妄言談話の「侵略」
4:靖国参拝での 「明言」
安倍首相の答弁を読む。
1:極東人民裁判の「判決受諾」関しては…
「わが国はSF講話条約により裁判を受諾しており、国と国との関係においてこの裁判に異議を述べる立場にない」
まずポイントは、「国と国との関係」である。
「国と国」とは日米2国間の関係を指す。
対米外交重視の立場から、わが国の主権回復の出発点である講和条約を否定するものではない…というスタンスを明確に述べたものだ。
ストレートに裁判史観に立脚する意思を示してはいない。
安倍首相の持論は「裁判」ではなく「諸判決」を受け入れたというものだった。この点は、政府見解として180度転換させることは控えた。
一方、この発言によって「人民裁判の精神に拘束される」ことはない。
2:極東人民裁判の「戦犯認定」について…
「先の大戦に対する責任の主体についてはさまざまな議論もある。政府として具体的に断定することは適当ではない」
ハッキリと否定している。
また、これは前述の人民裁判史観評価にもつながるものだ。裁判の結論部分である「戦犯認定」の否定は、裁判そのものに疑義を挟むと同様の意味を持つ。
この2つの回答から、安倍首相が人民裁判史観を受け入れていないことは明確だ。
ブレていない。
3:村山妄言談話について…
妄言の核心である「かつて植民地…」から始まるセンテンスを丸ごと引用したことに注目したい。
安倍首相の答弁は…
「(政府としての認識は)かつて植民地支配と侵略によって、とりわけアジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えた、というものだ」
まるまる引用し、自分の言葉では語らなかった点が素晴らしい。
「政府の認識は~というものだ」と距離を置いている。
また、村山妄言引用について安倍首相はそのあとの記者質問で、
「特別私の考えを変えたというわけではない」
と語り、持論とは異なることを強調している。
3日の志位質問では「河野妄言談話」について追及されたが、同様に「政府としてそのような見解が出ている」として村山妄言と同様に踏襲するとの明言は避け、過去に見解が出されたことを認めた程度だ。
河野が首相の2メートル後ろに座っているのだから、まさか否定はできない。
4:靖国参拝について…
これは従来通り、明言しないと明言した。
志位質問では、遊就館の展示を絡めて“靖国史観”を認めるのかどうか、直接的に問われた。
日本共産党はいつも直球を投げてくる…
これに対し、安倍首相は「政治家は謙虚であるべき」と答え、政府や首相本人が歴史観を確定することに異議を唱えた。
この「政治家は謙虚であるべき」が安倍答弁のポイントであり、他の質問に対しても何回か使用された。これまでの「歴史家にまかせる」という主張を補完するものだ。
【朝日は鬼の首を取れなかった】
実際に安倍首相の基本方針が揺らいだのか、どうか?
アンチ安倍陣営がどう捉えたのか、『朝日』を例にとって眺めてみよう。
『朝日新聞』は社説で「日本の侵略と植民地支配をようやく認めた」と大喜びする一方で、こう疑問視している。
「安倍氏の答弁は政府の認識を述べたものだが、首相としての安倍氏の認識はどうなのだろうか?」
ナイスな社説だ。まるで、安倍首相本人の信念はブレてしないと援護射撃しているようである。
答弁は答弁に過ぎないという事らしい。ハッキリ言質を取れなかったことを悔やんでいるようだ。
論戦の舞台は5日からの衆院予算委に移る。
まだまだ戦いは熱く続きそうな気配だ。
この記事へのコメント
些細な事件で「勝った、勝った、大勝利」と宣伝するから、全く日本側は閉口しますね。
帝国陸軍はそれを契機に報道班をつくったそうですが。
(『報道戦線から見た「日中戦争」』(西岡香織))
安倍答弁については評価が分かれるでしょう。朝日新聞等がどう判断するのか、今後の出方を見守る他ありませんね。