|
韓国軍部の先制攻撃論に北朝鮮は激高。ついに沈黙を破って李明博名指し非難に踏み切った。北風気配の朝鮮半島…そしてテロ支援国家の再指定が目前に迫る。 3月28日、ラオスの首都ヴィエンチャンにある日本大使館に、脱北男性が塀を乗り越えて入った。いわゆる駆け込み亡命である。前日には同市内の韓国大使館に12人の脱北者が駆け込んでいた。 日本大使館を目指した脱北男性は、ただ1人日本行きを希望し、別行動を取ったという。脱北男性は支援者と2人で警備の手薄な日本大使館前に来ると、一気に鉄条網のある塀をよじ登った… ▼脱北男性が登った日本大使館の塀 しかし、脱北男性は直ぐに中に飛び降りず、一端制止して敬礼のようなポーズをとった後、拳を振り上げて何事か叫んでから、大使館敷地内に姿を消した。支援組織などによると男性は、こう叫んだという。 「金正日よ、さようなら」 これまでにも脱北者駆け込みの瞬間映像は多数公開されてきたが、ヴィエンチャン日本大使館のケースは、とりわけ異様だった。 ▼脱北男性が入る瞬間の映像 その映像は各テレビ報道でも流されたが、現在、ウェブ上にはアップされていない。映像を撮影・提供したNGOの要請により、脱北者保護の観点から削除されたものと思われる。 加藤博氏率いる「北朝鮮難民救済基金」等によると脱北男性は29歳で、母親が日本人だという。帰国事業で在日朝鮮人と夫と共に北朝鮮に渡った日本人妻である。しかし脱北男性は身分を証明できる物がなかったことから門前払いを受け、塀乗り越えの手段を選んだようだ。 ▼大使館外壁の鉄条網と監視カメラ この男性が北朝鮮を脱出したのは約1年前。中朝国境近くに身を潜めていたが、中共当局が五輪開催を前にした「脱北者狩り」強化で再脱出を決意。バスを乗り継いで大陸を南下し、数日前にラオスに到達したばかりだったという。 悲惨な人身売買が横行する中朝国境エリアは、燃料・食糧が運び込まれる北朝鮮の生命線だ。独裁国家同士の蜜月はなおも続いているが、北朝鮮はもう一つの援助大国に噛み付いた。 【ついに李明博名指し非難を解禁】 「南朝鮮当局が反北対決によって得られるものは破滅だけである」 朝鮮中央テレビなど北朝鮮メディアは4月1日、薄汚い口調で反韓国を恫喝した。これまでも労働新聞などは軍事演習などに絡めて韓国批判を行なってきたが、1日の論調は質的に異なる。 ▼強烈非難する朝鮮中央テレビ(FNN) 重要なのは、新大統領・李明博を名指しで痛罵したことだ。 「逆徒・李明博は自らの親米事大・反北対決策動によって南北関係が冷え込み凍み、朝鮮半島の平和と安定が破壊され、取り返しのつかない破局的事態が招かれることに全責任を負うことになる」 ▼名指し非難された李明博4月1日(AP通信) 元の朝鮮語は不明だが、逆徒とは単に「謀反人」を示すだけではなく「主君に背いた者」を意味する。やはり韓国大統領は金正日の「家臣」扱いだったのか…高飛車で前時代的な物言いが北朝鮮の品格そのままだ。 北朝鮮が他国の首脳を名指し非難することは余り多くない。小泉政権時代に総理を名指し批判することはなかった。異例だったのは安倍前首相に対してで「安倍一味」などと名指しの猛非難をリピート。福田親北政権が誕生すると急に沈黙した。判り易い国である。 ▼李明博in青瓦台3月25日(ロイター) 李明博政権の発足後、いつの時点で北朝鮮が非難発言をするか、注目されていた。北朝鮮は対米交渉の進捗状況を横目で睨みながら、あからさまな新政権攻撃を自粛。我慢を重ねてきたが、ついに本音を吐き出した格好である。 温かい日差しが途絶え、いよいよ朝鮮半島に北風が吹く季節が訪れそうだ。ある意味、10年ぶりの南北関係“正常化”である。 