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zoom RSS 「懲罰だ!」中共はそう叫んで武力侵攻を始めた

<<   作成日時 : 2006/10/20 23:38   >>

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訪朝した唐家センは金正日と何を話し合ったのか。最後通牒を突き付けたのか、弁明を聞き出しただけなのか…先読みが険しくなる中、安保理協議の際に中共が使ったある言葉が気になっている。それは「懲罰」という特殊用語だ。かつて中共はこの言葉を盾に友邦へ攻め込んだことがあった。
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【唐家セン訪朝のテーマとは】

先週、安保理の協議が進む中でワシントンに乗り込んだ唐家センの行動力には驚かされた。そして、18日には何の前触れもなく唐家センは平壌に飛んだ。

中共にとっても瀬戸際の外交戦術が始まった瞬間である。

19日、唐家センは金正日との会談にこぎ着け、記念写真も公開された。
北朝鮮側にどんな顔が並ぶのか注目したが、重傷説の張成沢も外交トップの金永南の顔もなかった。
金日成バッジを付けた北朝鮮の高官は3人。
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前列いちばん右は金桂寛外務次官だ。6カ国協議の北朝鮮代表でもあった。第2回、第4回、第5回で北朝鮮代表を務めている。

唐家センの左に座るのは姜錫柱外交部第一部長。小泉訪朝の際も金正日の隣で笑顔を絶やさなかった男だ。将軍の信任が篤いというより、単なるイエスマンと見られているようだ。

そして、金正日の背後にいるのは金永日外務次官。第1回の6カ国協議に北朝鮮代表として出席したが、評判が悪く、その後の6カ国協議では後輩に席を奪われた。

この顔ぶれから、今回の唐家セン訪朝が、金正日に6カ国協議への復帰を促したことは容易に想像できる。引き連れて行ったのも中共側の6カ国協議関係者だ。

米中は、北朝鮮が6カ国協議に「前向き」という印象を醸し出して、問題の先送りを謀る可能性も高いのではないか。有事への発展を恐れる米中が現実的な選択をするとしたら、外交交渉の窓口を開けた振りをするのが賢明だ。

だが、中共は焦る余り、国連決議の中味を忘れているよだ。北朝鮮の6カ国協議への復帰条件は、今や「無条件」ではない。

保有する核関連機器の放棄が前提だ。その際、北朝鮮国内での検証作業が必要となる。つまり、国際機関による査察だ。(1718号決議 6項)

現在の北朝鮮の強硬姿勢から、IAEAや米国の査察チームが各地を廻ることは、不可能に近いだろう。

北朝鮮を交渉のテーブルへ引き摺り出すまでの道は安保理決議によって増々困難になった。一方でそれを逆手にとって、米中が問題の先送りに使うことも考えられる。
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果たしてコンドリーツァ・ライスは、唐家センや胡錦濤を通じて、どのような金正日のメッセージを受け取ったのか…そこに示された金正日の意志は、日本の命運を左右するものだ。

【軍事同盟めぐるジレンマ】

平壌に降り立った唐家センが胡錦濤からの重要なメッセージを携えていたなら、それは中共軍と朝鮮人民軍の話し合いを呼び込むものではないか。

事前に解決しておかなければならない条約がそこにあるのだ。

中共と北朝鮮の間には1961年に結ばれた「中朝友好協力相互援助条約」という純軍事同盟が締結されている。

この条約の詳細は9/14のエントリに譲るが、注目していた6中全会でも、どうらや条約破棄に結びつく動きはなかったようだ。

『血の友誼が終わる時…黄昏の中朝軍事同盟』
http://dogma.at.webry.info/200609/article_11.html

現状で米朝が武力衝突した場合、中共は自動的に朝鮮人民軍を支援して、米軍と戦火を交えなければならなくなる。

この中朝友好条約がある限り、安保理の場で中共が42条を呑むことはあり得なかったのだ。そして、この重要な条約によって中共はコーナーに追い込まれている。

米国の北朝鮮への軍事行動を支持、又、見過ごすことは、中共にとって条約の一方的な破棄どころでなく、イデオロギーを捨て去る事と同じだ。

共産国としてイデオロギーを捨てた場合、中共政権の正当性そのものが改めて問われることになるからだ。

中共指導者は自らが一党独裁を堅持し、党の軍隊を持つ一番の根拠を「共産主義防衛」という絶対思想に求めている。

同盟国をあっさり見捨てた場合、その根拠は大きく揺らぎ、中共は単にイデオロギーよりも既得権益だけが重要な権力亡者でしかなくなる。

北朝鮮独裁政権を叩くことは「天に唾する」所作に等しい。

中共がいま立ち往生しているのは、そのジレンマからだ。

その一方で、北京の暗黒政権は裏技を繰り出すかも知れない。
それが「懲罰」という用語である。

【懲罰行動は戦争と違う?】

“中国が制裁で容認に転じた”…と報じられたのは、10日の王光亜の発言からだった。新聞でもTVでも幾度となく伝えられたので記憶している方も多いだろう。
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王光亜は憮然とした表情でこう語った。

