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zoom RSS 拉致の海に舞う怪電波…謎の工作船と松本ケース

<<   作成日時 : 2006/11/18 02:15   >>

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昭和52年に起きた松本京子さん拉致がやっと事件認定された。警察庁から各マスコミにリークされた情報には工作船の出没も…その頃、日本海で何が起こっていたか公安は知っていたはずだ。
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その夜、松本京子さん(当時29)は編み物教室へ行くために自宅を出た。直後、二人の男に声を掛けられた。

民家の裏庭で京子さんと不振な2人組の男が一緒にいるのを、たまた通りがかった男性が見掛け「何をしてるんだ」と声をかけた。すると2人組は男性に襲いかかって頭を殴りつけ、京子さんを連れて海岸方面に走り去った…

現在67歳になるその目撃男性によると流血するほどの怪我だったという。そして、京子さんの母・三江さんが今も大切に保管しているサンダルは、その時、民家の裏庭に残されていたものだ。
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いかに乱暴な手段で連れ去ったか如実に示すものだろう。

昭和52年10月21日午後8時頃に起きた悲劇だった。

29年後…

11月17日午後、警察庁は会見を開き、鳥取県米子市の松本京子さんの失踪を北朝鮮による国家的な拉致事件と断定した。

警察庁は断定に至った材料として3つの点を挙げた。

1)失踪現場近くに北朝鮮工作員が潜伏していた可能性が高い

2)失踪直前、付近で北朝鮮の不審船と見られる船が航行

3)「拉致ではない」と否定する情報を覆す証言が最近あった

【奇妙な電話でのやり取り】

まず気になるのは3番目にある証言だ。

TBS報道によれば、4年前に北朝鮮と取引のある日本企業の関係者が「キョウコ」と名乗る通訳女性と会話していたことが判明。
そして関係者が「松本さん?」と訊ねると電話が切れ、再び同じ通訳が出ることはなかったという。

同じ証言についてフジテレビ報道は、時期を2〜3年前としている。誤差があることから、証言が警察庁の公開情報ではないことが判る。部分的なリーク情報だろう。

不思議な証言だ。

日本側の企業関係者とは誰なのか?

北朝鮮と取引があることから総連傘下の商社を想像するが、なぜ突然、「松本」という名前を出したのか疑問だ。

松本京子さんのケースは、小泉訪朝の直後から取り沙汰され、その1ヵ月半後にクアラルンプールで行われた日朝正常化交渉で日本側は松本さんの名前をあげて北朝鮮側に確認を要求している。

4年前、2002年10月末のことだった。

これを受けて北朝鮮当局は揉み消しに躍起になったのではないか。

警察庁が断定材料とした電話証言に戻ろう。

「拉致を否定する」情報があった…とは何か。

それもまた同じく電話で話した日本企業の関係者からもたらされたのではないだろうか?

推測の域を出ないが、その関係者が当初「松本さん自身が拉致を否定している」と証言。それが最近になって前言を覆して事実を語ったのではないか…

あくまでも推理で、それが善意の証言だったら濡れ衣だが、「キョウコ」と聞いて「松本?」と尋ねる電話のやり取りが奇妙に思えるのだ。

もう一つ刮目する情報があった。工作船情報だ。

【それこそKB情報だ】

松本京子さんが拉致される直前、米子市・美保湾の沖の日本海上で不審な電波が傍受されていたことが明らかにされた。
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無線傍受施設2カ所で電波がキャッチされ、位置を割り出したところ、米子市に近い海上と判明。頻繁に周波数を変えているなど工作船の特徴があったという。

今に判ったことではない。29年前に確認していた怪電波情報だ。

これこそ、いわゆるKB情報ではないか?

KB=コリアン・ボート

曽我さん拉致事件の国内協力者を推理したエントリでも簡単に説明したが、わが国の海上治安機関は遥か昔から北朝鮮の工作船が出没するとKB情報を発令し、追尾態勢を整えていたと見られる。

松本京子さんのケースでもKB情報が駆け巡っていたのだ。

海保は小泉訪朝後、全21件の工作船情報を公開した。2002年末に明らかにされた情報をひも解くと…

あった。

事例9:77年10月17日 
鳥取県浜田港沖合15` 漁船型の船が逃走

松本さん拉致の4日前だ。

場所はやや離れているが、何らかの不審な影が確認されていたことが判る。

【「拉致の海」だった日本海】

これに似たケースとして、学芸大生・藤田進さんの拉致でも直前に工作船が捕捉されている。今年初めに公開された情報だ。

藤田進さんは昭和51年2月7日に消息を絶ったが、その10日前、佐渡島沖150`の海上で工作船の影が視認されている。

この時は、対潜哨戒機P2Jが出動し、撮影に成功。偽装した船名、船尾にあった観音開きの扉、複数のアンテナなど工作船の特徴が全部揃っていた。
(1月11日産經新聞)

この工作船情報は4年前に公表された21件に含まれていない。当時、それを遥かに上回る数の工作船が出没していたと見られている。

一体その頃、日本海で何が起こっていたのか…

ある北朝鮮ウォッチャーは、昭和40〜50年代、日本海では北朝鮮の工作船と海保・海自の壮絶な駆け引きが続いていたと言う。

手をこまねいて傍観していたのではなく、巡視艇などが北工作船をギリギリまで追尾し、結局、取り逃がしていたのだと語る。

なぜ、逃げられたか?