李明博政権の誕生から約1ヵ月、南北関係は緊張を孕み、特にこの1週間は表面的にも荒れ模様だった… 【南側軍トップの先制攻撃論に激高】 朝鮮人民軍は3月28日、ミサイル3基を黄海海域のNLL(北方限界線)附近から発射した。レンジの短い短距離ミサイルだが、北朝鮮のミサイル発射は昨年6月以来、9ヵ月ぶりとなる。 今回使われたのはスティックス艦対艦ミサイルで、旧ソ連製のSS-N-2aの可能性が高い。レンジは約45`だ。ちなみに昨6月に発射されたのは短距離弾道ミサイルKN-2だった。 ▼旧ソ連製SS-N-2(グローバル・セキュリティ) テポドン・シリーズなどに比べれば“しょぼい花火”に過ぎない。しかし、ミサイル発射は北朝鮮にとって「会話」の一種、軍事国家ならではの「言語」だ。そこに、どのようなメッセージが埋め込まれているかが重要である。 スティックス艦対艦ミサイルの発射直前には、北朝鮮の神経を逆撫でする動きが続いていた。 「北朝鮮の核問題の解決なしに開城工業団地の拡大は難しい」 3月19日の韓国・金夏中(キム・ハジュン)統一相の発言に、北側はいきり立った。南北経済協力事業と核問題は無関係だと言うのだ。そして工業団地の政府当局者11人に3日以内の退去を通告した。 ▼開城工業団地で働く女性工員(AP通信) 盧武鉉前政権は、北のミサイル乱射・核実験強行でも、経済支援とは無関係との立場を貫いていた。その姿勢こそ「北朝鮮甘やかし」以外の何物でもなかったが、新統一相はいきなりリンケージさせたのだ。 3月26日には、韓国の金泰栄(キム・テヨン)合同参謀本部議長が「北朝鮮に核攻撃の兆しが見えれば核基地に先制攻撃を加える」と発言。この先制攻撃論に北側は激高した。 ▼米韓外相会談3月26日(AFP) また米東部時間の26日にはワシントンで米韓外相会談が開かれ、韓国の柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商相が「時間と忍耐は尽きかけている」と警告。米韓が一致して北の核計画申告を強く求めた。 こうした動きに北朝鮮は不快感を募らせていたのだが、そこに至るキーワードは「核開発」と「軍部」だ。 【「韓国は灰の山になる」と恫喝】 北朝鮮は3月27日に開城工業団地にいる政府関係者11人を追放。そして翌28日、ミサイルを発射すると共に外交部が談話を発表し、HEU(高濃縮ウラン)問題やシリア核拡散問題を交渉のテーブルから外すよう主張した。 次いで韓国当局者のDMZ通過遮断を宣告。30日には韓国軍部の先制攻撃論に対し「宣戦布告と同然だ」「ウリ式の先制打撃が行なわれれば(韓国は)火の海どころか灰の山になる」と発言がエスカレート。ついに4月1日に、それまで控えてきた「李明博名指し非難」を解禁したのだ。 ▼平壌市内の日常風景:2月撮影(AFP) 北朝鮮による一連の対南非難は、4月9日の韓国総選挙に向けた牽制という見方が支配的だ。しかし一部からは、金正日と軍部の対立説も出ている。 2月に寧辺を視察した米上院外交委専門スタッフのキース・ルース氏は、訪朝報告書で軍強硬派の“横やり”を指摘。6ヵ国協議の合意に人民軍の一部が反発し、履行されない可能性があると論じた。 ▼昨4月25日の大規模軍事パレード(ロイター) また米国務省のヒル次官補も3月26日に、似たような主旨の発言をしている。 「北朝鮮には、6か国協議に賛成せず、どのような理由にせよプルトニウムの製造を継続したい人々がいると言えるだろう」 何を今さら…という感想だ。 ▼3月14日ジュネーブで会見するヒル(ロイター) 自分の不手際を北軍部に責任転嫁している格好である。90年代から朝鮮人民軍の“命綱”は、核兵器と弾道ミサイルの2点セット。その一翼の核を失えば、博物館直行の「レトロ軍隊」に転落する。容易に核を手放すことはない。