「懲罰的な措置は必要だが、適切な内容であるべきだ」

あるニュース番組では「懲罰行動」とも訳していた。英語は聞き取れなかったが、

制裁=sanction ではなく

懲罰=punishment

という言葉を使用したのは確実と見られる。

その2日後にも今度は中共外交部の劉建超報道官が同じキーワードを用いた。
劉は、安保理の適切な決議が事態打開に繋がることを期待する…としながら、「懲罰そのもが目的ではない」と会見で発言。

制裁と懲罰をわざと混同しているようには考えられない。

また、14日には米のボルトン国連大使が決議採択を受けて奇妙な言い回しを用いていた。
「決議は金正日体制に懲罰的制裁を科した」

突然のように「懲罰」という言葉が飛び交ったのだ。

これが大問題なのだ。

なぜか?

1979年2月、中共は突然、12個連隊の大軍をベトナムに侵攻させた。同じ共産国家で国境を接するベトナム北部に地上軍を突入させ、民間人1万人を虐殺した。

「懲罰行動」

この時、中共指導者が使用した言葉である。

戦争でも紛争でもなく「懲らしめた」と言い切ったのだ。
宗主国気取り、とは正にこの事だろう。

【破棄された中ソ軍事同盟条約】

同じく国境を接し、「唇歯の関係」にある北朝鮮に対しても中共は再びこうしたレトリックを用いるかも知れない。
そういう政権だ。

もちろん中越戦争当時、中越は軍事同盟の関係にはなかった。しかし、ソ連とは軍事同盟に相当する相互条約を保ったままだったのだ。

ソ連=ベトナム=カンボジア=中共

この4カ国は微妙な関係にあった。補足しておこう。

ベトナム共産党の後ろ盾はソ連共産党。北ベトナム側には北朝鮮も空軍を送り込んでいたが、北京は是々非々を決め込んでいた。

その裏で、ベトナム戦争中に中共はポルポト凶悪政権へ武器と武官を送り込み、カンボジアの支配を確立していた。
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また平行して、中共はキッシンジャー外交に始まる米国との和解、国交樹立を目指していた。71年のキッシンジャー極秘訪中の後、米中が長い協議の末に国交樹立を果たしたのが、1979年1月のことだった。

同じ月。ベトナムはカンボジアに軍事侵攻してポルポト政権を倒し、ジャングルに追いやる。

子飼のポルポトが敗走したことに激怒した中共が翌2月、ベトナム北部に侵攻したのだ。

分かりやすい構図だが、この時、中共がベトナムに攻め込んだのは、米国へのリップサービスだった。

敗戦ショックに打ちのめされ、ベトナム憎しの思いを募らせていたのがアメリカ国内のタカ派。

彼らは一方で国交を樹立した中共への不信感をあらわにしていた。

そうした米国の世論を一気に逆転させるべく、中共は共産国を攻撃したのだ。米国民に褒められたい一心で戦争を起こした中共の姿勢は卑劣極まりない。

この中越戦争は、3月初めに中共が「撤退宣言」を行って兵力を引き上げ、ハノイも「交渉受諾」を宣言して大規模な2国間戦争には至らなかった。

しかし、これによって中ソ間の軍事同盟条約だった「中ソ友好同盟援助相互条約」はご破算になる。

79年4月のことだ。

中共側が一方的に軍事同盟を破棄したのが真相である。

かつて間接的な戦争をもとに、大国ソ連との重要な条約を一方的に破棄しているのだ。衛星国・北朝鮮に対しては推して知るべしだろう…

このことは、眼前にある中朝軍事同盟の行方を見る時、示唆に富むものではないだろうか。

「懲罰」と叫んで北朝鮮に侵攻し、軍事同盟をウヤムヤにすることは、中共にとって不可能な選択ではないようだ。

                                   〆

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