臨検の船舶検査でも同様だが、法的に対処できないのだ。海上警備行動が整う前の案件でもあった。

海保も海自も、工作船のエンジンを狙撃して停船させる手段を持ち得ていない。

憲法9条によって手枷足枷が掛けられ、準軍事的行為に踏み切れなかったからだ。警察行動としても逃走する工作船を強制停止させることは難しいだろう。

我が国の海上治安機関を嘲笑うかのように続発した拉致は、憲法9条によって引き起こされた事件とも言える。今に至って「9条を守れ」などと叫ぶことは凶悪犯罪を幇助する行為だ。

そして、そろそろ警察庁は全ての工作船情報を開示すべき時だろう。

かつて日本海を舞台に何が起こっていたか明らかにし、国民に問いかけた方が良い。

【一気に拉致被害者を政府認定せよ】

松本京子さんの拉致認定は、29年を経てからだった。
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それだけではない。

2002年11月の段階で、救う会・鳥取は再捜査を求める署名を約1万人分集め、鳥取県の片山知事に提出している。その署名は直ぐに内閣官房に届けられた。

警察庁が1万人の声に応えたのは実に4年後。

遅過ぎる。

古川了子さんなど北での決定的な目撃証言が出ている拉致被害者も少なくない。その家族は一日も早い政府認定と救出を願っているのだ。

警察が二の足を踏み理由も理解できなくはない…
そもそも失踪者の扱いは、被害者・被疑者ともに不在で、犯罪として認知するのが難しい。
国内の行方不明者も家族が捜索願を出したあと、データベースに入力する程度だ。

だが、国内の失踪事例と拉致の疑いが濃厚な事案では、犯罪性も意味も全く違う。

法務省も知恵を使って、認定しやすい環境を整備しなければならない。その為に国民は役人を飼っているのだ。

18年前、衆院議員会館の一室を有本さんご夫妻が訪れた。ある自民党の大物議員の部屋だ。

娘が連れ去られたことを切々と訴えるご両親の姿に衝撃を受けた若い議員秘書がいた。

今の安倍首相である。

その時の決意があの日朝首脳会談での一歩も譲らない姿勢に繋がったと伝えられる。

そして現在、総理総裁に登り詰めた。
運命である。

安倍政権が切り込まなければ、拉致事件は再び闇の中に仕舞われるだろう。

膿みが出ようと血が吹き出ようと構わない。

首相の権限をもって全治安機関に大動員をかけるのは今だ。

国家の威信をかけ、あらゆる政府機関は協力し、断固として金正日に立ち向かえ。

               〆

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
研ぎ澄まされた文章の一つ一つに迫力があります。すべて納得です。

>国家の威信をかけ、あらゆる政府機関は協力し、断固として金正日に立ち向かえ。

心ある日本人は必ず協力する。たとえ窮乏を強いられたとて厭やせぬ。
平成退屈男
2006/11/18 14:08
実は当時の私の知り合いで、約20数年前韓国へ新婚旅行へ行き、ホテルの玄関タクシーで、下車中に奥さんを乗せたまま逃走、拉致されてしまい、韓国当局に相談したものの、解決できず、旦那さんだけが帰国された話を聞きました。
10年前、前の会社で、同級生が北朝鮮に拉致された疑いがあると、車内で政府に嘆願署名を求めていた社員がいました。
拉致被害者数はおそらく我々の想像を超えているのではないかと思います。
日本政府は大昔から知っていたと思います。
ノック
2006/11/18 14:38
>平成退屈男さま
こうなったら経済もどうでも良いって感覚です。国内の北朝鮮である総連を徹底追及すれば、必ず拉致被害者の手がかりが見つかります。退官が近い警察のトップが勇気を出して踏み切るかどうかが鍵でしょう。
アネモネ
2006/11/18 22:29
>ノックさま
紹介して下さったお話し、ふたつとも深刻ですね。気になります…
拉致被害者の総数は、今明らかになっている特定失踪者の数を上回ると思います。社会党だけではなく、自民の中枢も拉致が継続的に行われていたことを知っていたように思えてなりません。公安はまだまだ手緩いようです。もう少し情報を開示しても良い時期だと考えるのですが…
アネモネ
2006/11/18 22:35

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