4月1日の論説も、こう訴えていた。 「正義と平和の盾である核を一方的に手放せと誰が言おうとも、おとなしく差し出す我々ではない」 ▼叩き潰されているのは米兵:2月撮影(AFP) 北朝鮮の方向性は終始一貫している。獲得した核開発システムを堅持したまま誤摩化しを続け、米国務省もその誤摩化しに加勢している構図だ。 【テロ支援国家の再指定へ時間迫る】 「今後数日間に北朝鮮から何か新しいことを聞けるかどうか様子を見なければならない」 4月2日、韓国を訪れていたクリストファー・ヒルは、北朝鮮から近く前向きな反応が出てくることに期待を滲ませた。相変わらず“永遠の数日間”を生きる男だ。 ▼4月2日ソウルで会見するヒル(AFP) 焦りを隠せないヒルは、北朝鮮側との取り引きを企んでいる。それは焦点の核計画申告から、トゲとなっているHEU(高濃縮ウラン)問題・シリア核拡散問題を項目から外すことである。 「大幅な譲歩」どころではない。第2段階措置では「すべての核計画の完全かつ正確な申告」を北朝鮮に義務付けている。その見返りが協議参加国のエネルギー・経済支援、そして米国によるテロ支援国家指定見直し作業の開始だ。 ヒルはHEU・核拡散問題を米国への申告として不透明化し、それ以外をホスト国の中共に申告すれば、めでたく措置履行と見なそうとしている。 ▼3月14日ジュネーブに現れたヒル(ロイター) 元はライス長官周辺のアイデアだろうが、いかに国務省でもイスラエル・ファクターの絡んだ核拡散問題を見逃すことは不可能だ。そして、テロ支援国家の指定解除もタイムリミットが迫っている。 テロ支援国家は米国務省の「国際テロ活動年次報告書」で指定される。その報告書が出るのは毎年4月末だ。すでに1ヵ月を切り、最新版でも引き続き北朝鮮が指定されるのは確実な情勢だ。 金正日の願いは、もろく崩れた。 ▼軍を視察する金正日:12月公開画像(ロイター) しかし、米朝2国間交渉のスタートから、北朝鮮が実行したのは老朽リアクターの一部電源スイッチを落としただけだ。わが国に及ぶ危険因子は何ひとつ切除されていない。 結局、ヒルは北の時間稼ぎに加担しているに過ぎない。軍事独裁国家との対話など夢物語で、軍事的なプレッシャーこそが核を取り上げる唯一の方法だ。 後にも先にも「さらば金正日」とばかりに最後通牒を突き付けるのが、問題解決の早道である。 〆 最後まで読んで頂き有り難うございます クリック1つが敵に浴びせる銃弾1発 となります ↓ ***************** 【Side Story】 予定通り李明博は、靖国神社春季例大祭の初日に日本へ立ち寄る。盧武鉉ほどストレートではないが、在日参政権支援&朝鮮賭場支援発言などが続き、要警戒だ。在日の本当の来歴をよく知っているだけに悪質である。 その中、極左政権の10年間で骨抜きにされていた韓国軍部がどう変わるか注目だった。しかし対北強硬発言の一方で、当面、劇的な変化は起こらないだろう。本当に強い北風を吹かせるか否かは、今後の米朝関係に大きく左右される。 参考記事: ■イザ4月2日『北朝鮮、名指しで李大統領を批判「逆徒」』 ■AFPBB3月30日『北朝鮮軍部強硬派、核放棄に反対か、米専門家報告』 ■デイリーNK4月1日『北の軍部が強硬策を主導?…“二重戦術に過ぎず”』 ■中央日報3月31日『国防部「北朝鮮には謝罪しない」』 ■CNN3月27日『忍耐切れかかっていると韓国外相、北朝鮮の核計画申告』 |
| << 前記事(2008/03/31) | トップへ | 後記事(2008/04/04)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
朝日新聞チベット社説は奥歯にものが挟まりすぎだ!
以下に4月3日の朝日の社説。狂っている。完全インチキ。 おかしくないか? 「情報が出てこないことにいら立ちはつのる」(いら立つのは人が死んでいるからではないのか?) 「国際的な信頼を得るにいたった」(褒めている…) 「国際社会が非難の声をあげるのは当然」.... ...続きを見る |
時事問題ショートコメント! 2008/04/03 07:46 |
両陛下・皇族方、北京五輪開会式見送りの方針
産経2日付けによれば、中国が北京五輪開会式に天皇皇后両陛下をはじめ皇族方のご出席を要請していた問題で、政府は昨日この要請を受諾し&... ...続きを見る |
草莽崛起ーPRIDE OF JAPAN 2008/04/03 07:59 |
北朝鮮、李・韓国大統領を名指し批判
NIKKEI NET(日経ネット):国際ニュース−アメリカ、EU、アジアなど海外ニュースを速報 えっと 【ソウル=島谷英明】北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」は1日の論説で、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領の対北政策を「南北関係を破局に追い込む反統一宣言」と強く非難.. ...続きを見る |
マナ、書店員&マイクの冠婚葬祭と... 2008/04/03 16:22 |
国破れても国は滅びず
特攻証言集「国破れても国は滅びず」1 ...続きを見る |
憂国、喝! 2008/04/03 17:54 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
北朝鮮人民は気の毒とは思いますが、積極的に日本に受け入れる気にはなりません。在日朝鮮人、韓国のイメージがあまりにも悪すぎます。又厄介な民族が一人増えるかと思うとうんざりします。やはり韓国に行ってもらうべきです。 |
日本人 2008/04/02 23:10 |
こんばんは。 |
現役保険営業マン 2008/04/02 23:30 |
なんとなく何かに似ているような。たしか拉致事件も一部のなんとかかんとかがやったことで金正日は知らなかったとかいってなかったっけ |
良識の星 2008/04/03 00:12 |
私は、去年このブログに流れ着いた当初から、2chネラーを公言して来ました。それなりの意図があったからです。 |
神谷晃良 2008/04/03 01:04 |
アネモネさん、タイムリーなエントリー、ありがとうございます。 |
花うさぎ 2008/04/03 03:38 |
知らないのか!?在日は既に朝鮮半島両国を裏切っている。彼らは祖国朝鮮が中国に併合されるのを黙殺するだろう。その理由はプチエンジェル事件にある。もはや奴隷なのだよ。 |
虎の尾 2008/04/03 06:23 |
「“永遠の数日間”を生きる男」、「10年ぶりの南北関係“正常化”」、いずれも、鋭い指摘で恐れ入りました。 |
風来坊 2008/04/03 10:12 |
今日の小論には想像力が大いに刺激されます。こんなに、時間も手間も才能も要る小論を、提供してくれているアネモネさんには、感謝。 |
名無しの経営者 2008/04/03 10:18 |
>日本人さま |
アネモネ 2008/04/03 10:56 |
外国は所詮外国、日本じゃ有りません「外国」と付き合う方法に日本は「友好」「友好」で付き合おうとするからおかしくなります。 |
古田 2008/04/03 11:29 |
>日本の人権屋である自由主義者たちはどうしてしまったのだろう。チベット弾圧を、完全に無視している。名無しの経営者 2008/03/24 10:43 |
神谷晃良 2008/04/03 23:53 |
半島人に不幸にされた女たち |
もぐ 2008/04/04 00:13 |
|
千田 2008/05/25 06:01 |
| << 前記事(2008/03/31) | トップへ | 後記事(2008/04/04)>> |